サンタ娘のプレゼント
by JUNKMAN

クリスマス・イブ♡
世の中では恋人たちが肩を寄せ合い、暖かくもロマンチックな一夜を過ごしている
・・・
・・・
んだろうなあ
・・・
・・・
そんな素敵な彼氏もいない志都美は、夕食を摂ると早々にふてくされ気味に自室に引っ込み、仕方がないので学校の宿題などを始めていた
・・・
あーあ
つまんないの
せっかくクリスマス・イブなんだから、素敵な王子様とキャンドルライトでも見つめながら心ときめいてみたいわ♡
・・・
・・・

「・・・お取込み中のところ恐縮ですが志都美さん、実は折り入ってお願いが・・・」

「お断りします」

志都美はにべもなく断った
この状態の自分にいきなりお願いをしてくる人物など一人しか考えられない

「いや、そんなこと言わず」

はたして虚空から現れたナボコフ王子は両手をすりすりしながらお願いする
志都美は向き直ろうともしない

「嫌です」

「ちょっと、それまるで杏奈さんの芸風じゃないですか。話くらい聞いてくださいよ」

「どうせまたくだらないお願いなんでしょ?」

「くだらないかどうか聞いてみなけりゃわからないじゃないですか」

「聞かなくてもまあ想像はつくけど・・・」

と、ここで最後まで撥ねつけられないのがお人よしな志都美の限界である
結局宿題の手を休めると、ナボコフ王子の方に向き直ってしまった
ナボコフ王子は満面に笑みを浮かべて手にした赤い布を志都美に差し出す

「はい、これがこのたびのコスチュームです」

「はあ?」

コスチューム?
またわたしにエッチな服でも着せて良からぬことを企むの?
志都美は頬っぺたをプイと膨らませてその赤いコスチュームをナボコフ王子につき返した

「やっぱりお断りするわ」

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ。志都美さん、いいからこのコスチュームをよくご覧ください!」

促されるままにコスチュームを広げてみる
・・・
あれ?
これって
・・・

「サンタさんの服?」

「そうですよ、志都美さん、今日は何月何日だとお思いですか?」

12月24日
クリスマスイブ
そんなことわかってるわよ!
わかってるけど知らんぷりしてるだけ
だって、クリスマスイブだからって、一緒にデートしてくれる彼氏がいるわけでもな・・・

「志都美さん、12月24日ですよ!クリスマスイブ、クリスマスイブなんです!忘れてるようじゃいけませんね!皆さん素敵な彼氏と一緒に過ごしておられますよ!ほらほら、そんなことも忘れちゃうくらいだからいつまでたっても志都美さんには彼氏ができないんですよ!」

「・・・」

なんつーデリカシーのなさ
しかもそれを彼女いない歴47年のあんたが言うか?

「・・・彼氏がいなくて悪うございましたね!」

「いや、悪いことはないですけど、でもどうせクリスマス・イブに一緒に過ごしてくれる彼氏さんもいないんですからわたしのお願いくらい聞いてくださる時間もあるわけでしょ?」

「お断りします!!!」

志都美は怒髪天を衝いて拒絶した
さすがのナボコフ王子もその剣幕に押されて尻込みする

「あ、あれれ、お、お気に障りましたか?」

「当たり前でしょ!」

「そ、それは大変失礼いたしました・・・ええと、ええと、それではお願いの件については、はい取り下げます」

「当然ね」

「その代わり、と申しましょうか、その、彼氏さんのいらっしゃらない志都美さんのために、今晩はこの不肖ナボコフが、はい、ここにご同席いたしましょう」

「え?」

「いやいや、ご遠慮なさらず、わたし、こう見えて職業は王子様なんですよ。ねえ志都美さん、王子様とめくりめく一夜を共にする、って、クリスマス・イブの過ごし方としてはベリー・グッドなんじゃありませんか?一緒にキャンドルライトでも見つめながら心ときめいてみませんか?」

「・・・」


待ってよ
・・・
大切な16歳のクリスマスイブを、このロリコン髭メガネの変態中年と二人きりでキャンドルライトを見つめて過ごす?
・・・
・・・
きゃあああああああああああああああ
拷問もいいところだわ!

