世の中には様々な趣味趣向があり、それは特殊であればあるほど一般には認められづらい。
 特にそれが性癖関係となると「こんなのは普通じゃない」と、他人に打ち明けることもできずに悩み続けることになる。
 それ故に、そういった特殊な性癖を理解してくれる相手と出逢えると嬉しくなり、つい色々と話してしまったりするものだ。
 その相手が同性であるなら尚のことだろう。人によっては違うのかもしれないが、少なくとも彼女……一条由紀(いちじょう ゆき)はそうだった。
 偶然、そういった相手に出逢えて。その相手が、実現できるはずがないと思っていた性癖を満たす方法を持っていて。
 だから、こんなの普通じゃないと分かっていても、由紀はその相手が主催する集いに参加していた。
 自分も含めて参加者は5人だけという、誰にも秘密の同好会。
 それが、由紀も参加している集い……シュリ百合同好会(名前は気紛れに変えられる)だった。



    ○



「さて、今日は由紀さんが小人になる番でしたね?」

 そう言って微笑んでいるのは、この集いを主催している会長の天城真理阿(あまぎ まりあ)。
 透き通る様な空色の長髪に綺麗な肌。そして生粋のお嬢様であり、今日のシュリ百合同好会の活動場所である広くて豪華な部屋も彼女が用意したものだ。
 ほんわかした雰囲気を出している。それは演技ではなく彼女自身の持ち味なのだが、そんな優しい雰囲気のままで相手を特殊なシチュでの快楽に包み込むというちょっと変わった特性の持ち主だ。

「あ、あの。今日はよろしくお願いします……」

 少し恥ずかしそうにそう言ったのは、式野彩(しきの あや)。
 大人しく、どちらかと言うと内気な少女だが、興奮してくるとけっこうやんちゃな娘。
 容姿としては……現メンバー内では一番胸がでかい。そしてふたなり。

「おねーちゃん、よろしくねー」

 えへへーと笑いながら、由紀に抱きついたのは栗林アンナ(くりばやし)。通称アン。
 外国人とのハーフで、金髪碧眼でポニーテール。見た目はロリっ娘だが、ちゃんと由紀と同じ学園に通う生徒で、一つ下の学年だ。
 ただ、見た目と言動が子供っぽいのでどうしてもロリっ娘として見られてしまう。
 本人はそのことについて別に特別気にしていないようだが、時々大人ぶりたいこともあるようで「子供じゃないよー」と怒ってたりする時もある。その様子がまた子供っぽいという評価に繋がることにアンはまだ気付かない。

「では、縮小を始めますので服や貴重品は予め外しておいてください。着たままをお望みであれば、貴重品だけでけっこうですが」

 人間を小人にすることができる縮小装置を手にしながら、いつも通りの説明を告げるのは真理阿会長の付き人であり、この同好会の副会長である霧宮美夜(きりみや みよ)。
 シュリ百合同好会での安全管理などを徹底している。けどそれは、思いっきりこの同好会を楽しむためだったりするので、多少無茶に思えるプレイでも安全であることは計算済みで、けっこう激しくやっちゃうタイプだ。
 今はメガネをかけているが、彼女が小人化する際には外している。彼女曰く「普段身に付けているものが巨大なものとして目の前にあるというのも、一興です」とのことで、小人化した際に自分のメガネを見てうっとりしていたりする。

 中々に個性的なメンバーだが、そんな集いに好んで参加している辺り、やはり由紀自身も一般的な感性とは少しずれているのかもしれない。
 だが、由紀も、真理阿も、彩も、アンも、美夜も、自分達が特殊な性癖であることを受け入れた者達だ。
 一般の人とは彼女達のことを「おかしい」と言うかもしれないが、それでも好きだと思うことがあるのだから、それはもう仕方ない。
 特殊な性癖を持つことは悪ではない。善悪を決めるのは、その性癖とどう付き合っていくのか、だ。
 そして彼女達は、特殊であることを受け入れた者同士で楽しみ、付き合っていくことを決めた仲間達。ただ、それだけのことだった。

「じゃあ……今日も今日とて、楽しみましょうか」

 由紀はそう言って、小人になるための準備を始める。
 普通じゃない趣味を、普通のこととして楽しみ、心を満たし合うために。


   ○


「ふふ……とっても小さなお人形になっちゃいましたね、由紀さん」

 小人化された由紀は、ふかふかの絨毯の上に敷かれた、綺麗なハンカチの上に降ろされた。
 ハンカチの上といっても、今の由紀には小部屋程の範囲はあるだろうか。
 今の自分はまるで食べられるためにハンカチをお皿代わりにして用意されたクッキーのようだ、と由紀は思った。
 ある意味、その表現も間違いではないのだが。

