「続いてはお天気です。エミリーさ~ん!」
「はーい!こちら埼玉の空は見事な晴れ渡った青空でーす!」
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この春から朝のお天気キャスターに抜擢された”斎藤エミリー”。24歳。
小さい頃から夢である”アナウンサー”になるために、上京して2年。
そんなエミリーがオーディションで見事、勝ち取ったお天気キャスターという仕事。(選考員のなかに長身フェチがいたとかいないとか…)
まだまだ修行中のため失敗も多いが、なんとかうまくやっている。

昨今、流行しているハーフのアナウンサー。4月からこの番組のキャスターになり、人気急上昇中。
黄金色の髪に白い肌。ハーフらしい目鼻立ちのくっきりとした顔立ち。
人気の秘密はそのかわいさだけではない。
顔から下に目を写していくと、顔の下には長い首。
さらに下を見ていくと、大きい胸。”巨乳”には程遠い、もし表すなら”核乳”だろうか。それほどに大きい。”巨乳が武器”と呼ばれているグラビアタレントが悲しく

なるぐらいの大きさだ。
その下には、くびれたウエスト。
サイズにするとしたら胸は6L、ウエストはL。そのぐらいの差がある。
その下には外国人らしくツンと上を向き、横幅のあるヒップ。
ガッチリとした太腿に長い脹ら脛。キュッと締まった足首。

そんな凄まじいスタイルの女性が朝からテレビに出ているのだ。
世にいる男性はテレビに釘付けである。他の番組を見ていてもその時間だけチャンネルを変える人もいるぐらいだ。
ただし、家族や夫婦で見ている人は気まずくて仕方ないが…。

彼女はいつも1人で中継を担当している。その理由は簡単である。
大きすぎるのだ。胸だけならまだしも、背が高すぎるのである。
身長245cm。
エミリーの隣に並んだだけで、顔のかわいさ、胸の大きさ…全てがふっ飛んでしまい、身長の事だけが印象に残ってしまう。
顔だけ見れば小柄な女性として通用するだろう。しかし、立ち上がるとその顔は遥か彼方にいってしまう。
その為、エミリーはいつも1人で中継させられている。
スタジオに行ったのは最初の1回だけ。新しいキャスターとして紹介されたときのみだ。
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「では、来週からお天気コーナーを担当してもらう斎藤エミリーさんです!」
拍手とともに迎えられるエミリー。片脇に前任の担当に渡す花束を持って出てくる。
中腰で花束を渡す。エミリーが持っていると小さな花束だったが、普通の人が持つとかなり大きい花束であることがわかる。
「お、大きいですねー(汗)」
どこを見て言ったがわからないが、前任者とメインのキャスター達が目を丸くして驚く。
他の女子アナは脇の下にも届かない。大きなヒップが胸元付近にある。
全員ををカメラのフレームに収めるのも大変である。
エミリーの顔を映そうとすると、他の人は誰も映らない。
逆にメインキャスターと一緒に映そうとすると、エミリーの胸より下からしか映らない。
結局、全身を映すしかないのだ。
こうすると、エミリーの大きさが一層、際立ってしまうが仕方なかった。
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それ以来、エミリーはスタジオに呼ばれていない。
彼女は”仕事”と称して色んな所に行けるので喜んでいるみたいだが。

それにもう1つ問題があった。衣装である。
彼女のスリーサイズ
B:180
W:80
H:135
もし、身長160cmだとしても
B:120
W:54
H:90
こんな体型に既製品が入るわけもなく、衣装さんを困らせている。
衣装は特注品。もしくはエミリーの私物である。
私服の場合、朝の番組のため、胸を強調するような服装はなるべく避けるようにしているが、巨大な胸は目立ってしまう。
なにしろ180cmという途轍もない大きさである。いくらブラで固定していたとしても、少し体を動かせばユサユサ揺れてしまう。
一度、ブラウスで出演したことがあった。
その体型をありのままに見せつけた上、リポートしていた時は、歩く度にゆっさっゆっさと揺れ動く胸を朝から全国に中継されてしまっていた。
しかも、最後にはリポート中に胸のボタンを弾き飛ばし、巨大なブラが見え隠れするというハプニングを冒してしまった。
もちろん、抗議殺到である。朝の番組にあるまじき行為だ。
エミリーはかなり落ち込んだ。
「(もしかしたらクビかも…もう雇ってくれるところもないわ…)」
…が、前述の長身フェチのお偉いさんによって何事もなかったかのようにこの仕事を続けられるようになった。
「(なんだか知らないけど良かったー。まだ続けられるみたい♪)」

