気が付くと俺は、殺風景な部屋のベッドで寝ていた。
全然見覚えがない。
まさか捕まった?

俺はワルだ。
脱法ハーブの売買、ひったくりもしたことがある。
強盗はない。バーで知り合った女からかなりのお金を巻き上げたこともある。
だから捕まった?
でも独房はこんなとこか?
いや違うな、なんだここは。
(まわりを見渡す。ベッド。簡易トイレ。その他は何もなし。向こう側にドアがある)

ドアまで歩いて行く。6畳ちょっとの部屋。
ノブを回そうとするが動かない。
「おい。こら。ここはどこなんだ。出せよ」
どんどん。
ドアを叩く。
でも、何も起こらないし、誰かが来る気配もない。



「ちっ」
ベッドのところに戻り、周りをまた見る。
壁に何か書いてある。

L4 31.4、 448、20、17、660
L3 16.1、 49、10、15、320
L2 9.2、 10、 7、9、182
L1 4.1、0.891、3、9、79

なんだこれ。
何の数字わからなかった。

その時。
「がちゃ」
ドアを開ける音がしてドアが開いた。

「なんだ。出られるのか」
ドアから出てみる。
誰もいなかった。殺風景な廊下だけ。
床には大きな矢印が書いてある。
逆を見てみると。10メートルほど向こうは行き止まりの壁。
他にドアもない。
「矢印のほうに行くしかないのか」
矢印のとおりに歩いて行く。



30メートルほど行ったところで右にまがる。
すると、廊下の横にドア。
前方は行き止まりの壁。

「出口か?」
ドアをくぐる。
また部屋だ。机とモニター。その先にはまたドア。

がちゃん。
後ろで勝手にドアが閉まる。
「おい。こら」
ドアに近づいてみるが、ロックされている。

「ちっ」



ぶん。
モニターがつく。
「良く眠れたかな。351番」
「なんだおっさん」

見たことがないおっさんが話している。
「お前の罪状を読み上げる」
おっさんは話だした。
どうやら、俺は3日後にひったくりを行うらしい。
それが原因で、おばあさんは病気をこじらして3ヶ月後に死亡してしまう。
そのおばあさんのお孫さんは、25年後に時間表示装置に必要な部品を発明し、
考案するはずだったが、おばあさんのことがきっかけで発明はしなくなる。
ということを言っていた。
だから、俺はここに連れて来られた。
「何、言っているんだおっさん。わけのわからないことを言ってないでだせよ」

こっちの言うことは無視し、つづける。
「そこでだ。お前が改心し。心を改めるまでここに投獄され、おしおきを毎日受けることになる。
ちなみに、ここの所長は巨大な女とお尻がとっても好きな男だ。
今日はL4の刑が執行されるが、お前も見学するがいい。まずは前のドアをくぐれ」
「ちっ。頭がいかれたおっさんだな」
と言ったら、がちゃ。
ドアのロックが外れた音がした。

ここにいてもなんにもならない。
ドアのノブをひねって、出る。
前方は廊下かと思ったら。ドアの全面だけにある壁。
左右は開いていて、左をみると、重厚な布製のものとその上に伸びるぶっとい柱のようなもの。
その影から、おっさんが出てきた。

「351番。おはよう」
「おっさんか。何かわからないが、ここから出せよ。暴れるぞ」
「ふっ。それもよかろう。だが、上を見てみると良いぞ」
上?

すると、目の前の重厚な布が持ち上がった。2,3メートルぐらい。
さらにその上は、ひらひらしたもの。
なんだ?
後ろに下がり、さらに上をみる。

「うげえ。ひ。ひ、人」
女性の顔。すっごく上にある。
ぎろっと睨まれる。
そして、どん。

衝撃で尻もちをついてしまった。
「あ。あ。あ」
足で地面を踏みしめたようだ。
声にならなかった。

「彼女は警備員だ。ざっと人間の15倍の身長がある。
お前が暴れてもひと踏みであの世行きだ」

「こっちへ来たまえ」
おっさんが言う。

弱虫なところをおっさんには見せたくはない。
平気な顔にきりかえて、おっさんの後ろについていく。

20歩ぐらい歩いた後に後ろを振り返る。

ぎろ。
目があった。
やっぱりでっかい女性。
さっきのは、靴。そして彼女の足。それが布製の重厚な物と棒か柱に見えたものの正体だ。
そして、布製のひらひらはスカートか。
パンツっぽいものも見えたような気がしたのはそれか。