「志都美さん。お願いの件はもう結構です。忘れてください。じゃ、私も仕事のことは忘れてここでゆっくり・・・」

「やるやる!そのお仕事、やらせてください!お願いします!」

今度は志都美が両手を合わせてお願いする番だ
どんな仕事でもする
クリスマス・イブにこのロリコン髭メガネと二人きりになるくらいならどんなにつらい仕事でもする
志都美はついにナボコフ王子の前に土下座した
その様子を見下ろしながら、ナボコフ王子の口元がかすかにほころんだ

*****

志都美は渡されたコスチュームに着替えていた
お馴染みサンタさんの赤白コスチューム+三角帽子+シルバーのブーツ+白手袋の四点セット
と、いってもケンタの髭おじさんみたいな正統派のサンタさんが着る長袖長パンツではなく、この時期の歌舞伎町あたりでおねーちゃんとかが着てそうな赤いもふもふしたビキニ上乳下乳どちらもまる見え+スカートとして機能しているのかどうかも怪しいマイクロミニスカートという思いっきりエッチなスタイルである
無駄に帽子や手袋やブーツでいらない(?)ところを覆い隠しているものだからその分だけ身体の露出が際立ってしまうというあざといデザインだ
これでほんとにトナカイさんと一緒に橇で雪道を走ったら寒いだろうなあ、などと北国で生活した経験もあるJUNKMANは心配してしまう
でもまあここまでは志都美にも予想の範囲内であった
ところが
・・・

「ナ、ナボコフさん・・・」

「どうなさいました?志都美さん、とてもお似合いですが」

「パ・・・パンツは、ないの?」

「はい?」

「だからどうしてこのコスチュームはスカートの下がノーパンなのよ!!!」

志都美は涙目になって訴える
ナボコフ王子は涼しい顔である

「おやおや、セットにパンツが入っていませんでしたか。それは残念でした」

「残念でしたじゃ済まないわよ!!!わたし、自分のパンツ穿くから!!!」

「いやそれはダメです」

脱いだばかりの自分のパンツを穿こうとした志都美をナボコフ王子は慌てて押しとどめる

「どうして?どうしてパンツを穿いちゃダメなの?」

「いや、志都美さん、これから星間飛行ですからね。ちゃんと特殊処置を施した衣服でないと時空の摩擦で発火してしまいます。火傷しちゃったら大変でしょ?」

「えー?そうなの?」

「大丈夫ですよ、スカートを穿いているんですから、そんなに簡単に中が覗き込まれることなんてありません」

「そうかしらね?」

この言い訳みたいなマイクロミニスカートにそこまで期待することはできないと思う
でも火傷するのは困るしなあ
うーん
気を付けていれば覗き込まれたりはしないかしら

「・・・で、この格好でわたしに何をさせたいわけ?」

「決まってるじゃないですか。クリスマスにこの衣裳ですよ。サンタさんの役です。」

志都美はどんぐり眼を更に丸くした

「え?クリスマスやサンタさんって、地球独特の習慣じゃないの?」

「硬いことは言いっこなしですよ。クリスマスはみんなものです」

「そうなの?」

あんまり納得できないけど、でもそこはさほど気にもならない
問題は別にあった

「で、その、サンタさん役は・・・ほんとにわたしでいいの?」

「はい?」

「いや、だから、もっと、その・・・幼女、とかでなくても」

「ああ、そういうことですか」

ナボコフ王子はにっこり笑って頷いた

「それなら大丈夫です。今回のお仕事はシベール星ではありません。私たちと友好関係にあるコビット星です」

「コビット星?」

「そうです」

「その星の人たちって、やっぱり、その・・・ロリコ」

「コビット星人はど変態ですよ。10歳未満の女の子には見向きもしません。ローティーンですらダメ。それでいて20歳を超えた女性にも人気があったりするんだから、もう何をか言わんやですね」

良かった
そのコビット星人って、シベール星人とは違って真っ当な嗜好の持ち主なのね

「はい、じゃ説明はこのくらいにして、そろそろコビット星に行きましょう。はい志都美さん、このプレゼントの袋を持って!」

「あ、はあい」

志都美がプレゼントのどっさり詰まった袋を背負い込むと、ナボコフ王子は素早くワープの装置をセットした

「はーい、それでは出発ですよ!」

*****

例によって、次の瞬間、志都美は異世界にいた
シルバーメタリックな平原
いや、平原といってもまっ平らなのではなく、志都美の膝小僧くらいまでの高さの突起物があちこちにそそり立っている

