香取「……という事で、本作戦においては戦力の逐次投入よりも、拠点への集中投入が望ましいと考えます……あら?」
提督「……」

今、執務室では教導艦の香取と提督の二人で次の作戦の為のブリーフィングが行われていた。
作戦を成功に導くためのもっとも重要な会議だと言っても過言ではない。
だが、そんな場面で提督は、日頃の疲れがピークに達してしまい、ついウトウトしてしまったようだ。

香取「提督、お疲れなのですね。もう少しの辛抱……」

香取が提督の背中に毛布をかけようと、黒板を離れたその時、一つの考えが浮かんだ。
このまま許してしまっては、今後の為にも良くない。ここは一つ、教導艦として筋を通すべきだ、と。

香取「これは少し、厳しい躾が必要みたいですね」

香取は、手にした指示棒を鞭のようにしならせ、嗜虐的な笑顔を浮かべながら、提督の方へと接近していった。
香取のヒールが生み出すコツ、コツという音が、執務室の静寂の中、静かに響いている。
黒いストッキングは、香取の健康的な脚を規律正しく包んでいる。
教導艦にしては短い灰色のミニスカートの左右には、深めのスリットが入っており、若干扇情的なものになっていた。

提督は机に完全に突っ伏していた。香取はそんな提督に見せつけるかのように机に腰掛け、スリットの入った側を提督の頭部に近づけさせた。

香取「ふふふ……こんな事をしているというのに、まだ寝ているなんて……失礼な殿方です。そんな提督には、この罰を受けてもらいましょう……」

香取はその豊満な胸元から一つの小さな霧吹きを取り出し、提督に吹きかけた。
どうやら催眠スプレーのようで、提督はさらなる深い眠りへと誘われた。
次の瞬間、香取は提督の着ている服をてきぱきと脱がし始め、ついには裸にしてしまったのだ。

香取「さて……このまま「捨て置く」だけでも十分な罰ですが……それでは満足できません。もっと、私を満足させて下さいね。小さな小さな提督さん」

香取は胸元からもう一つ別の霧吹きを取り出した。
見るからに怪しい色をしているそれを、香取はなんの躊躇も無く、提督に吹きかけた。

香取「では、少し時間を置いてまた来ます。その間、余計な動きはしないで下さいね」

部屋を後にし、香取はどこかへ行ってしまった。執務室には「作戦会議中」の札がかけられたまま……
これの意味する所は「関係者以外立ち入り禁止」である。香取と提督……二人だけの特別授業が静かに幕を開く。

提督「……ん。はっ!」

提督は漸く目を覚ましたようだ。だがそこには香取の姿は無い。提督は、香取のお叱りを想像し、少し身震いがした。
大事な作戦会議中の寝落ちだ、その罪は万死に値するといっても過言ではない。とはいえ、香取はどこに行ったのだろうか。

だがその前に、提督には不可解な点がいくつかあった。
まず、執務室が妙に広く感じる事だった。天井が遥か彼方にある。
そしてもう一つ、秘書艦の姿が無い。会議が終われば、戻ってきているはずの大鳳が居ないのだ。
最後に、なぜ自分は裸になっているのだろうか。もしや、既に香取の罰は始まっているのだろうか。
何とも香取らしくない、子供じみた罰だ。そう考えながら立ち上がり、後ろを向くと、そこにはとんでもないものがあった。

提督「……な、これは何だ……?」

提督の眼前に広がるのは見慣れた物、そして見慣れぬ風景だった。
そこにあったのは確かに、提督専用の豪奢な椅子だったが、まるで高層建築物のように巨大化していたのである。
となると、提督のいる場所は執務机。妙に高く感じる天井と照らしあわせて、提督が導き出した答えは……。

提督「まさか、俺が小さくなったのか……?」

机の端まで走り、椅子に近づこうとするが、中々辿りつけない。
それもそのはず、奥行き80cmの机は、今の提督にとっては80mもの距離になっているのだから。
なんとか近くまでたどり着いた提督は、動かぬ証拠を目にした。
椅子の座部には、提督が先程まで着ていた服が、綺麗に畳まれていたのである。
この几帳面なたたみ方は、香取の仕業と見て、間違いないだろう。

と言う事は、この状況を作り出した、つまり提督を小さくしたのは香取だ。
そして、秘書艦が居ないと言う事はまだ部屋の扉には「作戦会議中」の札がかけられたままになっている。
つまり「誰の助けも期待できない」という訳だ。今、この執務室は完全閉鎖状態の私刑場と化してしまっているのである。
執行者は香取、100倍に巨大化し、相対的に鎮守府よりも大きくなった大巨人、香取だ。

