「叔母さん、今日からお世話になります。」
「あらあら、長旅疲れたでしょ? 今部屋に案内するわね。」
俺の名は望月 裕(もちづき ゆう)。この春からめでたく大学生だ。
そしてこの人は東京に住む母の妹の千秋叔母さん。
「あら、裕ちゃん!久しぶりだね~♪」
「暫く見ない間に背伸びた?」
「お兄さん、ご無沙汰してます。」
そして、この美人三姉妹は従姉妹だ。
上から順にOLの春奈さん。性格はちょっとおっとり系だが、身体の方はかなり刺激的なスタイルをしている。
次に真ん中が俺と同い年の夏希。優しいんだけどドジっ娘、残念な事に胸までスレンダー。
そして一番下が冬華ちゃん。二つ年下の女子高に通う高校ニ年生。性格は一番しっかりとしている。
引っ込み思案な所も有るけど、昔から俺にはなついてくれている。
正月や夏休みにはよく遊んでいたのだが、ここ数年は予定が合わなくて久々に顔を会わしたのだ。
「裕君、この部屋使ってね。足りないもの有ったら遠慮せずに言ってね。」
俺はこれから大学に通う間、千秋叔母さんの家に下宿させてもらうのだ。
つまり、今日から美人三姉妹と一つ屋根の下での生活が始まるのだ。
ちなみに叔父さんは海外に長期出張で家を空けており、年に1度くらいしか返ってこないらしい。
これはラッキースケベくらい期待しちゃっても仕方ないよね、ムフフフフッ。
俺はこれからのハッピーライフを想像してついついニヤケてしまうのであった。
「裕君、先にお風呂入っちゃって~。」
台所で食器を洗いながら叔母さんが声をかけてくれる。
え~っと、お風呂はここの突き当りだっけかな。
ガラガラガラッ。
脱衣所のドアを開けると、下着姿の春奈さんと目が合った。
ブラジャーを外そうと背中に手を回している所だ。
「・・・。」
「あっ、ごめんなさい!!」
俺はすぐにドアを閉めるとドア越しに春奈さんに謝ったのだった。
あ~初日からやっちまったよ・・・。イメージ最悪だ。
するとドアを少し開けて顔だけ出した春奈さんが声をかけてきた。
「ん~、裕ちゃん一緒に入る?」
「えっ、あ? ちょっ・・・何言ってるんですか! からかわないで下さいって!!」
「え~~~、昔は良く一緒に入ったじゃん!」
俺は慌てて脱衣所を後にしたのだった。(前屈みで)
リビングに戻ると、洗い物が終わった叔母さんが話しかけてきた。
「裕君ってアレルギーとか、食べられない物ってあるの?」
「ん~特に無いですけど・・・あっ、チョコレートだけダメですね。
俺は覚えてないんですけど、小さいときに食べて死にかけたらしくて。」
「えっ・・・うそ!身体何ともない?大丈夫??」
何と夕飯のカレーの隠し味にチョコレートをちょっぴり入れていたらしい。
幸いなことに、今の所特に身体に異常は出ていない。
意外と大した事なかったのかもしれないな・・・などと考えつつ部屋で荷物の整理を始めたのだ。
すると片づけ始めて直ぐに眩暈が襲ってきたではないか。
妙にフワフワした感じがして足元がグラつき、身体が熱く火照る。
───バフッ!!
急に視界が薄暗くなり、分厚いカーテンの様なものに覆われている。
一体何が起こったのか。
俺は何とかそこから抜け出すと、信じられない光景を目にしたのだ。
6畳一間だった部屋が体育館の様な広さに代わっている。
改めて先ほどのカーテンの様なものを見ると、先ほどまで俺が着ていた服ではないか!
「俺が縮んだのか・・・。(愕然)」
しばらく信じられないといった感じで呆然としていたのだが、再び身体が熱気を持ち始める。
───バフッ!!
体育館の広さだった部屋が再び元の6畳一間の部屋へと戻ったのだ。
「俺、何か夢でも見ていたのかな?」
頬っぺたをつねってみたが、普通に痛い。
「となると、原因は・・・チョコか!?」
何と、いつの間にか俺はチョコレートを食べると身体が縮む特異体質になっていたのだ。
そして俺は今、実験中である。
目の前には色んな種類のチョコレートが並んでいる。
時間が経てば元の大きさに戻るのが分かっていればそれ程恐れる必要はない。
むしろ、この体質を利用すれば・・・ムフフフッ。
「おっと、身体が熱くなってきた。そろそろ元に戻る頃かな。」
───バフッ!!