どん。
彼女が足踏みをした。
パンツのことを考えてたのが、ばれたかのようだ。
踏み潰す。そんな感じに思えた。

前を見ると、いつのまにか俺以外にも人がいた。
おっさんの他4人。
「こっちだ」

歩いて行くと、床が金属製のところに出る。
おっ。
床がへこんでいる。
その長さは3メートルより長いぐらいか。
しかし…

「気がついたようだな。床を見てみろ。この足あとは、あっちに立っている警備員の足あとだ。
昔、お前たちみたいにここへ来た人が暴れたんだが、あの彼女が踏んで片付けたときに出来た凹みだ」
ぐ。
たしかに、足の形をしている。
でっかい。
「ここの床は厚さ7cmのそれほど硬くはない金属で出来ている。
その金属の下は別の素材だ。巨大な女が踏むと凹む素材だ。
お前らが暴れたら、彼女が踏みに来るぞ。もちろん加減はしない。この金属が4cm凹むぐらいの力で踏まれるぞ」

背筋に寒いものを感じる。
とてもかなわない。
「ちなみに、俺を人質にとっても無駄だ。俺、もろとも踏み潰そうとするぞ彼女は」
とおっさんが言う。
「お前たちの居た部屋に文字が書いてあるのを見つけたかな。
あれの意味を教えてやろう。
刑の執行人の数字だ。
Level4から順に、身長。体重。人間換算での身体の倍率。年齢。お尻の大きさ(幅)だ。
今日はLevel4の刑が執行される。刑の執行日までに改心が認められない人。未来に大きく不利な影響を与える人だ。
あれをみたまえ」

前方のとっても巨大なドアから。巨大な彼女が入ってくる。
ずん。ずん。とは音はしないが。でけえ。警備員の女より巨大。
「彼女は人間換算で、20倍大きい。今日は所長の意向もあり、お尻ぺったんの刑だ。彼女の体重は400トンを超え、
お尻の幅は6.6メートルある」
わけがわからない。
一見少しぽちゃっとした可愛い女の子にみえる。

おっさんは、少し移動する。
おっさんの横にモニターがあり、天井が映っているだけだ。

巨大な彼女にくぎずけだ。
そして、彼女は下半身の服を脱ぎ始めた。
「なっ」
スカートをすとんと落とし、パンツになる。
ストッキングは履いていないが、靴下も脱ぐ。
そして、パンツに手をかける。
俺は横を見る。
他のやつらも、すごくパンツに手をかけている巨大な彼女を見ている。
「お」
声が聞こえる。

「お前たち、そこの床に座ったらどうだ。座っても十分見えるぞ」
とおっさんの声。

立っているのも疲れるので、床に座り込む。
30秒ぐらいパンツに手をかけていた彼女がとうとうパンツも脱ぎはじめた。
ぷりん。
とっても肉付きのよい、ぷりんぷりんのお尻が見える。
片足を下ろすと、お尻がぷるんと揺れる。

そして、膝をついて正座の姿勢をくずした姿勢になる。
だがお尻は持ち上げたまま。

おっさんは、大きなモニター(60インチはあるだろう)のとってをつかむ。

巨大な彼女を見る。
お尻をゆっくり下に下げ始めたと思ったら、お尻を床にどっすんと落とす。
ぐら。
揺れた。
建物全体の床が揺れたぞ。
一瞬、衝撃で俺のお尻が浮かなかったか。
それほどのものすごい衝撃だった。
お尻の幅が6メートルを超えると言ってたし、400トンを超える体重の女の子が尻もちをつくとああなるのか。

「ちなみに、今日は4人の刑が執行される。今の尻もちでは人は死んでない。
刑を受ける者は、あのお尻の2メートル、こちら側手前に横たわっているはずだ」

立てばここから見えるが、見ないほうが良いだろう。刑が執行された後はとってもグロいんじゃないか。

「さあ。これから刑が執行される」

「これは、罪人が横たわっている床に設置されているカメラからの映像だ」
ごくり。
カメラの映像にとっても巨大な、彼女のお尻が映る。
頭上3メートルぐらいにあるありえないぐらいおっきなお尻。
幅は6畳間の狭い辺の長さでやっとお尻の半分ぐらいだ。
巨大な彼女が動いている。位置を調整しているみたいだ。
動くとぷりんと揺れるが、何十トン。何百トンもある物体のお尻。
とても重たそうなのはわかる。
位置の調整が終わったのか、動かなくなる。
そして、お尻が近づいてきた。
頭上3メートル、2メートル、1メートル、そして、むぎゅ。
カメラにお尻がくっつく。
画面のはしに数字がでる。
103kg。
「重量センサーがある。今の数字は一番左の人の体にかかっている重さだ」
見たら一瞬301kgの表示になってから0kgになる。
そして彼女は少しお尻を左に動かす。そしてお尻を下げていく。
ぎゅ。
今度は207kgでしばらくとまる。
そして一瞬409kgになって0kgになる。
409kgか、今のでもかなり重たいはずだ。
また彼女がお尻を下げ始める。
ぎゅ。
57kg。
しばらくその重さのまま止まっている。


