こちらはグリムグリッターサポーターズ (グリムグリッター開発チーム)様の作品、
グリムグリッターの二次創作です。
内容としてはメインストーリークリア後の内容より作成してます。
本編クリア前の方は先にクリアしてからお楽しみいただければと思います。
某所でささやかれていたガリヴァートンネルが今回のお題でしたが、すみません、私にはこれが精一杯……
h-non
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sideガリヴァー
「漫画、というのはなかなか面白い文化ですね。絵画などとも違う、ストーリーを展開する絵の手法……」
今日はヒマワリちゃんの部屋に来ている。
本当は香ちゃんの部屋にお邪魔していろいろな本を読ませて貰おうと思っていたのだが、
「香様は所用で外されておりますので、こちらでおくつろぎいただければ、と」
どうやら用事があるようでヒマワリちゃんの部屋に案内された。
しかしこの部屋にも結構な本が置いてあり、それだけでも今日は十分に楽しめそうだ。
少々古い作品ですがとヒマワリちゃんから勧められた、未来から来た万能のロボットが様々な問題を不思議な道具で叶える作品。
なかなか興味深い内容なので、まずはそれを読み進めている。
コタツに座椅子、天板に幾つも積んだ漫画本。
日の差さないノクターンの気温は低いので、この暖かさがたまらない。
(でも、このコタツのせいで割と酷い目に遭ったんですけどね?)
今はその恩恵を得られているので、あまりとやかく言わないでおこう。
そして、しばらく読み進めていると、興味深い道具が出てきた。
「……ほう、ガリヴァートンネル」
この大小の入り口を持つトンネル状の道具をくぐり抜けると、出口の大きさに合わせたサイズになってしまうと道具。
大きさを変える光線を放つ道具もよかったけど、こっちは通り抜けると大きさが変わる。
つまり、通り抜けている間は自分の大きさが変わっているという自覚がないというところが良い。
「ふふふ……思いつきました」
side葵
「一体何の用事なんだろ?」
ガリヴァーに呼び出されて、リリパットにあるガリヴァーの家まで来たけど……
「いないのかな?」
中に人のいる気配はないけど、ドアには張り紙。
『香ちゃんに協力して貰ってリリパット地下に新しい研究所を作ってみました。家の横にある穴が入り口になります』
見れば、不自然に地下へ向かう下り坂の穴。
「今回はこういう趣向、なのかなぁ?」
時々こういう探検みたいな内容の仕掛けを施して遊ぶのがガリヴァーだ。
近くにあった戦艦の廃材から自分の身長を超える長い棒を見繕って中へ進む。
「確か香の話しだと、こうやって足を置く所を叩きながら進むと罠に引っかからないんだっけ?」
洞窟の地面は少し柔らかい材質なのか、叩いた時の反発がなくて少し大変。
でも、物語の世界で鍛えられた身体なら問題なく振り回せるので問題なし。
「うん、中に進むほど広くなってく……」
最初は私一人分の大きさだった横幅が、あっという間に私が十人並んでも端まで届かないほどになった。
それと共に、なんというか、少し革と汗が混ざったような臭いがしてきた。
「ごほっ……流石に、これは掃除した方がいいかも」
後でガリヴァーに話しておこう。
そんな事を思いながら足下を確かめるように進み、大体十分ほど。
「広い!」
すでに道幅は私が五十人ほど並ばないと届かない位になっている。
そして、まだまだ先がある様に見える。
『そうですか? 私にしてみたらそこまで大きくないのですけど?』
この洞窟全体に響くようなガリヴァーの声。
「ガリヴァー、いるの!?」
『はい、ここの一番奥にいますけど……今の葵ちゃんの場所からだと後十分ほどですけど……』
そんなに待てませんね、という言葉と共に、重力の向きが変わる。
入り口が天に、洞窟の奥が地に。
「ちょ。きゃああ!」
そして地面が壁になった瞬間、私の身体は重力に囚われて落ちる。
