ずしん、ずしん。
遥か後ろで、おおきな足音が響く。
ボクの部屋の、【ベッドの下】。
遥か遠くにはボクのサーヴァントの、【ジャンヌ・ダルク】
あぁ、どうしてこうなったのか。
話は、数時間前にさかのぼる。
「失礼します」
扉がノックされると同時に、金髪の聖女が、ボクの部屋に入ってくる。
「おはよう。今日のマイルームの担当はジャンヌ?」
「えぇ、宜しくお願いします。立花」
カルデアでは、マスターのボクの魔力を電力で賄うことで、サーヴァントたちを現界させている。
だが、それだけでは、満足しないサーヴァントたちも多い。
そこで、日替わりでマイルームにて、同室する。
ボクに近いサーヴァントには、より多くの魔力が注がれやすくなるということで一人一人順番にマスターと同じ部屋で過ごすことになっている。
「・・・・・・けほ、けほ」
「・・・・・・立花、大丈夫ですか?」
喉が痛む。
風邪でも引いてしまったのだろうか。
「少し、薬を取ってきます。待っていてください」
「あ、まって!?ジャ・・・・・・」
そういって、ジャンヌは止める間もなく、部屋から走り去ってしまった。
「・・・・・・部屋に薬箱あるのになぁ」
小さな薬箱。サーヴァント。主にキャスターの皆が作ってくれたもの。
普通の薬の数倍の効き目をもってる。
「まぁ、ジャンヌにはあとであやればいいし」
・・・・・・・・。
そして、目が覚めたら。
部屋の大きさは、まるでドーム球場みたいな広さになってて、部屋に来たジャンヌは、東京の摩天楼よりも大きくなっていた。
「・・・・・・・どう考えても薬のせいだ!」
隣に転がっている瓶を見ると、メフィストフェレスをデフォルメチックにした顔がラベルに貼ってある。
風邪は治って頭が回ってるのはいいけれど、それも、現状を考えると、恨めしい。
そうだったなら、現状を夢として、認識できたのに!
「とにかく、ジャンヌにコンタクトを」
言い出して、足が止まる。
この大きさで、ジャンヌの耳に、声が届くだろうか。
そして、仮に、目をつけられたら、どうなるか。
綺麗好きな彼女が、今のボクを見たらどう思うだろうか。
・・・・・・きっと、部屋に虫が出たと思うに違いない。
そうしたら、彼女に知られる間もなく、人理救済のマスターはティッシュの内側で赤いシミになってしまうに違いない。
「・・・・・・・なら、これしか」
手の甲を・・・・・・。
令呪を一度なで、強く命じる。
「令呪をもって命ずる、ジャンヌ・ダルク。ボクの声を聴け。令呪をもって命ずる。ジャンヌ・ダルク。ボクの視界を共有しろ」
二つ、令呪をもって命ずる。
一つ目のことで、ボクは余裕を持って事情をジャンヌに説明できる。
そして二つ目で、今の状態を信じさせることができる。
其の目論見は、しっかりとあてはまっていた。
もっとも
「見つけました♡立花♪」
彼女が通常の意識をたもっていたらの話で合った。
ボクの視界を共有したことで、ボクの姿をあっさりと見つけたボクの前に、膝をつき、前かがみで、ずしん!っと、その体をおろす。
「探したんですよ?立花♪」
ねっとりと、絡みつくように追い詰めるこの声は、まるで清姫みたいに、ボクの体の今や数十倍はありそうな顔には、やや赤みがさしている。
「せっかく、研究中のメディアさんの時間を割いてもらってお薬もらって来たのに、マスターいなくなっているんですから・・・・・・これは、お仕置きが必要ですね」
メディアさん!?何をしてたんですか!