1分が経過した。ちょっと彼女のお尻が動いた。
243kg。
279kg。
そして。
ぎゅ。
8752kg。
53722kg。
一気に増えた。
そして、93052kgになり、0kgになる。
93トンか?
一番左の人はもう死んでいるだろう。
お尻が持ち上がり今度は右にお尻の重心をかけるようにして、
お尻を下げていく。

ぎゅ。
モニターに表示される数字は143kgになっている。
1分ほど、130kgから160kgの間でしばらく止まっていたが、
ぎゅ。また一気に重さが増えた。
23114kg
83112kg
そして、1127993kgになってから0kgになった。
あれが本当だとぺったんこだ。
お尻が乗った時の重さはありえない数字を示していた。
また彼女が動く。
そして。
お尻を頭上1メートルぐらいの高さに下げて1分ぐらい止まっていた。
すると。
どっしん。床がゆれた。
またお尻を上げて、1メートルぐらいの高さからぺったん。
お尻を落とす。
そのあとは片方のお尻を持ち上げて、人一人の上に体重をかけるように動く。
ぐあ。
179796kgの表示。見ていると0kgになり、お尻が床にどっすんと落ちる。
96273kgの表示になっている。
最後にお尻をぎゅっと床に押し付けてから立ち上がる。
上にバスタオルのようなものを体に巻いて彼女は部屋を出て行った。

「351番から354番はあそこから次の部屋に行け。Level1のお仕置きがある。
そして350番、お前はLevel3の刑の予定だから、俺についてこい」
と言われ、名前も知らない男はおっさんの後についていく。
どうやら、Level4の刑が執行された後の遺体を見に行くようだ。
あれはグロいぞ。きっとぐちゃぐちゃだ。中身が出ているだろう。

おっさんを見ていたが、
「早くしろ。あたしに踏まれたいのか」
頭上から声がする。
いつの間にか警備員が立っていた。

「ああ」
巨大女の足の裏に潰れてへばりつきたくはなかったので、隣の部屋のドアまで急いで行った。

...

がちゃん。
また背後でドアが閉まった。
ドアを見ると横にはまた別の警備員がいる。
ただし、人間サイズのだ。
こいつを人質にとってと考えたとき、
どん、どん。足音がして女の子が入ってきた。
ざっと身長は4メートルほど。

「あたし、ゆみ。そっちの警備員の人はレミ。レミはとっても力持ち。
これから説明するけど、あたしは床の上に寝るよ。
例えば、あたしが貧血で351番の上に倒れちゃったとするよ。
そのまんまだと押し潰されちゃうよね、あなたはあたしの下からは、
重すぎて自力で脱出できない。そこでレミの出番。351番さん。
ここにきてあたしの脇腹の下に手を入れて持ち上げようとしてみて」

身長4メートル超えの女の子。
実体があるのか疑問だったのでそばに寄る(こんな大きな人。立体映像かもと思ったからだ)
体の下に手を入れてみる。
う。実体がある。それにすごく重たい。
「持ち上げてみて」
女の子が言う。
ぐ。
無理だ。
1cmも持ち上がらない。
下敷きになったら終わりだ。

レミが後ろから近づいてきて隣にしゃがみこむ。
ゆみの体の下に手を入れると、うんしょと力をこめるレミ。
するとゆみの背中が床から離れる、
「ゆみちゃんぐらいならまだ軽いわよLevel2の子を持ち上げたことあるし」
なんだこれは。
レミはゆみちゃんを持ち上げていた腕を下ろす。

「あたしを人質にとかはやめておいたほうがいいよ。あんたの腕ぐらい簡単に握り潰せるし、
もちろんゆみちゃんも体が大きいぶん、あんたはかなわないだろうし」
言いなりになるしかないのか。
でもお仕置きってなんだ。

「じゃ。始めるわね。この椅子の上に上がってきて、横に上るところがあるから。
椅子の上に上がったら赤い模様があるところに仰向けか、うつ伏せに横たわること。
決してオレンジの模様のところには横たわらないでね。潰れるから」

