「なんか暑い」
ぱたぱたと襟をあおいでアキが言った。
「そう? 涼しいくらいと思うけど」
 僕はアキの部屋、その窓枠に座っていた。衣替えや服の片付けを手伝っていたのだ。僕のできることは少ししかないけれど、一人でするのもつまらないといってアキは僕の襟首を掴み連れていった。
 ごそごそと棚の中の服を漁るお尻。丸い表面に、下着のラインが透けているのに気づいて思わず胸が跳ねる。こちらを向いている裏腿には汗が垂れていて、もふよふよと丸くて、撫で心地が良さそうだった。心がざわつく。まだまだ少女たちとの生活に心は落ち着かない。
「ああもう暑いっ! 疲れたっ! 昼寝するっ!」
 冬服を見ていると余計暑く感じたのか、アキは叫んで棚を閉じた。猫耳のあたりをくしゃくしゃこすると、気まぐれな彼女は汗をぬぐってゴロンとベッドに横になる。薄いTシャツとホットパンツのまま、タオルケットさえかけずに寝てしまった。
 こうなると本当に猫みたいだ。それが面白くって僕は少し笑っていたけれど、アキの賑やかな声がやんだ部屋の静かさに負けて、足を揺らす。なんとなくさみしい。下ろしてもらわないと僕ではどこにもいけない。その細くて軽々僕を持ち上げてくれる手が欲しかった。
 くうくうと寝息を立てるアキ。おへそは出ているし、Tシャツは重そうな胸に引っ張られて、腋から胸へシワが寄っている。汗に濡れた髪が額に張り付いて、なんだか色っぽかった。
 窓の外を眺める。するとスズとミカゲが出てきた。普段通りの黒いドレスとベージュのワンピース、ジョウロを片手になんとなく微笑ましい。花壇に水をやっているようだ。何か言っているようだけど、窓ガラスでぼやけてふわふわとしか聞こえない。そんな風に見ていると、二人が僕に気づいて手を振ってくれた。嬉しくってこちらも手を振り返す。そしてしばらくすると、二人もまた戻ってしまった。
「うんっ……」
 寝苦しいのか暑そうにアキが呻く。窓辺の僕は体が冷えて寒いくらいなのにびっしょりと汗をかいて下着が透けそうなほどだ。仰向けに寝返りを打つと服はぴったり肌に張り付いて、なんだか色々見えてしまっていた。胸の下半分を包んでいるブラやその丸み、お腹のくびれさえ浮き出ていて、ちょっと大変なことになっている。
 僕の飼い主にしてお姉さんとして振る舞うアキのその姿は、僕にはとても毒だった。けれど同時に不安になってしまう。風邪でも引いたんじゃないか。そうすると僕も困ってしまうから、思わず無理をしてベッドの方へ身を投げる。
 鞠のように跳ねてからアキの脇まで転がった。どんと目の前に広がるアキの体はやっぱりびっくりするくらいの熱気で、少女の盛んな代謝と悩ましい香りに蒸し暑い。頭の方へ駆け寄ってその白い額に手を乗せる。肌はしっとりしていて熱っぽい。けれど直感的に、熱じゃないなと思った。なんだか元気が有り余っているような、そんな感じだ。愛しくて、掌を滑らせて汗を拭う。
「あれ、クロ……?」
「起こしちゃった?」
「ううん。……あ!」
 突然体を起こして僕を見下ろす。突然目の前にアキの巨体が聳えたものだからびっくりしてしまうけれど、さらに驚いたことにアキは僕を持ち上げ、その汗の伝っている頬にすり寄せた。
「クロ冷たーい!」
「えっ、えっ?!」
「きもちいー!」
 ぺとぺとと僕をあちこちに押し当てる。柔らかな頬に抱きとめられたり、力強い首筋に温められたりする。気に入ってしまったのか歓声をあげて、その栗色の髪を持ち上げてうなじに載せたりもした。汗で蒸れていたものだからホカホカとしていて、生え際の産毛のような髪と少女の首にしなだれ掛かる。もう汗まみれもいいところで、火傷しそうなアキの体温がなかったら風邪をひいてしまいそうだ。そして寝汗をたっぷり僕に吸わせると、アキは僕をしっかり胸に抱きとめた。
「やめてよアキ! 汗拭かないと一緒に風邪ひくよ? ああ、もうびちゃびちゃ……」
 危険な濃度のアキの汗にこれ以上浸るのはまずそうだった。なんとかその猫娘の胸から身を剥がそうとする。もちろんムニムニと乳房がたわむだけで依然としてその胸の中だ。最後の最後まで僕の冷えを吸い尽くそうと抱きしめるものだから、その豊満な濡れ布団の中に僕は沈んでいく。快適そうな声が聞こえてくるけれど、お陰で服も下着も絞れそうなほどだ。そんなことされるとこっちも妙な気分になってしまうからやめてほしい。だって今、アキの中に溺れて両頬を谷間で撫でられているのだ。濃いアキのフェロモンが香る。抵抗の力が入らない。
 悪戯好きのアキは、けれどなんの他意もなさそうなそぶりで僕を汗責めにした。そして結局それは、
「アキー、泥で汚れたからお風呂入れるけど入る? って、あらら」
 スズが入ってくるまで続くことになる。


「ムギは何してたの?」
「お掃除」
「じゃあちょうどよかったね」
 和気藹々とおしゃべりする、アキたちの声が響く。
「今日は良く晴れてるし、夕方になったらお夕飯は外で食べようか。ボクは準備をしてるから、スズ、ご飯作ってくれないかな。スズのアッシュパルマンティエ、食べたくなっちゃったんだ」
「やった! 頑張って作るね」
 みんな一緒だ。でも、僕はその中に入れずにいた。
「クロはご飯作るの手伝って? クロ、この前やらせてみたら結構ちゃんとできたの。皮むきも盛り付けも。ちっちゃいからあくせく働いてるの、本当に面白かった〜。ね、手伝ってくれるよね?」
「……うん」
 スズの膝の上、小さな声で返事をする。
「ふふ、まだまだ慣れないね?」
「だって……」
「もう毎日一緒にお風呂、入ってるのにねー」
 スズがクスクス笑った。一糸まとわぬ姿で。スズだけじゃない。湯船につかるミカゲたちも、僕までもみんな裸だった。僕はカチコチになって体を小さくさせている。正直熱中症になりそうだった。
「ほら顔上げて。体洗えないよ? もう、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
 そう言って無理やり腕を上げさせられる。正直股間を隠すすべが無くなるのはどうしても避けたいけれど、力比べしたって敵いっこない。何より、スズが動くたびその真っ白な太ももが揺れて、頭の真上では乳房が揺れる確かな気配があった。チラッと鏡を見れば少年の姿の僕と目があって、すらっとした大人の女性の体に隠れていた。ピンクの乳首さえ湯気の中から見えていて、おまけにミカゲの肢体もすっかり見えてしまう。ペタペタと歩くムギの胸が揺れていた。そのミルクティーのような肌に水滴をいっぱい散らしてきて、けれど若い肌は雫を弾いて歩くたびコロコロと落としてしまう。その曲線があまりに大人で、胸やお尻が色っぽいものだから、目の毒どころの騒ぎじゃなかった。
「私たち、クロに見られたってもうどうとも思わないよ? ペットだもん」
「だってみんなの体、綺麗すぎて……。見れないよ」
「こら、あんまり丸まると膝から落ちちゃう。……でもそこまでドキドキしてくれると、逆にちょっと嬉しいかもね」
「ウブなクロ。体も子供にしちゃったから、こっちは可愛いとしか思わないんだけどね」
 隣で体を洗いながら、アキがからかうようにいう。ミカゲは湯船に浸かって、少し顔を赤らめてはいたけれどやはりニコニコと笑っていた。
「まあクロも、一応は男の子だからね? ちょっと色々苦しいんじゃない? 生殺しかもよ」
「むう、なら男の子じゃなければいいのよ」
 ね? と肩に手を置いてスズが言う。あれ、と思った時には全て終わっていた。
「ほら、女の子。これなら少なくとも体のモヤモヤは収まったんじゃない?」
「わーかわいー!」
「ちっちゃい妹ができちゃったね」
 周りがクスクス笑うものだから慌てて見れば、体が変わっている。切なく疼いていた股間のものがなくなって、体も軽くなったようだ。ささやかだけれど胸も膨らんでいる。鏡を見れば、猫娘の脚にちょこんと乗っかった女の子が一人、目を白黒させていた。
「わっ、なにこれ……! ちょっと、勝手にいじんないでよ!」
「ダメよ口答えしちゃ。クロは私たちのものなんだから、あんまり駄々こねると今度はお仕置きしちゃうよ?」
「声も高い……、ね、ねえ、おしっこ行きたくなっちゃったから早くして……?」
 幼く小さな体では膀胱も小さいようで、途端に落ち着かなくなった。おまけに力も弱いから漏れてしまいそうだ。
