いろいろと警告してないのはデフォですが、有害な記述がごまんとあります。心温まる記述はなく、思いっきり不健全です。自信のない方はお読みにならないでください。自信はあっても未成年の方は絶対に読んじゃダメ。

契約は守らないとね
by JUNKMAN

東京大手町
うだるような暑さの中、頑張ってびしっとネクタイ締めたエリートサラリーマンたちが忙しなく街を行き交っている
・・・
そんな昼下がりの一時、一人の男が交差点で急に素っ頓狂な声をあげた

「・・・あれは、なんだ?」

サラリーマンたちは歩みを止めて、男の指差す彼方を見る
東京駅の向こう側
上空
はるか南の上空だ
雲一つない青空が、唐突に、音もなく、つーっ、と、切り裂かれ、その向こうにほの暗い虹色の空間が顔を覗かせた。
・・・
・・・
誰もがその意味を知っていた
街のいたるところから一斉に悲鳴が上がった。

*****

「どうしてわざわざこんな場所を選ぶんだい?」

後方座席でメタルフレームのメガネをかけた細身の若いやさ男が訊ねる。
前方の運転席で複雑なパネル操作をしていた白い夏物セーラー服の少女は、振り返りもせず面倒臭そうに答えた。

「だって、この前おじさん、会社の人に見つかりそうになったんでしょ?」

おじさん、と呼ばれるには若すぎる20代半ばと思われる男は、冴えない表情で小さく頷いた。
少女はその様子を確かめることもなく言葉を続ける。

「わたしだって学校では優等生ってことになってるし、そのイメージが壊されたら困るのよね。つーか、そもそもこんなバイトが生活指導の先生に知られたら超ヤバイっていうか・・・」

「それでこんな辺境宇宙にまで連れ出したのか」

「そ。ここはわたしのとっておきの秘密の場所。誰にも見つからないよ。ぜーったい誰にもばれない。おじさんだって、その方がいいんでしょ?」

「う、うん。まあ、そうだね・・・」

「それじゃ問題ないじゃん」

「ちょ、ちょっと待てよ。辺境宇宙はいいけどさ、未コンタクトの知的生命体とかいないんだろうな?」

「・・・」

ここで初めて夏物セーラー服を着た少女は後方座席の男にゆっくりと向き直った。

「・・・それは着いてのお楽しみ♡」

そうこうしているうちに、二人を乗せた時空跳航型小型宇宙船がゆっくりと停止した。
といっても宇宙船の外は相変わらず虹色にぐにゃぐにゃと輝く歪な時空間のままである。
男は不安そうに少女に訊ねた

「つ、着いたのかい?」

「もうちょっとよ。でも宇宙船はここまで。ここから先は歩いていくの。」

少女は宇宙船のハッチを開けると、ポシェットからカッターナイフのようなアイテムを取り出して、目の前の虹色に輝く歪な時空間を切りつけた。
スパっ
カッターナイフが切り開いた時空間の裂け目の向こう側は、青く眩しく輝いていた。

「見える?あれが目的地よ。おじさん急いで!」

「あ、ああ・・・」

そう焚き付けておきながら、少女はふと思い直してさっきまで座っていた運転席に戻ってきた。

「どうしたんだい?」

「もう優等生モードはおしまい!」

少女は大きな黒縁のメガネを外すと、宇宙船の運転パネルの上に置いた。
くりくりした黒褐色の瞳がそれまでの何倍もの煌めきで輝きはじめる。
同時に結んでいた髪留めも外すと、ふわふわの紫色の髪がぱっと広がった。
・・・
天使だ
・・・
なんて愛くるしいんだ!
小動物のような可愛さが増幅されて、男の理性をぐちゃぐちゃにかき乱した。
我慢できない
とても我慢できない
そうだ
ここのところずっと、寝ても覚めてもこの少女のことばかり考えてきた
虜にされている
きっと、彼女は僕が我慢できないように弄んでいるんだ
そして僕はまんまとその罠に嵌っている
・・・
・・・
でも、僕はその企みに抗えないんだ
・・・
男はふうっと溜息をついた。
その隙をついて、少女は上目づかいに男を見上げながら、いきなりそのメタルフレームのメガネをひったくった。

「あ!な、なにをするんだ!」

「おじさんもこんなものいらないでしょ?」

少女は男のメガネを船室内にぽいっと放り投げると、その背後に回って背中を両手でどんと押した。

「さ、急いで!!!」

*****

大手町だけではない
東京23区内全体が絶叫に包まれた
突然東京湾上空に出現した巨大な時空の裂け目
実際に見たことがある者は誰もいない
でも、テレビ中継では誰もが見ていた
あの裂け目は、この半年の間にブラジルのリオデジャネイロ、オーストラリアのシドニー、そしてイタリアのローマに次々と現れたものと全く同じだ
そしてあの裂け目の中に見える暗い虹色の広がりから、彼らが現れるのだ
・・・
・・・
・・・

「!!!」

東京都民の不安は的中した。
虹色の広がりから、やがて一人の若い男がぬっと現れ、それに引き続いてまだ10台半ばと思われる美少女が現れた
若い男は初めて見る顔だ
一方、美少女の方はリオデジャネイロ、シドニー、ローマに現れたケースと同一人物に見える
驚愕すべきはその巨大さだ
やせ形の男の身長はざっと17500メートル
それに比べれば随分小柄に見える美少女の身長も15600メートル
彼らは富士山をも膝下に収めてしまうほどの超大巨人なのであった

「・・・つ、ついに、東京の番がやってきたのか・・・」

都民たちは絶望してその場にへたりこんだ。

*****

「こ、これは・・・」

男は息をのみ、慌てて背後の少女を振り返った

「ダメだ!明らかな人工建造物だ。この惑星には知的生命体がいる!」

「・・・そりゃ生物くらいいるわよ。だって大気組成や温度・湿度が生命活動に好適な条件の惑星を選んだんだもの。それでなきゃわたしたちも降りられないでしょ?」

狼狽している男を後目に、少女の方はあっけらかんとしている。
男はいよいよパニックになった。

「知らないのか?未コンタクトの知的生命体に接触するには銀河連邦政府の許可が必要なんだぞ。」

「ばれなきゃいいんでしょ?」

少女はしれっと答えた。

「ば、ばれなきゃって・・・」

「まあ、見てよ」

少女は足元の水たまりから小指の先ほどもない何か小さなものを摘みあげると、男の間の前にぶら下げて見せた。

「・・・これ、なんだと思う?」

*****

リベリア船籍の豪華クルーズ船シルビア号はマニラから満員の観光客を乗せてまもなく東京港に到着するところだった。
ところが目の前に竹芝桟橋が見えてきたという地点で、急に下から突き上げるような衝撃が加わり、引き続いて起こった大波で船体は傾きかけるほどのダメージを受けた。