レミのほうをみると上れと目で合図する。
登らなくてもきっとレミが担いで椅子の上に運ぶだろう。
人間が使う椅子の4倍はある大きさだ。椅子の座面は1.8メートルぐらいのところにある。
身長4メートルのゆみちゃんにとってはちょうどいい大きさなんだろう。
座面まで上がる。するとレミも後からついてきた。
「ここに」レミが言う。
俺は赤い模様があるところにあおむけになる。
レミも俺の隣にあおむけになる(赤い模様とオレンジの模様の中間)
そしてレミは俺の手首をしっかり握る。
「逃げようとしたら握り潰すから」
とレミが言う。

「じゃお尻の刑ね。
Level4の子と比べると小ちゃいお尻だけど、
潰しはしないように加減するから、重過ぎたら言って、レミちゃん」
「うん。始めて」とレミが言う。

ゆみちゃんは、椅子に座る前の姿勢になり、お尻をゆっくりと椅子に近づけてくる。
Level4の刑を見た後だったので、すごく怖く感じたがお尻の幅は80cmぐらいか。
だから、対したことなさそうだと感じた。
でも大きいお尻。体の半分以上はお尻の下に隠れてしまうだろう。
でも身長も高く太っている感じでもない(スリムに見える)ので、そんなには重くないだろう。
と考えてたら、ゆみちゃんのお尻が目の前だ。
お尻が胸の上に乗っかる。
むにゅと言う感じだ。
「大丈夫。レミちゃん」
レミの上にもお尻が乗っている。
「うん。たぶん40kgしか重さがかかってないから、もっと体重をかけていいよ」
そんなに重くはない。おそらく40kgもかかっていない。20kgぐらいか。
なんか、やわらかい。すごくやわらかい。
そしてあたたかい。子ども体温のようだ。
これだけだったらよかったが。

「じゃもっと重たくするね。ぎゅーって少しづつ重さかけていくから」
「あたしは潰れないから、やって」



ぎゅ。

「140kgぐらい。まだだいじょぶ」
うぐ。いっきに重たくなった。
息はできるが、
「や、やめろ。潰れる」
さっきのがお尻の柔らかさで、いい気持ちになっていたが。
ありえないほど重たい。
ものすごく重たい。
お尻の脂肪がすごく柔らかいんだが、すごい重量。
とてつもない重さで体が椅子に押し付けられてめり込んでいる。
上に乗っかっているお尻も柔らかいので少しお尻にめりこんでいる。
我慢できないぐらい重たい。

「さらに重さかけるよ」
ぎゅ。
ぐっ
「たぶん170kg」
お、重い。すごく重い。
息ができない。
柔らかいとっても大きなお尻が胸を押しつぶそうとする。
すごく重たい。ありえない。
見た目スリムなのに。

「182kg。まだ大丈夫。やって」

だめ。これ以上は潰れる。

「もうちょっと、重たくするね。いっきに重くなるかも」

ぎゅう。

ぐ。うぐうう。潰れる。力を抜くと潰れる。

「たぶん280kg。もうちょっといける」
「そう。じゃいったんお尻上げるから」
胸の上に乗ってたお尻がどかれる。

「ぐ。はあはあ。はあはあ」

息をする。

30秒ほどして

「またお尻乗せるよ。今度はかなり重たいよ」

「おいま」
その先は声が出なかった。

「たぶん87kg」
ぎゅ

「たぶん。160kg」

ぎゅ

「たぶん。200kg」

ぐえええ。もうだめだ。

ぎゅうう。

「たぶん。402kg」
そのまま20秒経過した。
ぎゅ。

またさらに重たくなってから、お尻が上がる。
「今日のお仕置きはこれでおしまい」
俺は気絶しかけてた。
口から、息をふーと、強制的に吹きかけられたのは覚えている。
(人工呼吸のような感じ? レミか)

目をさますと、最初の部屋のベッドの上だ。
夢かと思ったら、壁の文字が見える。

L4からL1まで、身長と体重が書いてある。
気絶したのか。
L1のところを見る。
体重は800kgちょっと。
そりゃ気絶するわ。
あれ、ちょっとまてよ、俺の刑はLevel2だっけ。
げ。体重が8トン超え。
そんなの。L1でああなんだ。死ぬぞ。

「出ろ。今日のお仕置きタイムだ」
ドアが空き。放送が聞こえる。
やだ。
誰が行くもんか。



「でろ。踏み潰されたいのか」
あの警備員の声が聞こえる。
そして、部屋の天井あたりからごそごそと音がして、天井が動きだす。
かぱっと天井が取りはずされて、上からあの警備員の顔が見える。

「ベッドごと踏み潰すぞ。早くしろ」
ひっ。
天井が取り外せると思わなかった。
踏み潰されたくないので廊下にでる。

2につづく。