「ええめんどくさいー。ほら、そこでしちゃお?」
「やだやだ! 恥ずかしいし汚いよ」
「ちびっ子なんだからいいのいいの。ほら、しーー」
 優しいお姉さんのような声音になって、スズが下腹部を押す。大きな姉の手を涙目になって非力な腕で押し返すけれど、フッと耳に息を吹きかけられて気が緩んでしまった。
「わっ、あぁぁ……」
 小さな水音を出してお股が暖かくなる。そしてマシュマロ色の太ももに黄色い蛇を滴らせるけれど、肌に弾かれシャワーに流れて消えてしまった。
 真っ赤になって顔を覆う。一応男としてそれはとても羞恥心を掻き立てるものだった。しかもお漏らしだ。やっちゃった、やっちゃったと顔を上げられない。
「あーあ、漏らしちゃったねえ。みんなの前でお姉さんの体にかけちゃって、クロは飛んだお子様だね?」
 ムギがからかう。湯船から出て、子供にするように偉い偉いと頭を撫でてから出ていってしまった。
「ほら、スズも体洗いな」
 ボクを取り上げてアキが言った。胴を掴む手にふわっと体を持ち上げられると、もう一人の姉の膝に座らされる。ぺたん、とお腹に着地する音が耳に響いた。
「ほらゴシゴシしよーねー。あ、女の子の体だから柔かーい」
 アキが嬉々として石鹸を撫でくる。ジタバタするけれど、手は毛布のように絡みつくものだから手足は自由に動かせず、両手でクリクリと汚れを落とされてしまう。まるで愛撫されてるみたいだ。これじゃ女の子にされても、いや、されたからこそ感じてしまう。
「やっ、アキ、自分でやるって、ふぁあ?!」
「ふふ、可愛い声出しちゃダメよ。もっと可愛がりたくなるからね。ほらミカゲ様見て見て、顔ゆるんじゃってよだれ垂れてる。面白いよ」
「ふふ、随分だらしない顔。ちっちゃいと色々大変だねえ。まあ、ね、その……頑張って」
 意味深にクスクス笑いながらミカゲが去っていく。頑張って? どういうことだろう。まあ、アキのおもちゃにされているのは確かだよね、って、
「アキ! だめ、そこは、ダメ!」
 下腹部に指を滑り込ませたアキは、けれど動じない。
「いいのいいの。さ、きれいきれいしましょうねー」
「あーあ、クロ羨ましい」
 後ろからアキを抱いて、スズが一緒に僕を見下ろす。
「み、見ないでよぉ……」
「恥ずかしがっちゃってる。かーわいっ! ふふ、遊びたくなっちゃうのわかるなあ。なんていうか、ゾクゾクしちゃうよね」
「ねー。普段よりもっと弱くなってるからさ、なんか可愛くて可愛くて。ほら、簡単に足とか開いちゃう」
 手の中で恥ずかしいところを晒されてしまう。どうしてだろう、こうして笑われながら二人の姉に見下ろされていると、なんだか変な気持ちになってきてしまう。
「も、戻してよぉ、この体ピリピリして弱くて、慣れないの。男の子に戻して……」
「だーめっ。だって男の子にしたら元気になっちゃうでしょ? 洗うところ増えるよ? もう男の子のところなくなっちゃって、おっぱいも少し出てて、そうね、これから洗うときは女の子にしよっかな。その方が可愛いしクロも辛くないでしょ? ほら、お姉ちゃんに任せて?」
「えー私も混ぜてよ。ほら、アキも体洗わなきゃ。ちょっと貸してよ」
 なにやらスズがアキに耳打つ。そして二人でニッと笑うと、小さくしてボクを手渡す。
「ほら、洗ってもらったからお返ししないとね?」
 スズがボクに石鹸をなすりつけて、弱々しく手のひらに収まるボクに笑いかける。そして、
「えいっ!」
 アキの背中にくっつけた。
「ひゃっ!」
「ほら動かないでー、クロ潰しちゃうよー?」
 ボクは肌色の壁に押し付けられて、その起伏の上を滑り出した。背筋の引っ込んだところや筋肉で盛り上がったところ、くびれや肩甲骨の上を全身で磨く。力強いスズの手に掴まれて、ニチャニチャと音を立てながら女の子の体に蹂躙されていた。くすぐったくてアキが笑ってしまう。
「ヒャハハッ、こ、こら、スズだけずるいわよ!」
 ボクの体をもぎ取ってアキが反撃に転じる。そしてまた泡立たせると、スズの谷間にボクを押し付けた。
「やっ、これ、思ったよりすごい感触……! 体の凹凸結構わかるのね。じゃあ、私たちの体なんてどんなふうに見えてるのかな」
 ヌリヌリとスポンジがわりにされているボクをスズが笑う。でも、ボクは答えることができない。彼女の雄大すぎる肢体に晒されて、もう心はいっぱいだったから。その乳房のふよふよとした膨らみ、それに半ば沈んで進んでいく。近づいては遠のく胸の鼓動。骨に当たったと思えば、とんでもなく柔らかい女の子のおっぱいに潜り込む。二人の巨大娘の声に震わされて、雪原のお腹や窪地のような脇に包まれる。それをお互いにするものだから、ボクは猫娘の体の上をくまなく探索させられることになった。
「私たち、小柄なのにきっとクロには神様みたいにおっきくみえてるんだろうなあ。背中は丘で、おっぱいはお山かな? でもクロー、そこは私たちの体の上だよー? ふふ、わかんないかもね。ってアキっ!?」
「ほら、スズのお尻だよー。おっきいから頑張ってね?」
 どっしりした丸みが二つ目の前に広がる。あ、と思ったらボクはそのまん丸の上に押し付けられていて、ぐるぐるとそれをなぞっていた。
「アキそこはダメッ……んんっ!」
「でも抵抗しないんだね? 力抜かないとクロお尻に挟んで潰しちゃうよ?」
 ボクはお尻の谷間の中をグリグリねじ込まれた。一瞬真っ暗になる。ぎゅうっと柔らかい尻たぶに挟まれる。底の方には可愛いアナが驚いていて、石鹸ですっかりきれいになった。両手で二つの壁を抑えるものだから、スズはびっくりしてボクをその間で包んでしまう。
 そして、足を掴まれるとアキによって引っ張り出されて、ニマッと笑うアキに
「ほら、いくよ……!」
 スズの大事な場所へ誘われる。目の前には大きな淡いピンク色。その唇に、体もろともキスされる。
「アキッ、本当にそこはダメっ! やだ、クロが入っちゃう……、ちっちゃいから見えないよ……」
「いいの? クロちっちゃいからスズのあそこで泣いてるかもよ? 怖い怖いって、でも気持ちよくなって、きっとクロのことだから申し訳ないとか思っちゃってるの。きっとおっきなあそこ、エッチに見えてるんだろうなぁ。スズのは綺麗だもんね、ほら、膝ガクガクしちゃクロもっと大変だよ?」
「だって、だってぇ……」
 図星だった。震えるスズの太ももにきつく締めつけられて、震える股間に舐められて、でもそれがすごく嬉しい、でも疾しい。こんなことされてるのに、ボクはそのすべすべの肌に包まれるのが幸せでならなかった。だってこんなこと、ボク以外は絶対経験できない。スズの一番近く。こんなところを見せてくれて、触らせてくれて、喜んでくれて……。もうボクはどうしようもないヘンタイなペットだ。ボクでスズが、アキがきれいになれる。なんて素晴らしいんだろう。そんなことを、自分でも恥ずかしく思いながら考えていた。
 ムッチリの太もも、プリプリの下の口。撫でられる、舐められる。そして、今度はアキの番。
「ほら終わったでしょ? 今度は私の番なんだから」
「え、私はいいよ、ほら、もう洗っちゃったし。ね、抱きつかないでよ、おっぱい当たってる。ね、あ、やだ……」
 二人の身体が重なるのが手の中で見える。綺麗な二人の体が泡だらけで一緒になって。そしてスズがボクごとアキの指に指を絡める。
「おかしいな、私今日朝から体が熱くてね、汗が止まらなくて、お花に水あげてる時もそう。ミカゲ様に言おうと思ったんだけどね、気づいてたのかな、頭を撫でてね、遊んでおいでって。ね、付き合ってよ。おふろ上がったら、あそぼ?」
 キュッとスズが力を込める。そしてボクを握りしめると、見せつけるようにアキと唇を重ねた。アキもそれに答える。何十倍も大きな女の子同士のキス。それを見てやっと気づいた。
 二人とも、発情してる。
 ボクのせいかもしれないなとは思った。だって、ボクが先に始まったから。きっとそれに誘われたんだ。だったら、応えないとな。
 でも、こんなにおっきいんだよ? まだまだ始まってもないのにこんなに激しくて、ボクのこと気遣ってるのにこんなに乱暴で。……そうだ、ムギが言ってた。私たち発情したらボクのこと壊しちゃうかもって。あれって本当だったんだ!
