「うしゃ勝ったー!」

 とても楽しそうに、由紀が自分の勝利を喜んだ。
 シュリ百合同好会の、次の活動内容を設定する者を決めるためのゲームで、久々に由紀が勝利を掴んだのだ。
 ちなみに、今回のゲームは麻雀。由紀が勝てたのは最後の最後に幸運に恵まれたからだが、勝ったことに変わりは無い。

「では、由紀さん。次回の活動はどのようにしましょうか?」

 特に悔しがるでもなく、真理阿は微笑みながら訊ねる。
 勝っても負けても楽しくあろうとすること。それが真理阿の信条であり、シュリ百合同好会での基本のルールだった。
 何度負けても悔しがるな、とまでは制限されていない。
 楽しむためにやっているのだから、他人を不快にするような態度はよろしくない、というような感じだ。
 けど、ルールで定めるまでもなく、みんな楽しく活動できているので、特に問題はなさそうだった。
 閑話休題。
 由紀は、久々に手に入れた特権をどう使うかを考えていたようだが、良いアイデアを思いついたようで、ニヤリと笑った。

「じゃあ……えっと、ちょっと用意していただきたいものが――」


   ○


 翌日。
 シュリ百合同好会の部室では、由紀の希望したシチュエーションを実現するための準備が整っていた。

「ふにゃー、動けないー」

 そう言うのは、今回の活動での“舞台”として選ばれたアンナ。
 彼女は、由紀の要望により――スク水+猫耳&アナル尻尾(もふもふ)という完全武装で、縛られてベットに寝かされている。
 縛るといっても、SMプレイ的な盛り上げのためであり、嫌がる少女を無理矢理捕まえて強姦するためのような、きつい縛り方ではない。
 安全管理に定評のある副会長・美夜によって、絶妙な力加減が施された芸術的なまでの亀甲縛りとなっている。

「では今回は、由紀さんとアンナさん以外のみんなが小人化して、アンナさん“で”楽しむ、ということでよろしいですね?」
「よろしくないー!」

 真理阿の確認に、アンナが反論するが軽くスルーされる。
 とはいえ、シュリ百合同好会には、本気で拒むようであれば無理強いはしないという暗黙のルールがある。
 なので、アンナが本当に嫌がっているのなら今回の活動内容も変更できるのだが……同好会メンバーの見立てでは、『嫌よ嫌よも好きのうち』と言える範囲内だと判定された。

「では、安全管理のため一人は元のサイズのままでいることにして、交代で小人化するということで。
 最初は私が管理役を務めますので、皆さんから先にどうぞ」

 全員で小人化すると、万が一のトラブル時に対応ができなくなるので、誰か1人は安全管理役の人物が必要になる。
 そういう時は、副会長の美夜の出番だ。後で自分も楽しむために交代はするが、安全管理のためにスキルはメンバー内でも随一の実力の持ち主である。
 小人に群がられて悶える少女というシチュを観客として堪能する、という楽しみもあるので、別に小人化しないから損ということもない。
 どう転んでも皆が楽しめるように配慮する。シュリ百合同好会の活動における基本姿勢であった。



 真理阿、由紀、彩が小人化を終えて、準備完了。
 身動きができないアンナの身体に、3人の小人達が群がっていく。

 バイブ機能付きのアナル尻尾により刺激を与え続けられているアンナの身体は、ほんのりと汗に濡れている。
 若々しい少女の肌に浮かぶ汗の雫。
 可愛らしい身体から発せられる体臭は、決して悪臭の類ではなく、甘さすら感じそうな良い匂いが漂う。
 そして、時折漏らす「んぁ」とか「ふにゃぁ……」という吐息が、実に悩ましい。

 そんなアンナの身体に、これ以上ないぐらい間近で触れ合っている小人達は、あっという間に魅了されていた。
 各々が、思うままにアンナの身体を責める。
 未成熟な胸の丘にある、蕾のような可愛らしい突起を、紺色の生地の上から揉みしだき。
 スク水の生地を横にずらして、股の谷間で蠢いている媚肉の洞穴の真上にある、陰核を愛撫して。
 他にも、腋(わき)や臍(へそ)、耳など、敏感な箇所を。
 思うがまま。愛するまま。欲するままに――味わい尽くしていく。

