朝起きると体が縮んでいた。
某名探偵くんとかそんなレベルじゃなく、お米くらいの大きさだ。
別にこの世界では、いや、やっぱりちょっと珍しいかもしれないが、それでもおかしなことではない。
縮小魔法だってある。それに

目の前には、おそらく、犯人であろうメイシアだ。手にはボクが上げたハンマーを握っている。
主に突っ込みようだけれど、しかし、その実、武器としての性能は相手に縮小状態を付与する力を持っている。


「ふん、客人の手前、許してあげたけど、お仕置きはするんだから」

まぁ、前回はさすがに・・・ねぇ?
全くあっちのメイシアも、面倒なことをしてくれる。あんな状態でいられたら間違えてしまうにきまっているじゃないか。
とか、考えていると、メイシアのその、大きな指につまみ上げらてしまう。
力加減をしっかりして、痛みはほとんど来ない。
どうやら、今日のおしおきは、ボクを直接痛め付けるという訳じゃないらしい。

「今日一日、ノアは私の体の中で過ごしてね?大丈夫、挑戦者たちは私が倒してあげるから。
それじゃまず、・・・・・1時間目。お口のなかよ」

そういうと、大きな口があーんと広げられ、その中におろされる。
落とす、ではないところに、優しさを感じる。

メイシアの健康的な赤色の口内は、まだ、朝起きたばかりだからか、唾液で少し、粘ついていた。
しかし、唾液だまり自体は少ないし、ボクを咀嚼する、ということもないみたいだから、まだ、唾液はわいてこないだろう。
そう思っていると、お腹が、クルルー・・・っとなってしまう。
と同時に、下のほうからも、大地が揺れるほどの音が響き渡る。
彼女もおなかがすいているんだろう。

「あー、ボクのごはんとかはどうしたらいいかな?」

「さ~て、『私の』朝御飯を作らないと♪」

ボクの声は無視する気のようだ。聞こえてないってことはないだろうけど
これもお仕置きなんだから、仕方ないけど。

でも、どういう意図かはさっきのことばで察しがついた。

しばらく揺れに耐えていると、やがていい匂いが

「いただきまーす♪」

そんな声が響いたので、口の外を少しだけ覗いてみる。
ご飯ができたらしく、口が開いたからだけど。献立は、見た目にふさわしくなく和食だ。
白米、鮭、味噌汁、目玉焼き。
魔王の食卓でなんでそんなありきたりなもの?
君たちはボク等に毒でもたべてろといいたいのかい?味覚はおんなじだよ。おいしい料理は素晴らしい。

さて、ご飯にありつくにはまず、ここで飲み込まれてはいけない。

いや、飲み込まれても食べれるけど、もしそこでメイシアに一度消化されたら、またお仕置きの時間が増えそうだしね?
ボクは別にいいんだけど、さすがに長時間つき合わせるのはメイシアに負担がかかる。
それはボクにとっては望むことではないしね?

鮭も米も、今のボクよりは大きな塊で入って来るが、しかし、それも、普段ボクより小さな女の子の無意識に近い行動でぐちゃぐちゃのどろどろになってすりつぶされる。
巻き込まれるとまあ、普通は死ぬだろう。
というよりも、実際に悲鳴が聞こえる。生きた小人も料理の中にいれてるのだろう。
ボクくらいの大きさだと料理には邪魔だから・・・多分、さらに1/100かな?

ごちそうさま。という声が聞こえて、さて、ようやくボクのご飯タイムだ。

さっきまで口の動きになるべく巻き込まれないように隠れていた舌の裏からでて、歯に近づく。

きれいに食べても、どうしても残る。歯磨きの前にそれを口に含んでしまう。虫歯みたいなやり方だけど、まぁ、おなか減ったからシカタナイネ。
…背後からずーっと視線を感じるから、きっとメイシア、視界系の魔法でボクのやってることを見てるな。

さて、まぁ、いただくとしよう。
ぐちゃぐちゃの米粒の中で生き残って今まさにボクと同じように、いや、それよりもはるかに大きいと認識していたのこりかすを食べようとしていた小人ごと丸のみにする。
米粒サイズのボクから見て米粒サイズって、もはや細菌とかわらないね。暇潰しになるかどうかもわからないけれど丸のみにして、お腹でかってあげる。
可愛らしいメイドさんだったけど。見つかるなんて運がないよね。
さて、どれくらい生きられるか楽しみだ。
なんて、思いながら、お昼ごはんまで、舌の裏に隠れていようとする。

そのまま舌の裏でごろごろ、何て暇をもて余したお姫様には許せないらしい。
さっきまで、そこにいた女勇者(Lv100)をあっという間に倒して丸のみにした。
あんなのでも、この世界では3番目に強かったわけだけれど、まぁ、メイシアとのレベル差をしらなかったんだから。
ボクは舌先にのせられて外に出される。

「もう満足したの?」

「まさか♪今日一日好きにされてくれるんでしょ?縮小魔法。抵抗しなかったし」

そう、本来ボクはメイシアでは縮小できなかったりする。つまり、今されてるのはわざとだ。

別にボクはどろどろに溶けても再生する。
それに、悪いことをしちゃったのは本当だから、今の行為を。メイシアの趣向に会わせて受け入れる。
ストレス貯めすぎても、悪いからね。