「?」

プレゼントを持ったサンタさんがやってきたのだから、大勢の子供たちが喜んで駆け寄ってくるに違いないと思っていた
でも誰もいない
見渡す限り、志都美の膝小僧くらいまでの高さの突起物が立ち並んでいるばかり
でもその突起物自体はピカピカにイルミネーションされててとっても綺麗
これ、どーなっちゃってるの?

「・・・志都美さん、どーなさいました?」

装着したイヤフォンにナボコフ王子の声が響く
あああ、ちゃんとフォローしてくれてたのね

「ナ、ナボコフさん、ここはどこ?」

「どこって、だからコビット星ですよ」

「どんな僻地に連れてきたのよ!」

「何をおっしゃいますか。そこはコビット星の首都・コビットブルグの中心部ですよ。ほら近代的高層建築が立ち並んでるでしょ?」

「そんなのどこにも見当たらないわ!それに首都っていうのに人っ子一人いないじゃない!」

「そんなはずありません。ほら、足元をよく見てください」

足元?
え?
どうして足元を見なけりゃならないの?
・・・
と首を捻りながら足元のブーツの周りをしげしげ眺めてみる
・・・
・・・
あれ?
何か動いてる
ゴマ粒みたいに小さなものがうじゃうじゃと
ああ、いるいる
沢山いる
眼をこらしてみたら、動くゴマ粒はまるでこの平原を埋め尽くしているかのようだ
え?
これって
もしかして
・・・

「ナ・・・ナボコフさん」

「コビット星人のみなさんに気付かれましたか?」

「こ、この人たちって・・・」

「ええ、そうなんですよ。コビット星の皆さんは進んだ文明や高い道徳性をお持ちなんですよ。身体は小さいですけどね」

「・・・きゃあああああああああああああああああああ!!!」

志都美は絶叫を挙げてその場にしゃがみ込んだ
イヤフォンにはナボコフ王子の声が響き続ける

「・・・あれあれ?どうなさいました?コビット星の皆さんの身体が小さいので驚かれたのですか?うーん、志都美さん、それは読みが甘すぎですね。読者の皆さまには『コビット星』というあまりにもイージーなネーミングだけでもう展開バレバレだったと思うんですけどねえ・・・」

*****

地球人の1/1000サイズしかないこびとの惑星コビット星
首都・コビットブルグは政治経済文化の中心で大勢の人々が集まる花の都
そんな大都会のど真ん中にいきなり千倍サイズの大巨人娘が露出バリバリのサンタコスチュームで現れたのだ
しかもその大巨人娘、決して太りすぎというわけでもないけどぷにぷにしただらしなけしからん体型で、しかもしかも上下ハミ乳上等のけっこうな巨乳である
しかもしかもしかも露出も露出、なんとノーパンである

「!!!」

状況がよくわからないながらも取りあえずコビット星人たちは固唾をのんで上空を仰いだ

*****

「きゃああああああああああああああああああ!!!」

志都美はプレゼントの大袋から両手を放すと、膝を抱え込んで蹲った
当たり前である
だってこのコビット星人は1/1000のこびと
そうでもしなければ足元から見上げるこのこびとたちにノーパンの股間を隠す方法がない
いや、厳密に言えばこの蹲ったスタイルでも全然隠せてはいないのだが、それでも立ったスタイルよりは随分ましなはずだ
しかし、いつまでもこのポーズを続けていられるはずもない
早速、イヤフォンにナボコフ王子からの突っ込みが入った

