こちらはグリムグリッターサポーターズ (グリムグリッター開発チーム)様の作品、
グリムグリッターの二次創作です。
内容としてはメインストーリークリア後の内容より作成してます。
本編クリア前の方は先にクリアしてからお楽しみいただければと思います。
親衛隊とお人形さんのアフターに当たる内容です。
状態変化に近い内容ですが、個人的にはこういうの好きです。
h-non
---------------------------------------------------------------------------------
sideみたま
葵たちを待ち構えながら、うたた寝。
日の位置から結構な時間をまどろんでいた。
「ここまで遅いとなると、そういうこと、かのぅ?」
そう思い、座椅子から立ち上がり、身体を伸ばす。
「ただいま戻りました」
「もどったのー」
障子戸が開けられる。そこにいるのは妾が作り出した権限を付与して強化した分身個体。
「して、首尾はどうじゃ? 皆まで言わんでもわかるがの」
朱槍の狐が、己の下着をずらすのを見て、その股の間に手を差し込む。
それを理解して、快楽の帯びた吐息を吐くと同時に、股の間から人形が落ちてくる。
「ふふふ、なかなか素敵な姿になったのう? 香よ」
愛液に塗れ、キラキラと光る香の人形。
翠札の狐と蒼爪の狐も、同じように人形が落ちてくる。
そうして我が手の内には、四つの人形が産み落とされた。
そして、芥子粒ほどの小さな八面体の石が四つ渡される。
「皆、ご苦労であった。供え物のいなり寿司があるから、食うて良いぞ?」
妾はこれからが本番じゃからの、と笑う姿を見て、三匹の狐は礼をしてから厨へ向かう。
「さあて、始めるとするかの」
あらかじめ用意して置いた陣の中心に四体の人形を置き、その上に足を開いて跨ぐ。
神通力を陣に流し込むと同時に、妾自身も少し指を動かして女陰を暖める。
少し緩み、薄く涎を垂らす頃に、陣に行き渡った神通力が作用し、指先ほどの小さな光が浮き上がる。
よく目をこらせば、人の形をしているのが分かる。
「さあ、妾の中に還るがよい」
そして光は、妾の開かれた肉門を通り、内側へと消えて行く。
「よしよし、これで定着したのう」
術式が上手くいったことを感覚で理解したので、人形を手に取る。
そして、人形を力任せに握ると、雫のような小さな光が落ちる。
その光に先ほどの八面体の石に当てる。
すると、石が光を放ち、人の形を取りはじめ、あっという間に極小サイズの香へと変わる。
「さあ、お楽しみはこれからじゃ―――」
side葵
意識が浮かび上がる。
私は青色の狐に負けて、人形に憑依させられて無理矢理……
「―――!」
意識が一気に覚醒し、飛び起きる。
まず手足が動く事を認識し周囲を見渡して大きな白と肌色の壁に覆われている。
そして、すぐ近くに香が倒れているのを見つける。
「香! 大丈夫!?」
顔を軽く叩くと、それだけですぐに目を覚ましてくれた。
「ここ、は?」
「分からない、けど、私達は負けて……」
必死に状況を確認しようとする香。
私もその間に周辺にいたガリヴァーとアリスを同じように起こす。
「うーっ……足の臭い移ってないかな?」
「それは多分大丈夫だと思うのですが、それ以上に不味い状況かと」
ガリヴァーが見上げる先、私も視線を向けてみると、あまりにも巨大なみたまの顔が天を覆っていた。
「ようこそ、妾の神域へ……矮小な人間共よ」
ようやく、状況を完全に認識出来た。
白色の部分は、みたまのトレンカで、肌色の部分は太ももとかかと。
そして、その合流点に緋袴があって、上空にはみたまの顔。
「周囲全てが、みたまに囲まれてる……!」
「そう、お主等は籠の鳥よ。妾がほんの少し動くだけで潰れる、の?」
みたまが妖しい笑顔で笑う。
「……なるほど、権限も奪われているみたいね」
「ぜ。絶体絶命じゃん!?」
サイズ差はおおよそ万倍近く、勝ち目はゼロに等しい。
「ふふふ、すでに妾の為の物語の書き換えは始まっておる。
お主等を無敵たらしめた立派な体躯はすでに失われ、物語の権限もない。哀れで矮小な小人よ」
ふう、とみたまが息を吐く。彼女にとってはそよ風でも、私達にとっては突風に等しい。
風に飛ばされ、緋袴の辺りでようやく止まる。
「さて、せっかくの余興じゃ。潰されたくなければ、妾の内に来て奉仕して貰おうかの?」
ほんの少し袴の口を持ち上げる。暗い洞窟に僅かな光が差し込み、その先にある秘部まで見える。
