春原小枝 17歳(高校2年生)
身長:305cm
体重:200kg
バスト:170cm
ウエスト:116cm
ヒップ:180cm
股下:150cm
足の大きさ:62cm

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「いってきまーす♪」
玄関をほぼしゃがむようにして出てくる巨大な少女。春原小枝17歳。
先月、この街に引っ越してきた自称"ちょっぴり"大きめの高校2年生。
今日は楽しみにしていたお買い物である。

きっかけはインターネットの掲示板だった。
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「あのショップ、超良かったー♪私くらいの大きさでもサイズが豊富だし☆」
「靴も大きいサイズがいっぱいあっていいよねぇ!種類もたくさんあるし(o^∀^o)3足も買っちゃった(*´∀`)」
「そうそう(笑)あの店に行った後だと「今までのショップは何?」ってカンジ(笑)」
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そんな内容の書き込みが大量にされていた。
スレッドのタイトルは『本物のトールサイズショップ』。
要約すると…最近、ある海外のメーカーが日本に進出。そのメーカーは海外では有名なトールサイズ専門店。
今まで、日本からではネットでしか注文を出来なかった。ネットでは実際の現物を見れなく、思い通りのモノを買うことが出来ない。何より海外からの買い物はお金がかかる。
そのトールサイズショップが日本に進出したのである。

小枝はこの情報を知った時、飛び上がるほど喜んだ。(実際に飛び上がれば天井を突き破ってしまうのだが)
今までは行く店行く店、
「すいません…サイズがありません…オーダーメイドでならば…」
と結局、既製品で買えるものはなかった。
買えるものといえばベルトや帽子、ピアスなどの小物類のみであった。

そんな小枝にとってこの情報は朗報だった。
店の場所を調べてみると、意外と家から近いことがわかった。
さっそく、次の日曜日に行こうと決めたのである。


家を出た小枝ちゃん。
今日の服装は
黒のサマーセーターに赤いチェックのミニスカート
足元はオーバーニーソックスに黒のパンプス

どれも小枝ちゃんが着て、遠目に見れば可愛いが、近くで見るとその巨大さに圧倒されてしまう。
普通の女の子が、このサマーセーターを着れば、軽くワンピースになるし、ミニスカートは後ろを引きずってしまいそうな超ロングスカート。
足元を覆うオーバーニーソックスは肩口から垂れ下がる。パンプスは自分の靴の約3倍の大きさである。


家を出て、駅までしばらく歩く。
閑静な住宅街を超長身女性が歩く。
引っ越してきた当初は、恐ろしさか誰からも話しかけられず、物陰からこっそり見られていた。
(余談だが、新しい学校が楽しみすぎて、道路の真ん中ではしゃぎ、アスファルトを靴の形に凹ませてしまったのも見られていた。)
だが今では、銀行強盗を撃退したというウワサや小枝自身の性格も相まって、住民からは信頼を得たようだ。

大通りまで出て信号待ち。
「もぅ~信号、見づらいなぁ~。もうちょっと高いトコにして欲しいな。」
ちょっと屈み気味で信号待ち。
後ろに立っている中学生らしき男子数名の目の前に、巨大なお尻&パンツが丸見え。
ドサッドサッ。
小枝ちゃん、後ろを見ると…鼻血を出して倒れている中学生。
「…?大丈夫ぅ?貧血?」
遥か高くから見おろされ、恐怖を感じた中学生。少しチビってしまった。
「大丈夫です!大丈夫ですから…!気になさらずに!」
必死の言い訳で難を逃れる。
「なーんだ!良かった☆じゃーねー」
凄まじい歩幅で去っていく小枝ちゃん。
中学生はなんだかムラムラしたようなヒヤヒヤしたような…モヤモヤした異様な気分になっていた。


駅前まで来ると人が多くなってきた。
「なにあれ!?デッケー!!」
「すっげー!脚長ぇ!写メ撮っちゃおー!」
カメラを構えるチャラ男風な男
小枝ちゃんがカメラに気づいて男を見る。
男、何やら得体のしれない恐怖で携帯を落としてしまった。
「あぁー…電源入んねぇー…」
小枝ちゃんは
「何よもう。せっかく、かわいい顔で写真を撮ってもらおうと思ったのにぃ~プンプン」


ようやく駅の中に入った。
「えーっと…次の電車は…と…」
時刻表の前で考える小枝ちゃん。後ろにいる人たちは時刻表が見えない…。
「あと10分かー。ホームで待ってよー♪」
巨大な壁が無くなってホッとする後ろの人々。


