とある女の子が

人に幻覚を見せる力と
22mくらいに、巨大化できる能力を手に入れました

でも、その代償として
普通のものを食べることが出来なくなってしまいました

今、彼女が食べることが出来るのは
ただ一つ、「人間」だけでした

実は、力を手に入れたとき
代償のことを全く知りませんでした

だから、代償のことを聞かされたとき
人殺しをしてしまうのなら、自殺しちゃおうと思いました

でも、彼女は自殺できませんでした
死ぬことがとてもとても怖くて
とても出来ませんでした

その次の日、女の子は学校に通いました
すると、教室の風景が、いつもと違うように感じられました

彼女はいつも通り、友達とあいさつをしたり、話をしながら
あろうことか、こんなことを考えてしまってました

「・・・あれ? みんな、なんで、おいしそうにみえるの?・・・」

食べたい・・・そう思いましたが
女の子は、その考えを捨てようと努力しました
一生懸命我慢していました
しかし、

その頑張りは、長く続きませんでした
彼女は、ついに、能力を使い
教室を出ると、外で巨大化を始めてしまいました

もちろん誰も、彼女が外に出て
巨大化したことには気がつきませんでした
なぜなら、全ての人が彼女の力で
幻覚を見ていたからです

そして、彼女は
学校より大きくなりました

巨大化を終えると、早速、たまたま足元にいた男の子を
食べたい!という思いで、がしっと手で掴みました

また、自分が食べている光景を見せたくて
あと9人ほど捕まえて、校庭に並べました

男の子の大きさは
文字通り、「手のひらサイズ」でした

彼女は、合計10人を幻覚から開放して
巨大な自分の姿を見せてあげました

そして、下にいる9人の小人たちには別の幻覚を見せました
幻覚の力で「自分は身動きできず、男の子を見続けなくてはいけない」
そう思い込ませました
その結果、彼らは逃げようとも、男を助けようともせず
無言で、ただ男の子を見続けました

掴まれた男の子は最初、自分の状況がわかっていないようでした
状況を確認するため、きょろきょろと、あちこちを見ていました

女の子は、なかなか状況がわからない男の子のために

「えへへ、どうも信じがたい状況に戸惑っているようね
 でも、あなたは今、とてつもなく大きな女の子の手に掴まれているんですよ〜」

と、優しく教えてあげました
そして、

「それからね、あなたはこれから
 その巨大な女の子に食べられちゃうんですよ〜」

と、親切に教えてあげました

小さな男の子は、もう一度辺りを見回しました
間違いなく自分は今巨大な女の子に掴まれていることを、やっと理解して
そして、恐怖が彼を襲ったようで
彼の顔が、青くなりました

そして、彼の頭の中は
「食べられる」と言う言葉でいっぱいになりました
彼女の手から脱出して逃げたかったので
必死に暴れました

無駄でした

そして、いくら暴れてもびくともしなかった
彼女の手の力を考えると
脱出はとても無理だという結論に達しました

彼は暴れるのをやめました

そのとき

「ぐぅ〜〜〜〜っ」

と彼女のお腹が鳴りました

彼は、彼女のお腹を見ました
彼女のお腹は非常に大きく、自分を飲み込むには十分でした
また、彼女の顔を見ました
彼女は自分を冷ややかな目線で見下ろし、笑っていました

彼女はお腹に手を当てて言います
「あ、私のお腹も待ちわびてるようですから、そろそろ食べますね」

そして、
自分はもうダメなんだ、と理解して
口をあけたまま、声もなく泣きはじめました。

ちなみに彼女は、少し彼と遊んであげてから食べようと思っていましたが
空腹感と、おいしそうな男の子を見ているうちに
自分の気持ちを抑えられなくなってきてしまいました

