放課後のグラウンドは、色々な運動部が部活動に勤しんでいる。
校舎に近い場所では男女バレー部が、グラウンドの半分をサッカー部が、もう半分を野球部が、ここからは見えないがテニスコートではもちろんテニス部が、体育館では・・・今日はバスケ部とハンドボール部だったかな?
などと思いながら、帰宅部の僕はボーッとグラウンドの片隅にいるラグビー部の辺りを眺めていた。
けっこうガタイのいい連中が、ボロボロになった体操のマットを片面に貼り付けた板を渾身の力を込めて押している。スクラムの練習中だった。でも、その板は彼らが顔面を真っ赤にして必死に押しても1mmも動かない。
そりゃそうだろう、板は校舎の壁にでもくっ付いてるんだから動くわけがないじゃんか。と思うのは、ごくごく一般的な読者だろう。当然ここの読者は板の反対側に何があるかはおおよそ予想がついているはずだ。

「は~い、3分経過~。」
板の向こうから聞こえた女子生徒の声に、今まで必死に押していた連中がその場にヘナヘナと倒れこんだ。四つん這いになって肩で息をしているもの、あおむけにひっくり返っている者と様々だが、全員が疲れ切っている。
「ちょっとぉ、まだ3セット目だよ~。もうへばっちゃったの?」
板の反対側にいた由乃が半ば呆れた顔で全員を見下ろしていた。しかもしゃがんで、片手は今までラグビー部が必死に押していた板に軽く手を添えて・・・にしか見えないほどの余裕の表情だ。
「あんたたちがあまりにも真剣にお願いするから付き合ってあげてるんだからね~。」
由乃は縦1m横2mのマット付きの板をひょいと掴み上げると、うちわ代わりにしてパタパタとあおいでいた。身長18mを少し超えるくらいの巨大女子高生にとっては少々小さめのうちわというところだろうか。
「1分経ったよ。休憩終了だけど、まだやる?」
よろよろとひとりの男子生徒が立ち上がった。ラグビー部長だ。3年のかなりガッシリした体格だが、由乃から見れば人形程度でしかない。
「お・・・おう!お前ら、いくぞっ!」
その声に全員が何とか立ち上がり、彼らの目の前に再び降ろされた板に向かってスクラムの形を作っていく。由乃は『へ~、がんばるじゃん。』という顔で、さっきと同じように反対側に右手を添えた。
「おっけ~、いつでもいいよ~。」
ドスンッ!スクラムの態勢のままマットに突っ込むラグビー部員の壮絶な3分間がまた始まった。

僕は由乃の肩に乗っかって、首につかまっている。由乃は僕と足元に注意を払いながらゆっくりと歩いていた。
「結局5セットで終わりかぁ。でも頑張ったほうかな。」
5セット目が終わった時点で彼らが押してくる力が急に弱くなったので、由乃が「今日はここまでにしよう。」と一方的に宣言したのだ。
「それにしても、ラグビー部も無謀だよなぁ。いくら2年連続県大会準優勝だからってさ。」
「それだけ今年は優勝したいんじゃないの?押しが弱かったら押し返してもいいって言われてるし。それで怪我するようなら諦めるって先輩が言ってたからさ。」
マジか!?そんなことしたら最悪死人が出るぞ!でもそれだけ彼らも真剣なんだろうなぁ。これが県大会が始まるまで続くのか。はたして彼らの身体がもつのだろうか?
そんなことを考えていると、不意に由乃の動きが止まった。
「ねぇ、それよりなんか疲れちゃった。アイス食べようよ!アイス!」
しゃがんで片手で板を押さえてただけでどこがそんなに疲れるんだか。。。だが、由乃の足はズンズンとショッピングモールに向かっていた。

ある意味由乃はちょっとした有名人だ。特に女の子が好きそうな食べ物を置いてある店はほとんどがいつもの数+500人分くらいの在庫は用意している。今日のターゲットのアイスクリームショップは、
店の前に大きな影が落ちかかった数分後には、冷凍庫のアイスの半分以上が綺麗さっぱり消えてなくなっていた。
由乃が片手に直径1mのアイスクリームが山盛りになったたらいを乗せ、ショッピングモール本体の建物に近づくと、屋上に見知った顔が並んで座っている。4階建てのショッピングモールは
天井高があるとはいえ、それでも身長18mの由乃の肩くらいの高さだからちょうど屋上を見る形になるのだ。
「やっほぉ!お待たせ~。」「由乃ちゃん、おつかれ。」
なんだ、待ち合わせしてたのかよ。そう嘯く僕のことは全く気にせずに金網の上から空いてる手を伸ばし、3人が掌に乗るとそのままいつもの場所へ・・・その時だった。
「へ?うわっ!!!」
左肩の上に乗っていた僕は、由乃が手を引っ込める時の肩の動きについていけずバランスを崩してブラウスの壁沿いに真っ逆さまだ。この高さだと下手したら骨折・・・にはならなかった。
とっさに掴んだ何かのおかげで、僕は宙ぶらりんになっていたのだ。
「ちょ・・・ど、どこ掴んでんのよっ!」
思わず由乃が周りの迷惑を顧みずに声を上げたのも無理はない。僕は由乃のブラウスのポケット、つまり大きく膨らんだ左胸にぶら下がっていたのだから。
しゃがんだ由乃が同級生たちを降ろした後、僕は親指と人差し指に胴体を挟まれて由乃の目の前に吊るされていた。
でも、恥ずかしそうな顔で「ばか・・・」と比較的小さな声で言われてやや乱暴にほかの女子たちの横に降ろされただけで、特にお咎めは無かった。