「志都美さん、どうなさいました?そんなことしてたらプレゼント配りのお仕事はできないでしょ?」

「できるわけないでしょ!わたし、ノーパンなのよ!プレゼント配るために立ち上がったら、このこびとたちにスカートの中覗かれ放題になっちゃうじゃない!」

「そ、それはまあそうですが・・・」

「は!もしかしてそれが狙いなの?もしかしてこのコビット星のこびとたちってドえっちで、わたしのノーパンを下から覗き見するためにわざわざこんな仕事を依頼したとか?」

「・・・志都美さん・・・それは違いますよ」

「え?」

「今回のお仕事はコビット星からの依頼ではありません。わたし、この不肖ナボコフが、コビット星のために志都美さんにお願いしたのです」

志都美は困惑した
ナボコフ王子の声のトーンが、いつもと違って深刻感に満ち満ちていたのである

「・・・このところ、コビット星は災難続きでした。元々は平和な星だったのに、些細なことから民族間の争いが起き、やがてそれが取り返しのつかない大戦争を招いてしまった。大きな犠牲が払われた末、ようやく講和が結ばれたと思ったら、今度は地震・洪水・火山噴火など天災のオンパレード。そんな中、故郷を奪われ、大勢の親族や友人を失くした人々を鼓舞し、心の支えとなった一人の国民的アイドルが登場したのです。」

「・・・」

「ところが、あろうことか、つい先日、その国民的アイドルが事故で急死してしまった。」

「え!」

「コビット星の国民は絶望のどん底に叩き落されました。もはや夢も希望もない。この荒廃した星を再興する気力もなく、打ちひしがれてしまったのです」

「そんな・・・」

「そこでわたしは友好的関係にあるこのコビット星の皆さんを勇気づけるために、志都美さんにサンタの役をお願いしたのです。なぜならば、その急死したコビット星の国民的アイドルとは、志都美さん、あなたに生き写しだったのですよ!」

「!!!」

「志都美さん、あなたが抱えてきたその大きな袋。中にどんなプレゼントが入っているかおわかりですか?」

「?」

「『希望』・・・です。シベール星の最先端の科学を駆使して、その袋の中に『希望』を充填してきました。このコビット星の皆さんに、いまいちばん必要なものは『希望』です。志都美さん、あなたは亡くなってしまったこの星の国民的アイドルに成り代わって、巨大なサンタ娘として、絶望にあえぐこの星の人々に『希望』をプレゼントするんです。志都美さん、お願いです。この星の人たちを救ってあげてください!」

がああああああああああああああああん
・・・
・・・
志都美は自分の思慮の浅さに打ちのめされていた
今回のお仕事にはそんなに深い意味があったのか
・・・
恥ずかしい
ナボコフさんやコビット星の皆さんをちょっとでも疑ってしまった自分が恥ずかしい
たかだかノーパンが覗かれてしまう程度のことですくみ上ってしまった自分が恥ずかしい
頑張ろう
わたしが頑張ることで救われる人たちがいる
わたしの頑張りを待っている人たちがいる
配るんだ
サンタ娘として、このコビット星の皆さんに『希望』という名のプレゼントを配るんだ

「よし!」

志都美は大きくうなずくと、背後の白い大きな布袋に片手を入れた
さらさらとして冷たい
これが『希望』の肌触りか
一掬いすると、周囲に向かって撒いてみた
白銀色の粉が日差しを浴びて眩しく輝く
・・・
うん、これは本当に『希望』かもしれない
シベール星の先端科学に間違いのあるはずはない
それならもっと遠くまで広く『希望』を撒こう
白銀色の粉をもう一掬いして立ち上がった時、推測は確信に変わった
志都美を取り巻く雰囲気がさっと変わったのだ
それまで元気のなかった足元のコビット星人たちに、急に活気が出てきたのだ
間違いない
さっき撒いた『希望』が効果を現したのだ

「コビット星の皆さん・・・」

立ち上がった姿勢のまま、志都美はコビット星人たちに向けてスピーチした

「今日はクリスマスです。わたしサンタ娘が、皆さんにプレゼントを持ってやってまいりました。プレゼントは『希望』です。この『希望』が、みなさんの力となって、お役に立てることを心から望んでいます。皆さん、どうぞ受け取ってください。」

