スーパーお手伝い!

「まさか3倍以上大きくなると思わなかったなぁ。。。」
体操着姿で体育座りで座っている6年生になった由紀の横には、胸元にも届かない高さの4階建ての校舎がある。その屋上にいる保健の先生から身体測定の結果を聞かされていた。
「92mかぁ、100mオーバーは確実だよねぇ。やっぱりママくらい大きくなっちゃうのかなぁ。」
そう呟いて見下ろす胸元は、5年生の時よりも相対的に確実に大きくなっていて、通常サイズに換算してもDカップはありそうだった。
もちろん力も桁外れだ。ちょっとしたオフィスビルならあっという間に破壊してしまえるし、サイズが15m近くある足は軽く踏みつけただけでダンプカーでもペシャンコにできる。
というより、ダンプカー程度なら握り潰すことだって簡単にできるだろう。
小学校高学年から中学にかけて爆発的に成長するとは聞いていたが、改めて数字を見ると少し凹んでしまう由紀だった。

翌朝、土曜日なのでゆっくり寝ていた由紀はスマホの呼び出して目を覚ました。
握り潰さないように注意しながら画面のロックを解除すると、「かんとく・・・さん?」何だろうと思って電話に出てみる。
監督さんとは5年生の時にビルの解体を手伝った時の現場監督だ。あれから、月に1回くらい色々な解体工事を手伝ったりしているのだ。
ただ、由紀の成長があまりにも激しすぎるので、この前の3階建ての小さなマンションの解体などは由紀が鷲掴みにして引っこ抜いて、「持って帰るね~」と言って即終了してしまったが。
電話の向こうからは、監督の悲痛な叫び声がいきなり聞こえてきた。
「ど、どうしたの?」
「ゆ、由紀ちゃん?助けてっ!か、怪獣が・・・」プツッ・・・電話が切れる。
怪獣?まさか怪獣に襲われてるの?大変っ!由紀は慌てて着替えてスマホの画面を見る。監督はGPS機能をオンにしていたのでだいたいの居場所はわかった。
「海沿いの工業地帯かぁ。」由紀の足なら家から5分ほどだ。走れば1分なのだが足元が大惨事になってしまう。それでもなるべく早歩きで行かなきゃと思い、焦って家を出た。

途中、車を何台か足に引っ掛けたが、たいした被害も出さずに3分で工業地帯に到着した。足元を見ると、小さな人たちが海の方から走ってくるのが見える。そこに手をおろして、
由紀は何人かを軽く摘まんで掌に乗せた。
「怪獣って、どこ?」
突然巨人に捕まって掌に乗せられた3人の作業員は、もうパニック状態だ。しかも顔の高さまで上げられ、鬼の形相で見つめられているので、あまりの恐怖に誰も声が出ない。
「もうっ!早く言ってっ!」
そのうちの一人が何とか腕を上げて港湾部の倉庫街を指さした。由紀もそちらの方を見ると確かに煙が上がっている。
「わかった。ありがと!」
それだけ言うと、3人を足元に転がして、「走るから道の真ん中空けてね~っ!」そう叫ぶと、倉庫街に向かって走り出した。
ジェット機並みのスピードで92mの巨体が走る破壊力は凄まじい。直撃されればもちろんペシャンコ、されなくても衝撃で車も人も簡単に宙を舞ってしまう。しかも、着地の衝撃で
建物の壁は崩れ、窓ガラスはすべて粉々に粉砕され、街路樹はなぎ倒されるのだ。もし、由紀が繁華街で走ったりしたらそれこそ大惨事になってしまうだろう。
向かってくる人も車も少なくなってきているのでできることだった。