提督「まずいな……となると、一刻も早くここから逃げ出さなければ……」

だが、この机の高さだけでも100Mはある。そんな場所から無傷で逃げ出す事など、不可能だった。
提督は必死で逃げる手段を考えていたが、執行者は待ってはくれなかった。

ガチャ……。
ドスン……ドスン……ドスン……。

香取「あら? 提督……会議をほっぽり出してどこに行ったのかしら……?」
提督「!? 来てしまった……で、でかい……」

遠くはなれているはずの香取だが、その圧倒的な体躯ははっきりと視認できた。
足音はさっきまでの高く響く音ではなく、重くのしかかるような重低音に変わっていた。
それだけでも、今の提督と香取の体格差を理解するには十分だったが、香取は提督の居る机に向けて一直線に歩いてきている。
提督の視界は次第に香取の巨大な体に支配されていった。

ドスウウウウン…………ドスウウウウウウン…………。

距離が狭まるに連れ、香取が生み出す影響はその迫力を増していった。足音はより大きく響き、地響きがし始め、立っているのが少し厳しくなってきた。そのあまりのスケールの違いに、提督はただただ呆然としているしかなかった。それと同時に、提督は香取に対して、一種の崇拝のような感情を抱き始めた。

ドスウウウウウウウウウン!!! ドスウウウウウウウウウウン!!!

遂に香取が執務机のすぐ側まで到達した。
100Mはある机からさらに上空へと伸びる香取の体。もはや提督はその場に座り込んでしまった。
普通の時は魅力的に映った香取の胸も、今では自分を難なく押しつぶせる、ただの凶器にしか見えない。

香取「さて……どこに隠れているのかしら?」

もちろん香取は知っている。よほどの事がない限り、提督はこの机の上から逃げられない。
だが、わざと無意識を装って、色々な罰を与えてあげるのだ。その方が、より興奮できる事を香取は知っていた。
女教師として多くの青年に対し、戦術についての指導をした経験がある香取は、
女教師というものに、男がどのような劣情を抱くのかを、よく理解していたのである。そしてその誘惑には、何人たりとも抗う事はできない事も。

香取「疲れてしまったわね……よいしょっと」

香取はその巨大な臀部を机に乗せた。提督を吹き飛ばさないよう、努めてゆっくり丁寧に。
そして、まるで提督をおびき出すかのように、スカートの裾をヒラヒラと動かした。
その緩やかかつダイナミックな動きは、今の提督には妙に艶めかしく感じられた。
その艶に惹き寄せられ、提督は香取の臀部に向けて一目散に走っていき、そして思い切り飛びついた。

香取(ふふふ……思い通り。やっぱり提督も逆らえなかったようね)

女性特有の甘い香りに包まれる。この香水が香取の用意した「性欲を増長させる薬」だとも知らずに、提督は無心になって香取の脚にまとわりついた。

香取「んん……なんだかお尻がむず痒いわね……」

提督がくっついてきたのを感じた香取は、わざとらしくそう言い、臀部をブンブンと左右に振り、提督が振り落とされたのを確認してから、立ち上がった。

提督「あぁ、待ってくれ……まだ俺は……」
香取「ふぅ……本当にどこへ行ってしまったのかしら」

香取はくるりと机の方を向き、今度は上半身を傾かせ、石油タンクのような巨大な胸を机に降ろしてきた。
提督は慌てて落着予想地点(とよりも地帯)を離れ、間一髪の所で胸の染みになるのを逃れた。
この時も香取は、提督がギリギリ逃げ出せるよう、速さを調整して降ろしたが、想像以上に豊満だった香取の胸は、地響きを発生させ、提督を転ばせてしまった。

提督「危うく潰されるところだったが……なんだこの胸にこみ上げてくる感情は……」
香取(私が胸を置いただけで転ぶなんて……なんてかわいらしいのかしら)

予想外の出来事に、香取はつい性的興奮を覚えてしまった。その時、香取はまたも閃いた。
胸を机から離し、また机の前に立ちはだかるような体勢になると、今度は角の方へ移動し始めた。

提督「一体何を……!?」

香取は股間を机の角に乗せ、激しく上下移動させ始めたのである。いわゆる角オナだ。
提督は、目の前で行われる大迫力の自慰行為を、何かに取り憑かれたかのようにじっと見ていた。

香取「ふぅ……ち、小さな提督さん……小人になった気分は……どうかしら……?」
提督「は、はい! あの……」

咄嗟に呼ばれ、敬語になってしまった。もはや立場は完全に逆転している。

香取「て、提督が……ふっ、わ、悪いんです……よっ。大事な会議の途中で寝てしまう……なんて、厳しい躾けを……してあげないと……ね」
提督「な、なんなりと躾けて下さい!」
香取「良い返事……ねっ。わかった。私だけで楽しんでちゃダメね。これは止めるわ」