 おもちゃになるボクを、スズは合わさった胸の間に閉じ込める。二人がボクを上気した顔で見下ろして、頬が赤い、耳まで赤い。
 きっと大変だよ。
 ボクの中でボクが囁いた。


 ベッドの上、座って向かい合った二人の間。
 戻された体でも、それは十分に怖かった。発散された熱で二人はすでに暑そうで、揮発した香りであたりを支配してる。少し開いた太ももで檻を作って、僕は囚われていた。
「ごめんね、なるべくコントロールするから、ね?」
 いつもふんわり優しいスズが、でも今日だけはなんだか妖しい雰囲気。いたずら好きのアキはなんとなく待ちきれなさそうで、それはスズも一緒だった。
「きっとクロも楽しいよ。大丈夫、ね、だからさ」
 アキがスズを抱き寄せ、無力ないけにえをサンドする。石鹸とネグリジェのいい香り。でも、濃いフェロモンがクラクラ僕を酔わせる。
 ぴちゃぴちゃとキスの音がする。熱烈で、愛情たっぷりの音。そして少し身を引き剥がすと、空から糸を引いて唾液が垂れてきた。思わず口で受け止める。スズがいい子いい子と頭を撫でてくれた。
 ぽすっ、とアキが体を倒す。僕を谷間に乗せて、ネグリジェを脱いでしまう。スズもそれに倣う。そびえる猫娘の下着姿が二つ。スズがアキのブラを解いて、ゆさっと流れる乳房を撫でた。
「クロ、おっぱい愛して欲しいなぁ」
 アキが物欲しげに僕を見下ろす。僕は二人の虜だ。声をかけてもらえるだけで嬉しくて、でもちょっぴり不安な気持ちを隠して乳房に近寄る。
 柔らかくて、水風船のようにたっぷりと膨らむアキの母性。ついた手は沈み込んで、滑らかさに滑ってしまいそうだ。両手で周りを撫でてから、乳首をこね、口付ける。チュッチュっと響く音に、アキの息を呑む音が混ざった。スズはそんな僕らの傍に寝転んで、アキの唇を奪い、少しずつ手を下へと持っていく。
「ふふ、もうパンツ、いらないね。上は汗で濡れてて、下ももうぐっしょり。ほら、触られてまた滲んじゃった。アキは太ももが弱いよね。ほら!」
「ぅやっ! もう、そういうスズだって、首元弱いの知ってるんだから。おいで? もっと近くでスズのこと、感じたい」
 手を広げたアキに、スズも応える。ブラのホックを解いて、重量感ある胸をぶら下げた。そしてアキの胸の中に溺れる。
「わっ?!」
「あはっ、クロ私たちのおっぱいに挟まれちゃったねー? 大丈夫、体は浮かせておくからね? ほらスズ、もっと、もっと……」
 アキがスズの首筋を貪る。アキの乳首を谷間に挟んだせいで、僕はその度早鐘を打つ鼓動に背中を叩かれ、柔らかな圧迫感にどうしようもなく嬲られた。汗出ヌルヌルに擦られて股間が熱くなる。切なくてギューっとアキのおっぱいにしがみつくと、僕のそれは弾力あるそれに沈み込み、疼きだした。
「ダメだよクロ、先に終わったら楽しくないよ」
 スズにつまみ出される。そしてそっとアキの内股の間に僕を降ろした。
「わっ、クロにすごいとこ見られちゃってる。私たちの下半身下から見上げてるよ? ひゃっ、触らないでぇ!」
 もちろんアキは求めていた。すするようにその火照ったスジをなめあげる。飲み込めば口いっぱいに淫らな香り。アキはたまらず僕を太ももで挟んで、そのまま脚で僕を抱きしめる。もっちりとした表面、そしてその奥の張りが一斉に僕を包み込み、ふわっ?! っと声が漏れて快感に頭が真っ白だ。
「アキばっかりにかまけて淋しいよ、ほら、アキ、一緒にクロであそぼ?」
「うん、おいで。一緒にクロのこと、めちゃくちゃにしちゃお?」
 クスクスと笑い合った。そしてスズがアキと僕の上にまたがる。トロトロと上からスズのローションが垂れると、
 「いくよ?」
  頭上を、スズの下の口と内腿がすっかり占領していた。そして勢いよくスズが腰を下ろすと、パチュン!っと音を立てて僕を挟む。
「あっ、クロの頭気持ちいい! 可愛いよクロ、私たちのエッチなところに挟まれて動けないんだね? でもちょっと興奮してるのわかるよ、だって私たちクロのお姉さんだもん! でも怖いね? 逃げちゃいたいね? だってこんなおっきな私たちに乗っかられておもちゃにされてるんだもん。人形みたいなクロにはオトナな私たちの体、スケールが違いすぎるんだ。でも私たちすっごく気持ちいいの。ちびっこいクロの頭、お股で挟んじゃってるんだ……。私たちお姉さんなのに! クロのこと守ってあげなきゃいけなくて、でもひどいことしちゃってる……」
「アキの心臓バクバクだね。クロのこといじめちゃって興奮してる。ふふ、よだれ垂れちゃってるね? 脚でそんなに私のこと抱きしめたらクロ潰れちゃうよ? ね、私たちの間で挟んじゃうのすごく気持ちいいね、おっぱいくっついて、唇もお腹もお股も全部全部溶け合ってすごくアキが近いの。可愛い、アキ、可愛い!!」
「あぅ、スズ動いちゃクロが……ああっ、ね、ね、もっと、もっとキスして!」
  顔面騎乗位。スズの下の唇に無理やり接吻される。圧迫感で息もできない。頭を受け止めるのはやっぱりアキの唇で、愛の涎が顔じゅう、いや、髪も頭も全部全部揉みくちゃにする。身じろぎすると二人とも喜びの悲鳴をあげて、さらにグリグリのしかかってくるんだ。
 やばい、死んじゃう。
 巨大娘の体をまともに受け止めたらどうなるかなんて明白。本能的日頭が割れちゃうんじゃないかと怖くなる。
 どうする? 頑張って二人に報いる? でも死んじゃったら、もうみんなを愛することできないよ?
 それはイヤだ! そう思ってふるふると頭を振ると、もっともっとと二人がさらに密着してくる。腰を振って互いを愛して、求める緩衝材に僕を使う。でもごめん、やっぱり力不足!
「ごめんね、ごめん、僕じゃダメだよ!」
 体勢直そうと少しスズが腰を浮かせた時、二人の股間から頭を抜いて僕は駆け出した。酸欠でフラフラする。ベッドから転がり落ちて、なんとか部屋から逃げ出す。
「あ、逃げちゃった」
「ごめんっ、ちょっとやりすぎたよね。ね、クロのこと、二人で優しくするから戻っておいで!」
 反省した二人の声が聞こえてくる。
「ごめんね、ちょっと夢中になっちゃってクロのことおざなりにしちゃった。今度はクロのことうんと可愛がるからさ、戻っておいでよ。クロがいなきゃイヤなの」
 でも明らかに心はふわふわしていて、なんだか危なっかしい。ギリギリの理性、でもそれがすぐに飛んじゃうのは火を見るより明らかで、ズキズキ罪悪感に苛まれながらもやっぱり逃げなきゃと思った。僕はどうなってもいい。でももし僕が怪我したら、二人がきっと悲しむ。
逃げないと!