小一時間の女子同士のおしゃべりに付き合った帰り道、僕はまた由乃の肩の上だ。たらい一杯のアイスクリームを平らげ、由乃は少々ご機嫌である。
「そうだ。うち寄ってってよ。」
「なんで?」
僕の素っ気ない返事に由乃の機嫌が少し悪くなった。
「あのさ、あたしたち付き合ってるんだよね。だったら、彼女の家とか行きたくないの?」
だって何回も行ってるしなぁ。特に由乃の場合、女の子の部屋に行くっていう感動が薄いんだよな。いや、部屋の雰囲気は間違いなく女の子なんだけど、何というか・・・その・・・
全てがでかいのだ。冷静に考えれば当たり前なのだけど、かわいいぬいぐるみでも10倍でかいと見え方が変わってしまうんだよなぁ。
「ふ~ん、彼女の部屋にもあんまり興味がないんだぁ。」
「そうじゃなくて、もう何回も行ってるじゃんか。」
何か言葉を探していたところに追い打ちをかけられたので咄嗟に言ってしまったが、事実だから仕方がない。
「そうだけどさぁ・・・そう言えばさ、あたしの胸、どうだった?」
今日は諦めかけたと思ったら、全然違うことを言ってきやがった。というか、今日のあまり触れてほしくない恥ずかしいひとコマ・・・さっきさんざんネタにされたというのにか・・・
「いや、その、なんだ。。。って、みんな見てるじゃんか。ふつうこんなとこで言うか?」
通りかかったおばさんは、「最近の若い子は・・・」みたいな顔して通り過ぎていくし、いかにも暗そうな大学生風のお兄さんはチラチラと由乃の身体を見上げているし、
今の不用意な発言を完全に勘違いしているとしか思えない。
「だってぇ、気になるじゃん。じゃあ、私の部屋で話してよ。」
足は完全に由乃の家に向いている。完全に行動と会話の主導権を握られて、僕は由乃の肩の上でなすすべもなく座っていたのだった。

由乃の部屋は広い。住んでいる人間のサイズを考えれば当然だが、とにかく広い。何でもサッカーグラウンドに匹敵する広さらしい。よくこんな場所があったと思って聞いたことがあるが、
以前はそれなりの規模の工場だったそうだ。ただ、この部屋、今の由乃を基準にしてもかなり広いし天井高も相当なもので、「あと2倍くらい大きくなっても大丈夫」らしいのだが、
今の2倍ってウルトラマンサイズじゃんか!というか、入学からたった3ヶ月で2倍以上大きくなっている事実を考えれば、あとどのくらい大きくなるか見当もつかない。
遠足の帰りに由乃が予言というか予告したとおり、もう電車には乗れない。それどころか、電車の屋根を思い切り踏みつければ潰してしまえそうな大きさと重さになっていた。
そんな部屋の中はサイズを除けば普通の女の子の部屋だ。壁はシンプルな暖系色で統一され(ところどころムラがあるのは由乃が塗ったからだが)、クローゼット、サイドボード、ベッドが
並んで置いてある。部屋の反対側には学習机、僕は今この机の上で、これまた特大サイズのシャワールームで着替えている由乃を待っているところだ。

