ぺちゃんこになった僕のお腹が元にもどったころ。

がちゃ。

サラが入ってきた。

「おーし、やるわよ」

「罪もない善人の地球人を殺すのかよ」

「はぁ? あたしは普通に仕事やるわよと言ったつもりなんだけど…
殺るわよと聞こえたとでも言うつもり?」

「サラだったら普通にやりそうだし…」

「むかっ。そこまで野蛮じゃないわよ。
踏み殺すわよ」

「さっき轢いたくせに…」

「あ。あれは…
ついかっとなったのよ。
いちおう。やりすぎたから謝っておくわね」

ぺこりと頭を下げるサラ。

「サラが頭を下げるの初めて見たな」

「顔あわせてから数時間しかたっていないわよ!」

「まあ。ゆるしてやる」

「偉そう。やっぱりいじめることにする。
さっさと仕事やっちゃわないといけないし…
さあ、床に寝そべりなさいよ。
踏むから。
さぁ」

「ちっ。せっかく潰れたお腹が元通りになったのに…」

「なんのためのモニターよ。
給料もらうんでしょ。
あんたなんか、無料でいいじゃん。
いいや、ひと踏み5000円でいいんじゃない?
あたしが踏んであげて、あんたからお金もらうの」

「サラなんかに踏まれて喜ぶ人なんかいないぜ。
ミミのようなやさしい子なら、何万人といそうだけど。
サラだったらかわりもの1人ぐらいだぜ。
日本全国から集めたってそのぐらいかな」

「もっといるわよ!
でも、ミミお姉ちゃんだったら人気ありそうね。
そんなこと言っていると問答無用で踏んで、さっさと仕事終わらせるからね!
いちおう待ってあげてるの。
早く寝そべらないと、そのまま上から踏むわよ」