「Suica、Suicaっと…あった」

以前、急いでいた際、うっかりSuicaではない全く関係のないカードをかざしてしまった。
「パタン」
閉まる改札。
しかし、小枝ちゃん、そのまま跨いでホームへ急ぐ。
『跨ぐ』とは言ったが、小枝にとってはいつもより急ぎ足で単に『歩いて』いただけであったが。
「おーい!そこの女子高生!Suica!」
声を上げる駅員。
気付かず行ってしまう小枝ちゃん。大股でどんどん先に行ってしまう。
走る駅員。
「待ってー!」
小枝の大股歩き>駅員のダッシュなのでどんどん引き離されていく。
横の友達らしき女の子に言われてようやく気づく小枝ちゃん。
「そんなに汗をかいてぇ(笑)どうかしましたかぁ?」
「Suicaを…タッチ…出来て…ないです…」
息も絶え絶えな駅員。
その後、駅員室に呼ばれこっぴどく叱られてしまった。
友達と一緒に通学は出来なかったし、色々、聞かれてめんどくさかったし、学校には遅刻するし…。
もう二度とこんな失敗はしないと誓った小枝ちゃん。
改札の前でSuicaを再確認。小枝ちゃんの手のひらに乗るとずいぶん小さく見えるSuica。
堂々と駅員に見せつけるようにSuicaをかざす小枝ちゃん。
膝よりやや下まで手を伸ばし、ようやくタッチ出来る。
駅員、多少苦笑いでそれを見送る。
ホームへの階段は3段飛ばしで登る。
決して無理はしていない。小枝ちゃんの股下だとこれが丁度いいのだ。

ホームで電車を待つ。
携帯で店の情報をチェックしてみる。
巨大な手のひらの上に携帯を置いて、長い指でボタンを押す。
手が大きすぎて片手で持つと指が余って押しづらい。こうして片方の手に乗せて、もう片方の手の人差し指で押していった方が使いやすいのである。


そんなこんなで電車が来た。
今日は日曜日。 混み具合は6、7割ほどである。
"いつも空いている席"も今日は空いていない。
なぜ、"いつも空いている"のか?
それは、小枝の転校初日にあった。
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「う~…満員電車かぁ…」
屈みながら車内へ入っていく小枝ちゃん。人混みの中で上半身が丸々突き出している。
中腰になり、中刷り広告を払いのけながら進んでいく。
「(ふぅ…狭くて大変…。でも人を踏まなくて良かった…)」
なんとか立っていられる場所を確保出来た。
それは、不良っぽい高校生の前。4人掛けのシートを3人で占領している。
「(むぅ…なんでこの人達だけ…!)」

高校生は焦っていた。
突然、電車が傾いたかと思うと、巨大な女子高生が入ってきたのだ。
あろうことかその女子高生は自分たちの前に立ってしまった。
脚だけでも自分たちぐらいの長さ。座っている自分たちの目の前に膝がある。
天井付近から怒りのこもったような冷たい視線が不良高校生に注がれる…。
「あっ!俺ら、次で降りるんで!この席どーぞ!」
不良高校生は反射的に席を立った。
「えっ!そう?ありがとぉ♪(この人達、すぐ降りるんだ。ラッキー♪座れた♪)」

この不良高校生、本当はあと3駅ほど乗らなくてはいけなかったのだか、小枝ちゃんの迫力に負け、席を譲ってしまった。

4人掛けを目一杯使って座る小枝ちゃん。
脚を水平近くまで折り曲げ、椅子に深く腰掛ける。脚を倒すだけで3人分の幅、お尻は2人分の幅を取っている。深く腰掛けても、長すぎる太腿が前に突き出している。
一応、1人分の席は空いているが、誰も座ろうとしない。迫力がありすぎるのだ。
次の日からその席は小枝ちゃん専用の席となり、空いている隣の席は友人が座ることになった。不良高校生は乗る時間を変えたようだ。
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そんな"小枝ちゃん専用席"も今日は無い。
仕方なく、中腰のまま過ごす。
「うぅ…ツラい…(泣)」

ようやく、電車が駅に到着する。
そう都合よく、3人分の席が空くわけがなく、結局、到着するまであの態勢だった。
「う~ん!やっと伸びれたー!」
ホームの天井に手が届きそうな豪快な伸び。


駅前に出ると、さっそく目的の店を探す。
小さい携帯を見ながら、歩いていく。
携帯を見ながら歩いていたので、下の方に注意がいかなかった。
小柄な女の子を跨ぎ越してしまう。
跨ぎ越した本人は気づいていないようだか、跨ぎ越された女の子は驚いたような怖かったような顔をしている。
この女の子としては、なぜかまわりが薄暗くなったかと思うと、自分の横を何か巨大なものが通り過ぎていったのである。
そして、巨大な女の子の後ろ姿。自分にはまるで気づいていない。
「なんだったの…今の…」
顔面蒼白でへなへなとしゃがみこむ女の子。
対して、巨大な女の子は凄まじい歩幅でルンルン気分で歩いていく。

