【名前】先坂茜(さきさか・あかね)
【年齢】15歳(中3)
【出身地】神奈川県
【身長】217cm
【体重】77kg 
【外見的な特徴】モデル並みの色白スレンダー
【好きなもの】野菜 牛乳
【嫌いなもの】肉などの脂っこいもの
【アピールポイント】知らないうちに男の子を虜にしてしまう優しい笑顔 元々、いじめられっこだったので誰にでも優しい
【その他プロフィール】最近、身長の伸びがようやく落ち着いてきたのでホッとしている
           頭は良いほうなので、自分より年下の女の子たちの宿題や勉強を見てあげてくれる
【やらせてほしくないこと】暴力的なこと

中学2年生の頃の茜 
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ある日の朝。
「茜…?朝よ…?今日の体調はどう?学校行けそう?」
心配そうな母親。
「ん…今日も無理。休む。」
布団を被ったまま答える女の子。先坂茜14歳。中学2年生。
彼女はここ最近、学校に行っていない。俗に言う不登校である。
原因はいじめ。彼女自身は一切、悪くない。ただ、人より"大きい"というだけでいじめの対象になってしまった。
きっかけは3カ月前の身体測定…
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「次は…先坂さん!」
大きな体を出来るだけ小さくして保健室の隅で待っている茜。
「…はい…」
その体とは対照的に自信なさげな小さい声の返事。
立ち上がり、身長計に近づく茜。他の女子は茜のへそぐらいのところに頭がある。
「(神様っ!『縮んで』とは言いません!どうかどうか大きくなっていませんように!)」
心の中で祈りながら、身長計に立つ。
保健医が椅子にの上に立って目盛りを読む。
「先坂茜さん。213cm。」
保健医の声にどよめく保健室。当の本人は保健医に詰め寄る。
「先生っ!読み間違ってませんか!もう一度よく見てください!」
先生もあきらめ顔でもう一度計る。
「先坂さん。何回計っても同じよ。213cmですよ。」
去年に計ったときはまだ198cm。かろうじて2mはない身長に安堵した。。
しかし、たった1年で+15cm。まだ中学2年生。これからまだまだ成長するだろう。
がっかりする茜。
次に体重、スリーサイズなどを計り、身体測定は終わった。
少し小さめの体育着を着て教室に戻る。
教室の扉を開けて、ふと黒板を見ると…
【祝☆2m超え!!世界一大きな中学生!先坂茜!】
デカデカと書かれた文字。目の前が真っ暗になる。
「やったなwwおめでとうwww」
と、ニヤニヤ笑いながら握手を求めてくる男子もいる。
それを無視し、無言で黒板を消しにかかる茜。
「デカいから、消すのも早いなw先坂は黒板消し係の天才だな!w」
馬鹿にした口調で囃す男子。一部の女子は反論するが流されてしまう。
「(はぁ…なんで私だけこんなおっきくなっちゃったんだろ…)」
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その次の日からちょくちょく学校を休むようになってしまった。
最初は2日おきに休む程度だったが、いつしか学校に行くのは週一、そのうちに月一とどんどんと学校から遠ざかるようになってしまった。
今日も学校を休んだ。体調はそんなに悪くない。しかし、学校に行き、好奇の目にさらされると考えるとどうしても足が向かないのである。
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茜は顔だけを見ると非常に可愛いと言っていいような顔である。芸能人であってもおかしくはないだろう。体型を見ると全体的にほっそりとしていてスレンダー。この身長だとさらに細く見える。
『普通の人より大きい』ただそれだけ。それだけでこの"美少女"は自分の家、部屋から出られなくなってしまっている。
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学校に行かない茜。勉強は嫌いではないの一応、机に向かう。
昨日、唯一と言っていい友達が持ってきてくれた数学のプリント。
この友達とは、なぜか気兼ねなく話せてしまう。最近の近況、おもしろかったテレビ番組、好きな歌手、ファッション…時間を忘れて色々な事を話してしまう。
「茜ちゃん。学校来てみなよ。意外と楽しいかもよ?」
最後に必ずそう言って帰っていくが、茜はいつも「…うん…そのうちね…」と気のない返事をして別れてしまう。