「無論褒美もある。最奥までたどり付いた者は元の身体に戻してやろう」
くつくつと笑うみたまに、従うしかないと分かる。
全員で顔を見合わせ、緋袴の中を進む。
袴の中に入った瞬間、香が口を開く。
「皆聞いて。僅かばかり残ってた権限で確認したけど、みたまの権限の一部が、子宮の中にある」
「なるほど、奥に辿り着いて権限の一部を回収、その力で一気に全員が元に戻る、と」
即興で立てられた作戦に、全員が同意する。
どんどんとみたまのフェロモンが強くなるのを自覚しながら、洞窟を進んでいった。
sideみたま
「ふふふ、それしかないよのう?」
香の僅かな権限も、子宮の中にある権限も、全て妾の持つ権限を付与しているに過ぎない。
自ら行使しているようで、実は行使すら出来ていない。
「いつその希望が裏返るかの?」
緋袴の中、ようやく女陰に辿り着き、こじあけようと必死になる四人を感じる。
指を二本差し込み、クチュリと開けば巨大な肉洞。
そこに芥子粒の四人が歩を進める。
side葵
「うう、歩きにくい……」
「うぅー、びちゃびちゃ……」
アリスと一緒に泣き言を言いながら、ヒダを少しずつ踏破する。
みたまが無意識に動かす膣内は、最悪といっていい環境だ。
「香、反応はどうかな?」
「大丈夫、私の権限で位置を少しずつ入口側に移動するように仕向けてる」
全体の三分の二を越えて、見えてくるのは巨大な肉の輪。
まさか、こんな形でお目に掛かるとは思わなかった、子宮口。
「見てください、あそこから光が」
子宮口の内側から、光が見える。
「よし、アレが権限よ!」
全員で残った体力を駆使して子宮口に取り付き、くぐり抜ける。
そして子宮の中、四つの光が私達を出迎える。
「暖かい、引き寄せられるような感触……」
「どうやら、グリムグリッターのそれぞれの物語を分割したものみたい」
深い赤の色はガリヴァーに引かれ、金色の光はアリス、深い黒の香に、青色の私。
「分割されても、私達の物語って事だね?」
「じゃあ、光に飛び込むわよ!」
全員がそれぞれの光に飛び込む。
光に目が慣れた頃、その中には巨大な私の身体があった。
「わ、私? いや、私の物語だから……」
そう思った瞬間、巨大な私が動き、私をその手で捕まえる。
『ふふ、聞こえるかのう?』
みたまの声が響く。
『まずは最奥までの到達ご苦労じゃ。褒美に元の身体に戻してやろうという話しだがの?』
なにか、嫌な予感がする。
『妾の眷属として産み直すことで元に戻してやろう』
その言葉に、私を掴んだ私が、口を開ける。
手が持ち上げられ、口の真上にセットされる。
『今お主達を掴えているのは、お主達の魂、そうじゃの、九割九分の分量じゃ。
そして、お主達の身体を圧縮して作ったその身体に、ほんの一分の魂を混ぜたのが今のお前達じゃ』
そして、見た。
巨大な私の頭、その頭部には髪の毛に埋まった狐の耳。
『妾の神通力を受けて、お主等の魂は狐と混ざりあい、卵子となった。そこにお主等という精子が入ればどうなるかの?』
それは、受精。新たな命の誕生の儀。
『では、今生にさよならを、そして新たな来世に産声をあげるがいい』
手が離され、私は自らの魂に呑み込まれた。
sideみたま
四つの受精卵が子宮内に根付き、妾の血肉と共に成長し、そして生み出される。
あれから五年が経過した。
「わーい、きゃはは!」
「ほれほれ、ありすや。あまりはしゃぐと転ぶぞ?」
美しい金の毛並みを持ち、外で小人相手にはしゃいだり、札遊びに夢中なありす。
「うーっ、こうすればもっと効率の良い札が……」
「がりばー、悩むのもよいが、しっかり身体を動かさんと、身体に毒じゃぞ?」
燃えるような緋色の毛並みをした、学ぶこと作る事に熱心ながりばー。
「ねえ、あおい、きょうは何してあそぼうか?」
「うーん、せいぎのみかたごっこはこの間したから、どうしようひまわりちゃん?」
「わたしは、ふたりがえらんだので……」
神域の隅で、あおいとかおり、ひまわりが考え込んでいる。
黒い毛並みの香に、青に近い水色のあおい、二人より小さく深い紺の毛並みのひまわり。
三人同時に生まれた三つ子は、いつも一緒の仲良し。
いずれも妾の眷属で、最も力の強い者達。
素材から厳選した、最強の眷属に成長する自慢の子。
「さあ、今日はお供え物のいなり寿司でもたべようかの?」
その言葉に、子供達が駆け寄ってくる。
足下にある、小人共の街を踏みつぶしながら。
―――世界は、物語と現実の境界を越え、混沌へと落ちていく。