「わったよ。わかった。潰されてやるか」
僕は寝そべる。

「むかっ。偉そうに。
ふっふっふ。
じゃあ。踏むわね。
思いっきり痛いように、力加減して…」

僕の体全体にサラの足が乗っかる。
「ぐっ」

「どう?
かなり、力加減しているのよ。
さっさと潰したいけど、潰れるぎりぎりまで力をちょっとづつかけるわね」

ぎゅ。
ぎゅ。
ぎゅ。

「でも、難しいわね。しゃがむか。
しゃがんだ姿勢なら、力も加減しやすいし…
潰れるまでの苦しみも長くなると思うし…
ふっふっふ。
簡単には潰れさせないんだ」

サラはいったん僕の上に乗せていた足を下ろしてからそばにしゃがむ。
そして。

しゃがんだ姿勢のまま、サラは足を僕の体に乗せる。

ぎゅ。

ぎゅ。

ぐっ。
痛い。

ぎゅ。
ぎゅ。
本当に少しづつ力をかけてきている。
これはたまらん。

「ひと思いに踏んでくれたほうがいいぞ。
やーい。
サラ。
踏め踏め」

「ふーんだ。あおったってだめ。
苦痛をいかに長くするかだからね!」

また悪口を言うことにする。
「やーい馬鹿サラ。
胸なし…」

ぎん。
途中でものすごくにらまれる。

こわっ。
やっぱりやめた。
怖い。

ぎゅ。
ぎゅ。
痛い。

「おい、早く踏んでくれよ
こっちはかなり痛いんだから。
もういいだろう」

「だめ」

ぎゅ。
ぎゅ。
痛い。

ぎゅ。
ぎゅ。

「痛いし、
サラも力加減するの疲れるだろ。
さっさと踏んでくれ」

「だぁめ。
潰れるぎりぎりの力で踏むの」

「痛い。
痛いから」

「ふっ。なんか面白いわね。
もうちょっと重さをかけようかな」

ぎゅう。
痛い痛い。
かなり痛くなってきた。

ぎゅう。
ぎゅう。
ぎゅう。

涙目になってくる。

ぎゅう。
ぎゅう。
ぎゅう。

かなり痛い。

それを見て。

「もう本当に限界みたいね。
よし、一気に体重をかけるか。
つま先立ちで乗ってやろう」

痛い。
痛いからなんでもいいから。

ぎゅうううううううううう。
むちゅううう。
ぐちゅうう。
いっきに潰れる。

つま先立ちで僕の体の上に乗るサラ。
一気に薄っぺらくなる。
そのとたん痛みはなくなった。

これはつらい。
とってもつらい。
痛みは強すぎ。
涙目になる。

ここまで意地悪に踏む子はいないんだろうけど。
サラだったらやりそう。

痛みは強すぎると紙に書いておこう。

「もっと潰れろ。
ぎゅ。ぎゅ」

サラは体を上下させていきおいをつけている。

むちゅ。
ぐちゅう。
上下させると重さが増し、さらに潰れる体。

「こんぐらいかな。
ぺちゃんこになったし」

サラは僕の上からどく。

「ふっふっふ。
みっともないざまね。
ぺっちゃんこ。
やーい。やーい」

くっ。
文句も言えない。
ぺちゃんこでしゃべることができない。

「あたしは、ジュースでも飲んでこようっと」
とサラは言って出て行く。

くそっ。
潰れたままで身動きができない。

……

やっと戻った。

がちゃ。
ちょうどサラが入ってくる。
着替えたみたい。
学校の制服だ。
それと黒いハイソックス。
靴も普通のだ。
さっきは素足だったけど。
そういえば、前回。
ミミにこれを着てもらうんだったけど、ぼつになったやつだ。

「なんだ。ブルマーじゃないのか」

「何よ。ひとこと目がそれかい。
やっぱ変態」

「ミミはブルマーだったぞ。
制服は前回だめだったんだ。
ミミに着てほしかったんだぞ」

「今回の新薬からOKになったから着たの。
悪い?
それと、あんたにあたしのブルマー姿を見せる気はないし」

「お前の棒のような足なんか見たくもない」

「むかっ。いちいち口答えするのね。
まあ、いいわ。
今回は靴で踏んでも良いって話だし。
ぎゅううううと踏んでやる。
もち。かかとで」

「靴で人、踏んじゃいけないんだぞ」

「いいもん。これがあるってことは許可されているんだよ。
ぐりぐり踏んでもOK。
あたしとしては野球のスパイクで踏んでみたかったけど、
さすがにだめだったし」

「そんなもので踏まれたら、穴だらけになるだろうが」

「まあ。そうね。
あなだらけ。
いっぺんあんたを踏んで穴だらけにしたいわ」

「この野蛮娘が。
サラのとっても重たい体で踏まれたら厚さ5センチの鉄板でも
穴があくぞ」

「むかっ。とっても重たいとは何よ。
でも、厚さ5センチの鉄板なら穴があくかもね。
でも重たいというのは訂正しなさいよ。
このスレンダーな体を見よ」
ポーズをとるサラ。

「ガキだな。グラマー度が足りない。
色っぽさもない。
胸も…」

ぎん。
にらまれる。
胸は禁句だ。

「むかついた。
今度はいっきに踏み潰す。
ほら。
寝ろ」

「命令形かよ」
サラは指をさす。
わった。

「ほら。横になったぞ」

「そう。じゃ遠慮なく」
サラは足をあげる。

そして。
3つ数えた後。

ずどん。
ぐちゅ。

いっきに50センチは床がへこむ。
もちろん潰れる。

「ふっ。ざまみろ。
もういっちょ。
今度はジャンプして乗ってやる。
悪口を言った罰よ。
せーの」

サラは思いっきりうえにジャンプする。

ぎえっ。

どずん。

80センチぐらいは床がへこんだだろうか。
音の後。何も見えなくなった。

くそっ。
頭を踏みやがったな。
何も見えない。

……

ぐにょーん。
やっと元に戻った。

「ふう。やっと元にもどったぞ」

「えっ。あー。良かったじゃん」
ちょっとおとなしくなっているサラ。

「どうしたんだ?」

「えっ。あー。
頭踏んじゃった。
ごめんね」

「おまえが謝るなんて珍しいな。
明日地球が滅びるかも」

「相変わらず口が悪いなぁ。
正直言うと、頭を踏んでびっくりしちゃった。
だって、頭が潰れてぐにーんとなっていたから。
あたし。殺したのかと…
身動きしないし」

「ああ。それでか。
あのな。
身動きしなかったのは、何も聞こえなくて、何も見えなくなったから。
体の感覚もわからない。
だからじっとしていた。
死んでいないぞ。
お前に踏み潰されて死ぬのはごめんだ」