普通サイズの勉強机に脚を折り曲げ、背中を丸め、小さく縮こまり、プリントの問題を解いていく茜。
「うーん…。とりあえず終わり!」
大きく伸びをする。長い腕を伸ばし、丸まっていた背中を大きく広げる。
「…お腹すいた。」
自分の部屋を出て、台所に向かう。
ドアを屈みながら出るようになったのはいつからだろう。将来、大人になったら、自分が普通に立って生活が出来る家を建てるというのが最近の茜の夢だ。
「パンしかないのか…」
両親が共働きの先坂家では日中、誰もいない。一応、茜用に食べ物は置いてある。
パンを2枚、トースターに入れ、テレビをつける。
チャンネルを変え、いろいろ見てみるがピンと来る番組がない。
「平日の午前中なんかどれも同じか…」
リモコンを置いたとき偶然、CSというボタンを押してしまった。
「あっ!ヤバっ!お金かかっちゃう!」
【CS】という放送をよく理解していない茜は慌ててチャンネルを変えようとするが、うまくいかない。チャンネルをカチャカチャ押しているうちに謎の番組をやっているチャンネルにあってしまった。
「何これ…?N○K?じゃないし…」
テレビの画面には、自身の体に合っていないへそ出しのエプロン姿でたどたどしく料理をする女の子。顔は童顔だが、体つきが完全に大人である。
膝上ほどの高さのテーブルで体を大きく屈め、巨大な手には似合わない子供用の小さい包丁を持ち、ちまちま作業している。
次の場面、横に料理人らしき男の人が立っているが、その女の子の脇の下ぐらいまでしかない。
「…!!デカっ!何この子!?」
トーストを食べながら、この謎の番組を最後まで見てしまった。
最後に出たキャストの名前を見ると、この長身の女の子の名前は『陽季かれん』ということがわかった。早速、居間にあるパソコンで検索してみる。
「なになに…身長…198cm!!?あの顔で!?えっ!12歳!?…ってことは…小6!?」
調べていくと、どうやら大きなお友達にも人気のジュニアアイドルらしい。色々なテレビのキャプ画を見ても、他の誰よりも大きい。
「すごっ…」
キャプ画を見ていて茜はあることに気づいた。
かれんちゃんはどんな場面でも、ニコニコ笑っている。下手な子役より自然な笑顔のかれんちゃん。この仕事がよっぽど好きで楽しいのだろう。
「私の笑顔…知ってる人はいるのかな…」
ふと、そんな考えが浮かぶ。
ここ最近の記憶を辿ってみると、あの友達以外には笑顔なんて見せていない。
たまに行く学校でも、髪の毛で顔を隠し、うつむき加減で過ごしている。
「私が小6の時より大きいのに、こんなに笑顔なんて…」
パソコンの画面に映るかれんちゃんの笑顔を見て、何かを決意する茜。

その日の夕方…
今日も例の友達がプリントを持ってきてくれた。
いつも通り、他愛のない話で盛り上がる2人。時間を忘れて話し込む。
日も暮れ、そろそろ友達が帰る時間になった。玄関まで見送りに出る茜。
「じゃーね。茜ちゃん。明日は学校、来るよね…?」
いつも通りの質問をする友達。しかし、今日の茜の返事は違った。
「うん!明日は行くよ☆迎えに行くから一緒に行こうね!」
満面の笑顔で返す茜。
「…茜ちゃん…。うん!待ってる!じゃーねー!明日!絶対だよ!」
少し涙目になった友達だったが、最後は明るく去っていった。
「(うん!そうだ!あの子だって頑張ってるんだもん!私だって!)」
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次の日…
「茜~起きなさーい!お友達、迎えに行かなきゃなんないんでしょ?早く準備しないと!」
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昨日の晩、初めて、両親に悩みを打ち明けた茜。悩みを聞いた両親は娘の思春期の悩みに熱心に耳を傾けてくれた。
そして、今日見たテレビの出来事、明日からの決心を話をした。
「明日、ちゃんと起こしてね!」
とだけ言い、自分の部屋に帰っていった。急に明るくなった娘の姿に呆気にとられる両親。
「まっ!いつまでもめそめそしてるようなコじゃないからな!さすが俺の娘だ!おい!もう1本持って来い!」
大声で笑いながら部屋に入っていく我が娘の大きな後ろ姿を見る父。飲みかけのビールを一気に飲み干し、さらに持ってくるように頼む。
「ちょっと!飲み過ぎです!今日はおしまい!」
コップを引ったくるように奪い取り、後片付けを始める母。
「えぇ!なぁ、もう1本ぐらいいいだろぉ…」
コップを持って台所に行く、自分より背の高い妻を追いかける夫。
妻・陽子185cm。夫・健二170cm。
「ダメです!昨日も飲んだでしょ!おしまいおしまい!」
台所に立つ妻に軽くあしらわれて居間に戻る健二。
「娘があんなに大きくなったのは私のせい!」と、泣いていたこともあった妻だが、ようやく本来の明るさを取り戻したようだ。
「幸せだなぁ…」
ぽつりとつぶやく健二。健二もそのままソファで眠ってしまっていた。
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「おはよぅ…」
まだ眠そうなパジャマ姿の茜。
「おっ!今日は早いな!父さんはもう行くから!遅刻すんなよっ!」
忙しそうに出て行く父親を見送る茜。
歯をみがき、朝食を食べ、制服に着替える。久しぶりに着る制服。
「うっ…心なしか少し小さくなったような…制服が縮んだのか…また大きくなったのか…。着れないことはないから、まぁいいか♪」
こういう楽天的なところは父親譲りであろうか。
改めて姿見に映る自分を見る。
紺色のソックスとは対照的に白く細い脚。脚が長すぎて、スカートがミニに見えてしまっているのは仕方がない。
スレンダーな上半身を包む白いセーラー服。そこから両脇に伸びる色白の長い長い腕。
少し屈んで顔を見て、セミロングの髪を整える。
「(顔は結構、イケてると思うんだけどなぁ…)」
自分の顔を見て、そんな事を考えていると、
「茜っ!何してんのっ!遅れるわよ!」
母親の声でハッとして我に返る。