それから今まで、何事もなく仕事をしている。
ただ、ブラウスは禁止になった。必ず、ボタンの付いてない服。付いていても中にインナーを着ることという条件付きではあったが。

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「以上、埼玉県からお伝えしましたー!」
今週の出番が終わったエミリー。
「あぁ♪今週も無事に終わった♪今日は金曜日だし、美佳さんのとこ行こうかな~。」(エミリーと美佳さんの関係はあとで)

「エミリーちゃん。ちょっといいかな?」
スタッフの1人がエミリーに話しかける。ディレクターの山内である。
「はい!なんでしょう!?」
エミリーはこの山内という男に全幅の信頼を置いている。
エミリーだけではなくスタッフ全員、果ては業界内でも”信頼の置ける人”としてある意味の有名人である。
エミリーは知らないがこの男がエミリーをキャスターに指名し、抗議後もエミリーを使い続ける事を押し通した例の”長身フェチ”だ。

「今度ね、エミリーちゃんを別の番組で使いたいって思ってるんだけど、どうかなぁ?」
よく聞いてみると、土曜の夜の番組のスポーツのコーナーでリポーターをして欲しいというのである。
「月~金まで早起きをしているからツラいと思う。無理しなくていいからね。」という山内の言葉が終わるか終わらないかのうちにエミリーの答えは決まっていた。
「やりますっ!やりますっ!」
目を輝かせて、身を乗り出してくるエミリー。胸がタプンタプンと重々しく揺れる。
「ホントに大丈夫?月曜の朝に寝ぼけ眼だったり、もし、寝坊して遅刻なんかしたら…ね…」
山内がトーンの低い声で言う。色の薄いサングラスの奥に見える目がギラリと光る。
この男を怒らせると怖いということも業界内で有名である。特に時間に関しては…。
「うぇ!?う、う~ん…そう言われると…ちょっと…」
考え込むエミリー。
「まぁ。今すぐ決めろってワケじゃないから。決まったら連絡してね!」
打って変わって明るい声でそれだけ言って去っていく山内。
「(カッコいい…)」
去っていく山内を見つめるエミリー。顔はにやけっぱなしだ。

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「…でねぇ!今度はスポーツのコーナーをやってみないか?って!」
明るいエミリーの声がバーに響く。少しお酒が入り、テンションも上がっている。
「えー、あんたがぁ?絶対、無理無理ぃ(笑)」
こちらの女性も少々、酔っているようだ。
女性の名前は美佳。エミリーをアナウンサーの事務所を紹介してくれた恩人でもある。
美佳は大学の先輩であり、事務所の先輩でもある。美佳自身もアナウンサーとして、テレビやラジオなど多方面で活躍しているアナウンサーの1人だ。
エミリーの"あの失敗”のあとも慰め、励ましてくれた。
「えーでもー…山内さんの紹介だしぃ…1人だけで喋ってるのって寂しいし…」
エミリーは真剣に悩んでいるようだ。
「山内さんのねぇ…まさか、あんた山内さんに惚れてるんじゃないのぉ。」
美佳がテーブルに乗っかっている巨大な胸を指で突っつきながら聞く。ムニムニとどこまでも指が埋まっていきそうな柔らかい胸。美佳はことあるごとに胸を突っつく