「ふむふむ、今のは大体30分・・・と。」
そして色々食べ比べては効果を確認していった所、ある規則性があることに気が付いたのだ。
小さくなる時間はチョコを食べた量に比例する。
一欠片食べれば30分程度持続。
板チョコ一枚で大体6時間くらいだ。
後、もう一つ大事なのがカカオの含有量。
何とカカオの含有量で縮小度合いが異なるのだ。
普通の板チョコだと15㎝くらいに縮むのだが、最近流行りの含有量95%だと1mm程度まで小さくなることが分かった。
時は替わって、週末昼間。
三姉妹と叔母さんはみんなで買い出しに出かけていて、お留守番である。
俺は今、春奈さんの部屋の中に潜入している。
クローゼットも開けっ放しで意外とだらしない。
服はたくさん持っているのか、大きなタンスが部屋の隅に置いてあった。
「おっ、有った有った。」
一番下の引き出しを開けると中にはお目当ての綺麗に畳まれたブラやショーツが所狭しと並べられていた。
俺はお口で溶けて手で溶けない例のチョコを数粒口の中に放り込み、身体が小さくなるのを確認するとその夢の空間へと飛び込んだのだ。
春奈さんの下着のプールである。
ポフッ。軟らかい布地がクッションとなって俺の身体をやさしく受け止める。
全て洗濯してあるとは言え、使い込んだ下着からは春奈さんの匂いが漂い鼻腔を刺激する。
俺はその中のショーツから一つを選ぶとその中へと潜り込んだ。
この間、脱衣所で春奈さんが身に着けていたやつだ。
クロッチの部分には洗濯しても落ちないうっすらとしたシミが付いている。
俺はショーツのクロッチ部分に顔を埋めると、そこから染み出す匂いに包まれながらエレクトした下半身を擦り付け、直ぐに絶頂に達してしまったのだった。
幸い、時間はまだまだある。そう思っていた時が自分にもありました。
しばらくショーツの山に埋もれながらまったりしていると、うたた寝をしてしまっていたようだ。
───トンットンットンッ。
「もぉ~、お姉ちゃんたらまた散らかして!」
足音と三女の冬華ちゃんの声で目を覚ましたが、すでに遅かった。
大きな揺れが俺を襲う。
ガタッ。
さすが、しっかり者の冬華ちゃんである。
俺の忍び込んでいたタンスの引き出しをぴっちりと閉じてしまったのだ。
何とか出られないかと色々試してみたのだが、この小さな身体はあまりにも非力でタンスからの脱出は不可能だった。
そんな中、再び身体が熱を帯び始める。
タイムアップだ。
───バフッ!!
非情にもチョコの効果が切れて俺の身体は元の大きさへと戻ってしまったのだ!
タンスの下着入れの引き出しの中で。
下着と俺の身体で引き出しの中はぎちぎちで、まともに身動きが取れない。
そこに春奈さんの登場である。
「汗かいちゃったから、先にシャワー浴びちゃおっかな~。」
そう言って、俺の入っている引き出しに手を掛ける。
「あれ?開かない・・・? 何で~~~?」
引き出しの中では俺の身体が引っかかり、体重も相まって引き出しは開かない。
むしろ、この状態(すっぽんぽん)で下着の中に居るところを見つかったら俺の人生OUTである。
「ねー、夏希~ちょっと来て~~~!!」
まずいまずい!!
どうやら、一人では開けられないので夏希ちゃんも呼んだようだ。
「あれ~開かないね。」
「ちょっと一緒に引っ張ってみて。せ~の!」
ガタッ。
先ほどまではピクリともしていなかった引き出しがほんの少し開いたのだ。
部屋の明かりがタンスの引き出しの中に漏れ入ってくる。
うわわわわ・・・絶対絶命である。まもなく俺終了のお知らせの鐘が鳴る。
「おっ、ちょっと開いたね。もう一回ね。せ~の~!!」
そしてついにタンスの引き出しが一気に開かれる。
「おお~やっと開いたね。何か引っ掛かってたのかな?」
「いや~ん、下着ぐちゃぐちゃだわ。お姉ちゃん悲しい。」
そこに俺の姿は無かった。
ギリギリ紙一重の所で俺はそれに気が付いたのだ、目の前にさっき食べていた例の手で溶けないチョコが1粒だけ落ちている事に。
そして何とか人生終了の窮地を脱出した俺は、タンスを開けたままシャワーに行ってしまった春奈さんの部屋から自分の部屋へと逃げ帰ったのだった。
(スッポンポンで)