みんなのためならなんでもできる、けど手加減なしの巨大な猫娘二人相手は流石に限度を超えていた。申し訳ないけど、逃げないと僕がどうかなってしまう。
走ってなんとか二人から隠れようとする。でも、小人の足じゃ二人と距離を稼ぐことすらままならない。別に二人は気ままに歩いてきているだけなのだけれど、それでも僕の走ってる速さとそう変わらなかった。
「怖くないよクロ、私たちと遊ぼ?」
「クロー、おいでー」
なんていつも通りの口ぶり。でもやっぱり発情期なんだ。ちょっと二人とも顔が赤くて、なんというか、色っぽい。いつもに増してお姉さんに見える。怖がることなんてないのにね、なんてクスクス笑ってる姿も大人びていて、体を寄せ合っている姿は恋人みたいだ。
逃げてるのが変な気になってしまう。でも、本能が危機を告げていた。
「ふふ、走り回っちゃって仔猫みたい」
「クロ、ちっちゃいもん。遊び足りないんだよきっと」
多分、他愛ないかくれんぼをしているのだと思っているのだろう。無邪気にやってくる二人の足音。そう、かくれんぼだ。なんとか隠れる場所を探して、僕は走り回った。
「あれ、かくれんぼ飽きちゃったの?」
でも、僕の体じゃムリだ。廊下を曲がった二人の姿が見えてきた。思わず後ずさりする。と、
「あれ? どしたの?」
ムギの脚にぶつかった。
「ムギ! 助けて、襲われちゃう!」
んー? と不思議そうな顔の彼女。でもとりあえず、といった風で僕を近くの棚に隠してくれる。
「あ、クロ見なかった? なんか、呼んだら行っちゃってさ」
「遊んで欲しいのかな、飛び跳ねてっちゃったの」
そんな二人にムギは「あー、あっち駆けてったよー」なんて適当に答えてくれる。
「ほら、出ておいで?」
戸棚を開けて、ムギが僕に腕を広げる。その中に収まると、
「ま、話は部屋でゆっくり聞くよ」
と、僕を彼女の部屋に連れて行った。

だいたいのことを話すと、ムギはモテモテだねなんてからかって僕を撫でて、
「ま、こないだキミが発情しちゃったからね、時期が早まったんだよきっと」
「そういうものなの?」
「そ。近くで男の子が始まっちゃうと、つられてね」
誘爆みたいなかんじ? とベッドに腰掛けながらのんびりムギは言って、足を揺らす。
「どうすればいいのかな、二人ともちょっとヘンで……」
僕はおずおず尋ねる。事の始まりが僕のせいなら、なんとなく申し訳ないのは確かだった。なにより、僕はその件でムギに恥ずかしい貸しがある。はばかれるのは当然だった。
けれどムギは気にも留めない様子で、んー、と頭をひねる。
「あ、オトコノコの匂い消せばいけるかも……?」
そう口にすると僕を床に立たせて、ちょっと指を振ってみせる。
途端、クラっと酩酊感。
「わっ」
「ほら、女の子」
姿見の前に立たせる。そこには、褐色娘の足元に佇む少女が立っていた。なんとなく前の面影は残っていて、子供の中性的な雰囲気からちょっと向こう側に傾いたらしい。ミカゲがくれたストンとした服が、まるでワンピースみたいだ。
「すごい、ありがとう!」
高く細くなった声でボクは歓声をあげた。背丈や年齢どころか性まで奪われて複雑な気分けれど、今のことを考えると悪くはない気分だった。みんなに、ボクの全ては自由に変えられる。そのことを、今更嫌だなんて思うことはなかった。
初めての女の子の体に、姿見の前でくるくると回ってみせる。軽い足取り。骨は細くて、滑らかな関節。肌のキメは細やかで、まるで人形になったみたいだ。ふんわり髪も細くて柔らかい。腰はくびれてるし、胸はふんわり膨らんでいるし、とても変な感じだった。
「ふふ、今はなんだか、これもいいかも」
どう? とムギに訊いてみる。けど、曖昧な返事。
やっぱり変だったかな、と不安になって、もう一度ムギの名を呼んだ。
「ムギ……?」
「うん、似合ってる似合ってる」
でもなー、と言葉が続く。
「うまくいくと思ったんだけどなー。ううん、一瞬は完全に匂い消えたんだけどね」
「……ムギ?」
ごめん、失敗かも、とムギは答える。
「正直、私もちょっと、ヤバイんだよね」
「え?」
「違うよ? クロが女の子になったからじゃなくてさ、一瞬気が緩んじゃったの」
参ったなー、なんて、困り顔でムギは笑った。てへへ、とそのココア色の顔を傾げて、一歩、僕に近寄る。
「ほら、さ、こないだ相手してあげたし、おあいこってことに」
ならないかな? と囁く。
……今気づいた。
(ムギ頬、赤くなってる……!)
その日焼けしたみたいなほっぺが、僅かに朱に染まっていた。その綺麗な小麦色に隠れて、目立たなかったのだ。
「ちょっと、ごめん、待って……?」
後ずさりするけれど、依然ムギの影の中。ちょっと服をはだけて、その綺麗なおへそがちらつく。成熟して、力強くて、オトナの女の人が、目の前に立っていた。
より非力な少女の体に、不安が染み渡る。
「大丈夫、そんな無茶苦茶しないから。クロも女の子の体、興味あるでしょ?」
「ムギ、怖いよ、ヤダ、ヤダ!」
「ふふ、捕まえたー!」
ベッドにぶつかった私の腕をムギが掴む。慌ててベッドによじ登ろうとするけれど、焦ってうまくいかない。
「手加減するからさ」
そうするうち、ムギが僕の上に覆いかぶさって後ろから囁いた。背中に、じんわりとムギの体熱が伝わってくる。もがくけれど、ぎゅーっと抱きしめられると体はベッド乗り上げて浮いてしまい、足は虚しく宙を蹴った。
でも。
そうして動くたび、はたはたとムギの服からその香りが漂ってくる。それはこの間、私を狂わせた特製の媚薬。
「ほら、暴れちゃだーめ。それにほら、もう心臓、ドキドキしてるよ?」
そこは変わらないんだね、と甘く耳に囁く。力が抜けてしまう。まだ、私もおさまりきってはいないのだ。次第に恐怖は麻痺して、どこか期待の方へと傾いていく。
「ね? 私の香り、好きなんでしょ?」
「は、離して……」
「思ってもないこと言っちゃダメだよ。ね、言ってごらん? 私の香り、好き?」
私は思わず頷く。百合のように柔らかく華やかな香りに、すでに心はフニャフニャ、肌もピリピリ敏感になっていた。
「言って欲しいなー?」
「……好き、大好き。ムギの香り、好きで、気持ちよくて、ムギ、好き……!」
嬉しいなー、と、さらに匂いを擦りつかせるように頰を寄せるムギ。やめてほしい。これ以上は息が苦しくなって、ドキドキして、変になってしまいそうで怖いんだ。まるでお酒を飲んだみたいな浮遊感。それが、ムギの腕の中で強くなる。
「じゃ、ご褒美」
ブラを外すと、カップを私の顔に押し当てる。まるで酸素マスクみたい。思わず濃すぎるムギの香りを、吸って、吸って、吸って!! あっという間に私は酩酊して、トロッと太ももに、エッチな雫が漏れてしまう。
(ヘンになっちゃう……!)
