僕は床の上に横になった。
そして。
「こっちは準備できたよ」

「えっ。う。うん」
ミミは資料を見る。

「他に注意事項はないよね。
うん。
じゃはじめようね」

ミミは僕の近くに立つ。
僕は床の上からミミを見上げる。
ミミの頭は団地の建物の何階かぐらいの高さにあるであろう。
けれども、ほぼ真下から見上げているので、
ミミの大きな胸によって、ミミの顔はさえぎられている。

「ちょっと下がっていい?
あたしの胸がじゃまで、足元がよく見えないの」

「うん」
胸が大きいと下が見えないんだ。
ミミが立ち上がってしまったので、ミミの胸は10メートル以上の位置にある。
けれどもそのボリュームは相当なもの。
胸が体操服を盛り上げているのが下からだとよく見える。
どどーんといった感じの胸だ。

それに、ほどよい太さの太もも。
ブルマーをはいているので、太ももの付け根まで見える。
この位置から見るのは、ちょっといやらしい。
しかも、今ならじっとみても、ミミの顔は胸にさえぎられて見えない。
さっき、ミミの太ももとその付け根付近を、じっと見てしまったのはミミには内緒だ。

ミミは一歩下がる。
そのとき、たゆんと大きな胸がゆれる。
太もももぷにっとゆれる。

大きな胸もそうだけど、ゆれる太もも。とてもやわらかそうだ。
でも、ものすごい重量感。
太もものお肉だけで十何トンはあるんだろうか。

「えーと。
資料によると踏む前に、あなたの横に足をゆっくり踏み降ろすんだって、
予行演習かな。
でも、あたしが足を踏み下ろすところを真下から見るんでしょう?
相当怖いと思うんだけど?
大丈夫?」

「た。たぶん大丈夫」
下から見ると、ものすごいミミの存在感を感じる。

今はまだじっとしているけど、動き出したら怖いかな。
そう思った。

「あなたの横に、あたしの足をゆっくり踏み下ろすね。
えーと、なるべくぎりぎりの近さにすることって、この資料にあるけど怖かったら言ってね」

「うん。今回は踏まないし。大丈夫だよ」

「じゃいくね」
ミミが足を上げる。
ミミの足の裏と太ももの裏が見える。
そしてゆっくり、こっちに向かって踏み下ろされてくる。

ぐわっ。
結構怖い。
本当に押しつぶされそうだ。

ミミが床を踏む。
ぎーと、僕の右から床の音が鳴ったのが聞こえた。
そして、ミミが床を踏んだので、床自体がぎゅうっと沈み込む。
体感で20センチぐらい沈み込んだか。
そして、もう片方の足も持ち上がり、僕の体ぎりぎりのところに踏み下ろされる。
ぎゅ。
床がきしみ、10センチは床が沈み込む。
ものすごい重さで沈み込む床。
ミミはその後も、何回か足踏みをする。

ぎー。
ぎー。
ミミが床を踏み込むたびに、ぷりんぷりんの太ももと、お尻がゆれる。
胸もきっと揺れているんだろうけど、
真下にいるので真上のブルマーに包まれた太ももとお尻の存在感が圧倒的だ。
しかも、ミミが足を踏み下ろしたり、足を上げるたびに、僕の体ごと床が持ち上がったり、床が沈みこんだりする。
ぎゅう。
ぎゅう。
床は超固いコンクリートとかではなくて、学校の床にあるような素材。
きっと、彼女が踏めば適度に沈み込む床を採用しているのだろう。
床の沈み込みによって、女の子の体重を体感してもらうためなんだろうか。

ミミが床を踏み踏みするごとに、床が沈み込むのでだんだん怖くなってきた。
僕にとって結構硬いはずの床が、ミミが足を下ろすと簡単に沈み込むからだ。
やっとミミが床を踏むのをやめる。