志都美は手にした『希望』を高く、遠く、広く、コビットブルグの大地に撒いた
歓声が湧き起こった
人々が勇気づけられた証拠である歓声が湧き起こった
人々の声は志都美自身をも勇気づけた
志都美は撒いた
志都美は『希望』を撒き続けた
いつしか下乳もろハミであることも忘れ
ノーパンもろ見せであることも忘れ
大都会コビットブルグのど真ん中で巨大なダイナミックバディを豪快に見せつけながら踊るように『希望』を撒き続けた
コビット星の人々は湧き上がる歓声でこれに応えた
・・・
そして最後の一掬いを空に撒き上げた後、巨大なサンタ娘の姿はコビットブルグから静かに消えていった

*****

勉強部屋に帰還した志都美は興奮冷めやらないままに今日の出来事を反芻していた
・・・
・・・
なんて素晴らしい体験だったのかしら
わたしは、あの絶望のどん底にあったコビット星の皆さんに、大切な贈り物を届けてきたのよ
それは希望
打ちひしがれたコビット星の皆さんが、この希望を胸に、力強く立ち上がってくれたらいいな
そうなってくれたらわたしとっても幸せ♡
うん
コビット星に行ってきて、ほんとうに良かったわ
「ノーパンで恥ずかしい」なんて、枝葉末節にこだわっていたわたしが恥ずかしい
そんなことを超越した大きな愛にわたしは目覚めたの
うふ
素敵なクリスマス・イブ♡
こんなチャンスを与えてくれたナボコフさんにも感謝しなくっちゃ!
・・・
・・・
・・・

*****

「・・・ナボコフさん、素晴らしかった。期待以上のものを見せていただいた。本当に素晴らしい」

「あああ、お気に召していただけましたか。それはなによりでございます」

「わたしばかりではありませんよ。このコビット星の国民はみんな大興奮だったんじゃないですかね。なにしろ今回のサンタ娘は乳がでかい」

「はいはい、コビット星の皆さんはああいう乳がお好みと伺いましたのであのお嬢さんをスカウトしてまいった次第です。我々には全く理解しがたい嗜好ではありますが・・・」

「まあ乳がでかいだけでなく愛嬌のある可愛げな女の子でしたな。誰かに似てる、ってことはありませんでしたけど。」

「そうですか」

「それだけではないですよ。ノーパンを惜しげもなく曝け出すあの豪快なサービスぶり。あれはいったいどういうわけなのですか?」

「別に曝け出せと指示したわけじゃないんです。あの袋の中の雪を撒け、と」

「雪?あの細かな氷の結晶ですか?あんなものになにか効果でも?」

「特にないんですけどね、でも雪を撒くためにお嬢さんが立ち上がったら皆さん興奮してくださったじゃないですか」

「だって固唾をのんで見守っていた状態からいきなりモロ見えモードになったんですから、そりゃあ歓声も上がりますよ。その後はもうノリノリで、我々にしたら1000倍の可愛い巨大娘がノーパンはみ乳でどーだ参ったか?とばかりに大迫力の見せまくりショー。どうしちゃたんでしょうかね?あの娘、実は露出狂ですか?」

「いやいや、そんなことはないはずですが」

「そうですか?いま一つわかりませんな。ま、いいでしょう。それにしても我々コビット星人は幸せ者です。この星には争いもなく、災害や事故らしい事故もない。人々はみんな希望に満ちた生活をしている。その上で他星の方がわざわざお出でになってこんな素晴らしいものを見せて下さるのですからな」

「ははは、で・・・例の件については?」

「もちろんOKですとも。われわれもこんな素晴らしいごアトラクションを提供してくださったナボコフさんに手土産の一つも持たせない訳にはまいりません」

「ということは?」

「わがコビット星で産出される宇宙随一の高品質プラチナ鉱石、シベール星さんに最優先で輸出することといたしましょう」

「有難うございます!有難うございます!重ねて有難うございます!」

ナボコフ王子はモニターに映るコビット星大統領に向かって何べんも何べんも頭を下げた

*****

志都美はベッドに潜りこむと、にっこりと笑みを浮かべながら目を閉じた
充実感あふれるクリスマス・イブ
まだその余韻に浸っている
世界は良いヒトばっかりだ!
・・・
・・・
・・・
そんな志都美が今日の真相を知ることは未来永劫あるまい
ああ彼女に本当の幸せがやってくる日は果たしてあるのだろうか?
ホンモノのサンタさん、そこんとこ、よろしくお願いしますよ

サンタ娘のプレゼント・終