「ど、どうなっているんだ?」

船長はコックピットの柱に掴まりながら操舵手に悪態をつく。
その操舵手は舵にかじりつき、船体の安定を保持しようと必死の努力を続けていた。

「ま、また地震とツナミでしょうかね?」

「くそ、だから日本に来るのは嫌だったんだ!」

船長が来日したくなかった理由が地震とツナミだけであったのならば、それは甘かった。
シルビア号の災難はそのどちらによるものでもなかったからだ
不意に両脇から肌色の巨大な壁に挟みこまれ、シルビア号の船体は瞬く間に上空に引き上げられた。
その巨大な肌色の壁には、まるで指紋のような深い溝が刻まれていた。

*****

「えへへ、これね・・・きっと船だよ」

「船?」

男は少女が摘みあげた小さなものに触れるほど顔を近づけ、目を凝らして覗き込んだ。
その妙な物体は、摘まんでいるその少女の親指や人差し指の第一関節から先よりも小さい。
しかし、形は、いわれてみれば船に見えないこともない。

「こ、こんなに小さな船って・・・何をのせるんだ?」

「何だと思う?」

「・・・」

「よく見て。甲板に黒い小さな点みたいなのがうじゃうじゃ見えるでしょ?」

「・・・う、うーん、メガネを外してきたからはっきりとはわからないけど、でも確かに何か点のようなものが動いているかも・・・」

「でしょでしょ。これがね、この星の原住民」

「え!」

「しかもね、この微生物みたいな原住民が、顕微鏡で観察するとわたしたち人間そっくりのヒューマノイドタイプなのよ。大きさは1/10000しかないけどね。んふ、笑っちゃうわ。」

「こ、言葉は、話すのかい?」

「もちろんよ。だからわたしたちのバーバルコンバーターもこの原住民たちの言語に合わせてチューニングしておいたわ。だからこびとくんたちは、わたしたちの会話が理解できるってこと。」

「じゃあ、この住民は、やっぱり知的生命体ということなんだね?」

「・・・」

少女はうんざりした表情で首を横に振った。

「ねえ、真面目に考えてよ。わたしたち普通の人間の1/10000の大きさしかないのよ。そんな微生物を知的生命体扱いできるわけないじゃない。銀河連邦も全然興味がないから探索機も送らないのよ。だからばれっこない。だからコンタクトの許可とかも取る必要ない。そういうこと。」

「・・・」

「そんなわけで、わたしはここをとっておきの秘密の隠れ処にしたの。いま、この星にいる人間はわたしたち二人っきりってことでーす。無人星に来たつもりで、ゆっくり楽しみましょ♡」

少女はにっこり笑うと、摘まんでいた豪華客船シルビア号を、二本の指先にちょっと力を加えることだけでぐしゃりと潰してみせた。

*****

東京は大パニックになった。
空の裂け目から現れた若い男女の大巨人が、東京湾から品川に上陸し、そのまま恵比寿・渋谷を踏みにじり内陸に向かって歩き出したのだ。
リオデジャネイロ、シドニー、ローマを襲ったあの悪夢が、今度は東京のものになろうとしている
急ぎ入間基地から航空自衛隊の戦闘機がスクランブルしてきたが、この大巨人たちの前では象にたかる小バエのようなものである。
ましてや地上戦力など何の役にも立ちそうにない。
当の巨人たちは新宿に到達すると、東京都庁のあたりで靴と靴下を脱いで練馬方面に放り投げ、轟音を立てながらその場に座り込んだ。

*****

「このあたりでいいんじゃない?」

「いいって・・・な、なにが?」

「もう!・・・おじさんは何しにここに来たの?・・・他人に見つからずにエッチするためでしょ?」

巨大な美少女は唇を尖らせながら手早く白いセーラー服を脱ぎ捨てる。
つんと鋭く膨らんだ乳房が、ブラの下ではちきれそうになっている。
少女は男に背を向けながらその眼前に腰を下ろした。

「はい!」

「はい・・・って・・・え?」

「何してるの?早くホックをとってよ!」

「あ、ああ、うん」

男は少女の背に向けて震える手を伸ばす。
落ち着け
落ち着け
自分に言い聞かせながらなんとかホックを外した
ふうう
はらり
ブラが落ちた
上半身裸になった美少女は、両手で胸を押えながら背後の男に向かって叫んだ。

「じゃ、お兄さんも裸になって!」

背後で男がどぎまぎしながら脱衣している気配を感じる
その一方で、少女は今脱ぎ捨てたばかりの自分のブラに注目していた。
このごろ少しきつくなってきたそのカップはC
興味深いのは無造作に脱ぎ捨てられたブラと周辺との対比だ。
その双子山はくしゃりと半ば潰れているのに、それでも周囲を余裕で睥睨する高さがある。
こんなブラが、この星の原住民たちには山脈みたいに見えるんだろうな。
少女は愉快になってきた。
脱ぎ捨てたブラが山脈なら、それで覆いきれないこの乳房はどうなのかな?
真下を向いて自分の胸を確かめてみる。
このごろぐんぐん膨らんできたのは自分でも自覚してる。
この星のこびとくんたちにしてみたら、標高2000メートルくらいの高山、ってとこかな?
それって凄くない?
・・・
てへへ
わたしってば、この星では超大巨人なんだ
むくむくと優越感が湧き上がってきた
これがあるからこの星でのエッチはやめられないわ♡

「・・・ぬ、脱いだよ」

背後で男がぼそりと呟いた。
待ってました!
少女は立ち上がるとスカートとパンティーを素早く脱ぎ捨て、回れ右して男に抱きついた。

*****

虚を衝かれた
全裸になったと思ったら、いきなり少女に抱きつかれてしまったのだ。
・・・
・・・
ここしばらく、昼も夜もずっと、ずっと、ずっと、ずっと、僕の頭の中を占め続けてきた少女。
寝ても覚めても、ずっと頭の中を占めてきた少女。
でも、まだ名前も知らない。
決して教えてくれないのだ。
彼女も僕の名前を知ろうともしない。
お互いに知っているのはケータイの番号だけ。
そんな彼女だが、普段着ている制服から考えれば有名なお嬢様学校に在学中の現役女子高生らしい。
本人もそれは否定していなかった。
待ち合わせ場所に現れる彼女は、小柄で、地味な黒ぶちメガネをかけて、髪はきっちり縛った、地味で、もの静かで、大人しそうな女子高生だ。
ところが二人きりになると彼女は豹変する
特にメガネを外し、髪を解くと、彼女はいきなり奔放な女神になる
女神?
いや、天使?
いや、悪魔?
わからない
ただ、女神であるにしても背徳の女神だ
その魔力の前に、僕は全く無力化されてしまう
何ものにも代え難いそのカラダ
これを手に入れるためになら僕はどんな代償でも払う
そのくらいに僕を虜にする魔性のカラダ
そのカラダが、今、自分から僕の懐に飛び込んできた
・・・
・・・
だというのに
・・・・
あまりにもあっさりと現実化したこの状況に、身体が追いついていない
・・・
男のペニスは萎縮していた
焦っても
焦っても
ぴくりとも勃ち上がらない
そんな情けない様子を見ても少女は特に落胆することも無く、それどころか薄笑いすら浮かべて男のしなびたペニスを手に取り、地上の地球人たちに向かって説明を始めた