僕の左右にはミミの足がある。
うわ。
今気がついたけど、本当の真下からミミを見上げると、
本人には悪いけど、太ももの断面というか、厚みがものすごいのに気がついた。
ものすごーく太いミミの太ももの付け根。
大事なところも盛り上がっているし、
それにお尻。お尻も真下から見ると、ものすごく盛り上がっているのが見える。
結構ぱつんぱつんだ。
ミミの体のお肉の量。
太っているわけじゃないけど。すごい。
さっきの床が沈み込む感じも体感したからだと思うけど、
ぱつんぱつんの太ももと、お尻のお肉の量を考えると、50トン以上あるというのも納得できそうだ。
うーん怖い。
ものすごく重いんだろうなと思った。
でも重いどころではないんだろうな。
重さを感じるどころか、圧倒的な力で踏まれるんだろう。
プレス機でも50トンの力はあるんだろうか。
ないかもしれない。
廃車とかをぺっちゃんこに押しつぶすプレス機か、それ以上の力で、僕の体が踏まれることになるんだろう。
ううう。
本当に薬品は大丈夫なんだろうか。
怖いなあ。
と考えているところでミミは声をかけてきた。

「どうだった? 怖かった?」

「えっ。い。いや」
本当は怖さを感じていたんだけど、なんともないとミミに返答する。
ミミはまたゆっくり後ろに下がる。

「今度は、あなたをぎゅっと踏んじゃうんだけど。
本当に踏まないといけないのかな。
ここでやめちゃう?」

「うーん。今のが結構怖かったんだけど。
踏み潰されて死ぬわけじゃないから、大丈夫だと思う。
最初の1回目は怖いかもしれない。
だから最初は、ほんの軽く。
ものすごく軽く踏んでくれる?」

「うん。わかった。いちおう仕事だもんね。
あなたがいいというなら、わたし。やるね。
本当に軽く踏んでみるけど。
あたしにとって本当に軽く踏んでも、その瞬間に潰れちゃうかもしれないの。
この資料によるとあたしぐらいの女の子なら、体重をかけずに、軽く足を乗せただけで数トンの重さがかかるとあるよ」

「それ本当?
うーん。しょうがない。
覚悟はできた。
思い切って、やっちゃって。
でも最初は本当に軽く踏んでくれる?」

「わかった。
ものすごーく。軽く踏んであげるね。
その。えーと。触っているかどうかという感じで踏んでみるよ。
でも、直前で怖くなったらいったんやめるから。言ってね」
心配してくれるミミ。
でも薬品の力があるからきっと大丈夫なんだろう。
もし、効かなかったら。ものすごい力で踏まれた僕の体は抵抗なく簡単にひしゃげてしまうだろう。

「よし。こい」
息をおもいっきり吸ってから息を止めて力んでみる。
彼女の踏みに耐えれるかどうかだ。
きっとだめなんだろうなと思った。

「じゃ軽くいくね」
ミミの足がほんの少し1メートルだけ持ち上がり、僕の体の上に移動する。
そしてかかとだけ床につく。
これから本当にミミに踏まれるんだ。
数秒の待ち時間。
そして。
僕のおなかの上に、ミミの足(指のつけねのふくらんだところ)が乗っかる。
うぐっ。
たったそれだけで、つめていた息が吐き出される。
そして、すごい力。
ものすごい力で床の方向に押し付けられる。
ぎゅう。という感じ。
でも床はまだ沈みこんでいない。

「大丈夫?
あたし今、踏んでる?
ほんの軽くだから、さわっているぐらいにしか感じないんだけど。
今も苦しい?
いやだったらいったんやめるけど」

結構苦しかった。
100kgか。200kgまではいかないけど重さがかかっていそうだった。

「だ。だ。大丈夫。もうちょっと踏んでみて」
これ以上踏まれるとどうなるんだろうと思った。
どこから薬の効き目が出始めるんだろう。
まだ効き目は出ていない。

「じゃ少しずつ重さをかけていくからね」

「う。うん」

どうなるんだろう。
どこまで耐えれるんだろう。
そう思ったときだった。

!!!
んぎゅう。
ものすごい力で踏まれるのを一瞬感じた。
ぐあああああ。
なんじゃこりゃあ。ものすごい力で圧迫される胸。
でもすぐに。
ぐにゅぅ。
僕の体は、ミミの足の下で潰されてしまう。
ミミの踏みによる重さに僕の体が耐えられなくなったようだ。