「じゃあ、次は♪お腹のなかね?」
「順当だね」

体にキスをされ、それによって、ボクに魔法のマーキングをされる。
これで、ボクはメイシアの好きなタイミングで手のひらに呼び出される。
来る、第三、第四のためにだろう。

そのままボクは、メイシアにゴクンと飲み込まれ、それと同時に、さらに小さくされる。
容赦なく、するすると小さく。
胃液に落ちる前になんとか、巨大になった米粒の上に落ちる。
足がべちょべちょになった米粒の上に落ちる。

大体さっきの1/1000だろうか?
まさしく微生物サイズだ、なんせ、さっきボクが丸のみにしてしまった小人すら、この10倍だ。
このくらいになると、食べられた小人の死骸も巨大に見える。丸呑みにする、
100倍。大きいものなら1000倍だろう。というか今まさに溶けてるのまでいる。

どろどろどろどろと、じゅわじゅわとけていく。
これがメイシアの美貌の秘訣、何て言うのだろうか?
まぁ美味しいのならそれでいいだろう。
少なくとも、人間としてのレベル上限を超えてしまったのは、これが原因なのだろう。

そうしてるのを眺めている間に数百メートルはあるだろう巨大な手が襲いかかってくる。
だいたい、今のボクから見て5Kmほどあるだろうか?先ほど、丸のみにされた女勇者だろう。
とても、巨大に見える。
たかが数センチのくせに。

勇者だからか、おそらく一瞬でボクをなんであるか気が付いたのだろう。
握りつぶそうと襲い掛かってくる。
ボクもしょうがない、適当に倒そう、なんて思ったのだが、しかし、
「ノアになにしようとしているのよ」

背筋が凍りそうなような冷たい声とともに、
突如なにかが、小さなボクをスルーして勇者をひねりつぶす。
きっとメイシアの指だろう。しかし、本気であった。たかが、数㎝もないムシケラ相手にだ。
たぶん、戦ってる時ですら、ボクの方を気にして、殺気を向けていないであろうに、今になってこんなに向けられるとはおもわなかっただろう。

「まったく・・・。ノアを傷つけていいのは私だけなんだから♪」

先ほどの声とは違う弾むような声。
ここは危ないから、と、手のひらに戻される。
危ない環境を作っていたのはメイシア本人なのだけれども。
しかし、普段は小さな掌である、メイシアの手の上。だが今のボクにとっては、もはや大陸のようだ。
先程の自分がここにいてもそれが巨人に見えるだろう。

「うーん、秘所は邪魔が入るわね。今のノア小さいし・・・・・なら」

ゆっくりとブラを取り外すと、ボクにとって・・・・・・いや、90cmを越えているのだから、普通に見ても大きいその先端の乳首に下ろされる。
「つ///つぎは、ここよ///」
乳腺内か。まぁ、他にこの子はいれてないはずだし
そのまま中に入る。
しかし、珍しく恥ずかしがっている。

一時間ほど歩くが、しかし、奥にはつかない。まだミルクだまりにつかないのだ。

「ふふ、どうしたの?ノア。まだ、数mmしか進んでないわよ?」
「・・・・・・また、小さくしたのかい?」

「えぇ。10分たつごとに1/10よ?今はもう、さっきの1/1000000ね。でも、まだちいさくなるわよ?それ♪」

外で乳首を上に向けた。
そうするだけで飛行をしなければボクの体は真っ逆さまに落ちてしまうのだ。

ぼちゃん、とミルクの海にダイブさせられてしまう。
飛行は結局やめておいた。
そのほうがおもしろそうだとおもったからだが・・・。

「あー、体質改造したんだね」

ミルクが、異常に甘い。
それと、体が縮んでるのが、わかる。

「ふふ、そうそう♪よくわかるわね。早くしないと、取り返しのつかない大きさになっちゃうわよ?」

すでに1/10000000ほどの大きさだ。これを取り返しはつかないと言わないわけないだろうと思いはすれど口には出さない。

さて、どうするべきかな。
出口は遠いし。空を飛んでいても、時間を考えれば、出口まで行く間にどんどん小さくなるだろう。
メイシアが起こす乳揺れひとつで、道の途中でまたミルクの海だ。それでは意味がない。
かといって、このままミルクにつかってるだけなら、次のお茶会まで出してあげないとか言われかねない。

「ん、おいしい」
「ちょ///」

開き直ることにする。

飲みきれるわけはないが。しかし、今のメイシアはとても喜んでいる。
なぜか、というのは、単純に母性本能をくすぐるからだろうね。
こういうプレイが好きな可能性もあるけど。
ミルク飲んでいた相手に飲ませるのが好きになるって倒錯的、だよね。

「ノ、ノアも、もういいわよ?」

掌に再び出されると窓から見える外の景色は真っ暗だ。
どうやら、すっかり夜になってしまったらしい。
終わったときのボクの大きさは1/1000000000000。既にすごい小ささだ。

「私が、戻したいから、今日一日はここに」

「はいはい」

子宮内のメイシアの卵子に送られる。

メイシア自身は、このサイズを魔法でもとに自力で戻すのは難しい。

「だから、卵子とボクが融合して、ボクの魔力でもとに戻る。自殺すれば簡単に戻れるんだけど。」
まぁ、メイシア、それは、また、こんどだし。
「おやすみ、メイシア」
「おやすみ、ノア」
ボクは愛しい人の胎内で眠りについた
ーおわりー