・・・食べたい、食べたい、食べたい
この男の子を、私の口の中で
ぐちゃぐちゃにして、味わいたい

そんな考えで、頭がいっぱいになっていました

そして、こらえきれなくなった彼女は
勢いよく、男の子を口の中に放り込みました

男の子は、彼女の口の大きさと
同じくらいの大きさでした

女の子は、一人の、生きている男の子で、ほっぺをいっぱいに膨らませ
ほくほく状態でした

口の中で必死に男の子が暴れます
しかし、びくともしません

女の子はすぐに、男の子を噛み砕きました
まず、両足の骨に歯があたりました
一瞬、少しの抵抗を感じましたが、軽く力を入れると
パキッという小さな音がして
その抵抗はなくなりました

男の子の叫びが聞こえます
でも、彼女は知らんぷり
今度は丸っこいものを上と下の歯ではさみました

彼女はそれが何なのかすぐわかりました
それは、頭蓋骨でした

両足を噛み砕かれた男の子は、頭蓋骨を噛まれて
もうダメだ、そんな絶望を感じていました

頭がみしみしと音を立てています
足も痛いですが、それ以上の苦しみが彼を襲います
彼は必死に彼女の歯から頭を守ろうとしましたが
彼女の歯は微動だにしませんでした

めきめきめき と音がします
男の子が、恐怖のあまり、断末魔の叫びを上げました

それを聞きながら、彼女は
ゆっくり、ゆっくりと彼の頭を噛み潰していきました
そして

パリッ

と言う音がしました
彼の叫びも同時に終わりました

下にいた人たちは、彼女の口から赤いよだれが出てきたのを見ました
数人がそれを見て失神しました
残りの人も、頑張って目をそらそうとしました
でも、どうしても、男の子を入れたまま動く彼女の口から
目を離すことが出来ませんでした


彼の体からはたくさんの体液が出てきました
それは非常に甘美で、彼女をうっとりさせました

彼女はそれが欲しくて、彼の体を、勢いよく
ぼりっ ぼりっ ぼりっ ぼりっ
と噛み砕きました
ぐちゃっ ぐちゃっ ぐちゅっ ぐちゅっ
と口を動かして、彼の体を、歯で何度も何度も潰し
どんどん体液を出させました

口の中で、男の子が肉片と化していくのを感じながら
彼女はあまりの美味しさに、うっとりしてしまいました

普通、人間の肉は不味いといいますが
どうやら、大きくなったときに
味覚と言うものが変化したようで
彼女にとっては、人間が
最高のご馳走となっていたようでした

だから、彼女は、男の子を
細かく細かく、どろどろになるまで
噛み砕き
歯ですり潰し続けました

くちっ くちっ くちっ くちっ ・・・

もう、彼女の口の中には
「男の子」はありませんでした

彼女は、ひたすら肉片を噛み潰していましたが
だんだん味がしなくなってきましたので
もう飲み込むことにしました

ぐちゅり・・・ごっくん

彼女は、一人を食べ終えて、ほうっと息を吐きました


そして彼女は、恍惚の表情でお腹をさすりながら、

「さぁ、次はあなたたちの番ですよ・・・えへへぇ」

そう言いました

皆、身動きは出来ない(と思い込んでいる)ので
あるものは叫び、あるものは泣きました
絶望だけしか、そこにはありませんでした



ちなみに、彼女は、人間を捕まえやすいように
この地域の人間全てに
「何事もおきていない」と言う幻覚を見せていたので
次から次へと人間を捕まえることが出来ました

捕まった人間は、絶叫しながら
必死になって助けを求めながら
ゆっくりと女の子の口に運ばれいきました

お腹のすいた女の子に
何のためらいもなく、容赦なく
ぐちゃっ ぐちゃっ ぐちゃっと噛み砕かれ
ごくりと飲み込まれていきました

彼女は10人を胃袋に納めてしまうと
お腹いっぱいになりました

・・・・・・


子供たちが下校していきます
幻覚のおかげで、「何事もなかった」かのように
ある人は、「実際にはもう居ない友達」とおしゃべりしながら
家に帰っていきました

子供たちはまた明日、元気に登校することでしょう
ただ、巨大な女の子のエサとなるために


つづく

・・・かも