「この!」
持っていた棒を壁に突き立てようとするけど刺さらない。
なら少しでも落下速度を遅くするように棒の先端で減速を試みる。
その甲斐あってか、何とか穴の底にちゃんと着地出来る位の速度になった。
けど、棒は壁にすり減らされて役に立たなくなってしまった。
「底まで来ると臭いが……!」
『うーん、ちゃんとケアしているつもりだったのですけど……』
そのガリヴァーの言葉に、脳細胞が反応する。
不自然な穴、柔らかい地面に革と汗の臭い。
目線をやるのは自分の足下、合成とはいえ、ローファーは皮革だ。
そして普段ガリヴァーは革のブーツを履いている。
「まさか!」
天を見上げる。
そこには巨大なガリヴァーが、天井から私を覗き込んでいた。
sideガリヴァー
「はい、正解です。葵ちゃんは今、私のブーツの底にいます」
葵ちゃんのサイズは五十分の一、現実世界における葵ちゃんの大きさそのもの。
「ディメンジョンシステムを使って、ガリヴァートンネルを再現してみました」
はっきり言うと、サイズの調整が非常に手間取った。
結構繊細なシステムなので、リアルタイムで観測しながらバレない様に調整を施していくのは二度とゴメンだと思う。
次回以降はちゃんとデータが揃ってるから、楽になるはず。
「さて、いい加減靴を履きましょうか」
するり、とつま先を葵ちゃんの迷い込んだ洞窟に差し込んでいく。
葵ちゃんには巨大な怪物に見えるのだろうか?
「ほら、早く逃げないと足先の怪物にぱくって食べられちゃいますよ?」
ゆっくり、愉しむ様に足が靴底を目指して進んでいく。
きっと今頃、ソールの凹凸に苦しみながらも、つま先目がけて必死に逃げているのだろう。
でも残念、そのつま先は行き止まり。
足先が靴底に付く。葵ちゃんはあと少しでつま先。
履く速度を上げて、ちょうど葵ちゃんがつま先に辿り着く頃に、履き終わるように調整。
そして、かかとが底面に辿り着き、私の足は靴に収まる。
葵ちゃんはつま先の僅かなスペースに収まり、何とか私の足から逃れたようだ。
わざと足指を動かせば、葵ちゃんの怖がる姿がありありと想像出来て、ほんの少しだけ身体の奥が熱くなる。
香ちゃんが時々葵ちゃんをいじめて遊ぶのがよく分かる。
「じゃあ、そろそろいただいちゃいましょう」
つま先をゆっくり立てていく。足指も反り、さながら底面と合わせて怪物が口を開いているように見えるだろう。
なかなか落ちてこない葵ちゃんに、何処まで持つのかを楽しんでいると、こつん、と足に何か柔らかいものがぶつかる。
「はい、ぱっくん」
足を踏み下ろし、足先に捕食される葵ちゃん。
そのままぎゅっぎゅっとゆっくりかみしめるように足指を握る。
「もう少し楽しんだら出してあげますね」
外から見ても、きっと私の靴の中に小人が入っているなんて思わないだろう。
そして、葵ちゃんは気付いていなかったけど、この場所はリリパットなんかじゃない。
「そろそろ、お願いしますね?」
sideヒマワリ
「はい、しかし本当によろしいのですか?」
問いかけに、ガリヴァー様が是と返す。
「かしこまりました」
私は脱いでいたローファーのソールを見る。
底には点のような物体がちょこちょこと動いている。
ガリヴァー様だ。
香様に頼んで、自分の家と周辺を私の靴の中に転送されて、その中で楽しんている。
そしてその総仕上げが、私がこの靴を履く、とのこと。
「では、失礼して……」
つま先を通し、そのまま足が接地。
ちょうど土踏まずの所に、小さなガリヴァー様が収まっている。
感触なんてないのに、何故か足裏がくすぐったい。
「ふふっ……」
そうだ、せっかくだからこのまま少し楽しもう。
ガリヴァー様から見て遙か上空、葵様からは文字通り無限の彼方にある私の秘部。
そこから採取した愛の雨を、靴の中に落としてみよう。
僅かな一滴に翻弄される二人、その光景を想像しながら、私の指はショーツの中へ潜り込んだ。