膝にも届かない倉庫を見下ろすが、怪獣の姿は見えない。仕方がないので由紀は煙が上がっている場所に倉庫をまたぎ越しながら近づいて行った。
すると、海の方に何か動くものが見える。
「あ・・・あれかぁ。おっきいなぁ。」
怪獣の体高は目測で由紀とほぼ変わらない。だが、水深を含めれば由紀より一回り以上は大きそうで100mは超えているだろう。
その二足歩行型の怪獣の後ろ姿の先には海沿いに広がる公園やマンション群などが見える。そして、その向こうから軍隊が怪獣を攻撃しているようだ。
たぶん、攻撃している相手にしか注意が向いていないはずなので、由紀はなるべくゆっくりとした動作で監督たちを探すことにした。その時、
「由紀ちゃ~んっ!」人の声がする。そちらを見下ろすと、いた。何人かが両手を大きく振っている。その中に監督の顔や見知った作業員の顔も見えた。
「何やってるの?今なら余裕で逃げられるじゃん。」
由紀は作業員たちの目の前でゆっくりしゃがみ、膝の上から覗き込む。怪獣の注意は完全に他に向いているのだからすぐ逃げられると思うんだけど。そう思ったのだ。
「実は、怪獣の地響きで、ひとり閉じ込められちゃったんだ。声はするから無事だと思うんだけど、重機が何もないからどうにもなんなくて。。。」
監督の泣きそうな声。仕方がないなぁ、と思って倒壊しかかっている5階建てのビルにそっと手を添えた。
「これで倒れないでしょ。中の人に5階まで上がれるか聞いて。」
監督が変形した鉄製のドアに向かって何か叫ぶと、振り返って両手で大きく丸を作った。
由紀が屋上をベキベキと引きはがして待っていると、階段からひとりの作業員が上がって来た。それを指先でそっと摘まんで地面に下ろす。
「これ、危ないから潰しとくね。」
全員を後ろに下がらせ、もう一度片手を屋上に乗せると、そのまま一気にグシャッ!とビルを丸ごと圧し潰した。
「これでいいよね。ん?どしたの?」
監督は尻もちをついていたのだ。由紀の力のあまりの凄さに腰を抜かしてしまったらしい。
「ゆ・・・由紀ちゃん・・・凄いっ・・・」
「あっ、そっか。普段は本気出さないからね。びっくりしちゃった?最近はダンプカーも余裕で握り潰せるようになったんだよ。今度見せてあげるね。」
笑いながら掌を降ろし、全員に乗せるとなるべく揺らさないようにゆっくりと立ち上がった。
「由紀ちゃんだったら、あの怪獣に勝てるんじゃないの?」
全員の視線の先には、海沿いの公園に上陸しようとしている怪獣の後ろ姿がある。
「ちょっと無理かなぁ、かなりでっかいからね~。うちのママだったら勝てると思うけど、今日いないんだよね。あ、そうだ。」
そう言うと、由紀はショートパンツのお尻のポケットからスマホを取り出し、片手で器用に操作を始めた。

怪獣はついに上陸を果たし、住宅街を蹂躙しながらゆっくりと街の中心へと向かっている。軍も必死の防戦だが、間断ない攻撃に怪獣は
時折足を止めるものの、追い返すには至っていない。だが、港湾部の先のコンビナート群の破壊という最悪の事態は逃れられたが、
このままでは市街地が壊滅してしまう。何とか横切っている鉄道までで食い止めたいと踏ん張っていた。
「あ、あの子の母親はっ!まだ連絡が取れんのかっ!?」
軍首脳も同じことを考えていたらしい。怪獣の向こうに見える巨人の少女の母親、この怪獣の4倍近い彼女なら最悪でもなんとか追い返してもらえる。
そう思うのも無理はないだろう。だが、部下からの答えは期待とは全く反対のものだった。
「れ、連絡がつきません。。。」
だがそれで怯む司令官ではない。
「市民の避難範囲を拡大しろっ!ここからさらに半径10kmを全域避難だっ!それまで何としても食い止めろっ!」
「はっ、はいっ・・・って、あ、あれ・・・なに?」
目を見開いたまま固まっている部下を叱ろうとする司令官が改めて怪獣の方を見た時、全く同じ表情で固まってしまったその視線の先には、
近づいてくる怪獣よりも遥かに巨大な、まるで山のような、いや、山なんかよりも巨大な人間がゆっくりと歩いてくる姿が、視界いっぱいに広がっていた。

「あ、来たっ!」
由紀の笑顔とは裏腹に、作業員たちの笑顔は思い切り引きつっていた。由紀のママとは比べ物にならないほど巨大な女の子が、湾内に入って来たのだ。
水深数十mはあるはずなのに、女の子の裸足の足指を濡らす程度でしかないので、歩を進めるたびに水柱が数百mは跳ね上がっている。
もし、近くに船がいたら、どんな大型船でもひとたまりもなく沈没してしまうことは疑いない。
しかも歩を進めるたびに、ショートパンツから伸びた健康的な太ももがフルフルと揺れ、丸みを帯び始めた巨大なヒップも左右に大きく揺さぶられている。
圧巻は白いTシャツを引き千切らんばかりに突き出した巨大な胸がユッサユッサと大きく揺れているのだ。
作業員たちだけでなく、彼女の姿が視界に入るすべての人がその巨体を見上げて男性のほとんどは色々な想像をして股間を熱くさせ、女性はその豊満な
身体つきと自分の身体を見比べてため息をつく者が続出したようだった。
「びっくりした?あの子、亜樹ちゃんって言うの。この前転校してきたんだけど、大きい女の子同士だからすぐ仲良くなっちゃった。」
監督も固まったまま声が出せない。
そのどれだけ巨大なのか見当もつかないほどの超巨大少女、亜樹ちゃんが倉庫街まであと一歩ほどの場所まで足元を気にしながらゆっくりと近づいたところで、
やはりゆっくりとした動作でしゃがみ込むのを、由紀を除く全員が固唾を呑んで見つめていた。