*****

「・・・ほうら原住民のこびとくんたち、見てごらん、これがちんぽというものよ。あ、人間のちんぽのことね。ちんぽなら君たちにもついてるかもしれないけど、でも小さいでしょ?君たちのマイクロちんぽに比べて、人間のちんぽはこんなに大きいのよ。比べてみる?」

少女は座り込んだ男の陰茎を地べたにぺたりと着けて見せた、

「・・・ほら、大きいでしょ?山みたいでしょ?ただのちんちんなのにね。もしかしたらこのちんぽから発射されるスペルマのおたまじゃくしくんって、君たち原住民のこびとくんたちよりおっきいかもしれないよ。きゃはははははは♡」

無邪気に笑う少女の目には、地球の原住民たちの表情など小さすぎて見て取れない。
しかしペニスの太さにも満たない建物の谷間をうようよと逃げ惑う黒い点なら無数に見えた。
ふにゃりとしなびたこのペニスが、彼らには大きな丘のように巨大な物体に見えているのだろう。
惨めだなあ、んふふふふ

「ちょ、ちょっと、可哀想じゃないか?」

ペニスを弄ばれている男がおずおずと訊ねる。
少女はアヒル口を曲げてせせら笑った。

「そんなこと言ってるけどさ、おじさんだって十分可哀想なことしてるんだよ。」

「え?」

「ほら、見てごらんよ。」

少女は愉快そうに男のペニスの周囲を指さす。

「おじさんのふにゃふにゃちんちんやキンタマ袋の下敷きになって、どれだけのこびとくんんたちが潰れたと思う?」

「!」

慌てて自分の股間を覗き込む。
目を細めて注目すると、確かに陰嚢や萎縮した陰茎が多くの小さな建物を薙ぎ払っていた。
建物がこの惨事に陥っているのだから、その中にいた原住民の人々がどんな運命を迎えてしまったか、想像に難くない。

「・・・」

「うふふ、おじさん、ちゃんとそのちんぽは綺麗に洗ってきた?毛むくじゃらの臭っさいキンタマ袋の下敷きになって死ぬなんて、いくらこびとくんたちでも可哀想すぎよ」

「い、いや、ぼ、僕はそんなつもりはなかったんだ!そんな屈辱的な方法でこの星の原住民たちを蹂躙しようなんて・・・」

「・・・このちんちんがふにゃふにゃだから悪いのよ。」

狼狽する男を横目で見ながら、少女はニヤリと笑った。

「ちゃんと元気よく勃っていればこうはならなかったわ。」

「・・・」

「と、いうわけで・・・いただきまーす♡」。

少女は前屈みになって、男のペニスをパクリと銜え込んだ

*****

男の股間に顔を埋めて、少女は華麗な舌技を繰り広げる
・・・
はむ
じゅばっ
じゅぼっ
ごびゅっごびゅっ
じゅっぷじゅっぷ
はもはもはも
にょもにょも
れろらろれろ
ぷにゅっぷにゅっ
じゅびびびびびび
・・・
・・・
・・・
遠慮なしに淫卑な音をたてながら
銜え込み
舌先で撫でまわし
強烈なバキュームをかけたかと思えば
唇でピストンして
舌根にあてがい
軟口蓋で締め上げる
・・・
押さば引き
引かば押し
そしてまた押さば引き
変幻自在のテクニックに男は翻弄された
しかも、いま僕にこの快楽をもたらしているのは、あの憧れの少女なのだ
僕いま、彼女と共にいる
・・・
男の中で何かが弾けた
・・・
むく
むくむく
むくむくむくむく
少女は口内での異常事態にすぐ気がつくと、顔を上げて嬉しそうに笑った

「・・・勃った勃った!おじさん、ちんぽが勃ったよ♡」

*****

少女は屹立した男のペニスをうっとりしながら見つめていた。

「・・・それにしてもおじさん立派なモノを持ってるわよねえ。わたしみたいな人間から見ても大きいんだから、原住民のこびとくんたちにしたらどうなんだろうなあ・・・」

自分自身の唾液でべっとり濡れたペニスを優しく撫でる。
そのペニスは長さ2200メートル、陰茎部の直径400メートル、亀頭部に至っては最大径が500メートルにも達しようという化け物クラスに成長していた

「ねえ、こびとくんたち、さっきの説明を訂正するわ。これが本物のちんぽよ。さっきよりずっと大きくなったでしょ?しかも硬いのよ。うーん、何か比べられるようなものはないかしら?」

少女はきょろきょろとあたりを見渡した
東の方向に銀色の針のようなものが立っている
周囲から浮き出して目立つし、しかも尖っていて十分に固そうに見える

「・・・見た感じ、あれがこびとくんたちいちばんのご自慢の高層建築とやらみたいね。」

少女は男の手を引いて立ち上がると、満面の笑みを浮かべながら轟音を立てて東へ移動した。

*****

こんなはずじゃなかった!
東京スカイツリーの天望回廊に集結していた観光客たちは誰もがそう思っていた。
今日は雲一つないいい天気
東京で一番高い展望台に上って、そして見渡す限りの眺望を楽しもう
みんな、そう思っていたのだ
・・・
ところが、青空を切り裂いて現れた二人の巨人が全ての計画を台無しにした
巨人が東京湾に降り立つとほぼ同時に、彼らは逃げ場を失った。
停電になって専用エレベーターが使えなくなってしまったからだ
・・・
彼らは危惧していた
東京スカイツリーは周囲から際立って高い建築物だ
目立ちすぎる
・・・
あの超絶的に巨大な肉体を持つ巨人たちは、飛行写真のような視点を持っているに違いない
ならば、この目立つ東京スカイツリーに興味を示さないはずがないではないか
・・・
いや
そうともいえない
頼む
そうではない、と、言ってくれ
・・・
観光客たちは、取り残された天望回廊で、二人の巨人の動向を、祈るように、固唾をのんで見守っていた
・・・
・・・