もうとっくにおかしくなってるのに、まだそんなことを怖がってる。百合の花に甘いミルクの香り。おっきなムギのおっぱいを包んでた特大のカップは湿ってて、暖かくて、おっぱいの香りが染み付いている。もっと欲しくてそこに顔を擦り付ける。繊細な女の子の肌はそれに痺れて、敏感になって、あっという間にとろけてしまう。
「クロ、可愛い。大好き、ほんと、大好き!」
はむ、と、ムギが耳を甘噛みする。すでに期待で張り詰めていた私に、ゾクゾクと何かが走って、目の前が滲んでしまう。
「もう怖くないよね。お姉さんとさ、どうしたい? 遊びたい? 気持ちよくなりたい?」
「……うん」
「そうだよね、じゃあ、優しくされたい? 優しく、イジメてほしい?」
「うん、……や、やだ、ムギ、はやく、ううん、待って……、やっ!?」
うなじに生暖かな感触が浮かぶ。ムギが、首筋を舐めているのだ。それだけで変な声が出て、ますます従順になってしまう。
「クロの口からお返事、ききたいなぁ」
「して、ムギ、お願い、もう、切ないの、お願い……!」
「ふふ、よくできました」
大きな女の人が、腕の中の小人に指を這わす。服の隙間から、お腹、そして、無防備な胸へと、ゆっくり、ゆっくりと。どうしようもない鼓動が、そのしなやかな指を打つ。スルスルと腕は伸びて、肌を撫で上げ、ゆっくりと胸の周りをなぞっていく。その動きはねっとり絡みつきながら少女の体を這い回り、やがて、その桜の花びらのような乳首を、撫で上げた。
「ふわっ?!」
「クロは、ここが好きなのかな?」
クリクリとこするたび、喉から声が漏れてしまう。おかしい。前はこんなことなかった。こんな快感、知らなかった……!
「女の子だもんね? おっきな私に無理やり触られて、怖くて、恥ずかしくて、でも気持ちいいね? ふふ、ちっちゃな体、震えちゃってる。そうだよー、私、怖いお姉さんだよー? クロよりクロの体のこと、知ってるの、だから、こんなことも出来る」
「やっ……!!」
瞬間耳に舌が入ってきて、指は乳首を軽く弾いた。余った手で太ももを撫でて、撫でて、撫でて……。細い私の脚は、すっかりムギの手のひらに収まってしまう。震えるのを無理やり止められて、軽く揉まれるのがじんじん切ない。ギュッとつむった目尻に涙が浮かぶ。
「だめだよ、声出しちゃ。二人にバレたら大変でしょ?」
そう言われて口を覆ってみる。でも、抑えられっこない。ムリ。そんなことしたらおかしくなっちゃう。
(なにこれ、知らない、わかんない……!)
未知の快感にぐるぐるしてしまう私。身も心も完全に掌握されて、頭の中はジュクジュク耳を責められる音が響いて、とてもじゃないけど考えられない。
「クロも知りたいよねー、ここ、触ってみよっか」
「っ!!」
十分まわりをほぐした手のひらは、優しく私のおまたを包み込む。そして、スリ、と、スリスリ、と、まさぐり始めた。
(ダメっ!!)
ぼふっと布団の中に頭をうずめる。必死に耐えるのが面白いのか、耳元でムギのクスクス笑い。その吐息が首筋にかかって、お胸もおまたも触られて、そのたびぐりぐり頭を擦り付けてなんとか耐え忍ぶ、
けれど、
「ひぐっ!?」
ぬぷっと指が入ってきた途端、世界は一変した。
「あっ、ムギっ、っ、やああっ!!」
入り口をならされ、中に入り込まれるたび押し出される嬌声。声を出すたび気持ちよくなって、無理やり感じさせられて、指を噛んで耐えるけど、トンでしまいそう。シーツをギュッと掴んで、おっきな指にかき混ぜられて、よがりそうになる。でもムギの胸が私を押しつぶして動けない。
「ねっ、ム、ッ、ぎっ、なにこれ、や、怖い、変なの、ッ!、 きちゃう!!」
「二人にバレちゃうよ?」
哀訴するけどムギは笑うだけ。そしてこちらを向かせると、その綺麗な顔を見せつけて、新鮮なその香りを嗅がせて、そして唇を奪う。柔らかな唇に食まれて、手のひらみたいに大きな唇が私の唇や歯茎、舌を撫でたり叩いたり吸い付いたり。
口いっぱいのムギの香りと体液。愛しい。ムギが好き。そんな気持ちが溢れて、下腹部がきゅんきゅん疼く。
「じゃ、声抑えるの、手伝ってあげる」
「え?」
「はい♪」
突然口に突っ込まれたのは、ムギの下着。ちょっと湿ってて、秘密の雫が滲んでて、そんな気持ちいいもの、私にとっては強力すぎる!
「〜〜!!」
「そんなに好きになってくれると、嬉しくなっちゃうなぁ」
愛おしげに私を抱きとめる。チュッチュッとでたらめにキスされて、愛撫されて、頭はもうぼんやりするだけ。
そして、もう一度ぎゅーっと抱きしめて、甘くキスをして、指でナカミをくすぐると。
「や、やぁああっ!!」
絶頂が始まった。きゅーっとあそこが指に吸い付いて、体いっぱいに痺れる幸せが溢れて貫く。目から星が出て、よだれが出て、快感で私はプルプル震えた。痙攣した。
言葉も言えず、いや、男の子みたいに気持ち良さは消えないで、指を抜くたび、その余韻が響くたび、体が弾けてしまう。んっ、ふっ、と荒い呼吸で息も絶え絶え。
そんな私を、もう一度、今度は優しくムギが抱いてくれる。私もそのおっきな腕を胸に抱いた。すがりついたのだ。
「気持ち良かった?」
コクリと頷く。
その時。
キイっと音を立てて扉が開いた。
「ね、私たちも混ざって、いいかな?」
「無理にとは言わないけどさ」
なんて、二人の声が、ムギの体越しに聞こえてくる。
そして起き上がったムギが一言、
「あー、見つかっちゃったね」
と、悪戯っぽく私に囁いた。


……そこには、三人の猫娘に啄ばまれる、小人の少女の姿があった。
「ごめんね、怖いよね? おっきいオトナに囲まれて、むちゃくちゃにされて、でも逃げられなくて……。いつもと違うから何されるかわかんなくて怯えてるの、よく見えるよ。ちっちゃいお目目見開いて、座ったまま後ずさりして、でも何かにぶつかってもう動けない。ごめんね、追い詰めちゃうね? 逃げられないの、わかるでしょ? だって私たち、ムギの上にいるもんね」
スズが困り眉で、でも恍惚と頰を染めて、這い寄ってくる。私たちは褐色の大地にいて、それはとても熱くて、フヨフヨしてて、肉感的で、エッチな光景で……。四つん這いで近寄る、スズの肘の高ささえ私よりずっと高いんだ。そんなおっきな女の人が、舌舐めずりして、こっちにくる。想像して見て。腕で支えてるだけなのに、お部屋の天井まで届いちゃうような体。服ははだけて、谷間や太ももに汗なんか垂らしちゃって。怖くて、ドキドキして。でもスズなんだ。お母さんみたいに優しくて利発的な女の子、それが蠱惑的なお姉さんの顔になってる。どうしたの? 顔赤いよ? 襲ってるのに謝るところがスズらしいね。でも、私の脚大きな手でがっちり掴んで、発情した顔はどうやって食べようか考えてる。ねえ、私のことどうしちゃうの? まだ私ちっちゃいんだよ? この体のこと全然知らなくて、少し触られただけでビリビリしちゃう。やだ、太もも触らないで、やだ、怖いよ……。
後ずさりする。すると背中にタプタプした気持ちいい感触。振り返ればココア色の山、そのてっぺんはスズでもちょっと足りない。これおっぱいだよね、ジャングルジムでも潰せそうだけど、絶対ムギのおっぱい。だってほら、二つのお山の向こうに褐色娘の美人さんが笑ってる。五十倍は絶対あるよね? 百倍かもしれない。私のことどんなふうに見えてるかな。でもわたしからはよく見えないや。左右に流れたおっぱいは、それでも壁みたいにそそり立ってさ、ね、どくどく言ってる心臓の音、興奮してるよね。私たちを見下ろして、体の上に全部乗っけちゃって、どうやって遊ぼっかなって考えらてる顔。わたしのことどうしちゃうの? そんなお山みたいな体でわたしのこと触ったら、きっと大変だよ? だって私、消しゴムよりちっちゃいもん。