「では、まずは……そうですね、こんなのはどうでしょうか」

 ひょい、と真理阿に摘み上げられて、おもちゃのように運ばれる。
 どうするのかと由紀が思っていると、会長は彩に近づいていき、美夜から小さなリボンを受け取りながら。

「彩さん、ちょっとおちんちんをお借りしたいのだけど、下着を脱いでくださるかしら?」

 そう、楽しそうに微笑みながら、言った。




「はうっ……く、くすぐったいです」

 会長は器用にリボンを使い、由紀を彩のちんちんへと縛りつけた。
 縛った、といっても痛くならないように工夫されていて、彩の射精を阻害しないように、プレゼントの箱にリボンを結びつけるような優しい加減がされていた。
 小さくなった由紀にとっては、自分と接しているそそり立つモノも、巨大な塔のような大きさだ。
 それが彩の興奮によって勃起して、力強く脈動しているのだ。そこに結ばれている由紀は、ピクンと跳ねるように彩のモノが動く度に身体を揺り動かされて、リボンが食い込んだりしている。

「にゃー、おねにーちゃんのおちんちんキャンデー、いただきまーす」

 一番乗り、と言わんばかりにアンナが彩のモノに顔を近づけて、ペロっと小さな舌で由紀の身体ごと舐めた。
 ペロペロ。唾液をモノと由紀に染み込ませるようにアンナの舌が動き、それに反応して彩のモノがまた一回り大きく膨らんでいく。

「アンナさん、独り占めは良くないですよ」

 と、真理阿がアンナの横に並び、綺麗なピンク色の舌で彩の下半身を愛し始めた。
 アンナと真理阿の二人掛かりで味わわれて、彩は限界が近づいてきたのか、嬌声を上げながら身体を震わせていた。
 由紀も、全身を唾液と先走り汁に濡らされながら、1回目の絶頂に達しようとしていた。

「ああ、出る、出ますっ、もう……!」

「あらあら。じゃあ、アンナさん。絞りたてのミルクをどうぞ」

「わーい♪」

 会長の言葉に喜びながら、アンナはかぷっと噛み付くように、そそり立つモノと由紀の身体を口内に咥え込んだ。
 そのまま爆発寸前の欲望を吸い出すように、顔を上下させてフェラを行う。
 彩も、アンナの頭を抑えながら腰を振り始め、刺激を加速させていく。
 やがて——。

「あ、ああああ!!」

 ビュルル、と。溜まっていた欲望が吐き出された。
 口内に吐き出される白い欲望を、おいしそうに飲み干していくアンナ。
 しばらくして精液を飲み下すと、僅かに残ったそれを舌に絡みつかせて、由紀の身体へすりつけていく。
 やがて満足したのか、ちゅぽんと音を立てながらモノを口内から抜き、様子を見ていた会長や美夜と共に、唾液と精液にまみれて悦びの表情を浮かべる由紀を見つめて、嬉しそうにしている。

「ごちそーさまでした!」

「では、今度は私の番ですね」

 アンナの行為が終わったのもつかの間、今度は美夜が彩の前に座った。
 そして快感の余韻に浸っている彩のモノを、黒いストッキングを穿いた両足で挟み込み、こすり始める。
 敏感になっている彩と由紀にとっては、由紀が潰れないように加減されていても、かなり激しい刺激となる。
 そのことを理解した上で、美夜は器用に足を使いこなして、より強い快感に打ち痺れる二人の様子に妖艶な笑みを浮かべていた。

「どうです、気持ちいいですか? 足で乱暴にこすられているのに、そんなに気持ちいいんですか?」

 そんな言葉を投げかけながら、由紀が潰れないように絶妙な力加減でこすり続ける。
 乱暴に、という言葉とは裏腹に、その動きには細心の注意を払っている美夜だった。

「ひあ、あ、あああー!!」

 最早言葉になってないような嬌声をあげながら、身体を仰け反らせている彩。
 彩はもう、我慢する余力もなかったのか、絨毯の上に敷かれたバスタオルをぎゅーと握り締め、早くも2回目の絶頂に達して、精液をぶちまけた。
 ビクビクと脈打つモノを、由紀の身体ごと両足で包み込み、その白濁した欲望を受け止める美夜。
 黒いストッキングが溢れるような白に汚されることも厭わず、精液を受け止めきって尚も足を動かし、由紀の身体にさらに精液を染み込ませるようにこすりつけた。