 途中で、交代で入った美夜も容赦なく責め立てていき、アンナは抵抗することもできず、されるがままになっていた。

「ふぁ……んっ」

 もう、そんな漏れるような声しか響かない。
 このまま、皆が疲れ果てるまでアンナでの遊びが続くのかと思われたが……。

「やっぱり、どうせならとことん……ね?」

 安全管理の役が、真理阿に移った時だった。
 素早く、だけど怪我をさせないように配慮された流れるような動作で、元の大きさに戻った真理阿が小人達を捕まえていく。
 しまった、と思っても、もう遅い――このお嬢様は、火が点くと、誰にも止められない。

「~♪」

 まるで手料理でも作るような笑顔で、鼻歌なんて歌いながら。
 最初に、アンナに付けられたままだったアナル尻尾をぐいっと引っ張り、引き抜く。

「――っ!」

 ビクン! とアンナの身体が跳ね上がる。
 急激に引き抜かれた尻尾の感触は、度重なる刺激に敏感となっていたアンナには凄まじいものだった。
 だが真理阿は止まることなく、空いた尻穴へと――「まずはあなたね」と、由紀の身体を自分の指ごと捻りこんだ。
 2人が、それぞれの刺激に声にならない叫びを上げる。
 だが真理阿は止まることなく、少しだけ入りきらなかった由紀の身体を奥へと押し込むために、アンナの尻穴へと口付けるように顔を近づけて、綺麗な舌を突っ込んだ。
 ぐちゅり、と。音を立てて由紀の身体が尻の奥へと飲み込まれていく。
 もう一度指を突っ込んだりして、確かに奥へと送り込めたことを確認すると、再びアナル尻尾を「えい」と挿入して、蓋をした。

「さあ……残りの2人は、どうしようかしらね」

 そう言うものの、真理阿の予定は既に決まっていた。
 縮小装置を操作して、美夜の身体を少しだけ大きくすると、アンナの陰唇の上へそっと乗せる。
 少しだけだが大きくなったため、谷間へと滑り落ちていくことはなさそうだ。
 媚肉のベットに寝転ぶようになった美夜。
 その美夜の上から、「行くわよー」と真理阿が自分の女性器を見せ付けるように指で広げながら、アンナのそれへと重ねるように被せていく。
 当然、美夜は二つの陰唇に挟まれる形となり、2人の愛液を全身で受け止めることになる。
 ちょうどいい位置を探っているのか、しばらく真理阿は身体を少しずつ動かして微調整した。
 やがて、満足する位置を探り当てたのか、満足そうに笑うと……残った最後の仕上げへと入る。

「じゃあ、彩さん。いただきます」

 ぱくん、と。残った1人である彩を口へ放り込み、そのままアンナへと覆い被さるように肌を重ねあう。
 そして腰を揺すりながら、アンナへと濃厚なキスをした。
 身長に差があるので、股と口を同時に合わせようとすると真理阿が少し苦しい体勢になるのだが、本人は気にならないのか、そのままアンナと共に口内の彩をお菓子のように弄んでいく。

 元々全員、出来上がりつつあった状態だ。限界もすぐだった。
 バラバラのシチュエーションでも、全員がほぼ同時に……甲高い嬌声を上げながら、全身を震わせて、絶頂へと達した。


    ○


「今回も楽しかったですわ――あ、あら? 皆さんどうしたのかしら、怖い顔して」

 全員が元のサイズに戻って。
 ご機嫌そうに笑う真理阿へ、他のメンバー全員の視線が集中した。

「真理阿さん、ノっちゃうといつも強引だよね!」
「今回は由紀さんの希望するシチュエーションでしたし、最後まで彼女に任せるべきだったのでは?」
「え、ええ。けど……皆さん、気持ち良さそうなので、そういう展開も受け入れられてると思っていたのですが」
「そ、それは、その……否定できないけども、さ」