「由紀ちゃん、怪獣さんって?」
しゃがみながら超巨大少女が由紀に話しかける。その屈託のない一言が、その音圧だけで地面を大きく揺さぶり、壊れかけている建物や倉庫に止めを刺す。
「んっとね、あそこ。」
亜樹は、由紀が指さす方向に少し上体を向けてみると、ちょうど膝の上に位置していた巨大な膨らみが、ヴォンッ!という唸りを上げて大きく揺れた。
視界を埋め尽くすそんな光景を見ていた作業員たちは、ただただ見上げるばかりで身動き一つできないでいた。だが本当の驚愕はまだ始まっていない。
亜樹が右手を伸ばして摘み上げたのは、なんとあの体長100mはある大怪獣だったのだ。それがまるで虫のように親指と人差し指の間に挟まれていた。
「す・・・げぇ・・・」
監督もそういうのが精いっぱいだ。そしてそれ以上に驚きを隠せなかったのが、たった今まで怪獣と対峙していた軍隊だった。

超巨大な少女が、あどけなさの残る顔とは不釣り合いなほど巨大な胸をTシャツ越しにユッサユッサと揺らしながら歩いてきたかと思うと、
急に立ち止まって横を向いてしゃがむ姿を、彼女が一歩進むたびに大きく揺れ動く地面に翻弄されながら唖然として見上げていた。
ゴクリと息をのむ兵士たち、司令官はその場にへたり込んでいる。怪獣も自分の身体さえ揺り動かされるほどの地響きにその足を止め、辺りを見回していた。
そして、倉庫街にいた巨人の娘と何か話した直後、その超巨体がグイッとこちらを向いたかと思うともの凄い勢いで伸びてきた右手が怪獣の周りに途方もなく巨大な
影を作り、ズドンッ!と怪獣の両側のいくつかのビルを簡単に押し潰した親指と人差し指によって、自分たちがいくら攻撃してもその歩みを止めなかった大怪獣を
瞬く間にはるか上空に持ち去ってしまったのだ。司令官の脳裏に超巨大少女>>>怪獣>軍隊という絶望的な力関係が浮かんでは消えていた。

「この怪獣ちょっと大きめだね。由紀ちゃんより大きそう。」
亜樹は摘まんだ怪獣を目の前まで持ってきて由紀の方に向き直っていた。身長5000mを超える亜樹にとっては、100mほどの怪獣は小指より少し小さいくらいだが、
それでも足元にいる大事な友達より少し大きく感じていた。
「そうだねぇ、亜樹ちゃん来てくれてよかったよ。」
「当たり前だよ。それに、こびとさんたちも喜んでくれるかなぁ。。。」
「喜んでるってよりビックリしてるかなぁ。」
由紀が掌を上げて作業員たちを覗き込むと、全員が一様に茫然自失といった感じでその場に座り込んでいる。
「へ?こびとさん、いるの?」
少し驚いた表情になる亜樹。だが、本当に驚いたのは作業員たちの方だ。指先の力が少し緩んだのか、怪獣がするりと落下していったのだ。
両手足をばたつかせながら落ちていく怪獣は、真下で突き出していた山のように巨大な亜樹の右胸に引っかかるようにしてしがみ付いたのだ。
「すげぇ!虫みたいだ。」
「怪獣も大きいおっぱい好きなんだねぇ。」
由紀が笑いながら言うと、「もうっ!」と少し頬を膨らませながら亜樹は右手で怪獣を払い落とした。そう、亜樹の感覚ではただ「払い落とした」だけなのだが・・・
標高500m以上はあるおっぱい山に必死にしがみついていた怪獣は、巨大な右手でピシャリと叩かれ、ついさっき上陸した運河の一角に超高速で
叩きつけられたのだ。その衝撃は凄まじく、叩き込まれた場所を中心に半径300mほどが地面も含めて完全に抉られて、さらに1kmほど先までのすべての
建物や乗り捨てられた車両のほとんどが爆風で吹き飛ばされたのだ。
怪獣自身は、超巨大少女に叩かれた瞬間には半身が完全に潰され、岸壁に叩きつけられてその巨体のほとんどがグチャリと潰れてそのままめり込んでいた。
「やっぱすっごいねぇ!」
由紀は岸壁を抉った場所の中心に貼りついた怪獣の亡骸に海水が流れ込んでいくのを見て嘆息してしまう。
「やだ、潰しちゃった・・・本当は海に逃がしてあげるつもりだったんだけど・・・」
亜樹はそれを見下ろしながらも仕方がないという表情だ。そして作業員たちは、完全に茫然自失状態だった。まるでその場で石化したかのように誰も動けない。
そして、同じ光景を目撃した軍隊も、作業員たちと同じ状態になっていた。が、先に我に返ったのは軍の方だっただろう。何しろ展開していた戦車部隊の数十m先に
根こそぎ吹き飛ばされた10階建てのマンションが丸ごと落ちてきたのだ。それを皮切りに大小様々な瓦礫や車両などが雨のように降り注いでくる。
真っ二つになった倉庫がこちらに向かって落下してくるのを見た時、誰もが口々に叫んでいた。
「たっ、退避~っ!!!」
瓦礫の雨が降る中を軍隊が半ば潰走状態で退却を始めたのだった。