香取の股間はほんの少し濡れていた。
胸元から布巾を出し、軽く拭き取ると、再び提督の方へと向きを直した。改めて見ると、その巨大さは凄まじいものだった。

少しベージュがかった上着に身を包み、いかにも女教師らしい格好だが、
肩にある金糸の飾りが普通の女教師には無い独特の威圧感を醸しだしていた。
手袋に包まれた手も、今の提督ならば容易に握りつぶせる大きさで、腰に据えられている。

香取「さて、少しお見苦しい所をお見せしましたが、忘れて下さい」
提督「はい……」
香取「あなたは、なぜ今こんな状況になっているか、わかっているわね?」
提督「そ、それは……私が……」
香取「声が小さい」

香取は冷たく言い放つと、手袋に包まれた右手の人差し指を提督の目の前にドスンと突き立てた。

香取「見ての通り、指先だけであなたを潰せます。次だらしない真似をすれば、わかっていますね? 提督?」
提督「は、はい!」
香取「わかればよろしい。では、授業を始めましょうか。席に戻りなさい」
提督「え……? ここが……」
香取「そんな大きな机、あなたの物のはずないでしょう。早く降りなさい」
提督「はい……」

提督は言われるがままに執務机の端まで走っていったが、その高さにたじろいでしまった。
それも無理は無い。そこは100mの断崖絶壁。人間が落ちれば、間違いなく死に至る高さだ。
そこから降りろ、というのが無謀な事である事は、香取ももちろん理解している。ここでまた主従関係を再認識させるのだ。

香取「席に戻る事すらできないのですか? どうしようも無い愚図なのですね……。いいわ。じゃあ私の手にお乗りなさい。それくらいならできますよね」

執務机の端に、巨大な香取の手が接舷してくる。この上に乗ってしまったら、もう後戻りはできない。
彼女の手に乗るという事は、彼女に全てを委ねるという事に他ならない。支配されたといっても過言ではないのだ。

だがそんな事、言ってはいられない。このまま何もしなければ、今の香取には何をされるかわからない。
手を翻し、握りつぶして来るかもしれない。
もしくは、座り潰されるか、胸に押し潰されるか…いずれにせよ、命が危ない。ここは従うしかない。

恐る恐る地面を蹴り、香取の手に飛び乗る。だがバランスを崩し、降りた人差し指にしがみつく形になった。

香取「私の指、そんなに気に入られましたか?」
提督「ち、ちがっ……バランスを崩しただけ……です」
香取「その割にはしがみついて離れませんが……、それに股間が膨らんではいませんか?」
提督「そ……それは……」
香取「ふふっ、では言ってあげましょう。この……変態。振り落として差し上げます」

香取は冷たくそう言い放つと、手を左右にゆすり始めた。
落とされないよう、提督はますます香取の指にしがみつく事になる。
それが絶妙な加減で提督の股間を刺激し、遂に提督は絶頂へと至ってしまった。

香取「あら……ほほう。もう果ててしまったのですか」
提督「……」
香取「仕方ないですね……。では降ろしますから、落ちないで下さいね」

香取の手がエレベーターのように降下していく。しっかり掴まっていなければ、体が浮いてしまいそうな勢いだ。

香取「まるで大型量販店のエレベーターのようですね。私は……エレベーターガールでしょうか。いえ、エレベーターそのものですね、うふふ」

香取は冗談めいた口調でそう言った。その間に視界からは香取の顔が消えていき、豊満な胸が姿を見せた所で一時停止した。

香取「お客様、お降りになりますか?」
提督「ば、バカっ……!」
香取「凝視されていたようですので……、では、ドア閉まります」

香取は膝を折りたたみ、床についた。太股と股間が作り出す魅惑のY字は、吸い込まれそうな魔力を孕んでいる。
そうして見ていると、手は最下層に到達し、提督は地面へと降り立つことが出来た。
後ろを振り返れば、膝をつき、微笑をうかべ、遥かな高みからこちらを見下ろす香取が居た。
膝立ちをしていても85mはあり、既に反抗する気も起きない程のサイズ差だが、香取はゆっくりと立ち上がり始めた。

グオオオオオオオオオ………………。

香取「ふふふ、私の体、どうでしょう。特に脚には自信があるんです。ほら、見てください」
提督「な、なんて大きさだ……」

机の上に居た時はまだ視線が高かったのだ。
それが今は本当の蟻の視線、巨人達が闊歩する世界の住人の視線だ。
手を体の前で合わせ、静かに佇むその姿は、今の提督からすれば神々しく見えた。

香取「さぁ、授業の準備です。席につきなさい」

香取はそう言うと、また胸に手を入れ、小さな物体を取り出した。高すぎてよく見えなかったが、どうやら机と椅子のようだ。

香取「これがあなたの席です。そうですね……」

香取の脚が、突然重低音を立てながら動き始めた。どこに動くのだろうかと立ち尽くしていると、なんとその脚は提督に向けて一直線に襲いかかってきていた。

提督「あ……あぁ……」

もはやこれまでと思ったが、どうやら提督を踏み潰すわけではなく、ただ単に向こう側へ歩くだけだったようだ。
だが、その時発生した地響きで足をとられ、提督は仰向けに倒れこんでしまった。その時、香取のスカートの中ははっきりと見えた。

ズウウウウウウウウウン!!!!!