「そっそんなこと…!って!もぅやめてくださいよぅ…これでも真剣に悩んでるんですからねっ!…これおいしー♪おかわりくださーい!」
グラスに残っていたカクテルを飲み干し、おかわりを頼むエミリー。
「そりゃ目の前にこんなデッカい乳があったら触りたくもなるわ!いいなぁ…おっきいおっぱい…」
自分の胸と見比べる美佳。自分の胸を見る。悲しいほどに真っ平らである。
反対に目の前には、巨大すぎる胸。エミリーのちょっとした体の動きでも敏感に感じ取り、小刻みに揺れている。
「ちょ、ちょっと飲みすぎよ!これ、甘いけど結構、強いのよ!」
美佳は注意するが、エミリーは先ほどのカクテルを飲み干す。もう何杯飲んだかわからないほど飲んでいる。
顔を真っ赤にしながらニコニコ笑っている。
「大丈夫れすよぉ♪わたしぃこうみえてつよいんれすよぉ♪」
確実に嘘である。話す言葉の後半は全て平仮名だ。
「はい!これで終わり!お勘定お願い!」
お金を払い、店を出る2人。

「もぅ~なんででちゃうんれすかぁ~まらのみましょうよ~」
ふらつく足取りで歩くエミリー。話す言葉は未だ平仮名である。
「あんたぁ…重いんだからー。ちゃんと歩きなさいよっ!」
大きいお尻をピシャッと叩き、歩くようさとす美佳。
「いたいれすよぉせんぱ~い♪つぎはどこへいきますかぁー」
まだまだ酔っ払いなエミリー。
「痛いワケないでしょ!こんな象みたいなデッカいケツして!あー重い!座ろう座ろう!」
ベンチに腰掛ける2人。美佳は普通に座れたが、エミリーが座るときミシミシッと木の悲鳴が聞こえたが、面倒なので聞かなかった事にする美佳。

しばらく経って、酔いもだいぶ醒めてきたエミリー。
別の店に入って、今度は真剣に話をする2人。
「本当にどうしようかな…美佳さんならやってみる?」
今度はアルコールではなくソフトドリンクの2人。
「私ねぇ…。あんまりスポーツとか興味ないし。私、リポートとかより原稿読みの方が得意なのよねぇ。」
現に美佳の原稿読みは評判がいい。逆にリポートなどのアドリブは苦手で、あまりそういう仕事は受けていない。
「そっかぁ…どうしようかなー。でも山内さんに誘われた仕事だしなぁ…」
まだ悩んでいる様子のエミリー。
「やってみればー?まだ若いんだし。あんたなら失敗してもなんとでもなるんじゃない?この体だし(笑)」
凄まじいスタイルを見て言う美佳。現に某大型掲示板では毎日のようにエミリーの出ているコーナーの画像が貼られまくっている。
「失敗ってーもう!体は関係ないですよぅ…。でも、やってみようかな…。」
何かを確信した様子のエミリー。そのエミリーを見て、美佳が言う。
「それより、いくら”スポーツ選手”っていってもあんたと一緒に映れるような人がいるの?」
「あ゛。」

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時は経って...

夜のスポーツコーナーのリポートをとりあえず実験的に1日だけ担当してみることになった。
今日は、近日に迫ったバレーボール世界大会のレポート&インタビューである。
衣装も朝のそれとは違い、サマーセーターとショートパンツ。
もちろん特注品。
セーターは巨大な胸を包めるように胸部分だけ深めに作られている特注品。そのまま置いておくと胸の部分だけ盛り上がり、収納しづらい。
短いショートパンツからは生の太腿が見える。
エミリーが着るには結構、大胆なものが用意されていた。
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大きい体をなるべく小さくして体育館の隅っこで女子の練習を見つめるエミリー。
「(すごいなー…あんなにジャンプ出来るんだー)」
一応、エミリーなりに選手の下調べはしてきたが、生で見ると、大きいかけ声、飛ぶ汗で凄い迫力である。
「エミリーちゃ~ん。大丈夫ぅ?さっきから迫力に押され気味みたいだけどw」
ディレクターの西村さんが話しかけてくる。ヘラヘラしているが、スポーツならなんでも来いというぐらいあらゆるスポーツに精通している。
この人が「山内さんの紹介なら」ということでエミリーを引き受けたのだ。