「あ!」

「ああああああああ」

誰からともなく絶望の声が上がった
巨人の美少女と視線があってしまったのだ
はっきりと東京スカイツリーをロックオンしている。
それだけではない
もう一人の巨人の手を引いて立ち上がると、轟音を立て、一歩、二歩と、こっちに向かって歩み寄ってくる
間違いない
この東京スカイツリーは彼らの標的になったのだ

*****

「・・・こういうのね、コツがあるの。」

少女は銀色の針の前にしゃがみ込むと、直接それには手を触れず、その少し手前の細い水の流れに手をずぶりと差し入れた。
そして不安そうにしている男に向かって講釈を垂れる。

「こびとくんたちの建物って、まるで弱っちいからすぐに壊れちゃうの。壊さないためには地面ごと掬い上げなきゃならないのよね。」

少女の華奢で柔らかな手は、しかしこの地球上のいかなる障害物にも阻まれることがない。
隅田川から差し込まれると、スカイツリーを中心とする押上・向島・業平あたり半径500メートルの固い地盤を、まるでビーチの砂であるかのように易々と掬い取った。
そして掌の中に掬い取られた地面の上に、ちょこんと可愛らしく銀色の針が立つ。
それが東京スカイツリーだった
長さはちょうど少女の小指くらい
針が掌の中で倒れ込んでしまわないよう、少女は、ゆっくり、ゆっくり、慎重に立ち上がった。

「・・・ほうら、無傷のままよ。上手でしょ?」

得意そうに胸を張って見せる。
さすがに男も興味深そうにその掌を覗き込んだ。

「すごいな。これがこの星の知的生命体の建造物か・・・」

「だから知的生命体なんかじゃないって!ただの微生物なんだから!」

少女はぷーっと頬を膨らませる。

「こんな小っちゃな針のことを『高層建築』だとかって言ってるのよ。ふざけてるわよね。思い知らせてあげないと・・・」

*****

「東京で一番高い展望台に上って、そして見渡す限りの眺望を楽しもう」という観光客たちの目論見は、ある意味想定以上に達成された。
展望台は地表から450メートルどころか、見る見るうちにざっと15000メートルの高さにまで到達したからだ。
この強化ガラスに覆われた天望回廊の気密性が保持されていなければほとんどの観光客は即死していただろう。
もっとも、大半の観光客は急激なGの変化に耐えきれずその場に倒れ込んでいた。
しかも、その眺望は予定とは大きく異なり、東京メトロポリタンの都市風景ではなかった。
そのかわりに、好奇心たっぷりの巨大な黒褐色の瞳が、きらきらと嬉しそうに輝きながら天望回廊を覗き込んでいた。
観察されている。
この遥か天空で観察されている。
・・・
自分たちは、東京スカイツリーごと、この巨大な瞳の持ち主である美少女の掌に乗せられてしまったのだ。
・・・
・・・
Gに耐えて立ち続けていられた観光客たちも、恐怖のあまりにそのままの姿勢で失禁した。

*****

少女は男の方に向き直って跪くと、目の前のペニスに東京スカイツリーをあてがいながら、眼下の東京都民たちに大きな声で質問した。

「さあみなさんに質問です。皆さんご自慢のこの『高層建築』と、このおじさんのちんぽ、大きいのはどっちでしょう?」

比べるのもばかばかしい。
男のペニスは長さにして東京スカイツリーの4 倍近く、太さに至っては楽勝で10倍を超える。
勝負は誰の目にも明らかだった。

「・・・答えはおじさんのちんぽ。圧勝でした。」

少女は愉快そうに告げた、

「次の問題です。それではこの『高層建築』とおじさんのちんぽ、固いのはどっち?」

少女はへらへら笑いながら掌の上のスカイツリーを男のペニスに押し付けた。
いきり立って微動だにしないペニスに押し負けて、スカイツリーの先端部はあっけなくぐにゃりとひしゃげた。

「・・・はい、またしてもおじさんのちんぽの勝ちでした」

少女はわざとらしく小首を傾げて言葉を続けた。

「それでは最後の問題です。こびとくんたちとしては一矢報いておきたいところですね。さあ、この『高層建築』とやらとおじさんのちんぽ、ちんぽとしての働きが優秀なのはどっちでしょう?」

少女は掌の上の東京スカイツリーをもう片方の手の親指と人差し指二本で根元から摘み取った
優れた耐震構造を誇るこの国の高層建築も「上に抜き取る」という力が加わることは全く想定外である
呆気ないほどあっさりと基礎部から切り離された東京スカイツリーを指二本で摘まんだまま、少女はすっくと立ち上がり、不安におののく天望回廊の観光客たちにウインクしてみせた。

「・・・んふふ、小さすぎて、くっぱーするまでもないわね」

*****

天望回廊の観光客たちは散々な目にあっていた
スカイツリーごと巨人の少女の掌に乗せられている、という驚愕の事実が判明した後、急に高度が15000メートルくらいからその半分くらいまで低下し、目の前に恐ろしいものが現れた。
長径600メートル、短径500メートル近い丸兜のような赤黒い肉球
スカイツリーをそのまま呑み込んでしまえるほどの巨大さだ
そんな馬鹿でかい肉の塊が、独特の濃厚な雄臭いオーラをこれでもかとばかりに発散させている
男達ならばその正体が何であるかは臭いでわかった
これは亀頭だ
東京ドームなら中に20個ほど収納してしまえる巨大な亀頭だ
やがてそのありえないほど巨大な亀頭は天望回廊の観光客の斜め上空へと消え、その下に引き続く陰茎の裏筋と思われる肉壁がスカイツリーに襲いかかってきた
雄臭いオーラはいよいよ濃厚になり、周囲に浮かび上がる直径30メートルほどの血管がびくんびくんと脈打ちながら自らの存在感を誇示する。
・・・
ぎし
ぎしぎし
ぎしぎしぎし
天井から不気味に軋む音が聞こえてくる。
おそらくタワーの最上部をあの巨大な亀頭が圧排しているのだ
こんなに巨大な肉棒を相手にしたらひとたまりもない
間もなくこの天望回廊も押し潰されてしまうだろう
もうだめか
・・・
・・・
観念した観光客らを翻弄するかのように肉棒による圧排が止むと、スカイツリーを本日最大の揺れが襲い、続いて天望回廊は再び強烈なGに見舞われた
!!!
・・・
・・・
Gが止んだので、こわごわと顔を上げる
瞳だ
またあの巨大な黒褐色の瞳が、天望回廊を覗き込んでいた
・・・
振り出しに戻ったのか
・・・
・・・
・・・
違う
瞳の語るところが全く違う
嬉しくてたまらない、というキラキラした耀きはさっきと同じだ
だが、今度は別のメッセージも伝えている
明らかに「さようなら」と言っている
・・・
・・・
天望回廊の観光客たちは、今度こそ間違いなく自分たちの最期を、静かに、深く、確信した