僕の体はぐにっと潰れてしまった。
うわああ。僕の体の厚みが。厚みがありえないほどの薄さになっているよ。
急に潰れてしまったので、またミミの体重調整が間に合わなかったみたいだ。

「うわああ。また急に潰れちゃったよぉ。
大丈夫?
生きている?
死んじゃってないよね」

今はミミに胸を踏まれて、ぺったんこになっているので声がでなかった。
腕は踏まれていないので、腕を軽く上下に動かす。
僕の体はぺったんこになっているが、いったんぺったんこになった後は痛みはなかった。
ミミに踏み潰されるちょっと前の一瞬がものすごく痛かった。
やっと、ミミが僕の上に乗せていた足をどけてくれた。
うわあ。
本当にぺっちゃんこだ。
平面ガエルのよう。
僕の胸とお尻のあたりがミミに踏まれてぺったんこ。
でも、だんだん厚みが戻っていく。

「あー。びっくりした。これから少しずつ重さをかけていこうと思ったら、
その前に、急にぐにゃっと行っちゃうんだもん。
あたしが重さをかけるまでもなく潰れちゃった。
けれど。
本当に大丈夫?
さっき、足をどけたとき。
あなたの体。ものすごく潰れていたよね?
元に戻る?
もし戻らなかったらどうしよう」

ミミは心配して下を見下ろしている。

んんん。
まだだめだ。

ミミに踏まれた胸が戻りつつあるんだけど。
まだ声は出なさそう。
腕を振って、ミミに待ってもらう。
そして。
「すーはー。すーはー。
はあ。
やっと戻った。
今はなんともないよ。
でもさっきはものすごく変な感じだった。
僕の胸があそこまでぺったんこになるなんて」

「ぐにゅっとなっていたもんね。
でも本当に軽く踏もうと思っただけで、もう潰れちゃうなんて。
薬品がなかったら今頃は天国かな?
あたしも、地球人の人踏まないようにしよっと」

「そりゃ当然だよ」
こんな子に踏まれたらひとたまりもない。
けれど、こんな子だったら踏み潰されて死んでしまってもいいかなと思った。

ミミは言葉を続ける。
「たしかにね。
今まで踏んじゃったことはないんだけど。
その。えーとずっと前に考え事をしていて、
足を下ろす前に下を見たら人がいたことあったよ。
そのときは事前に気がついてよかったんだけど、
ちょっとでも踏んじゃったらもう遅いというのが、これでわかったし。
あのとき踏んでなくてよかった。
もし踏んでいたらかなりショックだと思うから。
うん。これからより、いっそう気をつけて歩くようにしないと」

「そうだね。薬が効いていないときに、僕を踏まないでね。
今日は大丈夫だと思うけど」

「うん。わかった。
資料によると、力加減をしないで普通に踏んだときのパターンと、
ぎゅううっと踏んだときのパターンを試さないといけないの。
さっきので、あたしが踏んでもなんともないのと。
元に戻るのがわかったから、もうちょっと続けてもいいと思うんだけど。
もし怖かったらここでやめるね。
どう?」

「うーん。大丈夫。
踏まれるときは事前にわかるし。元に戻るのもわかったし。
あ。でも。足を上げてから。いっきに"どすん"という風に踏まれるとかじゃなければいいよ。
"どすん"とされたら、僕の体が耐えられるかどうか。わからない」

僕から見たらものすごく重い彼女(ごめんね)に"どすん"と足で踏まれたらどうなるか。
普通なら飛び散るだろう。
薬品の力でぐにっとなるからといって、急に踏まれたときにどうなるかとっても怖かった。

「大丈夫だよ。そこまでしないよ。
というか、したくないよ。
もし死んじゃったら、かなり困るし…
あとはもうちょっとだけだから。
あっでも。ちょっと疲れたから休憩にしない?」

「うん。いいよ。
僕もいまのうちに飲み物を飲んで、トイレに行きたい」

「じゃ10分だけ休憩にするわね」

ふう。
僕も疲れた。
ミミに踏まれたし。

僕は床に寝そべっていたが立ち上がった。