「無限大の女の子」

            (中編その5)

 (巨大化の速度がペースup)



ランはこのときを待ちに待った。自衛隊による一斉射撃が開始されたのである。
陸からは、戦車隊が巨大な陰部に向けて主砲を、空からは、戦闘機部隊が数メートル
はある乳首に向かって機銃を掃射していた。弾が陰部に直撃し、爆発するたびに、
「あふぅっ・・・あん・・・あはぅん・・」機銃が乳首に当たってはじかれるたびに、
「はあっあん・・あはっ・・はあん・・」と喘ぎ声をあげ、ランは心底、この星に来てよかった、
と感じていた。もう座り込んで、陰部をさらけ出し、次を待っていた。

しかし、来られた側の地球人としてはたまったものではない。ここ、日本では、自衛隊が抵抗を
していたが、それすらも彼女を悦ばせることしかできていなかった。

 ここまでで、自衛隊はかなりの弾を消費していた。それにもかかわらず、あのかわいい侵略者
には、なんの効き目もない。それどころか、さらに巨大化している!自衛隊に人達も、
遠巻きにして見ていた人々も、絶望した。ランの身長はもう、500メートルにもなっていた。

「ふふっ・・・また大きくなっちゃいましたぁ・・あなたたち・・・もっとましな武器は
ないのぉ・・・?あなたたちの全力は・・そんなものなの・・・?」
遥か上から色っぽい声が凄い音量で降ってきた。自衛隊では、耳を塞ぎながら、必死に
手段を考えていた。「くっ・・こうなったら・・アレを使うしかあるまい!自分たちの身も
危ないが・・そんな事を言っていられるときではない!」隊長の指示で、戦車隊の後ろから、
ゴツイミサイルを装備した、装甲車があらわれた。空では戦闘機が、それと同じような
ミサイルを発射しようと備えていた。「あらぁ・・まだそんなのがあったのね・・・さあ・・
 打ってきて・・はやく・・もっと・・」ランは熱でほてった顔で艶かしくそう言った。
 「お望み通り・・・死ねーーーーっ!」最新型ミサイルの、一斉射撃が始まった。
 今度は陰部に、火力を集中させるらしく、ゆるみきった陰部めがけて、無数のミサイルが
 飛んでいった。ズドドドゴゴゴオオオオオォォォンン・・・・一発も外れることなく、
 確実に命中した。それなのに・・・。自衛隊は信じられなかった。傷ひとつ、なかったからである。
 ランはもう絶頂を迎えていた。「あっ・・・ああっ・・あああああっ!」ランの陰部からは、
 愛液が滝のように流れ落ち、川の様な流れをつくり、自衛隊もろとも、郊外の町をも愛液で
 ひたしてしまった。ここでのランの身長はもう600メートルにもなっていた。

「はああ・・よかった〜・・あなたたち・・・特に最後のなんか・・・こんなに良くしてもらったんだもの・・・わたしからも・・なにかして差し上げなくては・・・
そういえばあなたたち、さっきからわたしの胸ばっかり見てますね・・そんなにこの胸がお好きなんですか?」ランはそういうと、
片方で数万トンはありそうな胸を持ち上げ、よせてみたりして、最後には急に手を離したため、
ぶるううんぶるうううん、と豪快に揺れた。そうして起きた気流のせいで、戦闘機隊はコントロールを失い、ランのカラダにぶつかり炎上して、全滅した。
その光景に自衛隊の皆さんはあっけにとられ、ただ、見とれるばかりであった。「そんなにこの胸がお好きなら・・この胸でお返しいたします・・・お気に召すかは分かりませんが・・受け取ってくださ〜い!」
ランは地響きをたて、四つんばいになると、その大きな胸を地面につけ、地面もろともけずりながら、自衛隊の方へ迫っていった。

健太は一部始終を見ていた。ミサイルですら、感じさせることしかできなかったあの肉体につぶされたい、と思っているほどだった。そうしていると、チャンスがめぐってきた。
ランが地面に胸をつけたのである。健太はアクセル全開でランの胸の前に車を走らせた。もうつぶされる!そのとき健太は目が覚めた。
なぜオレはこんなやつに殺されなければならないのか、もっと生きていたい、という思いが健太の中をかけめぐった。
しかし、もう遅かった。なにもかもおしつぶす、ミサイルでも傷もつかない、美しい、しかし大きすぎるその胸が、生きたい、と思う人間をまた一人、無に帰した。

自衛隊のみなさんは完璧に怯えていた。戦車の何十倍もある胸がなにもかも押しつぶし、迫ってくるのである。これではびびらない方がおかしいというものだ。
途中、車が走ってきて、一瞬でつぶされていったが、それがこれからの自分たちの運命なのだとだれもが感じた。
「くそっ・・・まだだ!打てーーーっ!」隊長のあきらめようとしないその精神が隊員を動かした。残りの戦力をすべて
投じ、最後の抵抗がはじまった。そのすべてが胸に直撃したが勢いはまったく変わらなかった。

ランは「あらあら・・・さっきもよくしてもらったのに・・もう・・親切なんですね」と言うと
胸を持ち上げ、四つんばいのまま、部隊の上空を覆うと、「このわたしのおっきな胸・・・気に入ってくださってありがとうございました。胸で直接・・お返ししま〜す!」
自衛隊の人々が耳を塞ぎ、上を見ると、凶悪なプレス機に見える大きな胸が上空から迫っていた。「うわあああああーーーっ!!」ランの胸がなんの抵抗もなく、地面をめりこませ、着地した。
「ああん・・どうですか・・・わたしの胸・・」当然、答えるものなどいなかった。

あっさりと、しかし、しっかり感じて、大きく、大きく成長し自衛隊を壊滅させたランはさらに感じることができる
密集しているところを探し、大地を踏みしめ、郊外の町をなんの気なしにふみつぶし、その大きな足
でなにもかも、圧縮しながら東京都心へ歩いていった。一歩一歩、震度3クラスの地震を引き起こしながら・・・