*****

紫の髪の美少女は鼻歌でも歌いだしそうなほど上機嫌だった

「ねえねえこびとくんたち、さっきは人間のちんぽというものを見せてあげたわよね。じゃあ今度はまんこというものを見せてあげるよ。」

少女は大きく脚を開き、片手を腰にあてがって、はしたないガニ股のポーズをしてみせた。

「ほらほら、これが普通の人間の女の子のまんこよ。よーく見て。でっかいでしょ?えっへん。入ってみたい?無理無理、やめといた方がいいわ。だって君たちはわたしのまんカスより小っちゃいんだよ。何もできるわけないじゃん。」

少女は一方的に話しながら腰をもっと深く落とし、二本の指で器用に摘んだ東京スカイツリーを股間にあてがってみせた

「・・・ま、こびとくんたち自身はお話にならないとして、君たちご自慢のこの『高層建築』とやらは、ちゃんとちんちんとして役に立つかな?」

ずぽっ
少女はいうなり東京スカイツリーを人差し指1本で自分の膣の奥深くに挿入してしまった
一瞬だ
まるで一瞬で、東京スカイツリーは少女の膣内にその姿を消してしまった
・・・
・・・
・・・
ふん
・・・
ややあって、少女は軽く鼻先で笑うと、人差し指をゆっくりと引き抜いてみせた
・・・
にゅぷ
にょろろ
東京スカイツリーも引きずられて一緒に排出されてくる
しばらくはそのまま膣粘液の粘性だけで人差し指に絡みついたものの、さすがにいつまでもその体勢が保てるはずもなく、スカイツリーはやがて力なく遥か5000メートル下の地表に墜落した
どしゃああああああああん
・・・
・・・
もちろん大惨事に至ったわけだが、天望回廊の観光客たちはその前に少女の膣内で一人残らず溺死していたので、彼らにとってはどうでも良い結末ではあった

*****

「・・・あーあ、ぜーんぜんダメ。この程度では全く気持ち良くなれません。こびとくんたちの建物じゃ、人間の女の子にはまるで通用しませんでした。」

少女は東京スカイツリーが剥げ堕ちていった粘液まみれの自分の人差し指を見つめながら、わざとらしく困った顔をしてみせた。
もちろん、眼は笑ったままである

「だからといって君たちのミクロちんぽじゃ、何万本集まってもわたしみたいな普通の女の子は満足させられないしねえ。君たちってば、まるで役立たずなんだね。」

男は呆然としていた
この少女はお嬢様学校の現役女子高生だ
きっと上流家庭の箱入り娘なのだろう
そして優等生であるらしい
確かに待ち合わせ場所にやってくる彼女はメガネをかけて、髪を結んだ、地味な少女だ
日頃はもの静かで、控えめで、一人で詩集でも読んでいるのだろう
それがどうだ
圧倒的に強大な力を手に入れた今は
楽しそうに下品な言葉を口走り
これ見よがしに下劣な行為を見せつけて
悦に入っている
これが彼女の本当の姿なのか?
それとも手に入れた力が彼女を変身させているのか?
・・・
・・・
いや
この少女は別にいま変わったわけではない
僕の前では以前からそうだ
お嬢様という素性とはほど遠い淫乱ぶりを、僕はずっと目の当たりにしてきた
僕はそれを止めることも咎めることもできない
それどころか
天使のような容姿で無邪気に最低最悪の振る舞いをする彼女にこそ、僕は虜になっていた
もう彼女なしで生きることなどありえない
彼女は僕の人生の全てだ
だから
だから
・・・
だから今日も僕はここに来てしまったのだ
・・・
・・・
紫の髪の少女が男の方に向き直る。
僕が言おうとした言葉を遮ると、僕の屹立したペニスを優しく撫で回した。

「・・・これよ、これ。普通の女の子には、ちんぽって、やっぱこのくらいの大きさがないとダメ。」

僕は彼女に言われるがままにその場に仰向けになった。
彼女は舌なめずりをしながら僕のペニスの上に跨がると、ゆっくり、ゆっくり、騎乗位に腰を沈めた。

*****

東京都民たちは息をのんだ
天空に向かって聳え立つ高さ2200メートルの巨大な肉塔
男が仰向けに寝そべった姿勢でもその基部は高度2000メートル以上にあるため、肉塔の頂点は富士の山頂をも凌駕する標高に達する
人類が建てたいかなる人工建造物をも卑小化させる圧倒的な勝利の巨大モニュメント
赤黒くぬらぬらと輝き、熱を帯び、異臭を放散させ、ぴくぴくと拍動する血管は暴力的に怒張する
・・・
そんな無敵の超巨大肉塔が、いま呑み込まれようとしていた
征服されようとしていた
くっぱりと開かれた、ピンク色の底なし沼に
・・・
・・・

*****

ずぼっ
・・・
・・・
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
・・・
・・・」
男の股間の上に跨がって、少女がリズミカルに腰を上下させる
腰と膝を柔らかく使いながら、ピストンの動きを繰り返す
腰を沈めると、男のペニスはずっぽりと根元まで少女の膣に呑み込まれる
腰を浮かせると、陰茎の大半は膣外に顔を出すが、亀頭は決して抜けることがない
ほどよく張ったカリがストッパーになっているのだ
速すぎず
遅すぎず
飽きさせず
でもじらさずに
少女は確かにセックスをコントロールしていた
確かに
はじめのうちは
・・・
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
ぐっちゅっ
ぐっちゅ
ぐっちゅ
ぐっちゅ
ぐっちゅ
ぐっちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
・・・
ピストンのリズムに少しずつアチェルランドがかかる
騎上の少女の肌が熱をおびてきた
はあ
はあ
はあ
はあ
明らかに息が乱れる
汗に混じって、たらりと涎まで垂らしてきた
・・・
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ

「・・・う・・・あ・・・ああ、あ・・・」

可愛らしい声まで漏れ始めた
自分に跨がった位置で顎を上げている少女の表情を、男はこの仰向けに横たわった姿勢から伺い知ることができない
でも間違いない
感じている
この少女を、僕のペニスで感じさせている
セックスで満足させている
・・・
・・・
本来なら快感と同時にそんな勝利感や征服感が芽生えてきても良さそうな状況だ
ところが、その男の方も冷静に状況を判断する余裕がなくなってきた
・・・
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ
ぐちゅ