「いってきまーす!」
慌ただしく出て行く娘の姿を見送る母。
「(たった1日でこんなに変わるなんて…かれんちゃんに感謝しなきゃね。)」
小走りで遠くなっていく娘を見ながら思う母であった。

久しぶりに外に出た茜。道行く人は超長身の女子中学生に驚く。
「(やっぱ、私って大きいんだなぁ…)」
歩いていて、茜より大きい人はいない。すれ違った中で一番大きい人でも肩先に届くかどうか。小さい人だと胸元にも届いていない。
そんな事を思いながら歩いていくと、もうすぐ友達の家である。
「あっ!茜ちゃーん!おはよー♪」
茜に手を振っている友達。外に出て待っててくれたようだ。
「おはよー!ちょっと遅れちゃった。ごめんね。行こっか!」
友達と一緒に歩いていく。遠目に見ると大人と子供のような身長差。片方は平均身長ほどだが、もう片方は平均身長をだいぶオーバーしている。

「茜ちゃん…大丈夫…?」
学校に近づくにつれ、生徒が増えてくる。それに伴ってそれまで普通に話していた茜の口数が明らかに減ってきたのを感じた友達。
「う…うん…大丈夫!さっ行こ…」
口調は明るいが足取りは重そうだ。
「茜ちゃん…無理しなくていいよ。」
友達が気を使ってくれたが、茜は学校へ入っていく。
「(かれんちゃんはまだ小6なのにあんなに頑張ってるんだもん!私も頑張る!)」
昨日、見たキャプ画の笑顔を思い出しながら歩いていく。
学校に入るとやはり好奇の目で見られているのがわかる。
「おぉww世界一!ww今日は来たんだなwwww」
昇降口で居合わせた同じクラスの男子数人がはやし立てる。友達が言い返してくれているがまるで聞いていない。
「(…負けないもん!)」心の中で決意する茜。
「そうよ!世界一よ!ほら!この脚だってあなたの何倍長いのかな?」
ズイッと男子生徒の前に脚を見せつける茜。
目の前にミニスカから伸びる長い脚を出された男子一同は言葉を飲む。そんじょそこらのモデルなんか比較にならないほどの長さの色白の美脚。
「ねぇ!どうなのよ!短足くん。」
さらにグイグイと脚を見せつける茜。ミニスカからちらりと覗く白い太もも。膝が男子生徒の胸元に当たりそうだ。
「うっ、うるせーデカ女!」
真っ赤な顔をして逃げていく男子たち。
「茜ちゃん…?」
男子が去った後、なぜかうつむきっぱなしの茜に声をかける友達。
「うぇ~ん…何かされると思った~…」
その途端、友達にすがり泣き崩れる茜。
「うんうん。茜ちゃん、強くなったね。」
茜の頭を優しく撫でながら、褒めてくれる友達。
「さっ、茜ちゃん!立って立って!教室に行こっ!」
友達に諭され、立ち上がる茜。先ほどの顔から一転、明るい笑顔で教室に向かう。