「(うわぁ…かっこいいなぁ…私もあんだけ動けてたら今頃、『日本のエース』なんてよばれたのかなぁ?)」
華麗にアタックを決める選手たちを見て思うエミリー。
実際、その身長ゆえに中学生の頃にスカウトされたこともある。
しかし、エミリーには致命的に運動神経がなかった…。その為、体育の時など、しばしばみんなをガッカリさせた。
バレーボールをすれば、あらぬ方向にボールを飛ばし、バスケをすれば、手を伸ばせば入れられるようなゴールを外し…。
体育教師も何とかして、この身長を生かそうとしたが無駄な努力であることが早々にわかったので何も言わなかった。
本人は「大きい胸が邪魔なの!」で通していたが、運動神経が無いのは明らかである。

そんな学生時代の嫌な事を思い出している内にインタビュー出来る時間になったようだ。
西村さんが監督と話をしている。監督が選手の誰かを呼んで手招きをした。
西村さんもこっちを見て手招きをしている。
「(えっ?私?呼んでる?)」
自分で自分を指差し確認するエミリー。
「(うんうん)」と頷く西村さん。
「(お仕事だ!頑張ろう!)」
気合いを入れ、立ち上がる。長身揃いのバレー選手の中でも見たことのない身長。周りから「おぉ~」と言う歓声のような感嘆のような声があがる。