「もう限界ですか? まだまだ、お楽しみはこれからなのに」

 それは由紀と彩の二人に向けた言葉なのだろう。
 美夜は妖しく微笑みながら彩の上に跨り、度重なる快感の波に呆然としている由紀に、見せびらかすように己の秘部を指で押し広げた。

「見えますか? 小さなあなたは、これからココに入れられるんですよ? せいぜいすり潰されずに、私を愉しませてくださいね」

 言うだけ言うと、返事をする時間も与えずに美夜は腰を落とした。
 ずぷぷ、と。愛液が溢れる肉のクレバスへと、由紀の身体ごと彩のモノが挿入される。
 絶妙な力加減をしながら腰を上下する美夜と、されるがままに快感に打ち震える彩。
 小人の由紀がどう思おうと、二人の性交に巻き込まれることになる。
 ……そのことに、由紀もまた興奮している以上、普通でないことは確かだろう。
 しかし、彼女達は皆満たされた表情をしており、幸せそうだった。

 ビクン、と。もう何度目になるか分からない彩の射精。
 美夜の子宮へと放たれ、溢れた精液が由紀の身体に降りかかる。
 しばらく余韻に浸るように静止していた彩のモノは、しばらくすると精液と愛液が入り混じった秘境をいやらしい音を立てながら引き抜かれた。
 全身を襞と愛液と精液にもみくちゃにされながら、由紀は恍惚とした表情を浮かべていた。

「すっかり出来上がったようですね……では、そろそろフィニッシュと参りましょうか」

 会長が微笑みながら、彩のモノと由紀を結んでいたリボンを解いた。
 戒めを解かれて落下しそうになった由紀を空中でキャッチして、真理阿はニコっと微笑みながら。

「それでは、いただきます……あーん」

 手のひらの上でビクンビクンと身体を震わせている由紀を、自分の口の中へ放り込んだ。
 由紀にとっては大蛇の如く蠢く巨大な舌。それが、壊れそうな程に敏感になった由紀の身体を舐め回していく。
 真理阿の口の中を飴玉のように転がされながら、全身を味わわれる由紀。
 事前にみんなが飲んでいる、消化液などを調整する薬のおかげで飲み込まれても危険はないと分かっていても、自分より圧倒的に大きな存在に飲み込まれるというのは恐怖を感じさせられる。
 それ故に、その行為に快感を感じることに背徳感を感じて、由紀の興奮はさらに昂ぶった。

 やがて、全身を味わいきったのか、真理阿が由紀の身体を喉の奥へと運んでいき、ごくんという音を立てて、嚥下した。

「……ごちそうさま。今日も、とてもおいしかったですよ」

 由紀が飲み込まれていったお腹をさすりながら、満足そうに微笑む真理阿。
 けぷ、と。少し息を吐き出して「はしたない」とばかりに口に手を当てながら、小人の美味に舌鼓を打った。

 その後は、真理阿のお腹に耳を当てて「すっごい動いてるー。あ、いま由紀さんの声が聞こえた!」なんてアンナが笑っていたりしたが、やがて就寝の時間となり、みんなで風呂に入り、パジャマに着替えて、寝ることにした。
 真理阿は、身体の中を運ばれていく由紀の存在を感じながら、明日の仕上げのことを楽しみにしていた。


   ○


 一夜明けて。
 真理阿はみんなが見ている前で下着を下ろして、部屋に用意していた簡易便器の上に跨っていた。
 「恥ずかしい」なんて言いながら、慣れたように力を込めていると……。
 肛門がヒクヒクと動き始め、やがて排泄が始まった。
 事前に腸内は洗浄してあり、夕食も取っていなかったので、出てくるのは由紀だけだ。
 ぐぐぐ、と。少し引っかかっているのか、それとも真理阿がわざと加減をしているのか、由紀の頭だけが肛門からぴょこんと出ており、身体が中々出てこない。
 しかしそれも時間の問題だったのか、しばらくすると由紀の身体が押し出されてきて……ピンク色の簡易便器の上に、捻り出された。
 体内の温度のせいか、ほかほかと湯気が出ている由紀の身体。その彼女は、とても満ち足りたような表情だった。

「……ふぅ。これにて今回の活動は終了ですね。
さて——次回は、どのようにいたしましょうか?」

 変態と言われようとなんだろうと、彼女達の同好会は今後も活動を続けていく。
 彼女達が、そうあることを望む限り、ずっと。