「ちょっと濡れちゃうけどいっか。」
そう言いながら亜樹は由紀の前にゆっくりと寝そべった。ただそれだけの動作で、伸ばした脚で海底は深く抉られ、頬杖をつくためについた肘はいくつかの倉庫を
纏めて押し潰してさらに地面も深く陥没させてしまう。さらに巨大な胸が由紀の300mほど先に下され、そこにあったすべての建造物を簡単に押し潰してしまった。
「こびとさんって、この前話してたお手伝いの人?」
「そうだよ。亜樹ちゃんもお手伝いしたいって言ってたから、ちょうどいいと思って。」
作業員たちを乗せた掌が高々と掲げられ、彼らの目の前は真っ白な壁一色になってしまった。そこに亜樹が顔を下げてきたのだ。全員が恐怖に打ち震えていた。
亜樹が目を凝らして見てみると、確かに由紀の小さな掌の上にさらに小さな粒々のような人たちがいるのが分かった。
思わず顔が綻んでしまう。実は亜樹はこびとさんと友達になりたくて仕方が無かったのだ。転校初日に由紀と会った時はとても嬉しかった。自分よりは小さいが、
それでも、普通に見て普通に会話ができる女の子がいたのだ。すぐに友達になってもらった。それから、他の子ともと思ったのだが余りにも大きさが違い過ぎたので、
結局会話も出来ずじまいだったのだ。でも、友達ができたことは転校前では考えられなかったのだから、亜樹の嬉しさは相当なものだったのだろう。
そして、その由紀との話の中で度々聞かされていたビルなどを解体する仕事をしているこびとさんが目の前にいるのだ。自分もその仕事のお手伝いをしてみたいと
思っていたので、嬉しくて仕方が無いという表情だった。
「あ、あの、こんにちは。」
亜樹はなるべく小さな声で話しかけてみる。だが、なんの返事もない。やっぱり怖がってるのかな~、そう思っていると。
「こんにちは、だって。」
由紀の声がしたのだ。こびとの声では亜樹の耳に届かないと思って、由紀が気を利かせてくれたのだった。
「ほんと?あっ、あの、わたしも、お手伝いして、いい、ですか?」
少しモジモジして話しかけてみる。が、それだけで巨大な胸がフルフルと揺れ、大波と大地震を誘発し、いくつかの倉庫が土煙を上げて崩落していく。
「え?いや、参ったなぁ。今日の予定のビル、さっき由紀ちゃんが潰しちゃったんだよね。」
「そうなの?ごめ~ん、亜樹ちゃん。今日壊す予定のもの、あたしが潰しちゃったみたい。」
「そっかぁ、そうなんだ。。。」
亜樹の顔が少し残念そうな表情に変わる。それを見て、由紀がとんでもないことを言い出した。
「でもさあ、この辺も怪獣に結構壊されちゃったから、綺麗にしといた方がいいんじゃない?こびとも避難してるから誰もいないよ。」
をいをい、怪獣が上陸したあたりは確かにそうかもしれないけど、この辺はどちらかというと亜樹ちゃんが来たからこんなになっちゃったんじゃないの?
というツッコミなど、言える者などいるはずもない。
「そっかなぁ・・・」
見下ろせば確かに色々なものが壊れているように見える。そこに由紀からトドメの一言。
「そうだよ。それにおじさんたちを亜樹ちゃんに紹介したいけど、こんなにちっちゃな建物がごちゃごちゃしてたらわかんないでしょ?」
「そ、それって・・・私の手に乗ってくれるの?」
嬉しそうな驚いたような亜樹の表情。学校でも小さすぎる同級生とすぐに打ち解けは出来たのだが、最初は怖がって誰も乗ってくれなかったのだ。
亜樹は「由紀ちゃんも動かないでね。」と言うと、右手の人差し指を伸ばして、由紀の方に近づけていった。

ずぅっどぉぉぉんっ!!!
亜樹の人差し指が、やや広い道路に横たえられる。圧倒的な太さの指は道路幅だけでは収まらず、ガードレールを押し潰し、道路両側のビルや倉庫を粉砕して鎮座していた。
そして、その高さだけでも10階建てのビルに匹敵する指が、バリバリグシャグシャとその進路にあるすべての建物を押し砕き、すり潰しながら由紀の方へと近づいて来る。
建物を潰すたびにその瓦礫を指の横に積み上げ、さながら超特大のブルドーザーのように押し流していき、由紀の目の前を指先がかすめて、瞬く間に運河までを完全に薙ぎ払ってしまう。
倉庫もビルも港湾設備もすべての車両も既に何もなく、由紀の目の前には200m四方の平地と、ペシャンコに潰されたために押し流されなかった何台かの車両のペーストが点在していた。
「これで大丈夫かな?あの、よかったら、乗ってみますか?」
遥か上空、爆乳山の上から、はにかんだような表情の美少女が見下ろしている。由紀と作業員たちの目の前には、指の腹を上に向けた左手の人差し指が横たわっていた。