「ダメダメ逆効果。そんな可愛い顔震えさせちゃうとさ、もっと怯えさせたくなっちゃうよ!」
いきなり優しいおっぱいが形を変えて、私にググッと寄ってくる。そしてその上から手が伸びてくると私の手をしっかり掴んだ。ううん、スズと同じくらい大きな手は、指だけでも掌ごと握り込んじゃう。そしておっぱいに乗っかったアキが楽しそうな顔を覗かせた。
「可愛いよクロ。もうずっと女の子でもいいんじゃない? 何歳言えるかな? アキママのおっぱい飲みまちゅかー?」
クスクス笑いながらアキも舌舐めずり。私はムギのおっぱいに貼り付けられて、めり込んじゃう。
「私からだとみんな小人みたいで可愛いよ。お人形さんのエッチなおままごと見てるみたい。大丈夫、体を守る魔法はかけたよ。ね、アキ、私のおっぱいいじるの、忘れないでね?」
そんな声が聞こえるたびに肌や乳房がぶるぶる震えて私をくすぐる。ちょっと体を起こすと、みんな「きゃー!」なんて楽しそうな声。スズの向こう、霞んじゃうくらい遠くで綺麗な太ももが二本、スズの体を見下ろすみたいに伸びていた。大好きなむちむちの太もも。今の体なら挟まれちゃったら絶対出れないよね。でもそんなこと考えると、少し疼いてしまう。
「逃げられないからさ、遊ぼうよ! ほらこっち向いて!」
乗り出したスズの顔が迫ってきて私の唇をすっぽり包む。くちゅくちゅ言って舌をねじ込まれて、私は首を振るけど舌が大きくて動けない。巨大娘に無理矢理キスされる。脚をすり合わせたりよじったりして、でもキスの気持ちよさに骨抜きになる。
「んっ、プハッ! ふふ、ご馳走さま。魔力もらったから、力抜けたでしょ?」
舌から糸を引きながらそんなことを言う。ハアハアと息をしながら、トロンとしてしまうのがわかる。もっともっとと舌を出す。上を向いてた私の舌を、でも奪ったのはスズだ。
「こっちもちょーだい!」
頭の中に響き渡る舌同士の絡み合う音。口蓋や内頬を舌でかき混ぜられて、唾液を吸われて、注ぎ込まれて。私の不安が抜けて、スズの昂奮が伝わってくる。気持ちよすぎて下から蜜が溢れそう。大好きな子とキスできて、感じないわけがない。
「ふぁ…! ふふ、アキのお口、ちっちゃくて気持ちいいよ」
ムギの乳首を吸ってるのか、頭上からも水音。嬉しそうに褐色の肌が揺れて、こっちまで嬉しくなってしまう。
「スズもこっちおいでよ! ムギのおっぱい元からおっきいからすごく柔らかいの!」
おっぱいに跨がった巨大な女の子が言う。スズが立ち上がると目前には綺麗なふくらはぎ。そしてスカートを脱いじゃうと美脚が現れて、同じ色の優しい手が上から私を抱っこする。昔おっぱいをくれたスズの乳房。それに抱かれてしまうのだから気持ちはふわふわだ。
「クロもおいでー!」
反対側から今度はアキの体。二つに挟まれて、そんな恥ずかしいところを上から二人に見られちゃう。
「年も体もちっちゃい女の子挟むのって不思議な気分ね。この子に比べて私たち、胸も大きくて、体も大きくて、しかも好きにしちゃってる。いけないことしてる気分で、興奮しちゃうね?」
なんていってスズもアキにギュウッとしがみつく。大人っぽいブラに包まれた二つの谷間に挟まれて、顔が真っ赤になる程恥ずかしい。自分の体はまだ未成熟で、膨らみかけで、その差を見せつけられてるみたいだった。でも恥ずかしがれば恥ずかしがるほど二人はクスクス笑って、それがまた恥ずかしい。
二人はムギの乳首をお股で挟んで、互いに身を寄せ合ってるようだった。それがムギには気持ちいい。さらなる巨体が悦ぶたびに、昂ぶった少女の吐息が私たちを包んだ。さえずるようにとろけた声が漏れ出す。みんなみんなエッチな匂いにエッチな声をして、愛し合い始めた。
二人は互いの乳房で乳房を撫でてこすって、触れ合うことを喜ぶ。二人に触れてもらって私も嬉しい。だって私は二人の靴下にだって入っちゃうような小人で、一人じゃ何もできなくて、なのに圧倒的に大きなお姉さん達に遊んでもらっているのだ。大人のおっぱいはちょっと水風船に似てる。重そうにしなって、タプタプ揺れて、でもちゃんと柔らかいし暖かい。せめぎ合えば形を変えて私を飲み込み、その波に揺られて体がピリピリする。汗で濡れたその肉体は、ぶつかるたび重そうな音を立てて小人を翻弄する。だって発情した巨大娘が二人、成熟した体で求めあってるんだ。二人は甘い囁きあい、その下で私は溺れそうにもがいてる。その無力感が気持ちいい。声が漏れる。その声に触発されて、もっと気持ちよくなってしまう。
「スズ見て見て! クロったら私たちのおっぱいに挟まれて感じちゃってるよ? 私たちムギのおっぱいの上に乗れちゃうほどちっちゃいのにさ、そんなお人形みたいな女の子の胸に捕まって、出られなくて、強制的に感じさせられて、そんな自分にもっともっと感じちゃってるんだ。もう心の底から小人さんなんだね。ムギも見て? 見えるかな? ふふ、乳首が気持ちよくてうっとりだね。きっとクロから見たらムギのおっぱいはお山みたいにおっきいよ? それでとっても柔らかいの! さっき無理やりおっぱいに貼り付けられて、そんな感触が忘れられなくて、早くムギにいじめられたいって思ってるんだ。でもまだダメよ。ちっちゃな私たちがたっぷり弄んであげるんだから!」
「ね、ね、早くしてね? 二人を見てるのも可愛くて好きだけど、切なくてちょっぴり物足りないの。アキたちのために気持ちいいのたくさん取って置いてるからさ、そんなに焦らさないで……」
 私を掴めちゃうような女の子に、もっとおっきな巨人さんが頼んでる。そう、私は本当は豆粒みたいな大きさで、二人はお人形みたいに可愛くて、でも私には優しくて強い巨大なお姉さん。そのたっぷりした膨らみを包んでるブラジャーは部屋ごと覆い尽くせそうなほどで、それでも乳房の半分しか隠せてない。
 そんな私を見て興奮したスズが愛おしげに言った。
「柔らかい? ふふ、四つのお山に囲まれて、どこを見渡しても一面私たちの可愛い所が見えるでしょ? ね、ブラのホックはずしてくれる? 見えないかもだけど、あなたのお腹あたりにあるよ。出来なかったらお姉さんが手伝ってあげる。そしたらもっと近くで私たちを感じさせてあげる♪」
 よしよしと頭を指で撫でてくれる。心がぽかぽかして、頑張って見るけどやっぱり難しい。二人の柔肌は汗に濡れてて私の手を滑らせる。その甘い匂いに力が抜けて、重たいおっぱいにぱつぱつに引っ張られたホックなんて開けられるわけない。非力な私が、でもスズにはとても可愛く見えたのだろう、自分の胸元を指で開けて、そこに私を入れてしまう。そこは蒸れてて、とても熱くて、昂奮しっぱなしの巨大娘のフェロモンでいっぱいだった。
 アキのブラを解く。そしてアキに私を手渡すと、自分の胸も楽にした。
「ブラのホックも開けられないなんて、やっぱりクロは赤ちゃんなのかな? 赤ちゃんよりももっとちっちゃいけど、いいよ、私たちがママになってあげる。さっきの続き、しよ? ほらくーちゃん、ママのおっぱい飲みまちゅか〜? やだ、ほんとに咥えちゃった! やっぱり赤ちゃんね。頑張ってお口開いて飲んでね、今ミルク出してあげるから。おいちいでちゅか〜? あはっ!」