「・・・ん」

少女の膣内で男のペニスが更に硬度を増し、かあーっと熱を放散させた
膨張する
膨張する
暴発寸前だ
いく
いく
いく
いく
いってしまう
我慢できない
もう我慢できない!!!
そんな股間の異変を少女は鋭敏に感知し、瞬時に大きく腰を引いた
にょぽっ!
どびゅううううううううううううううううう
少女が素早くペニスを抜き出したのとほぼ同時に、その先端から大量のザーメンが発射され、男の肩越しに飛び去っていった

*****

巨人たちは墨田区・台東区・荒川区・江東区に足立区や江戸川区の一部を巻き込んで豪快にカタストロフィックなセックスを繰り広げていた。
そんな中、奇跡的に巨人の身体の下敷きにならなかったのが浅草一帯だ
それはちょうど横たわった男の巨人の右肩口あたりに位置してからで、例えば眼と鼻の先の蔵前などは跡形も無く更地にされたにも関わらず、雷門や仲見世は、もちろんそれなりの建物の損壊等はあったものの、基本的には無傷であった。
それが襲ってくるまでは
・・・
どっぶあああああああああああああああああああああああん!!!
・・・
・・・
300万トンに及ぶ大量の白く濁った液体が巨人の肩越しに飛来し、浅草一帯に着弾した
ごごごごごごごごごご
その途方もない質量エネルギーで全ての存在を問答無用に洗い流す
ちょっとした戦術核が炸裂したようなものだ
もちろんほとんどの者がその瞬間に爆死した
その方が良かったのだ
奇跡的にこの瞬間を生き延びた者たちは、それから死が訪れるまでの短い時間にもっと酷い体験をしなければならなかったからだ
生暖かく、こんもりと盛り上がるほど粘性に富み、そして何よりも鼻が曲がるほどにイカ臭い悪臭をまき散らす海
生き残った僅かの者は、この生臭い海に漂い、全力で泳ぐことを余儀なくされた
必死になって泳ぐ彼らの身体は、海の中から絶え間なくつんつんと突つかれる
その海の中を猛スピードで泳ぎ回っている魚たちだ
うじゃうじゃいる
無数にいる
もの凄い数だ
・・・
いや
こいつらは魚ではない
オタマジャクシだ
もっと正確にいえば、オタマジャクシに形が似た細長い生物だ。
体長は60cmくらい
こんな得体の知れない連中に全身を啄まれながら、本当に力つきて沈むまで、彼らは悪臭に耐えながらこの白い粘液の海を泳ぎ続けなければならなかった
・・・
・・・
さっきの美少女の挑発とは異なり、さすがに自分たちの方が巨人の精子よりはまだ大きい、という小さなプライドが満たされたことは、彼らのせめてもの救いではあった

*****

少女は少し唇を尖らせていた

「あぶないわねえ。おじさん、さすがにナマで中出しは勘弁してよ。それは契約違反よ。」

「ご、ごめんごめん・・・あ、あんまり気持ちがよくて、つい・・・」

下を向いて口ごもる男の両肩に、少女はそっと手を添える。

「・・・確かに気持ち良かったね。無理もないわ。わたしも感じちゃった。だっておじさん、ホントにいいもの持ってるんだもん」

うっとりした表情で、疲弊しきったペニスに手を伸ばす。

「・・・じゃ、おかわりいこっか♡」

少女が弄りだすと、いまいったばかりの男のペニスは、まるで魔法にかけられたかのように再びむくむくと勃ち上がった。

*****

廃墟と化した東京
二人の巨人は身体をからめつつマグロのように横たわっていた。
おかわりにおかわりを重ね、求め、奪い、貪り尽くした激しいセックスの余韻に浸りながら、消耗した体力を取り戻すべく横たわっていた。
もちろん、その神々しい全裸の姿を曝け出したままである
二人が気兼ねすべき対象はこの惑星に存在しない
地表のみじめな原住民のこびとたちは、その巨大な姿を畏れながら遠巻きに見上げているしかなかった
ふふん
そうやって指を銜えて眺めていればいいわ
君たちはえっちの邪魔にも道具にもなれない微生物よ
悔しかったら攻撃でもしてきなさいよ
わたし
がそれに気づくかどうかはわからないけどね
どーでもいいけどさ、わたしたちは疲れちゃったからもうちょっとここで休んでいくわ
二人の全裸の大巨人は、横たわって身を寄せ合いながら、いつかすやすやと呑気に寝息を立て始めた

***

・・・
・・・
・・・
先にむっくりと起き上がったのは少女の方だった。
あ!
もうこんな時間になってしまった。
いっけない、そろそろ帰らなくては。

「・・・ふうう、おじさん、久しぶりになかなかいい感じのエッチだったよ。てへ♡」

少女はまた舌なめずりしながら上目遣いにぱちっとウインクしてみせた。
ぞくり
男の脳髄に冷たい稲妻が走る
・・・
抗えない
この魅力には抗えない
凄みを感じさせるほどの性的訴求力だ
あれほど疲弊したはずなのに、男の逸物はまたむくむくと勃起した。

「あはは、おじさん元気だなあ。でも今日はもうおしまいよ。この続きはまた今度ね。」

少女は身繕いすると、いきり立つペニスを無視して男ににじり寄り、その顔の前に右手を差し出した。

「・・・はい」

「え?」

「お小遣い・・・」

少女はアヒル口をちょっと突き出しながら小首を傾げる。

「ねえ、今日のお小遣い・・・いくらもらえるのかなあ?」

もともと冴えなかった男の表情が更に曇った。
苦しそうに少女から視線をそらす。
くりくりと輝いていた少女の瞳に不審の色が浮かんだ。

「どうしたの?・・・ねえ、お小遣いは?」

「・・・ないんだ・・・」

「え?」

男は向き直って少女に両手をあわせながら頭を下げた。

「こ、今月は、まだ給料日前なんだ。これから振り込まれるはずなんだ。」

「貯金は?貯金をおろしてくれば良かったんでしょ?」

「貯金も・・・ないんだ。」

男は苦悩の表情を浮かべて俯いた。

「使い果たしてしまったんだ。全部、君に逢うために使い果たしてしまったんだ。君に逢わずにはいられないから、全財産を使い果たしてしまったんだ・・・」

「・・・って、ことは・・・おじさんは、もう一文無し?」

少女は男から視線を切って棒読みで呟く。
男は少女の両肩に手をかけて深々と頭を下げた。

「ごめん!必ず、必ず後で払う!だから今日は勘弁してくれ!」

「・・・タダマンしようなんて、いい度胸してるじゃない!」

少女は男の手を払いのけて吐き捨てた。

「手持ちもないくせにのこのこエッチしにくるなんて、完全に計画的犯行でしょ?」

「ごめん、悪かった!謝る!このとおりだ!」

「謝れば済むと思ってるの?」

「君の魅力に抗えないんだ!」

男は堰を切ったように話し始めた。

「・・・君のことが、好きで、好きで、たまらないんだ。朝も、昼も、晩も、君のことを考えていずにはいられないんだ。どうしても君に逢いたい、そればかり考えてしまうんだ。それではダメだと思っても、君のことを考えると、こ、こ、この身体が、どうしても、どうしても、言うことをきかな・・・」