ズウウウウウウウン…………!!!

ズウウウン……。

香取の足音がどんどん小さくなる。
香取の大きさも次第に小さくなっていくが、にも関わらずその大きさは依然圧倒的だ。
だがそんな威圧感を払拭するほど、香取はくるりと可愛らしいしぐさでこちらに振り向き、手を振ってきた。

香取「じゃあ席はここね。もう1分で授業を始めますよ?」
提督「1分……」

巨大な香取にとっては数歩の距離も、提督にとっては長距離だ。
今のは5歩程度、提督にしてみれば約500mだ。1分で着くには、陸上選手が「ずっと」全力疾走をしてやっと届くレベルである。
そんな無茶、できるわけがない。

香取「ちなみに……態度の悪い生徒はお仕置きが待ってます。授業に遅れる事など言語道断ですからね」

相も変わらず笑顔の香取。これは本気の顔だ。

提督「くそっ! もうどうにでもなれだ!」

足の速さには自信があった。だが、この体では5mですら1分で辿りつけない。
みじめとしか言いようが無かった。結局、全力疾走虚しく、1分50秒のタイムで到達した。

提督「はぁ……はぁ……はぁ……」

既に疲労困憊の提督。だが香取は容赦しなかった。

香取「はい。提督は遅刻です……いつまで床に伏せているのですか? 早く席についてください」

香取は踵を床に固定させ、爪先を上下させ、コツ、コツと床に打ち付け始めた。
それが提督にとってはズン、ズンという地響きとなって、提督を襲っている。
もはや立つことさえ厳しくなり、提督は匍匐前進しながらなんとか席の方へと近づいていった。

香取「まるでイモムシのようですね……かわいいですよ」
提督「せ、席についたぞ……」
香取「よろしい。ですが、お仕置きは受けて頂きます」
提督「はぁ……、そ、そんな……」
香取「といっても、小テストを受けていただくだけです。今の提督ならば、簡単に答えられます。もちろん、このテストでも不正解であれば、さらに厳しいお仕置きが待っていますが」
提督「……」

香取「では行きますよ。第一問『提督は人間である。○か☓か』」
提督「は……?」
香取「○ならこちら、☓ならあちらに行って下さいね」

何食わぬ顔でとんでも無い事を言い出す香取に驚きながらも、○と指定された方へと向かっていく。

香取「はい。では正解発表です。正解は……」

香取は再び脚を折りたたみ、こちらに右手を近づけてきた……デコピンの形をした断頭台が提督の前にセットされた。

香取「えいっ。残念、正解は☓でした。こんなに小さい人間が居るわけが無いでしょう? そんな事もわからないのですか」
提督「がはっ……! ほっ、げほっ」
香取「もう……ちょっと小突いただけなのに、それではまるで私が怪獣みたいではありませんか。しゃんとしてください……よ!」

香取は足を思い切り地面に打ち付けた。提督の体はまるでポップコーンのように飛びはね、全身を強打してしまった。

香取「さて、第二問『提督は、私の下僕である。○か☓か』」
提督「……」
香取「10、9、8……2、1、さぁ回答は……あら?」

提督の体はもはや限界を迎えており、動くことはおろか、声を出すこともままならない。
提督は○にも☓にも行けず、その場でうずくまっていた。

香取「あらあら。無回答ですね。では、問答無用で不正解です」
提督「や、やめ……」
香取「下僕は下僕らしく、踏みつけてあげましょう」

香取の脚が持ち上がり始めた。そして提督の真上にセットし、ゆっくりと降ろしていく。
提督の周りはやがて香取の影に飲み込まれていった。

ズウウウウウウウウウウンンン………………。

香取の巨大な脚が轟音を立てて、大地へと降り立った。
提督は踏み潰されたかと思いきや、ヒールが作る空洞の中に居た。

香取「ここまでにしておきますか。提督も、これで少しは反省してくれるといいのですけど」

ズウウウウウン………………ズウウウン…………ズウウン……。

香取の特別授業は終わった。もちろん、この後もたっぷりと補修がある訳だが、これはまた別のお話だ。