ガチャリとドアが開いて由乃が姿を現す。ここからだと全身が見えるのだが、やっぱスタイルいいよなぁ。。。と、Tシャツと短パン姿の由乃が近づいてくるのを少し呆けて見とれていた。
「ふぅ~、最近またブラがきつくなってきちゃってさ~、やっと解放された感じ~。」
両手を真上に伸ばして大きく伸びをすると、ググッと大きな胸が上を向いていき、Tシャツの胸の山頂付近が・・・盛り上がってる?ひょとして・・・
「あの~、由乃さん?ひょっとして、ノーブラ?」
机の前の椅子にどっかりと座った由乃に、目の前に降臨してフルフルしている巨大な胸から目を離せない状態で聞いてみた。
「気が付いた?小滝君もエッチだね~。」
笑いながら話す由乃のフルフル揺れる胸元にもう視線は釘付けだ。そこに馬鹿でかい手が現れて、僕はあっという間に強靭な万力に鷲掴みにされていた。
「おっ!」
手の中の何かの感触に気が付いたらしい由乃は、僕を掴んだままベッドに移動して胡坐をかくと、ベッドの上にドサリと落とされた。
「いてぇなぁ・・・ほぇ!?」
見上げれば薄茶色の絶壁のような短パンが目の前にあり、その上には薄いイエローのTシャツの裾を持っている由乃がはにかみながら僕を見下ろして、
「服越しだとわかんないでしょ?生の感想が聞きたいなぁ。」
そんなドキドキものの台詞と一緒に、特大サイズのTシャツが宙を舞っていた。

仰向けになっている由乃のちょうど下乳の谷間付近に僕は降ろされていた。服越しでこんな感じで身体に乗せられたことはあったが、直接は初めてだ。
仰向けなので少し重力に負けているのか特大サイズの鏡餅のような胸の高さは、それでも僕の身長くらいはありそうで、間違いなく全身すっぽり挟まれそうなほどだ。
「ねえ、触ってよ。一応大きさと形は自信あるんだけどなぁ。」
「お・・・おう・・・」
促されるように左胸に左手をあてて少し押してみると、簡単に押し返されてしまった。柔らかいけど弾力があるのか。でも、これを揉めって言われても無理っぽいよなぁ。
その時、何となく煮え切っていない僕に痺れを切らした由乃が両手を胸の横に移動させると、
「それだけじゃわかんないでしょ!」
ムギュッ!!!瞬く間に左右の壁が移動して、僕は逃げるまもなく乳肉の間に挟まれてしまった。
ぐぇぇ・・・半端じゃない圧力に全身が締め上げられる。これ、胸じゃなかったらペシャンコに潰れてるんじゃないか?くらいの力だ。それをわかっているのか、
「どう?全身パイズリ。さっき小滝君のアソコ元気だったもんね~。もっと感じさせてあげる~」
やっぱりばれてた。さっき掴まれた時に一瞬怪訝な顔してたもんな。いや、それより今は何とか脱出しないと、マジで・・・死ぬ・・・
息をするのも辛くなってきた。おまけに由乃はなにやら遊んでいるらしく、胸の壁がグニグニと動いてその度に手足がもぎ取られるんじゃないかと思うほどに引っ張られたり
戻されたり。とにかく手足を一生懸命動かそうとするが、圧倒的に強い壁の動きに翻弄されるばかりでどうにもならない。そのうち酸欠に近い状態になってきた。。。

由乃も僕の異変に気づいたらしい。谷間で必死にもがいているのが可愛いと思ったようで、挟んだまま胸を上下左右に動かして反応を見ていたようだが、急に無反応に
なったことに気付いて両手を離して谷間を開放したのだ。
僕はその場に倒れこんで「こ、殺す気か・・・」とだけ言い残して気絶したらしいのだが、そのあたりの事はほとんど覚えていない。
「参ったなぁ・・・本当に小滝君が欲しくて止まんなくなったらどうしよう。。。」
由乃にとっては他愛もないじゃれあいも、相手にとっては命がけになってしまうわけで、そこはもう充分に手加減していただくしかないのだが、そんなことできるのだろうか?
いずれにせよ、由乃は少し欲求不満状態で僕を胸の谷間にそのまま乗せたまま、気が付くのを待っていてくれた。

小一時間ほどして気が付いたら、由乃は上半身裸のままで漫画を読んでいた。(もちろん市販の漫画本を拡大コピーしたものだ)
「あ、やっと起きた~。ごめんね~、疲れちゃった?怪我とかしてない?」
「ん、ああ・・・」とだけ答える。だって、目が覚めても左右のおっぱい山が揺れてるんだもの。気になって仕方がない。
「つくづく私って馬鹿力なんだねぇ。これ以上大きくなったらヤバイよね。。。」
「でもさ、俺が体力ないだけかも知れないよ。」
「へぇ~、優しいね。でもさぁ、ラグビー部全員相手にしても片手だけで全然余裕なんだよね~。それでも私のこと好きでいてくれるの?」
「そうだなぁ、軍隊相手にしても余裕勝ちするくらいでかくなっても、由乃のことが好きだよ。」
少しカチンときた由乃に足を摘まれて顔の上で逆さ吊りにされてしまった。
「もうっ!ふざけないのっ!」「はい・・・」
とは答えたものの、本当に軍隊を玩具扱いするくらいでかくなったらどうするんだろう?少し怒ったような顔の由乃を下に見て、その先のピンク色の頂のおっぱい山の向こうに
戦車部隊がずらっと並んでいる光景を想像してしまう僕だった。