「なにダッサイ言い訳してんのよ!!!」

少女はすがりつく男を両手で突き放し、氷のような視線できっと睨みつけた。
またしても男の脳髄に冷たい電撃が走り、彼は身動きができなくなった。
そこには、もはやそれまでのむしゃぶりつきたくなる愛くるしさはない。
そのかわり、何ものをも超越し、拒絶し、その上で従わせる鋭利で強大な力が満ちていた。
その美しさの前に、男は立ちすくんだのだ。

「・・・いくら言い訳しても、契約違反は許さないから。」

少女は静かに告げると、ポシェットから片手の中に収まりそうなコンパクトサイズの銃を取り出した。
男の顔色が変わった。

「な、何をするんだ?」

「命を取ったりはしないわよ。」

少女は銃の照準を男にぴたりと合わせる。

「でも許しもしない。勘違いしないで。これはただのバイトなのよ。だから契約違反は絶対に許さない!」

ピカ!
少女の構える銃から発射された光が、男の全身を包み込んだ。

*****

・・・
・・・
・・・

「・・・!」

再び眼を醒ましたとき、男の周囲の世界は一変していた。
目をこすりながら辺りを見渡す。
・・・
廃墟だ
まるで核攻撃でも受けたかのような一面の都市の廃墟
あちこちで倒れかかった建物や瓦礫の山が視界を閉ざしているが、しかし人々が行き交う気配はない。
誰もいない廃墟だ
しかもなにやら異臭がする
生臭い、海産物のような、木の実のような、独特の異臭が当たりを覆い尽くしていた
皆目見当がつかないまま男はふらふらと歩き回り、疲れ切り、へたり込んで、崩れた壁に背をもたれかけた
・・・
・・・
俺は
・・・
・・・
どこにきてしまったんだ?
・・・
・・・

「!」

ぎょっとした
さっきから所々に見つかった浅い水たまり
このあたりに漂う異臭の源だ
白く濁っていて生き物の影など見当たらなそうだ

思っていたら
・・・
・・・
中に動く気配があった
虫か?
魚か?
思い切って覗き込んだ

「!!!」

オタマジャクシだ
長さ60cmほどのやたら細長い巨大オタマジャクシだ
うじゃうじゃいる
どんなカエルになるんだろう?

「!」

そこでまた気がついた
この水たまりだけではない
よく周囲を見渡せば、あちこちに干涸びた巨大オタマジャクシの遺骸がある
その目で見ればいくらでも見つかる
半透明なので気がつかなかっただけだ
おそらく、かつてこの辺り一帯がこの巨大オタマジャクシの泳ぐ池だったのだ
それが干上がって、残った水たまりにオタマジャクシが殺到し、あぶれた連中がこうやって干涸びたミイラになってしまったのだ
・・・
・・・
・・・
待てよ
こいつらは本当にオタマジャクシか?
形が細長すぎないか?
この形には他に見覚えがある
形だけなら
・・・
そう
・・・
まさか
・・・

「そろそろ目を醒ましたかなあ?」

その時ふいに襲ってきた大地を震わす大音声で男は飛び上がった
何だ?
何事が起こったのだ?
もたれかかっていた壁の陰に隠れ、周囲を注意深く見渡す
・・・
誰もいない
・・・
おかしいぞ
あんな世界を揺るがすほどの大きな声の主が見当たらないなんて
・・・
・・・
・・・
待てよ
・・・
あの声は上から聞こえてきたような気がする
しかもどこかで聞いたことがあるような
・・・
おそるおそる上空を見上げて
・・・
・・・
男は愕然とした

「・・・このあたりにいると思うんだけどなあ。小さすぎて見えないや。」

上空いっぱいに、あの少女の顔が広がっていた。
あり得ないほど巨大だ。
視界全部が、あの愛おしい少女の笑顔で埋め尽くされていた
おそらくしゃがみ込んで顔を近づけているのだろう
甘い香りのする吐息が暴風となって地表に襲いかかる
どうしたんだ?
どうしてしまったんだ?
どうしてあの少女はあんな大巨人になってしまったんだ?
・・・

考えてから
男は別の恐ろしい可能性を想起した
・・・
・・・
残念なことに、この恐ろしい可能性は、彼女自身の言葉で肯定されてしまった

「・・・契約を守らなかったおじさんはね、罰としてこの惑星の原住民レベルに縮小されちゃったんだよ。」

上空に少女の手に収まるサイズの銃が現れる
あのときは気が動転していてわからなかった
いま冷静な目で見れば、あれは確かに女の子などが時々持っている護身用の縮小銃だ

「微生物なみのこびとになった気分はどう?わたしみたいな普通の人間がものすごい大巨人に見えるのかな?んふふ、惨めだね。悔しい?でも、何もできないよね?だって今のおじさんは、わたしと比べたらまんこのゴミかす以下のこびとだからね、きゃはははははははは♡」

少女の嘲笑がブリザードのように襲いかかる
男は両手で頭を抱えて踞った
・・・
縮小銃で1/10000に縮小されてしまった
銀河連邦では、護身用縮小銃の濫用は厳しく制限されている
正当な理由なく他人を縮小した場合、銃の使用者は重い罰を受ける
同時に縮小された被害者はただちにその縮小銃のリバースモードによって元の大きさに戻してもらえる
ただし、それはあくまでも「その事実が判明した場合」に限られる話でしかない
・・・
あの少女自身が語っていたように、この辺境宇宙の小さな惑星に、銀河連邦は探索船すら飛ばそうとしない
そんな価値を見出していないのだ
だから
ばれるわけがない
・・・
彼女が処罰されることもなければ
自分が元の大きさに戻れる可能性も絶望的だ
・・・
・・・
・・・

「おじさんはこのあたりにいるのかな?小さすぎてわかんないや。でも、きっとこのあたりなんだろうなあ」

少女の声で男は我にかえった

「契約違反のおじさんなんか、このままここで踏みつぶしちゃってもいいんだけど、エッチはまあ良かったから特別に許してあげるわ。そのかわり、おじさんはこれからこの惑星で一匹の下等な微生物として生きていくの。もう普通の人間には戻れないよ。つーか、戻してあーげない!」

