「コンプレックスのある女性の復讐&略奪」



~第1章 彼女のコンプレックス~


工藤由加里はこれまで特に付き合った男性のいない20代後半のOLである。
彼女は、学生時代にバレーボールで鍛えていた事もあって188cmの長身に引き締まった長い脚、目を引く程巨大なバスト・ヒップにウェストも綺麗にくびれ、プロポーションは抜群
であったが・・・彼女には幾つかのコンプレックスがあった。

1つは体臭。彼女自身は気を遣って常に清潔にしているつもりでも体質からなのか、彼女の身体から発する臭いは周囲が皆避ける程で、また、彼女自体が大柄であるため彼女の周囲
広くにその悪臭が漂い、中にはあからさまに鼻を抓んだりする心ない人もいた。
また、彼女は髪を腰の辺りまで伸ばしていたのだが、その髪もどれだけ手入れをしても不快な臭気を放ってしまっていて、風で彼女の髪が靡くとその悪臭を周囲に放ってしまっていた。

それから体格以外の容姿、つまり顔にもコンプレックスがあり、特に分厚いタラコ唇にコンプレックスを持っていた。分厚い唇はエロさ、妖艶さを際立たせる事もあるが、彼女のそれは
間近で見ると思わず食べられてしまいそうな錯覚を覚える程分厚く、また、彼女は口そのものが大きいため更にその唇の巨大さが目立っていた。
加えて、毎日歯磨きをしているにも関わらず口臭もかなり酷く、彼女自身も自分の息を嗅ぐと気分が悪くなる程であり悩みの種であった。

由加里:「この体質、何とかならないのかしら・・・ハァ~・・・」


しかし、そんな工藤由加里も思いを寄せている男性はいた。その彼は横山直樹といい彼女より2歳年下の男性で小柄ではあるが誠実そうな男性である。
多くの男性は仕事であっても彼女が近づくと、その臭いから嫌そうな表情や態度を取るのだが、彼は嫌な顔をせずに接してくれており、そんな横山直樹に工藤由加里は惹かれていた。

由加里:「何とか横山くんを振り向かせたい・・・でもこんな臭い大女なんて嫌だろうな~」

彼女は自身の身体のコンプレックスで自信を持てないため声も掛けられず、また、彼自身が彼女の同期の尾本清佳と付き合っているという噂もあり、余計に引っ込み思案になっていた。

由加里:「でも清佳も私と同じくらいの大女だし、もしかして大きい女の人が好きだったら私でも・・・」

彼女は淡い期待を持ちつつ、日々妄想していた。


そんなある日、彼女は会社の男性数人の会話を聞いてしまった。その内容は・・・

「なあ、ウチの会社に工藤由加里っていう女いるやろ?」
「ああ、あのやたらと体臭きつい女か。」
「しかもすげ~デカイ女。」
「デカくて臭いってきついよな。それとあの喰われそうなくらいデカイ唇も強烈だよな。」

これだけでも失礼な話だが、更に男達は続けた。

「この間、曲がり角でぶつかりそうになって、その時に工藤由加里の息が俺の顔にモロに掛かって臭かったで~。」
「あ~そりゃ災難だったな。俺も工藤由加里と話さなければならない時、臭いから思わず息止めてしまうし。」
「しかも、あの巨大な唇が開いてその口の中まで見ちまって、思わず喰われるかと思ってちょっとびびったぜ。」
「何か解るわ。俺もこの間、工藤由加里の後ろを歩いていた時に風が吹いて髪が靡いたんやけど、その髪も凄まじい悪臭だったな。」
「そんなの一瞬の事だけど、俺なんか通勤の満員電車で工藤由加里と身体が密着しちまった時があって最悪だったわ。」
「うわ、それ拷問に近いな。」
「そうそう、体臭も強烈で髪の毛も臭えし、しかも頭上から時々毒ガスみたいな息を吹き掛けられちまって気絶しそうだった。」
「それは体験したくないわ~」
「それで、あまりにも気持ち悪いから電車から降りてトイレに駆け込んで吐いちまったぜ・・・全く。」
「朝から最悪やったな。」

そのように思われているのは薄々気づいていたが、あまりにも酷い言われように由加里はショックを受けてしまった。
そして、あの男達を絶対に許せない、何としても復讐してやろうと強く心に決めた。


「ホントに酷い事言う連中ですわね。復讐してあげましょう。」

由加里は誰かに声を掛けられ振り返ると・・・彼女の後輩でもある吉川真由美がいた。

由加里:「吉川さんみたいに綺麗な子には私の気持ちは分からないでしょ。」

工藤由加里は彼女の後輩に当たる吉川真由美、松田祥子、上野美紀、西山梨沙の4人に、良くないと思いつつ、少々嫉妬心があった。
彼女達は自分よりも更に大きい2m超えの大女であったが、周囲からは憧れの視線、女神のような存在だった。由加里とは違って。

真由美:「由加里さん、そんな言い方しないで下さいよ。復讐したいのなら、力貸しますよ。祥子、美紀、梨沙も一緒に。」
由加里:「え?何かいい案でも?」
真由美:「男を手玉に取るなんて私にとっては簡単よ。それと、由加里さん、私の同期の横山直樹の事が好きなんでしょ?」
由加里:「え?どうしてそれを・・・」
真由美:「フフ、そんなの見てれば判るわ。だって横山と話してる時、由加里さん凄く嬉しそうな表情してるから。」

まさに図星であった。

真由美:「私たちが協力すれば、彼を手に入れる事も可能よ。」
由加里:「でも、横山くん、清佳と付き合ってるって聞くし・・・」
真由美:「それがあまり上手くいってないみたいよ。それに清佳さん、凄く気が強いから私の同期の男からは結構怖い女の人に思われてる見たいですよ。」
由加里:「判ったわ。貴方の案に乗ってみるわ。」


こうして、工藤由加里は侮辱的な会話をした男達への復讐と思いを寄せている横山直樹を略奪する事にした。