 からかうようなアキの言葉を真に受けて、私はおっきな膨らみにしがみつく。本当はずっと、たっぷり水の入った水風船みたいなそこに抱かれて、そうしてもらうのを待っていたんだ。昔スズがしてくれたのが、ほんとに、ほんとうに嬉しかった。悪戯好きなアキに笑われて、でも優しくされるのが大好きで、心に充足感が満ちていく。思いっきり吸えば、そのぴっちり閉じた縦穴の奥から甘いミルクが溢れてきて口の中を幸せにしてくれる。口ではからかいながら、アキはそっと背中を抱いて、手のひらで優しく私を包んでくれた。
「いいなあ、私も!」
 スズが空いた方の乳房に唇を寄せるものだから、ふわっとその綺麗な黒髪が私をその中に包んで、それからアキの体が飛び跳ねた。
「ひゃっ?! ス、スズ、やだ、恥ずかしい、の、飲まないでって!」
「クロにはよくて私にはダメなの……?」
 拗ねたように唇を尖らせるスズに、アキは違うの、と顔を赤くして、
「クロはちっちゃいから恥ずかしさも感じないの。でもスズは、って、やぁっ!!」
 むしゃぶりつかれてアキの喉から気持ち良さげな悲鳴が響く。初めはイヤイヤと体をゆすって、その度私をその豊満な胸で叩いたけれど、だんだん大人しくなり、ついにはスズの頭を抱えてしまう。
 となりで私より大きな美人さんの顔が、丸い山を半分まで口に含んでしまう。そして吸ったり食んだりすると、そのプリンみたいに柔らかな膨らみはムニムニとエッチに形を変えた。長い眉毛をうっとり閉じて、ひこひこ猫耳はアキの鼓動を聞いて、背中に回した手はギュッと体を抱きしめる。グリグリ胸に頭を寄せれば私は髪のベールに包まれて、スズのいい匂いに酔ってしまう。私もスズに倣って乳首を咥えて、グリグリ頭を寄せて、アキに親愛を伝えた。
「やだ、二人とも、そんな……!!」
 顔を真っ赤にしつつ体は嘘をつけない。こう見えてアキは他の二人に遊ばれることが多いから、そんな時一番小さな体は容易に弄ばれてしまうのだ。
 苦しげな、気持ち良さげな、喘ぐ息遣いは堪え切れない。天を仰いで、アッ、ヤッと閉じた喉から漏れる声。スズに責められて動くたび、ニヤニヤ見ていたムギも敏感所をくすぐられて変な声を出してしまう。
 そしてアキの声がだんだん大きくなって、ついに危うくなると、
「ごめん、耐え切れない!」
 ムギが空みたいにおっきな手で二人を押し付けて、自分の胸を揉みだした。
「「「キャッ!!」」」
 三人まとめて褐色の乳房のおもちゃにされる。胸に私を抱いたままアキがスズの上に乗っかり、お陰で私は背中と谷間の間に挟み込まれてしまった。巨大な猫娘の嫋やかな体が視界を埋め尽くし、さらに大きなムギの手によって汗に濡れた体表面にこすりつけられる。スズは乳頭にしがみつき、それがまたムギを刺激してしまうようだ。手の動きが激しくなって、私たちはバラバラに手の中を転がされる。そしてフニフニと揺り動かすうち、私たちを並べておっぱいの虜にした。私もティラミスみたいな肌に遊んでもらえた。けれどきっと、その乳頭でさえ私ではだき切れないだろう。ミルクのたっぷり詰まったようなもち肌の上、刺激の強い地肌に張り付いた。
「もうムギ、メッ!」
 スズが優しく叱って、桃色の丸みを甘噛みする。
「え? ……にゃあっ?!」
 唐突な刺激にムギは真っ白になって、あまりの快感に手が止まった。
「もうっ、びっくりするじゃない! でも、一人じゃ寂しいよね。だったら私が相手、してあげる」
 そんな声がだんだんおおきくなって、スズの脚が、お腹が、体が、どんどん大きくなる。まるで顔を近づけたみたいに見えたものだから頭を離してしまうけれど、張りある乳房に押し返されるだけだ。スズが、サイズを元に戻したのだった。
「一人にしてごめんね? ちゃんとお返し、してあげるからね」
 僅かにショーツだけを履いた巨人、そんな体に変身して、ムギが私たちの前に現れる。ムギの上、ベッドに手をついて、スズが覆いかぶさっていた。目の前に重そうなU字が二つぶら下がっている。真珠のような汗が煌めいて、僅かな身じろぎにふるふると揺れていた。
「ありがと。スズ大好きっ!」
 私たちを忘れてムギがぎゅっとスズを抱きしめるものだから、人形のような私を抱いた小人はあえなく巨大娘な乳房の間にとらわれる。
「やだ、ちょっと二人とも!」
 面白がるようにアキが歓声をあげる。
「わ、私こんなにちっちゃかったんだ。アキ、人形見たいね。私の指よりちっちゃいかな? 可愛いよ」
 微笑んでスズはムギの体に手を添える。するとアキはその指の間にすっぽり収まって、それからその大きな指に撫でられて、とてもとても嬉しそうだった。
「ムギ、アキの腕指で押さえてみて? そうそう、それでね、こうして脚を押さえて……。ふふっ、アキ、巨人さんに捕まっちゃった!」
「ちょ、ちょっと、何するのよスズ……?」
 私を乗せたままアキが巨大娘たちによって大の字にされる。胸の上から顔を見上げれば、その頬は恥ずかしそうに赤く染まって、でも楽しそうだ。スズははにかむように笑って、アキの内腿の間に小指を忍ばせる。否応無くショーツを脱がされると、アキは自分が何をされるのか気づいたけれど
「待って! 今そんなのされたらクロが……っ!!」
 すぐに慌てた声は堪え声に変わってしまう。脚を閉じようとしても閉じられないものだから仰け反ってしまって、急に隆起した地面に私は悲鳴をあげてしまった。一瞬体が浮いて、谷間に落ちて。でも我慢しようと頑張るアキの体は震えてしまって、イヤイヤと体を揺すって、気持ちよすぎて震えちゃって。すると流れた乳房が右から、今度は左から、私を横殴りに弄ぶ。きっとアキは気づいてなくて、でものしかかられた私には一大事だ。私の体よりおっきなそれはアキの胸に乗っかって、その揺れを柔らかく受け止め、そしてプルプル震える。堪え切れず悩ましげな声が私を震わす。火照った顔は涙に潤んで、思わず舌まで出てしまう始末。アキだって巨人にイジめられる小人なのだ。無意識に自分の胸で小人を叩きつけていることなどまるで知らないし、溜まった汗に溺れながら、でも私が密かに悦んでいることなど思いもよらないだろう。私を取り囲む大きな山が二つ、肉感的に揺れていて、寝そべって少し横に広がった造形が私には本当に本当に綺麗に見えた。ちょっと潰れた分、重量感がよくわかって、こんなおっきいのの間にいるのが危なく思えて、すごくドキドキする。ピンクに染まる山頂はその姿を見え隠れさせて、そうすればなだれ込むお肉が私を動けなくしてくれた。脂肪と乳腺に詰まった重しはずっしりとしていて、汗に少ししっとり冷えた表面に組み伏せられると、その奥には体温の本流が感じられた。そんな私をクスクス笑うのは大巨人さんになったスズとムギで、可愛いね、蟻さんみたいだねとわらいあった。巨人なアキの蕩け顔はさらに大きなムギの顔を背景にしていて、その乳房はさらに大きなおっぱいの褐色色に間に挟まれていた。そして真上には猫耳の生えた美貌、真っ白な美乳、遠くの方に美脚が霞んでいて、天の柱みたいに四方を囲っている。四人の中で一番ちっちゃくて、一番弱くて、一番幼いのが私。お姉さんたちはみんな眩むほどの巨人で、私はきっとこれから色々な風に使われるんだと思うと、怖いけれどすごく胸が高鳴る。こんなに偉大な巨人さんに使ってもらえる、そう思うだけでキュンと体が疼いてしまった。早くイジめて欲しかった。早く、早く!