 文句を言いつつも、実際プレイ中は真理阿の手際の良さもあり快感を愉しんでいたので、誰も強く抗議できない。
 ただ、なんというか……最後においしいところを持っていかれるのを何度もされると、やはり羨ましいというかなんというか。
 上手く言葉にできない、もやもやとした気持ちになってくるのだった。


「「「「――いつか、ヒイヒイいわしたる!!」」」」
「……あ、あらー? いつの間にか四面楚歌?」


 仲が良いのか悪いのか、シュリ百合同好会。
 ……けどまあ、なんだかんだでこの集いを皆が愉しんでいるようだから、これからもメンバーが欠けることなく続いていくのは間違いないだろう。




    ○


 数日後。
 真理阿にひぃひぃ言わし隊(仮)は、数々の策略を練り、天運にも味方された結果……ついに、“特権”を入手するためのゲームで、真理阿に勝利した。
 だが全て語りつくすと日が暮れてしまいそうなので、ゲームの状況については省略する。




「さあて、真理阿様……今回は少々、きつめでいっちゃいますよ」
「あらあら、それは楽しみ……で、でも、できればお手柔らかにお願いね?」

 美夜のドSな雰囲気たっぷりの笑顔に、少し戸惑うように返答する真理阿。
 既に真理阿の縮小は完了しており、美夜の後ろでは由紀達が「早くやろうよ早く」と急かしている。

「あなた達ねぇ、始める前の雰囲気を楽しむつもりはないの?」
「だって、ずっと楽しみにしてたんだもん! もう待ちきれないよー」

 アンナがだだをこねるようにそう言い、由紀と彩がそれを肯定するようにこくこくと顔を頷かせる。
 はぁ、と溜め息をつきつつも、美夜もそろそろ始めたいとは思っていたので、予定より少し早いが今回の活動を開始することにした。

「それでは、まず……身体をほぐすためにも、軽いことからやりましょうか」


    ○


 2人の少女が絡み合い、濃厚な口付けを交している。
 由紀とアンナだ。2人は互いの身体を弄り合い、時折「んぁ」とか「やっ」とか、悩ましげな吐息を漏らしている。
 小人にされた真理阿は、そんな2人の口内で飴玉のように味わわれて、おもちゃのように好き勝手にされていた。
 分厚い舌で押し潰されるように、味を吸い出されて、2人の巨人の唾液にまみれていく。

 そんな光景を眺めながら、彩と美夜もまた愛し合っていた。
 彩の背後から抱きつくように身体を寄せて、彩のそそり立つ肉棒と、巨大な胸を揉みしだく美夜。

「あぅ、は、はげしっ、んぁ!」
「もう出したい? けど、だぁめ。まだ出させてあげませんよ」

 巧みな手際で彩を翻弄し、弄ぶ美夜。
 それは、由紀とアンナが満足するまでの時間潰しだけでなく、次のプレイへの下準備でもあった。


 しばらくして、真理阿を味わい尽くしたのか、由紀とアンナが真理阿を解放する。
 すると美夜は、予定通りに真理阿を――縮小装置を使い、さらに小さく縮めた。
 普段の活動では、何かの拍子に潰してしまう可能性が高くなってしまうので、あまり極端に縮めることはない。
 けど今回は、普段はできないようなプレイを行おうということで、美夜が緻密な計算に基づいた計画が立てられた。
 その結果、今の真理阿は極小サイズへと縮められて、美夜の掌の上で息を荒げていた。