明らかにジャンヌが魅了に近いバッドステータスに陥ってる。
「れ、令呪をもって命ずる!とまれ!ジャンヌ・ダルク!」
一瞬、ぴしり、と、止まったように見えたものの、すぐにジャンヌの体が動き出す。
ずり、ずりと、その豊かなおっぱいが、ボクへと迫ってくる。
「効きませんよ、立花。私の対魔力をお忘れですか?」
ジャンヌの、対魔力。・・・・・・。規格・・・・・・外。
令呪の命令をはじくことも、たやすい。
「ほら、立花・・・・・・。いつも見てる、私のおっぱい、どうですか?」
普段から目を引かれるジャンヌのおっぱいが、彼女自身の体重のかかり方によって、自在に姿を変える。
だが、それは、ジャンヌからの視点のこと。
今のボクからみたら、ジャンヌのおっぱいは、ガスタンクと変わらない。
そんなおっぱいが、目の前で、床と擦れる音を立てながら、ずり・・・ずり・・・、と、近付いてくるのだ。
「さわって、いいんですよ?」
だが、その恐怖も、ジャンヌの優しく、とろけるような声とともに、性欲へと変わる。
小さなボクの股間は、ギチギチと、硬くなってしまい、前かがみになって、そのまま、ふらり、とジャンヌのおっぱいに触ってしまう。
むにゅりっと、柔らかな感覚が手に触れ、押し込むとともに、弾き飛ばすように、ボクの体がはじかれた。
バランスボールを、もっと張り詰めたような感覚。
それに、あっさりと、ボクの小さな体は跳ね飛ばされたのだ。
これが今の、ボクとジャンヌの質量差。それをまさにいま、明確に示した。
下着すらつけていない其の柔らかなおっぱい。心臓が跳ねる音と、風邪は治ったはずなのに顔が紅潮するのを感じる。
「う・・・・・・あ・・・・・・」
もう、だめだった。
ここまで近寄ってしまったボクの周りは、ジャンヌの香りに包まれてしまっている。
まるで、華に引き寄せられて、受粉に利用される虫のように、ボクの足は、ジャンヌの巨大な胸を登れ、と前へとふらふらと踏み出される。
柔らかな丸みを帯びた、おっぱいの表面を、昇る。
ジャンヌからみたら、蟻が一匹。胸の周りを這いまわっているような滑稽な状態だろう。
それを眺めながら、熱い息を、ボクにはきかけてくる。
頭がぐらぐらする。
ジャンヌのことしか、考えられなくなる。
頭が、どんどん、真っ白になって、何も思い出せなくなる。
昇り切ったころには、ボクの体は、わずかに含まれるジャンヌの唾液に、べっとりと湿らされ、吸い込んだ空気も、彼女の吐きだした、二酸化炭素のたっぷりの、吐息だ。
心も体も、ジャンヌ・ダルクという少女に、じっとりと侵されてしまった。
「・・・・・・立花。来てください♡」
楽し気に呟いた彼女は、ゆっくりと、服の胸元を軽く広げる。
ゆっくりと現れる柔らかく、みっちりと詰まった彼女のおっぱい。
彼女の体温で、むわぁっと、蒸気が広がる感覚を覚える。
だけど、もう、ボクはそんなことを考えられない。
好物を前にした動物のように、胸の谷間を目指して、駆け込んで、潜り込む。
「あぁ・・・じゃんぬ・・・じゃんぬぅ・・・!」
ズリ、ズリと、谷間の奥に潜り込んで体を擦り付ける。
服などもはやいらないと、彼女の体に擦り付けていくたびに、脱ぎ去っていく。
おくへ、奥へと行くたびに、ボクの【象徴】が、ジャンヌの柔らかく圧倒的な、おっぱいに、擦り付けられ、我慢できなく漏れだした先走りに、僅かに塗らされる。
彼女からしたら、もしかしたら、何も感じないかもしれない。
だけど。
「気持ちいいですか?立花」
そういわれるだけで、胸が締め付けられる思いで、たまらなくなる。
こみあげてくるものが、ボクの、それを駆けあがってくるのを感じる。
「じゃんぬぅ・・・・!いっちゃう・・・!」
「えぇ、しっかり出してください。立花」
優しくボクに声をかける彼女は、まさに、聖女そのものだった。
暖かいおっぱいが、ボクをぎゅ…ぎゅと締め付ける。
少し苦しいけれど、でも、落ち着く。
ボクのモノは、我慢できずに、ずっと、びゅ、びゅと、枯れ果てるなど知らないように、精を吐き出す。
とくん、とくんと、ジャンヌの鼓動を感じる。
疲れて、安心して、ふらふらして、くらくらする。
もう……寝ちゃおう・・・・・・。
「・・・・・・じゃんぬ・・・・おやすみ・・・・」
「えぇ、立花。おやすみなさい」
抱きしめるようにぎゅう・・・っと一度される感覚とともに、ボクの意識が飛んだ。
・・・・・・・・・。
次の朝、顔を赤くしたジャンヌと、元の大きさに戻ったボクは、暫く顔を合わせることができなかったのと。
メッフィー印の縮小薬がカルデアの女性陣に流行ったのは、また別の話。