 期待の眼差し。米粒みたいな私でも、優しいスズはちゃんとわかってくれる。茶目っ気たっぷりに舌を出すと、アキのつゆにまみれた指で私をすくい取り、二つの太ももの間、正面で聳えるタテスジへと押し付けてくれた。
 二人の肌に密着されて悦びが体の中で弾ける。ほんの小指の先に貼り付けられて、触っちゃいけないエッチな場所に奉仕させられて、自分の卑小さがとても嬉しい。下のお口に食べられそうになりながらも、ピチッと綺麗に閉じた肉の門はその張りで私を押し返して、頭から蜜をかけてくれた。こんなに幸せなことってないよね。みんなに愛されてるんだもの。
 アキはだんだん従順になって、自分からその感触を求めていった。すると、スズは私たちをムギのお腹の上で滑らせて、お腹の平原を抜け、鼠蹊部の上り坂を上がって、下り坂、その中腹にあるムギの秘部へと乗っけた。
「ほら、ムギのエッチなとこ、見えるかな? アキはね、そこのおマメのお手伝いするの。それでね、私たちに挟まれちゃうんだよ?」
「スズ、早くしよっ? あんまり焦らすと私、襲っちゃうよ?」
 一番体格の良いムギは、私たちを覆い尽くす大巨人に向かって余裕の表情で言う。アキは荒い息を吐きながら、でもさらなる快感を求めてしまう。去ってしまった指の感触を求めて体をムギの方に向き替える。私はもちろんアキの体から振り落とされて、雄大なココア色の丘の上。いつもの悪戯っぽい笑みを取り戻すとアキは私をムギの一番敏感なところへと引きずっていく。そして私の体がそこへ乗り上げると、全体を認識できないほどの巨体がピクッと反応した。こんな私でもわかってくれるんだなと思うと、ムギが愛しくて愛しくて仕方ない。そしてニマニマと笑いながら私の上に跨ると、むっちりした太ももを見せつけ、大事な場所を私へ向けてゆっくり降ろし出した。どんどん視界を占領する巨大娘の体。けれど私からは、それを凌駕するスズのあそこが背後にそびえているのが見えて……
「いくよクロ、見ててね、わたし……ヒャッ?!」
 押し倒されたアキの巨躯に潰されたのだった。
「あっ、すご、すごいよクロ……! ごめんね、私さっきまでクロのこと見えなかったの、ッ! だって胸のほくろみたいにちっちゃいんだよ? だからね、いるのかなー、って思ってたの。でも、んッ、そこならクロのこと、感じられるよ。良い子だね、気持ちよくて、砂つぶみたいで、可愛い、よッ…!!」
 ムギの声が響いた。滑らかな褐色肌、その山脈みたいな体が私を感じてくれる。気持ちいいと言ってくれる。アキより、アキのあそこより小さいのに! 大小二つの秘部にぐちゃぐちゃにされて、でも私は嬉しくてたまらない。ずっとこうされたかった。ずっと待ってた。おもちゃみたいに扱われながら、でも愛してもらえるこの瞬間を。スズはアキをあそこに押し付けて、アキは私をあそこに押し付けて、ムギは私を受け止めてくれる。みんなが私を中心に幸せそうな声を出して、私もいろんなところが、切なかった小さな胸が、お腹が、唇が、そしてお股が、全部全部愛撫される。大きいクッションみたいなムギのクリトリスにしがみついて、時にはアキのタテスジに舐められて、みんなの蜜で溺れさせられた。白い肌と褐色の肌、大きなタテスジと小さなタテスジ、それらが天地となって私を舐めて、咥えて、ぎちぎちに拘束して、私を慰めた。肌にはトロトロとローションのようなツユが塗れて、プリッとしたその柔い肌が私の脚の間を擦り、内腿を撫で、気持ちいいところを刺激する。そんな気持ちいいこと、耐えられるはずもなかった。
「やっ、〜〜っ!!」
 キュウッと体がすぼまって、思いっきりムギのマメにしがみつく。股から腰、背筋から頭へ走り抜けるゾクゾクとした快感に意識が飛びそうになって、なんとか保とうと頭をそこへこすりつけた。触れるだけでくすぐったくキュンキュンしてしまう何かが私の股間の中をかき乱すようで、もうどこを触れてもそれが肌をくすぐるのだ。どうしよう、壊れちゃう、助けてムギっ! そんな風にして小人にすがられるものだから、驚いたムギもおかしくなってスズの背中をおまいっきり抱きしめる。二人のお腹にしがみつかれて、アキも一緒だ。そしてみんなが一つになって、ただ一つ、
「はっ、はっ、はっ、はぁ……」
 ムギの吐息だけが、私たちを包んでいた。



「ふふ、とっても面白かったよ」
 ミカゲは思い出し笑いをする。
「どうなるかなとは思ってたけどね、あんなに愉しませてくれるとは思わなかったよ。ほらっ、女の子にされておもちゃにされてるところなんかもうこっちまで恥ずかしくなるくらい哀れで可愛くて……!」
 いじわるなことを言いながら鈴のように笑うミカゲ。結局、彼女は僕の慌てふためく一部始終を眺めて娯楽にしていたのだった。
「……ミカゲ、こうなるのわかってたでしょ」
「ボクにわからないことなんてあるわけないじゃないか。ふふ、寝てるムギの足は気持ちよかったかい?」
「やめ、わ、わぁあ!!」
 恥ずかしさが沸点を飛び越して僕は変な声を出すけれど、そんなさまもミカゲには愉しくて仕方ないらしい。
「キミが恥ずかしがってるのを見るのは本当に楽しいね。ほら見てごらん、雌にされて子猫のように叫んでるところだ。本当に可愛いねえ、これからこの姿で過ごしてもらおうかな。気づいてたかな? この時耳と尻尾が生えかけてたんだ。身も心もペットだね。嫌がってるくせにさ、尻尾はしっかりムギに巻きついて、欲張りさんだね? 頭の中はこんな恥ずかしい言葉でいっぱいでさ、クロは小さな小人にもっと小さくされてもみくちゃにされるのが好きなんだね?」
 最高の見世物にミカゲはいつになくはしゃいだ様子で、膝の上に僕を乗せ手ずからどれほど僕が面白かったかを語る。恥ずかしさのあまり身をよじって逃げ出したいけれど、しっかりと僕をお腹に押さえつけると本に僕らの姿を映して見せたり、言葉で僕を啄んでみたり、本当に本当に楽しそうだった。たまったものじゃないけど、内心喜んでもらえて嬉しくなっているあたりが救えない。ふにふにとミカゲのお腹に抱かれて、布の下に太ももの確かな感触を感じて、やっぱり僕はミカゲのものだった。
「気まぐれでキミを発情させてみたけど、まさかこんなことになるとはね」
「仕組んでたの!?」
「人聞きが悪いな。良い思いしたじゃないか。あ、もしかしてもう一度見たいのかな?」
「や、やめて!」
 必死になる僕にミカゲをミカゲは面白がった。かないっこないのはわかってる。再びミカゲのお腹に収まった。どんな時でも、ここはぬくくて落ち着く。顔が緩んで、気持ちよさそうな表情をしてしまう。正直、ミカゲが楽しそうにしてくれるだけで僕は幸せだった。
 ぽんぽんと僕のお腹に手を当ててくれた。身をくねらせて、お腹の上に顔や胸を押し付ける。背中を優しく叩かれ、すっかり懐いた子猫のように僕はミカゲに身を委ねた。
「三人の相手で疲れたみたいだね。今日はゆっくりお休み。あの子達もうんと優しくしてくれるだろう」
 クシャクシャと頭を撫でてくれる。頭を包む掌を手に乗って、飼い主の好意を一心に喜ぶ。するとミカゲは僕の首に、細い紐を回した。それは素晴らしく手触りの良い組紐で、それをミカゲはパチンとはめる。
「ちょっと意地悪しすぎたお詫びと、楽しませてくれたお礼かな。この首輪には、ボクの髪の毛が編んである。みんなのもね。これでキミをボクらは見失わないし、キミはボクらに守られる」
 それはチョーカーに似ていた。絹糸の中に銀糸が走り、黒と亜麻色、栗色が鈴のようなものを守っている。
「すごく綺麗な色……、ありがとう!」
「うん、頑張って作った甲斐があったかな。キミはボクたちの魔力で必ず護られる。どんなに小さくても愛を受け止めきれるよ。……試してみるかい?」
 イタズラな笑みを浮かべて、ミカゲがちょっと生脚を見せつける。思わずドキッとしてしまうけれど、それはまた今度。今は猫娘たちでいっぱいでへとへとで、ミカゲに体いっぱい仕えることが出来そうになかったから。
「あら、ちょっと残念。キミたちを見ててね、ボクも、ちょっとそんな気分なんだ。でもそうだね、今はボクが疲れを癒してあげる。そしたらそのあとは……よろしくね?」
 慈愛に満ちた声音で、でもちょっぴりからかい気味に。そんな声を聴くだけで暖かくなる。ポカポカと春の陽射しに照らされる。慈母たるミカゲは、僕のお腹に手を当てて囁いた。
「ずっとボクの上にいるといい。そこなら、直接ボクの力を感じられる。温かいからきっと安らぐはずだ。子守唄を歌ってあげたっていい。歌は最初の魔法の形だ。お腹を撫でて、私の胸で包んであげる。眠ったら、ボクの胎内に還してあげよう。ボクの胎が、クロの生まれた場所だからね。ボクの鼓動を聴いて、ボクの中に溶け込んで、そしてまた出ておいで。そして一緒に、お菓子を食べよう」
 そしてふんわりと毛布をかけて、ゆらゆらと安楽椅子を揺らし始めた。その大きな体で、僕を包んで。