少女は真下の男に向かってあっかんべーをしてみせた。

「うん、でも周りには微生物のお友達も多いから寂しくないんじゃない?んふふふふふ」

少女は上体を起こすと、蹲った姿勢のままちょっと前方ににじり寄り、男が見上げる浅草であった廃墟の上空に跨って見せた。

「おじさんの最後の思い出に、もう一度いいもの見せてあげるね。」

巨大な少女は、下を向くと片手でパンティを少しずらしながら、もう片方の手指で自分の秘部をぐっぱりと開き、男が立っていると思われるあたりの地表に触れるほど近づけた。

「・・・ほうら、ついさっき、おじさんはここにちんぽを挿れてくれたのよ。太くてとっても気持ち良かったわ。でも今はどうかしら?おじさんここにちんちん挿れられる?きゃはは、無理よねええ!だって、おじさんそんなに小さくなっちゃったんだもんね。どう?わたしのまんこ、でっかいでしょ?ちんちんどころじゃなくて、おじさんがそのまま中に入ってきても全然感じないと思うよ。」

男は、少女が摺り寄せてきた陰部の、そのちょうど真下にいた。
少女にとっては触れるほどの近さのつもりでも、地表に立つ男にとってその陰部は高度100メートルほどの上空である。
背伸びをしても届くはずがない高嶺の花だった。
その高みから、さっき間近でむしゃぶりついた小ぶりなはずの女陰が、長径700メートルのバカバカしいほどの大きさになって男を威圧する。
巨大で、深くて、暗い、ぬめぬめと湿った穴が、男の惨めで無力な姿を嘲り笑って見下ろしている
こんなに獰猛で非現実的に巨大な肉の裂け目だが、しかし間違いなくあの少女の陰部だ
なぜならばさっき鼻をこすりつけて嗅ぎとったあの陰臭そのものが、この巨大な穴からもんわりと放散され、強大な力で彼の存在するこの薄暗い湿った浅草一帯を支配しているからだ
こんな巨大な存在と、僕は性交していたのか
・・・
・・・
ありえないほどの衝撃と、絶望と、無力感を覚えながら、その傍らでなぜかまた男はむらむらと性欲を掻き立てられていた
むく
むくむく
むくむくむくむく
ペニスが青筋立てて勃起する
このペニスだ
さっきはこのペニスであの少女をひいひい言わせたのだ
上空に広がるこの巨大な女陰に、ずっぽりと根元まで差し込んだのだ
・・・
・・・
もう、そんなことはできない
大きさが違い過ぎる
でも、我慢できない
男は屹立したペニスに自分の右手をあてがうと、猛然としごき始めた
・・・
・・・
・・・
そんな哀しい男の行為すら少女にはまるっとお見通しだったことを、男はこの時点で気づいていなかった。

*****

ひとしきり男に自分の陰部を見せつけると、少女は上機嫌に笑ながらすっくとその場に立ち上がった。
その風圧で男は周辺の瓦礫共々吹き飛ばされる。
吹き飛ばされて、あちこちに身体を打ち付けて、ごろごろと転がって、そして行き着いた先で仰向けになって横たわった。
その姿勢のまま、遥か遥か上空を仰ぎ見る。
視界いっぱいに広がるのは彼女の姿だ。
雲一つない晴天なのに、ほぼ真上に見上げる少女の姿は膝小僧から上くらいがぼんやりと霞んでいる。
きっと更にその上で、少女は子猫のように眼をキラキラ輝かせながら笑っているのであろう。
しかし、その笑顔を男はもう視覚的に確認することができない。
どこまでもどこまでも上空に向かって伸び続けるこの脚の、更にそのまた向こうの話なのだ。
この巨大な脚の断崖絶壁を登り切ることなど、自分には一生かかっても不可能である。
彼女は、もう僕の手が全く届かない存在になってしまったのだ。

「・・・それじゃあ、これでわたしは帰るわ。おじさんに会うのはこれが最後よ。もうお小遣いもくれないうえに、えっちの役にも立たなくなっちゃったおじさんは御用済だからね。おじさん、微生物のお友達たちと仲良くしてね。」

ポシェットの中をまさぐってカッターナイフを取り出した少女は、最後にもう一言付け加えた。

「あ、おじさんに会うのはこれが最後だけど、わたし自身はまた近いうちに別のお客さんを連れてこの星には来るわよ。おじさんはそのときまたわたしのでっかいまんこでも見上げながらオナニーすればいいんじゃない?張り切りすぎて踏みつぶされないようにしてね。じゃ、バイバイ♡」

それだけ言い残すと、少女はカッターナイフで大空を切り裂き、その隙間に潜りこんで見えなくなってしまった。

*****

少女が天空に去ってから、どのくらいの時間が経過したことだろう?
地球人サイズのこびとに縮小させられて、廃墟の中で立ちすくむ男の周囲を、警視庁機動隊が包囲していた。
もう何の力もない惨めな1匹のこびとという存在に堕ちてしまったこの男が、武装した警官隊に逆らえるはずもない。
彼は全裸の姿で力なく膝をつき、懇願するように訴えかけた。

「・・・わ、わざとじゃなかったんだ!僕は、こんな乱暴なことはしたくはなかったんだ!みんなも見ていただろう?全部あの娘が主導したことだ!僕は、僕は、そのいいなりになっていただけなんだ!だから、て、て、手荒なマネはしないでくれ!!!」

泣き叫ぶ男の声など聞こえないかのように、隊長がずかずかと歩み寄って男の腕を握った。
男はいよいよ狼狽する。

「や、やめろ!暴力はやめてくれ!お願いだ!」

「・・・心配するな」

機動隊長は男の肩をぽんと叩いた

「リオでも、シドニーでも、ローマでも、いつもそうだった。あの女が首謀して、男は確かにその言いなりだった。あんたに同情の余地があることくらい、みんなよく理解している。」

ふうう
男は大きな安堵のため息をついた
事情がわかってもらえているのなら、きっと罪に問われることもないだろう
そんなふうに楽観的になった瞬間、男の腕にがちゃりと手錠がはめられた

「!」

「・・・だからといって無罪放免というわけにはいかん。とりあえず刑法第174条の公然わいせつだ。しかも相手は未成年だろ?なら青少年健全育成条例にも違反しているな。それに・・・」

隊長はがっくりとうなだれる男の額をぐりぐりと小突いた。

「・・・そもそもあんたあの娘にお金を払っていないそうじゃないか。食い逃げの現行犯も追加だ。」

契約は守らないとね・終