管理者
※主人公と理穂は、常に同じ大きさとして下さい
 移動するごとに大きくなってく

命と言うのは、他人の気まぐれですぐに終えてしまうものだ。
僕は、そのことをよく知っている。そう「あんなもの」を
見せられてしまったから・・・
その日は、転校生が新しく入るというので朝から浮かれていた。
「どんな子が入るんだろ?女の子がいいな」
と、ありきたりな期待を高ぶらせホームルームを待った。
時間になり先生の後から、こそこそと入ってきたのは、女の子だった。
しかも、この世のものとは、思えない美少女だった。
クラスの男子は、色めきたち女子は、面白くない様子をこれでもかと
視線に乗せてぶつけていた。
「彼女の名前は、管野理保さん。みんな、仲良くね。
 ん〜・・・席は、アソコね。わからない事は、隣の彼から聞きなさい」
指が指されたのは、俺の隣だ。周りの視線が痛い。
しかし、ラッキーだった。
その日の放課後、俺はこの街が見渡せる展望台につれて来られた。
「今日は、色々教えてくれてありがとう。お礼に私の仕事教えちゃうね!」
そう言うと彼女は、ケータイを取り出しどこかへ、連絡を取り始めた。
「友達にでも電話するのかな?ん、待てよ!今、仕事っていったなバイトかな?」
と色々、思考している内に彼女は、とんでもない事を言い出した。
「宇宙軸RZ−007’CQ‘Ⅱ−A  個体名『地球』 
 要因 一種類の生命体による独占的環境変化
 結論 他の星に影響が出ない内に排除」
それだけ、言い終わると返答など聞かずに切ってしまった。
俺は、突然のことなにがなんだかさっぱりだったが話をする彼女の顔から一切の感情
が伺えず、まるでロボットみたいだったことに恐怖を感じていた。
ふと、彼女に意識を戻すといつもの人間らしい顔に戻っていたが話し出した内容が
人のそれでは、なかった。
「私、管理者なの!今、連絡を取ったわ。この星は、ゴミとして処理されるけど
あなたは、少しとはいえたまたま私に色々と教えてくれたから特別に見せてあげる
この世の『現実』をね」
そう言うと彼女は、僕の手を取った。次の瞬間周りは、透明な球体に覆われ
最初はゆっくりしかし徐々に速く上へ上へと浮いていった。
やがて宇宙へ出た僕が目にしたのは、とてつもない大きさの女の子だった。
いったいどれくらいなのか、わからない。少女からしたら地球は、あめ玉みたいだった。
「な、なんだ・・・これ?」
驚いている僕をよそに理保は、
「私が作ったの。人体構造をちょっといじってね・・・」
と、付け加えるようにぼそっと言った。
その巨大な少女は、なんの疑いも無く尋ねた。
「この青い玉を処理すればいいの・・・」
理保は
「ええ、そうよ!」
と、吐き捨てるように言った。
「それじゃ、いくよ〜。え〜い!」
一瞬のことだった。少女は、青い玉を中心に両方の手を思いっきり開いた後、それをもの凄いスピードで
閉じてしまったのだ。人が住んでいたその球体は一瞬のうちに幾重もの石の塊になってしまった。
億単位の生命と共に・・・
「な、なんてことしたんだ、君たちは!」
声を上げて叫ぶ僕を尻目に理保は、少女に帰還命令を出していた。少女を見送った理保が、
「おもしろい物を見せてあげる」
と、僕の問いを完全に無視して手を取った瞬間、目の前の光景がもの凄いスピードで遠ざかっていった。
やがて、銀河全体が見え始めた。まだ、遠ざかる。今度は銀河が数十個散りばめられていた。
まだ、遠ざかる。やがて何かを通り抜けた感覚があり、まばゆい光に包まれたと思ったら
目の前には、綺麗なビー玉らしき球体がいくつかあった。周りを見渡すと研究所の保管室のようだった。
中央には、巨大なコンピューターが一台。壁には、幾重にも仕切られたガラスケースが並んでいた。
その中には、やはりビー玉らしき小さい玉がずらっと敷き詰められていた。
ビー玉の下には一つ一つネームプレートがある
「これがいったいなんだか、解るかい?」
話しかけてきたのは、そこにいた唯一の人間だった。どこか見覚えのあるその女性は、理保にそっくりだった。
しかし、見た目は、20後半辺りの妖艶な美女だった。
「この玉はね。1つの宇宙なんだよ」
そう言うと女は、ぐっと手にしていた小さい玉を握り締めた。そして、小指から順に指を広げていくと、
微かな無数の破片が音も無く風に運ばれていった。
「言ったでしょう。管理者だって・・・私は、たった一人でこの途方も無い数の宇宙を管理しているのよ
 このスーパーコンピューターを使ってね。だいたいは、1つの宇宙に入って星一つ単位で破壊するけど
 たまにちょっと高度な文明が銀河全体を支配しちゃうんです。そしてバランスがくずれたとこのコンピューターが
 判断したら私が処理するんだよ。さっきのようにね!でも、ここでずっと一人は淋しいからあなたを
 つれて来たのよ。暇つぶしに付き合ってね♪」
 その後私は、理保であろうこの美女と玉の管理をしてゆきました。



元ネタは、M●B(1の方)の最後です。それ見れば、なんとなく解ります。

う〜ん。2作目だけどまだまだ書いていて、ごちゃごちゃになってしまう(泣)