「おっはよー♪」
元気良く、教室に入っていく茜。
「あっ!茜ちゃーん!スッゴい久しぶりだね!(笑)」
明るく迎えてくれるクラスメイト。
「うん!1ヶ月ぶりぐらいかなぁ?」
首をかしげ、照れ笑いの茜。
「なんかまた大きくなってない?あれから成長した?」
小さくなった制服を見たクラスメイトが率直に聞く。昨日までの茜なら、身長の事を聞かれただけで落ち込み、黙り込んでしまっていただろう。
しかし、今日からの茜は違う。
「やっぱりそう見える?…また大きくなっちゃったかも☆」
制服を引っ張ったり、スカートをひらひらさせたりしながら答える茜。最後にニコッと笑顔を見せる。
「(((かっ…かわいいぃぃぃ!!)))」
その笑顔を見ていたクラスの男子全員がときめいた。
これまでの学校生活はいつも自信なさげにうつむき加減で過ごしていた茜。
茜の身長のことばかりを気にし、笑顔どころか素顔すらまとも見た覚えは無かった男子たち。アイドル顔負けのキラキラした笑顔に一気に虜になってしまった。
「おはよう♪」
自分の席につき、あの笑顔で隣の男子に挨拶をする。
「お、おはよう…」
顔を真っ赤にしてうつむきながら返す男子生徒。まるで今までとは逆の立場になってしまっている。

授業が始まって…
「あ…教科書、忘れちゃった…。」
先生に言うと、「隣の人に見せてもらえ」とのこと。
机をくっつけ、隣の男子と一緒に同じ教科書を見る。
「ごめんね、ありがと。」
頭一分高いところから小声で礼を言う茜。
今まで意識していなかったが女の子のいい匂いが鼻をくすぐる。白い大きな手で髪をかきあげる仕草もかわいらしい。
「(うわ~…茜ってめっちゃかわいいんじゃん…この席で良かったー。)」
他の男子の嫉妬の目に気づかず、至福の時を過ごす男子生徒。

ひさしぶりの学校生活も終わり…
「あぁ~なんか疲れた…」
首をコキコキ鳴らし、肩を叩きながら昇降口へ向かう茜。
「もう、茜ちゃんたら!おばちゃんじゃないんだから(笑)」
笑いながら一緒に歩いている友達。
昇降口に着き、自分の下駄箱の扉を開ける。
『ドザッ…』
下駄箱からあふれる封筒。固まる茜と友達。
友達が落ちた封筒を拾い上げる。
「なにこれ?もしかして…ラブレターじゃないっ!!?」
友達の大きな声が昇降口に響く。
「ちょ、ちょっと!シーッシーッ!」
慌てて友達を黙らせる茜。よく見ると見覚えのある名前の他、上級生下級生問わず、封筒にはいろんな男子の名前が書いてある。
「いきなりモテモテだねぇ~。このこの~。」
肘で茜のお尻をつつく友達。
「そ、そんなことないよっ!」
顔を赤らめ否定する茜だが満更でもなさそうだ。
大量のラブレターを鞄に詰め込み、靴を履き替える。
「ねぇ。それ、全部持って帰るの?」
大量のラブレターでパンパンになった鞄を指差し聞く友達。
「うん!せっかくの初ラブレターだし♪もしかしたら、この中に『運命の出会い』ってのがあるかもしれないじゃない?」
「そんなもんかなぁ」という友達の言葉聞かず、浮かれ気分で外に出る茜。

帰り道…
「とにかく、茜ちゃんが学校に来てくれるようになって良かった!」
嬉しそうな友達の声。
「私も!こんなに学校が『楽しい』って思ったの久しぶり!」
茜も嬉しそうだ。
「あの男子たちは、もうちょっかいかけてこないと思うよ。完全に茜ちゃんの虜になってるもん(笑)」
授業中、休憩中に関わらず全ての男子の視線の先にはいつも茜がいた。茜の一挙手一投足を目に焼き付けんばかりに…。
「虜って(笑)私、自分のこの身長を大事にしようと思うの。せっかくこんなに大きいんだからこれからは堂々とすることに決めたの。」
拳を握りしめ、真剣な眼差しで話す茜。
「その身長なら堂々とするしかないよね。顔もかわいいからアイドルにでもなればいいのに。あっ…でも、誰とも釣り合わないか(笑)」
真剣に話を聞いていた友達だったが最後には結局、笑い話になってしまった。
「それは言いっこなしだよー!」
2人で他愛もない話をして笑いながら帰宅していく。

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この『先坂茜』という女の子。
この後、GTS48という長身の女の子ばかりを集めたアイドルグループに入ることになるのだが…

それはまた別の話。