「可愛いなぁ。。。こびとさん、落ちると危ないから、由紀ちゃんのとこまで移動してもらえますか。」
亜樹は人差し指の上に乗った10人の作業員、というより黒い点々を、優しい眼差しで見つめていた。由紀は一足先に掌の中央に移動している。
作業員たちはとにかく驚きの連続だ。自分たちが乗せられているのが、女の子の指先なのだ。しかも、その広さたるや街のひと区画が丸ごと乗ってしまいそうなほどだ。
しかも指の太さがちょっとしたオフィスビルの屋上ほどもある。この巨大な指が少し動いただけで、遥か向こうまで一面の更地に変えてしまったのだ。
「なんか、俺たちって亜樹ちゃんから見たら塵みたいなもんなのかな。」
膝まで届きそうな深さの指紋の溝に足を取られながら言われたとおりに移動していくが、とにかく歩きにくい。痺れを切らせた由紀が、
「何やってんの?遅いよ。」と言いながらズンズンと近づいて来る。
「だって、亜樹ちゃんの指紋の凸凹が・・・」と言いながら悪戦苦闘している作業員たちの姿を見て、由紀は思わず吹き出してしまった。
「あははっ、みんな亜樹ちゃんの指紋を乗り越えるのに一生懸命みたいだよ。」
「え?そうなの?ご・・・ごめんなさい。」
まずいっ!悲しみから怒りに変わってしまったら、自分たちなど一瞬で吹き飛ばされるかペシャンコにされてしまう。作業員たちは必死の形相で掌に向かって行くのだった。

300m以上ある道のりを10分以上かけて何とか掌に到着した面々は疲れ切っていた。特に最後の障壁の掌紋の谷はあまりにも深すぎて通り過ぎることが出来ず、
全員が由紀に助けられたほどだ。それでも亜樹は笑顔だった。
「おつかれさま。少しくすぐったかったけど、こびとさんがいるって思うと嬉しかったです。」
よかった、機嫌は悪くなっていない。彼らが胸をなでおろしたのは言うまでもない。
「あの、よかったら、私がどんなお手伝いが出来るか見て欲しいんですが・・・」
いや、片手で簡単に怪獣を叩き潰したり、指先で街を薙ぎ払ったり、充分に拝見させていただきましたけど・・・とみんな思っているが、亜樹本人は「ちゃんとビルを壊していない」と
言わんばかりの勢いで右手をヌゥッと伸ばしていった。
「これなんかいいかな。」
作業員たちの頭上には、親指と人差し指に挟まれた一棟のオフィスビルが、ミシミシと嫌な音を立てている。
「これくらいのビルとか壊すんですよね。」
亜樹がそう言った瞬間に、グシャッ!指の圧力だけで、オフィスビルは木端微塵に粉砕され、コンクリート片が四方八方に吹き飛ばされた。
「あ~、亜樹ちゃん、それじゃダメだよ~。ただ壊せばいいってもんじゃないから。」
「え?そうなの?」
由紀ちゃんからまさかのダメ出しである。
「うん、破片とか飛び散ったら、こびとに当たったら怪我しちゃうよ。それに、壊したものをトラックで運ばなきゃなんないからあんまりバラバラにしない方がいいんだよ。」
先輩の一言はかなり説得力があったようだ。
「じゃあ、どうしようか。由紀ちゃん、教えて。」
「そうだなぁ、亜樹ちゃんはおっきいからビルを手の上に置いて上からゆっくり潰した方がいいと思うんだ。」
「うん、わかったぁ!」
今度は15階建てのマンションがまるで豆粒のように摘ままれて、作業員たちから少し離れた場所にドスンッ!と置かれ、その上に人差し指が圧し掛かる。
「これでいいのかなぁ。そぉっと、だよね。」
メリボコッ!マンション全体が大きく軋み、指の圧力に耐えられなくなった最上階と1階がボコボコと押し潰されていく。さらに壁面の亀裂が大きくなりすべてのフロアの
壁が崩れ落ち、崩落が2フロア、3フロアへと伝わっていき・・・たったの十数秒でマンションだったものは粉々のコンクリート塊が散らばるだけの瓦礫になり果てていた。
「あとはトラックに乗せるのね。」
そう言って、亜樹は指をズドンッ!ズドンッ!と何回か地面に押し付けていたのだが、
「由紀ちゃん、どうしよう。トラックちっちゃすぎてすぐ潰れちゃうよ。」
困り顔の亜樹がみんなに見せた指先には3台ほどのダンプカーが、ペシャンコになって貼り付いていた。