「こちらが今回のインタビュアーの斎藤です。新人ですのでお手柔らかにw」
西村さんが紹介してくれる。
「斎藤エミリーです!よっ、よろしくお願いします!」
ペコッと頭を下げ、緊張気味に挨拶をするエミリー。
「おぅ!よろしくな!話には聞いてたけど大きいねぇー!今からでも選手にならないかい?」
監督はエミリーに運動神経が無いことを知らないので誘っているようだ。
「いえ…私は…ちょっと…」という言葉を聞かずに
「おい!片山ぁ!ちょっと上げてみてくれ!」
監督が片山という選手を呼んだ。チーム内でも小柄な選手だ。
エミリーに下調べによると、身長159cm。小柄だがどんなボールでも拾って、アタックを打ちやすいボールを上げられるセッターの選手。
そのままコートに入れられるエミリー。脇には小柄な片山選手。何もしなくても、ネットから頭が出ているエミリーにどよめく選手たち。
「じゃいくよ。ジャンプして相手のコートに打つだけだからね。」
ポーンと上がるボール。と、同時にエミリーもジャンプ。
上がったボールの高さはちょうど打ちごろの高さだ。
「えい!」という声とは裏腹に豪快に空振りするエミリー。空振りしたボールはそのまま、「ポニュン」と胸の上に乗っかってしまった。
バレーボールよりはるかに巨大な胸。ボールを胸の上に『乗せる』という有り得ないプレーをするエミリー。
ジャンプした後、足が床についても抜群の安定感でボールは胸に乗ったままだ。
胸に乗ったボールを顔を赤らめながら、片山選手に渡す。
「…プッ…ハハハハハ…!」
一瞬の静けさの後、爆笑に包まれる練習場。普通の練習では有り得ない珍プレー。監督も笑っている。
「すっすまんw余りにアレだったからw君を誘うのは諦めるよwww」
運動神経ゼロのジャンプ、スポーツをするには大きなハンデとなりそうな巨大な胸を見て、さすがに諦めたようだ。
「うぅ…恥ずかしいですぅ…西村さぁ~ん…」
顔を真っ赤にして、西村の後ろに隠れようとするが全然、隠れていない。
当の西村は練習場の誰よりも爆笑していた。
「ホントwwwもったいないなーwwwお前はwwwあー今、カメラ回しときゃよかったなーwwwww超絶珍プレーだったぜwww」
涙を流さんばかりに腹を抱えて笑う西村。
「もうー!西村さんまでー!あとで山内さんに言いつけますからね!」
それを聞いた西村は山内の顔を思い浮かべ、笑うのをやめる。
「まっ!冗談はこれくらいにして!ね!インタビュー始めよっか!ね!」
「はぁ~い…」と準備を始めるエミリー。まだ幾分、怒っているような…
西村は思った。
「(あの人、エミリーちゃんにゾッコンだからなー…もしこれがバレたら俺、殺されるかなぁ…。後でエミリーちゃんのご機嫌取っとかなきゃ…)」
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そんなこんなで準備が整った。
インタビューの相手は石川綾。身長192cm。エミリーと同じ24歳ということで選ばれたようだ。
「よろしくー!うわぁー!ホント、大きいんだねー!日本人の女の人で私より大きい人って初めてかもー!って、おっぱいデカッ!」
チーム内で一番の長身でもエミリーの肩にも届いていない。目の前に巨大な胸がある。
胸を下から持ち上げ、重さを確かめるように上下させる綾。
「重っ!今度からこれでトレーニングしようかな!w」
「あ、あの…石川さん…始めてもいいでしょうか…?」
はしゃぐ綾にちょっと困り気味のエミリー。
「あっ!ごめんごめん。テンション上がっちゃったw『綾』でいいよ!同い年なんだし!」
明るく返してくれる綾。
「え…インタビュー上それじゃダメなんで…じゃ綾さんで…」
まだまだ綾のテンションについていけないエミリー。
だが、西村の「じゃ!始めようか!」の一言でカメラが回り出してしまう。
「ちょっと待って。エミリーちゃん大きすぎ。2人の顔が入らないよ。」
カメラマンが注文をつける。確かにこの身長差では2人一緒に撮るということは厳しい。もし、撮るのならだいぶ離れて撮るしかないだろう。
「うーん…やっぱりか…。仕方ない。エミリーちゃん、膝立ちになろうか。」
西村の苦肉の策である。
「はぁい。わかりました。(やっぱりこうなるのね…)」
渋々、了承するエミリー。
「わぁ!谷間もすごぉい!こうしてやる!」
エミリーが膝立ちになって初めて見える深い胸の谷間。綾は有無を言わさず、手を突っ込む。
「あったかーい♪それに柔らか~い♪」
むにむにと谷間の中から胸を揉む綾。体育会系女子の中で育ってきた綾。女の子同士だから、と遠慮は無いらしい。
「キャ!や、やめてください…」
綾の大きな手からでも余裕で溢れ出る乳房。遠慮せず、揉みまくる綾。
乳房を谷間の中から揉める女性がこの世に何人いるだろうか。
「あっ…あん。もぅやめて…」
エミリーが頬を染めながら拒否する。それでも止めようしない綾。
男性陣はこの長身2人組の乱交に下を向くばかりだ。
「こら!石川!テレビだぞ!!それ以上やったら別のヤツに変えるからな!!」
監督のゲキが飛ぶ。
「えっ!?嫌です!!テレビ出たいです!」
その深い谷間からすばやく手を引き抜く綾。テレビに出るのが何よりな大好きらしい綾は『変えられる』という言葉に敏感に反応したようだ。
一方、エミリーの方は膝立ちから崩れ落ち、荒い息でうっすら汗をかいている。
「(綾さん。激しいわ…)」

息を整え、改めてインタビューに望む。
「今回はバレーボール女子日本代表の石川綾さんです。よろしくお願いします。」
頭を下げ、挨拶をするエミリー。ちょっとした動作でも胸がゆさゆさ揺れる。
「よろしくー♪」
カメラに向かってピースサインをする綾。よっぽどカメラに映るのが好きなのだろう。
順調に進んでいくインタビュー。エミリーが頷いたり、笑ったりする度に豪快に揺れる胸にカメラマンは生唾を飲み込む。