「あっ!」
携帯の画像と店舗を見比べる。
「ここだー!♪」

色々とあったがなんとか着いた。
わくわくしながら店へ入っていく小枝ちゃん。

色とりどりの洋服が並んでいる店内。
奥にはシューズのコーナーもあるようだ。

小枝ちゃん、今日の目的の物はブラウスとジーンズ、そしてブーツである。
品定めをする小枝ちゃんに店員が近づいてくる。
「どのようなものをお探しですか?」
ニコニコしながら聞いてくる店員。しかし、ちょっとひきつり笑顔であるのは気のせいか。
目的の物を伝える小枝ちゃん。
「…では…これなどは…」
この店員も身長188cmと日本人女性としては、かなり長身のほうではあるが、持っているブラウスはその店員の膝を隠していた。
「試着されても構いませんよ。」の声に押され、試着室へ入る小枝ちゃん。
「わぁー!かわいいー♪着れる…けど…袖が短いような…お臍も見えそうだし…」
店員を呼ぶ小枝ちゃん。
店員は絶句する。
まさかこのサイズが小さく見えるとは…。
「大変申し訳ございません。それが最大のサイズです…。」
次は小枝ちゃんが絶句する。
「……(泣)」

ジーンズも探してもらったが、見ただけで明らかに小さいし短い。
持ってきた店員の肩口あたりにウエスト、裾は地面につくかつかないかの巨大サイズではあったが…。
このサイズであれば、小枝ちゃんのヒップは入らないだろう。太もも部分も細すぎる。
例え、はけたとしても、くるぶしはおろか脹ら脛の半分も隠せない、いわばつんつるてんの状況になってしまう。

もう、諦め半分興味半分でシューズコーナーに行ってみる。
どれもこれもかわいいデザインで種類も豊富である。
「わー♪これかわいい♪」
小枝ちゃんが取った靴。
いわゆるパンプスなのだが、つま先あたりに白い花飾りが付いている。色も淡いピンクでとてもかわいらしい。
サイズを見ると『30cm』。普通の女の子には大きすぎるサイズである。
しかし、小枝ちゃんの靴の約半分。並べると大人と子供どころが巨人と人間のような差だ。
ダメ元で店員にサイズを聞くがもちろん「NO」。
肩を落としながら店内をウロウロ。
さすが、長身女性専門店。跨ぎ越してしまうようなことはない。
が、小枝ちゃんは圧倒的な大きさである。上半身が丸々、突き出ていて店内を見渡せるのだ。

ふと、店内にディスプレイされている商品が目に入る。
それは、巨大なブーツ。
この店が日本に初進出するということで本国で特別に作られた、いわば『看板』である。
普通のブーツの3倍の生地で作られ、強度を保つため重さも半端ない。

小枝ちゃん、目を輝かせて
「すいません!あのブーツ履いてみていいですか!?」
「いえ…あれは商品ではないので…」
「お金ならあるので!ぜひ!」
迫力に負け、渋々了承する店員。
「わぁ~♪ピッタリー♪」
ブーツを履きながら店内を歩きまわる小枝ちゃん。
店員は思った。
(確か、ディスプレイするときかなり重かったような…それを軽々と…)
その店員が小枝ちゃんの脚をよく見てみると、巨大な筋肉が蠢いている。
巨大で重いブーツをはいて、無意識で歩きまわる小枝ちゃん。
背筋に冷たいものを感じる店員。
「あの…お代は結構です…。どうぞお持ち帰り下さい。」
満面の笑顔の小枝ちゃん。
「えぇ!?本当に?!ありがとうございます!!」

サイズ62cm、全高94cm、重さあわせて5kgという巨大ブーツをタダでもらえた小枝ちゃん。
結局、欲しいものは手に入らなかったけど、このブーツをタダでもらえたので±0。
ブラウスやジーンズのオーダーメイドも今までの店より格安でしてもらえそう。

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そのままブーツをはいて外に出る小枝ちゃん。
「せっかく、初めて来た街なんだし、もうちょっと寄り道していこーかなー」
ゴトッ!ゴトッ!という普通に歩いているだけではあり得ない足音を出して歩いていく。

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小枝ちゃん、この時点でこの巨大ブーツの収納場所のことを全く、考えていない。
家に帰ってから路頭に迷うことも知らずに、その巨大な手に小さい携帯をのせて歩いていく小枝ちゃん。

後日、このブーツを見せに友達の家に行くのは、また別の話。