「これじゃあ、お手伝い出来ないのかなぁ。」
遥か上空から亜樹ちゃんが少し寂しそうな顔で見下ろしている。
「監督さん、なんかないの?亜樹ちゃんでも出来ること。」
「なんかって言ってもなぁ・・・」
亜樹の左手の上で、由紀と監督が相談しているが、妙案が出てこない。街全体の再開発とかだったら活躍できる場もあるんだろうけど、今のところそんな話は出ていないし、
自分たちのような中小企業にそもそもそんな話が来るはずもない。
かと言ってこのままだと、何となく亜樹ちゃんが可哀そうな気がする。何しろ本人には全く悪気が無さそうなのだ。何とか力になってあげたいと思うのが人情だろう。
「だったら、運んでから壊せばいいんじゃないか。この前由紀ちゃんもマンションをお持ち帰りしたでしょ。」
「そっかぁ!さすが監督さん!」
由紀はさっそくそのことを亜樹に話すと、亜樹の表情が明るくなった。
「それなら私にも出来るかも。」
亜樹はもう一度手を伸ばすとめぼしいビルを見つけたようで、さっきのマンションと同じようにそっと左手の上に乗せた。
「これをこのまま持っていけばいいのね。でも、ちょっと物足りないなぁ。。。」
すると由紀がとんでもないことを言い放った。
「じゃあさ、これおっぱいに乗っけて運んだら?こびとってね、ビルとかおっぱいに乗っけてあげると喜ぶんだよ。うちのママもよくやってるし。」
ゆ・・・由紀ちゃん!なんてことを・・・監督の顔がみるみる青ざめていく。それと呼応するように、乗っている大地、つまり、亜樹の掌がグラグラと揺れ始め、乗せたビルも
大きく揺れている。
「お・・・おっぱい?こ、こびとさん・・・こんなに大きなおっぱい、好きなんですか?」
その声に上を向くと、亜樹ちゃんが真っ赤な顔をして見下ろしていた。恐ろしくて誰も何も言えない。
潰される。全員がそう思った。由紀ちゃんがいるのですぐに握り潰されることは無いと思うが時間の問題だ。全員が一瞬であの指先でペーストにされてしまうのだ。
亜樹ちゃんの右手が伸びてくる。万事休す!今までの人生が走馬灯のように回っていく。。。でも、こんなに可愛い女の子に潰されるなら・・・
ところが、亜樹が指先で摘み上げたものは今しがた置いたビルだったのだ。それを顔の前まで持っていくと、両腕をギュッと寄せて・・・Tシャツ越しでもわかる大峡谷が左手に乗せられた
作業員たちの前に現れたのだ。
その大峡谷の一番上に、今摘み上げられたビルが置かれる。まるで豆粒のような小ささだ。胸の大きさだって由紀ちゃんのママとは比べ物にならないことを改めて思い知った。
「こ、こんな感じで、いいのかなぁ。」
真っ赤な顔のままで、照れくさそうに言う亜樹ちゃん、怒ってたんじゃなくて恥ずかしかったんだ。作業員たちの顔がほころび、股間が熱くなったことは言うまでもないだろう。
「でもさぁ、亜樹ちゃんのおっぱいって凄いよねぇ。この前うちのママを余裕で挟んだ時はびっくりしちゃったよ。」
あの身長400m近い巨体のママさんを丸ごとすっぽり?とんでもないおっぱいである。
「だって、おばさんが挟んでみてって言うから・・・それに、こんなに大きいから、こびとさんが怖がったりするかと思ってたから、喜んでくれるんだったら何でも挟んじゃうよ!」
「じゃあさ、高層ビルとか挟んだらもっと喜ぶと思うよ。」
そんな会話をしている間に、亜樹の胸の谷間に乗せられた小さなビルは、圧が少し増えただけで粉々に砕け、さらに高層ビルを探そうと亜樹が身体を動かした拍子にあっけなく吹き飛ばされていた。
「高層ビルかぁ。あ、あの辺かなぁ。」
そう呟くとゆっくりと立ち上がり、さっき怪獣が上陸した辺りに足を踏み下ろした。