「では!最後に綾さん得意のバックアタックを見せてもらいましょう!」
「はーい♪じゃぁいきますよー♪」
片山選手が上げたボールを思いっきり打つ綾。強くそして綺麗に相手コートに突き刺さる。
見事なバックアタックにエミリーとスタッフ全員が拍手を送った。
「ありがとうございました!石川綾選手でしたー。」
「どーもー!また出してねー♪」
バイバイと手を振る綾。綾にさとされ、エミリーも手を振る。
それだけで胸がプルプルプルプル小刻みに揺れた。
最後まで綾のペースだった。

「ありがとうございました。なんか最後まで引っ張ってもらっちゃってすいません。」
初めてのインタビューに緊張しまくりだったエミリー。結局、綾のペースに流されっぱなしだった。
「いいよいいよ!私、テレビ大好きだし(笑)それよりメアド交換しない?服とかどこで買ってんの?もちろん特注だよね(笑)」
突然のメアド交換に慌てるエミリー。
「いいですけど…さっきみたいなことしたら次は怒りますからね!服はもちろん特注ですよ…こんなデカい胸を包める服なんてないですよ…」
さっきの出来事はエミリーの心に深く刻まれたようだ。
「あはっ♪大丈夫だよ!もうしないってwじゃ今度、連絡するね♪一緒にお買い物デートしようねー♪」
と、手をワシワシしながら去っていく綾。その手つきと『デート』という言葉が合わさり、嫌な予感がしまくりのエミリー。
「あっはい!よろしくお願いします!」
条件反射で答えてしまったが、嫌な予感が止まらない。
「(まぁ、大丈夫だよね…外であんなことは…しないよね…)」
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そんなことをしていたら、番組スタッフの片付けが終わり、帰る用意が出来ていたようだ。
「エミリーちゃーん!置いてくよー!」
西村さんが呼んでいる。
「わー!待ってー!」
慌てて自分の持ち物を持ち、入り口へ向かう。
パタパタと歩くだけでサマーセーターに包まれた胸が揺れる揺れる。
「(これは…破壊力抜群だな…山内さんが惚れるのも無理ないな…)」
山内はそこに惚れているわけではないが。
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車内にて反省会という名の雑談中。
「そういえば、西村さん?さっきのこと忘れませんよ。山内さんに言いますからね!」
忘れていた。西村の人生はすぐそこで終わりの可能性があったことを…。
「いや!あれは!ね!その場のノリってものがあるし!ディレクターって雰囲気を作るのも仕事って言うしね!ね!」
必死の言い訳である。死にたくないの一心で。
「あっ!あそこのケーキ屋さん寄ろうか!」
目に入ったケーキ屋に無理矢理、車を止める西村。
「これでね!好きなもの買ってきなさい!エミリーちゃんも選んでいいからね。」
ポケットマネーでスタッフに奢る西村。ケーキを買うにはだいぶ大金ではあったが。
「やったー♪行こ行こ♪」
仲の良い女性スタッフと一緒に車を降りるエミリー。車内で残っている西村。
「まぁ…ケーキで命がつながると思えば、安いもんか…」

ケーキを山ほど抱えて戻ってくるスタッフとエミリー。
「ありがとうございまーす♪」
車内でキャッキャッ言いながらケーキを食べるスタッフとエミリー。
「エミリーちゃん。これであの話は無しね!チャラね!チャラ!山内さんにはシーね。シー。」
一応、聞いておく西村。
「ふぁ~い。わはりまひた~」
口いっぱいにケーキを詰め込みながら、笑顔で答えるエミリー。
「(これでいいんだ。これで…)」
札がほとんどなくなった財布を見ながら思う西村であった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後、綾からメールが来た。
「やっほー♪綾だよー♪
今度の日曜、空いてるぅ?もし、空いてるんならお買い物デートしようよ!
エミリーちゃんで着れる服があるような良い店、紹介してあげるよぉ♪」

遂に来てしまったメール。
明るい文面とは裏腹にエミリーの背筋に冷たいものが走る。

果たしてエミリーの運命やいかに!


次回をお楽しみに!


次回はあるのかな…