こちらはグリムグリッターサポーターズ (グリムグリッター開発チーム)様の作品、
グリムグリッターの二次創作です。
内容としてはメインストーリークリア後の内容より作成してます。
本編クリア前の方は先にクリアしてからお楽しみいただければと思います。
今回から、オリキャラを追加してのお話でございますが、
肝心のオリキャラがまだ出ていません。
あと、導入部なので短めです。
h-non
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「スクナ、でございますか?」
「ええ、そうよ」
香様と同じ食卓に座らせていただいてのお茶。
出されたコーヒーは苦手だけど、表情に出さずに飲みこむ。
「グリムグリッターの二次創作、というのがポツポツ出始めて、少しずつ世界が大きくなっているの」
聞いた覚えがある。
葵様が巨大化や縮小化したり、ガリヴァー様があんな事をしたりされたり、アリス様がいろんな事をしたり、みたま様や香様があんな目やこんな目に遭ったりすると。
少しだけ、興味が湧く。が表情には出さない。
「その中で、有望そうな世界があったから、少し繋げてみたの」
その有望そうな世界の主人公の名前が、スクナとのこと。
「では、これから香様が接触を?」
「いいえ、私達では駄目なの。だから、ヒマワリ、貴女にお願いするの」
「香様は行けば分かるって言ってましたけど……」
和の国の辺境、自分の足でそのまま歩き進む。
ノクターンにはない太陽の光、管理されていない自然の草花。
あの街にはない、様々な匂い。
「これはこれで、悪くないかも」
あの部屋の中では味わえない感触を楽しみつつ、指示された方角へ向かう。
しばらく進むと、目の前に透明な壁の様な物が立ちはだかった。
「香様、所定の場所へ到着しました」
『分かったわ、今道を開くから』
持たされた通信機に呼びかければ、香様から返事が返る。
そして、天から一本の剣が落ちてきて、壁を破砕する。
豪奢な飾りが施された、香様が普段使っている剣である、
砕かれた壁の破片を避けつつ、先に進む。
僅かな起伏を越えて、目的とされる場所に辿り着く。
「ここが……」
『そう、和の国の辺境、コロポックル族が作った国よ』
基本的には、今まで歩いてきた和の国と同じ、ビルの上に瓦が乗っているような不思議な街。
でも、大きさがおかしい。
『ここはね、住民が三センチの大きさしかないの。ヒマワリが巨人になれちゃう位のサイズよ』
その言葉を告げられた瞬間、私の中で、何かが疼く。
『じゃあ、後はよろしくね』
通信機からの音声が途切れる。
目の前に広がる、広く、小さな町並み。
全てが私の身長以下の、酷く脆い町並み。
ブロブディンナグの街を縮小化して持ち帰った香様。
私に蹂躙するように指示を出された、あの時を思い出す。
「少しくらい、私もいいよ、ね?」
そのまま彼らにとっての丘、私にとってはただの起伏程度にしか感じない場所を下る。
そしてそのまま、外界と市街地を隔てる門へ辿り着く。
それは、私の脛程度の高さしかない、か弱い門だ。
当然ながら、またぎ越して行けばいいけど、少し楽しみたい。
「じゃあ、行くよ……!」
軽く、ノックするようにつま先で門を叩く。
たったそれだけで、門がひしゃげる。
「あはは、小人の私が軽く小突いただけなのに、壊れちゃうんだ?」
香様達に奉仕する、仕える喜びとは違う、自分の中にある優越感みたいな物が刺激される。
大きく足を振りかぶり、思いっきり門を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた門は一瞬で吹き飛ばされ、市街地を飛び越えて地面へ突き刺さる。
「脆い、ね?」
そのまま市街地に歩を進める。
外周に立っただけで、かすかな悲鳴の様な声が聞こえる。
街中は今、私という巨大な存在にパニックなのだろう。
唇を舌で湿らせ、私は市街地を進むのだった。