怪獣を迎撃していた場所からさらに1kmほど後退して、軍は陣形を再編していた。今やるべきことはふたつ、住民の避難範囲の拡大と、あの大巨人の少女の保護者に連絡を取ることだ。
前者はほぼ終わりつつあった。軍の後背10kmほどはもう無人の地帯が広がる。普段は賑やかな背後のビジネス街も人ひとりいないのだ。
だが、どうしてもあの少女の母親と連絡が取れないのだ。このまま遊び半分で街を蹂躙されたらもう打つ手はない。
何しろ、進行を止められなかった怪獣を片手で叩き潰し、たった一本の指で港湾部の倉庫地帯を簡単に壊滅させ、いくつかの建物がまるで豆粒のように摘まんで捻り潰す少女をを
何も出来ずにただ茫然と見ているしかなかったのだ。
ところがである。突然少女が立ち上がって、あろうことかこちらに向き直ったのだ。
ズゥッシィィィンッ!!!
たったの一歩で怪獣が上陸した近辺を含む広大な範囲が800mの巨足に占領された。数十棟の建物が一瞬で踏み砕かれ、膨大な質量をまともに受けて押し固められる。
周りのものは木造も鉄筋も関係なく粉々に砕かれながら吹き飛ばされていく。怪獣の破壊の跡などは、その数十倍の足跡によって完全に消し去られていた。
やや遅れてそこから数km離れた場所では、超巨大地震に翻弄されていた。アスファルトは我砕け、建物の多くが倒壊する。兵士たちは降り注ぐ瓦礫の雨を必死に避けるので精いっぱいだ。
海中を歩いていた時とは比べ物にならないほどの破壊力だった。

ザバッと左足が海から上がると、向こうに見える駅周辺が真っ暗になった。そして次の瞬間、
ズゥッシィィィンッ!!!
駅があった場所は幅250mにもなる少女の左足によって駅舎や駅ビルはもちろん、バスターミナルや周りの建物もひっくるめて完全に踏み潰される。兵士たちの顔がいよいよ青ざめてくる。
あと一歩で完全にここまで届いてしまうのだ。どうすればいい?気づいてもらうために攻撃するか?でも、それで怒らせたら・・・
止めを刺すようにグリグリと踏みにじっている左足の後方の右足が、ばらばらと土砂や瓦礫をまき散らして上空に舞い上がっていくのが見える。絶体絶命だ・・・
でも、あんなに美しい少女に踏み潰されるのだ。それはそれで本望ではないか。と思う者も何人かはいたと思う。だが、その願いは叶わなかった。

「駅、踏んじゃった。。。」
少し戸惑いながら、右足を少し、といっても1kmほど横の高架橋と近くの住宅街に踏み下ろし、さらに数十棟を瓦礫と廃材に変え鉄道を完全に分断させる。後は、少し屈んで手を伸ばせば、
ビジネス街の高層ビル群に手が届くだろう。
亜樹はゆっくりしゃがんで、ビジネス街に手を伸ばそうとしたところで、何かを見つけた。
「軍隊こびと・・・さん?」
右足の少し先でちまちまと何やら動いているのを見つけたのだ。とても小さな戦車や装甲車。軍隊だから強いのだろうと思って摘まもうとしたらやはりペシャンコにしてしまったことがある。
軍隊が出てきてると言うことは・・・あ、そうか、怪獣をやっつけに来たんだ。でも、私が潰しちゃったからたぶん帰る途中なんだ。そう考えて亜樹は笑顔になる。
「こんにちは、お仕事お疲れ様です。」
二重丸のご挨拶だ。でも、返事は無い。というか返事をしたとしても亜樹には聞こえるわけがない。だからといって、不機嫌になるわけでも無く、亜樹は念のために聞いてみた。
「あの、そこの高層ビルを片づけたいんですけど、こびとさんとかいないですよね。」
これも返事が無い。でも大丈夫だろう。軍隊こびとがいる場所には普通のこびとはいないものだとママから聞いたことがあるし。そう思って亜樹は目を付けた一番高いビルに右手を伸ばしていった。

どうやら命拾いしたようだ。誰もがそう思ったことだろう。目の前、実際には1km以上離れているが手が届くほど近くに小山のような右足が見える。
見上げれば、恐ろしく巨大な少女がゆっくりとしゃがみながらこちらを見下ろしていた。しゃがむとさらに迫力を増す健康的な太ももが視界いっぱいに広がり、どっしりとしたヒップのはるか上には、
巨大な双丘がドンッ!と突き出し、さらに上空では美少女が笑顔で挨拶をしてくれているのだ。思わず「こんにちは!」と叫んだものも少なくなかった。
だが、高層ビルを片づけるという一言と、伸びてきた右手を目の当たりにした時は、再び彼らは凍り付いてしまった。上空をもの凄い勢いで通り過ぎる右腕、そしてそれが向かった先の
ビジネス街にある高さ240m、60階建ての超高層ビルの根元に少女の指が押し当てられると、普段だったら数千人を収容する超高層ビルが、まるで地面に刺さっていた枯れ枝を抜くように
なんの抵抗も受けずに抜き取って持ち去ってしまったのだ。
「なんて力だよ・・・」
圧倒的、というよりも絶望的な力の差を見せつけられ、この少女に抗える者など地上に存在するわけが無いという絶望感が支配する中、少女が驚くべき行動を取ったのだ。
「すっ・・・げぇ・・・お、おっぱいで・・・」
山脈級の爆乳の半分の高さにも満たない超高層ビルを、少し寄せた胸の谷間に乗せてしまったのだ。
少女の、「服着てるから上手く挟まんないなぁ。」という声が聞こえる。つまりおっぱいに挟むために高層ビルを持って行ったというのか?「片づける」とはそういうことなのか?
そして、さらに両胸が少し寄せられた瞬間、超高層ビルはその圧力に簡単に屈し、粉々になってしまった。人間が作ったものなど、あのおっぱいにも敵わないということを思い知らされたのだ。
「保護者の方と連絡が取れました~!今迎えに来てくださるそうですっ!」
もう、早く連れて帰ってほしい。全員が、自分たちが蹂躙される前にあの少女の母親が来ることを祈っていた。でも、あの子の母親って・・・どんな人か想像できるだろうに・・・