「さあ真理阿様、これからが本番ですよ」

 美夜はそう言うと、射精ぎりぎりで止めていた彩のモノを握り締めた。
 そして、白濁とした欲望を解き放つための小さな穴へと、真理阿を押し込み始める。

「あっ、ひうううぅ!?」

 彩が叫ぶ。
 それは痛みからの絶叫であり、同時に信じられない程の快感による嬌声でもあった。
 真理阿の言葉は、小さすぎて誰かに届くことなく、膨れ上がった肉棒の中へと身体ごと飲み込まれていく。
 さすがに物を入れる穴ではないため、簡単には挿入できなかったが……代理品で練習でもしていたかのように、迷いなく真理阿を押し込んでいく美夜。
 やがて、ずぶっと音を立てるように深々と押し込まれて。真理阿の姿は、彩のモノの中へと沈んでいった。

「さあ、それでは……2人もいっしょに、味わいましょう?」

 待機していた由紀とアンナに声をかけて、お先にとばかりに肉棒を舐め始める美夜。
 それに続き由紀とアンナも肉棒を味わい始めて、彩はビクビクと身体を震わせて、快感に酔いしれていた。
 美夜が、射精できないように絶妙な力加減で握り締めて、すぐに爆発しそうになる彩の欲望を押し留める。
 だが、あまり長い時間そうしていると、中に押し込んだ真理阿が危険だ。
 先に下準備をしていたのは、射精までの時間を短くして早めに真理阿を脱出させるという目的もあった。

 そのまま飛び散らせては真理阿の身が危ないので、射精寸前で美夜が肉棒を咥え込んだ。
 そして射精を押し留めていた手を離すと――ビュクン!! と。そんな音がしそうな程の勢いで、大量の精液と共に真理阿が解き放たれた。
 真理阿を飲み込んでしまわないようにしながら、どんどん口の中に放たれる精液を飲み干していく美夜。
 ……だが、予想以上に精が解き放たれたのか、途中でむせてしまい、口に手を当てながら飲み損ねた精液を零した。

 掌の上に解放された真理阿は、だいぶ疲労しているようだが、怪我などはしていないようだった。

「お疲れ様です、真理阿様。……けど、まだフィニッシュが残ってますよ?」

 美夜は、真理阿を最初の小人サイズに戻してから、今日の最後のプレイの準備を始めることにした。


    ○


 真理阿を乗せた大きな器の上に跨るようにして、4人の巨人達が群がる。
 4人は、白濁とした液にまみれながら色っぽい吐息を漏らしている真理阿を観察しながら、それぞれ思い思いに己の指で股の間を弄っていた。
 所謂、自慰……オナニーと呼ばれるものである。
 それぞれ、先程までのプレイで高まっていた者達ばかりなので、ただ指で弄るだけでも充分な快感を得られているようだった。
 巨大な乙女達の花園から零れた蜜は、器の中で寝転んでいる真理阿の元へと雨のように降り注ぐ。

 1人だけ肉棒をもつ彩は、ぎりぎりまで溜めてから射精しようと、堪えているようだった。
 だがその我慢も、昂ぶった肉体の衝動には長くは保てなかったらしい。

「んあ、もう、出る……っ!」

 声を荒げて、真理阿へと向かって精を放つ彩。
 それにつられたのか、元々限界だったのか……他の3人も身体を震わせて、甲高い嬌声を上げた。
 欲望まみれの液体が、小人へと叩きつけるように降り注ぐ。
 その全てを浴びながら――真理阿はとても、満たされたような表情をしていた。


    ○


「とっても楽しかったわ。今回の活動も、素晴らしいものとなりましたね」

 元のサイズに戻り、入浴や着替えなどの身支度を終えて。
 真理阿は好き勝手にされたことを怒る事などなく、本当に満足そうにしていた。

「……これって、真理阿にひぃひぃ言わし隊(仮)としては、どうなの?」
「目的は成功、したはず、なんだけど……なんだか予想と違う反応ですね」

 由紀と美夜が呟くのを聞いて、真理阿は。

「だって、とっても楽しかったんですもの。それでいいんじゃない?」

 そう、にっこりと笑って、答えた。






 シュリ百合同好会の活動は、これからもまだまだ続いていく。
 彼女達がこの集いを完全に嫌わない限り、それはきっと、ずっと終わらない。
 いつまでも――とても素敵な、笑顔と共に。