「あたしもよ。
あんたなんか踏み潰したくないもんね」

「頭踏むなよ」

「わった。わかったわよ。
注意する。
それでいい?」

「うん」

「よし。じゃ次。
ほら。さっさと紙に書く」

「えっ。うん」
僕はせかされる。

「あたしが歩くから、歩いてきてそのまま踏むわよ。
紙には2回踏むふり。
5回のうち3回踏むとあるんだけど。
めんどくさいから、7回歩いて、全部踏んでいくから」

「全部かよ」

「ほら。はじめるわよ。
頭だけ踏まないようにするから」

わった。
僕は寝る。

ずん。
ずん。

サラが歩いてくる。
格好は普通。
違和感は縮尺が違うだけ。
ものすごく早く近づいてくる。
100メートル離れていたと思ったら数秒後にはすぐ近く。みたいな感じ。

ずん。
あと一歩。

ぐちゅう。
踏まれる。

いっきに潰れた。

ミミに踏まれたときより衝撃はない。
それに床が沈みこむのもちょっと少ないようだ。
それに、前回ミミはうさぎさんのコスプレだった。
もふもふのふわふわな格好で踏まれるから違和感がいっぱいで、
もこもこしているので、ものすごく重たそうな感じだった。

けれども今回は普通の制服。
自分が1/10に小さくなったかのよう。
スレンダーな感じのサラだから、あまり重たそうな感じはしない。
けれども、大きさが違うから床を踏むとものすごくしずみこむ。
ミミほどではないけど。

と考えていたらまたサラが向かってきた。

ぎゅうう。
ぐちゅ。
潰れて戻らないうちに、また踏まれる。

……

ぎゅう。
ぐちゅう。

何度も踏まれる。

ぎゅう。
ぐちゅ。

でも。
踏まれるときの衝撃は桁違いか。
何十キロの子に踏まれるのと、何十トンの子に踏まれるのでは衝撃が違う。
土管もぐしゃっと潰れる力だ。

薬のおかげで死なない。

ぐちゅ。
また踏まれる。

「さあ。最後。
今回はちょっと違うふうに踏むわよ」

どんな感じだろう?

どん。
どん。
近づいてくる。

そして。

「あー。変なものがいる。
気持ち悪いから踏み潰しちゃえ」
と言いながら足をあげる。

うわ。
ぐちゅう。

踏まれてさらに潰れる。

「まだ死んでないわね。
もっと体重をかけて踏まないと死なないのかしら」

ぎゅう。
ぎゅうぎゅう。
ぐちゅう。
結構重さをかけてくる。
もう40トン以上の重さがかかっているだろう。
かなりぺちゃんこだ。

ぎゅうぎゅう。
さらにもう一回踏んでから。

「こんくらいでいいわね。
ほら死んだ。動かなくなった。
さぁて、こんなのにかまっている暇ないんだった」

と歩いていくサラ。

「ふっ。終わり。
またぺちゃんこね」

むー。
踏みすぎるからだぞ。

「ほんの軽くふんでも同じなくせに。
まあ。今回は元に戻るまで待ってあげる」

サラは近くで見ている。

……

ぐにーん。
元にもどった。

「ふう。
やっと元にもどったぞ」

「良かったわね。
じゃまた踏んでみる?」

「だめだよ。せっかく戻ったのに」

「まあ。踏むのはもういいかな。
次は。ええと」
サラは紙を見る。

「あたしのお尻にひかれたときね。
あんたを尻にしく。
いいわね」

「くっそ。仕事だ。仕事。
仕方が無くしかれてやるんだからな」

「尻にしいてやる。
前回はミミお姉ちゃんのお尻の下敷きになったんだよね」

「そうだけど」

「あっ。そういえば着替えなくちゃ。
ところで、ミミお姉ちゃんは何だった?」

「えっ。
そ。
そりゃ。
水着だった」

「み、み、水着ぃ。
そんな格好で乗っかられたの?」

「そうだ。悪いか」

「あたしは認めないんだからね。
今後一切禁止。
そういうの」

「じゃおまえはどうするんだ?」

「むー。待っていなさいよ」
と捨て台詞を残して出て行くサラ。

……

がちゃ。

「ぶー」
噴出した。

「似合わないぞ。ミミの妹よ」
ミミと同じ水着を着ているサラ。
胸はもちろんミミより、かなり小さい。

「くっ。むかつく。
あたしのお尻で押し潰してやる」

「やってみろ。へっへー」
と言ってみる僕。

でも、ミミよりはサラのお尻は小さめで、骨がすぐに当たりそうだ。

骨があたるということはぐちゅっとすぐに潰れてしまう。

はあ。
ため息が出た。