作業員たちも目を剥いていた。次に大峡谷に横たえられたのは、超高層ビルだったのだ。ところどころパラパラと崩れてはいるがまだ原型を保っている。
「やっぱ亜樹ちゃんのおっぱいは凄いねぇ。あたしなんか車くらいだもんなぁ。ね、監督さん。」
由紀はそう言いながら自分の胸をムニョムニョしているが、普通の人間と比べれば超特大おっぱいである。
監督はというと、もう完全に石化状態だ。でも身体の一部分だけはなぜか熱くなっているのだが。
「でもね、服着てると落ちちゃうから、今度は水着で来なきゃかな。」
などと言いながら、亜樹が少し胸を寄せると、グッシャァッ!と大音響がして、ビル全体が一気に粉砕されてしまった。
「おっぱいに挟むの無理かも、すぐ潰れちゃうし。。。」
超高層ビルの残骸が、胸の斜面を転がり落ちていく。でも、まんざらでもなさそうな顔だ。
「でも、こびとが喜ぶからたまにサービスしてもいいんじゃない?」
「そっかぁ、そうだよね。あの、今度お手伝いに呼んでもらったら、水着にしますね。」
亜樹が満面の笑顔で見下ろすのを見上げて、絶対に、何があっても絶対に断れない。と観念する監督だった。

亜樹が二つ目の高層ビルに手を出そうとした時、不意に空が暗くなった。急な雨雲?が発生したとしてもそれは亜樹の腰から下の世界の出来事だ。
かなりの上空に何かが覆いかぶさっているように思えた亜樹は、不意に顔を上げる。つられてその場にいた全員、軍の兵士たちも空を見上げた。
「亜樹ちゃ~ん、迎えに来たわよ。こびとさんに迷惑かけちゃだめでしょぉ。」
全方位から轟き渡るようなとんでもない声量だ!建物どころか音圧だけで至る所で地割れが発生し、がけ崩れが起きている。
「あ、ママ。」
亜樹は上空の一点を見つめていた。
「迷惑じゃないよぉ。こびとさんのお片付けのお手伝いしてたの。」
「そうなの?お片付けは?終わったの?」
ゴゴゴッ!と大気が震え、天空の途方もなく巨大な影がさらに拡大されたように見える。亜樹のママが亜樹よりもさらに巨大なのはわかるが、あまりにも巨大すぎて
普通の人間にも、由紀でさえもその全容が全く分からないのだ。
「んっとね。もうちょっとかな。お友達の由紀ちゃんと、由紀ちゃんのお友達のこびとさんも一緒なの。」
ズゥゥゥゥンッ!!!!!
かなり遠くに踏み下ろされたと思われる足の地響きが全員に襲い掛かる。さっきの亜樹の引き起こした被害の数十倍の被害を一帯にもたらした。
何しろ地面の亀裂は軽く1kmを超え、大小様々なビルがまるで砂でできているように思えるほど簡単に崩落するのだ。
軍の中に死者が一人も出なかったのが奇跡と言ってもいいだろう。
その巨大な足の一部、左足の指が、標高3000m以上ありそうな親指から順に、目の前の巨大な少女の向こうでまるで巨大山脈のように聳えていた。
「じゃあ、ママが持って帰ってあげるから、続きはおうちでやったらどう?皆さんも一緒にどうぞ。」
「うん、わかったぁ。いいよね。由紀ちゃん。」
掌の上の由紀が頷くのを見て、亜樹が右手を大きく振ると、途方もなく巨大なものが近づいて来る。亜樹のママの掌だ。
亜樹のママは、亜樹の先にあるオフィス街を含めたおよそ10km四方の地面を片手ですくい上げると、数十kmおきに水深を数kmほど押し下げながら、海の中を
自宅に向かって歩き始めた。
一緒に軍隊までお持ち帰りしてしまったことに気が付いたのは、街を半分に割って自分用に取っておこうとした時に娘に言われたからで、もし気づかなかったら
この可哀そうな軍隊がどうなっていたかは想像に難くないだろう。

あとがき・・・
勢い交じりで書いていたら収集がつかなくなりそうです。
というか、主役が完全に亜樹ちゃんになってしまいました。
踏み潰される前に由紀ちゃんメインのお話を考えないと・・・