古代遺跡で拾った腕輪の術式暴走で30m巨大娘になったアクアさん。
もう少しだけ、この設定でお話しを続けてみたいと思います。
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ギルドからの討伐クエストもなく、街の工事現場で働くアクア・カズマの両名。
朝から夕まで街道整備のため老朽家屋の取り壊し、道路工事に汗を流す。
カズマ「前も壁を作ったりしていたけど、これだけクエストが無いとなぁ・・・」
アクア「討伐クエストが無いってことは、それだけ平和ってことよね。」
カズマ「報奨金が多くて楽なクエストがあればなぁ・・・」
アクア「屑ニートみたいなこと言ってんじゃないわよw」
カズマ「だからは俺はニートじゃねーよ! お前が借金作りまくるから大変なんだよ、この駄女神!」
アクア「ひっどーい! 私だって一生懸命やってるのよ!」
その間に割って入るギルド職員の現場監督さん。
監督「相変わらずお前らは仲がいいなw」
カズマ「あぁ、監督さん。」
監督「このデッカイ姉ちゃんが来てから仕事が速くて助かるわ。」
アクア「へへーん、女神様の力は凄いでしょw」
カズマ「女神の力(物理)かw もうお前、女神辞めて土木工事屋になったほうがいいんじゃね?w」
アクア「やっぱり工事だと不慮の事故もあるわね・・・。あー、カズマ、危ない。」
アクアは無造作に足を持ち上げてカズマの上に振り下ろす。
\ ズシーーン! /
寸前のところで横へ飛び退いて巨大なブーツの下から逃げ出す。
アクア「チッ!」
カズマ「てっめぇー、あぶねーな! 舌打ちまでしやがって踏み潰す気まんまんじゃねーか!」
アクア「冗談よ、冗談。大丈夫よ、そのまま潰されちゃっても蘇生魔法かけてあげるから。」
カズマ「・・・アクアさん、それはマジで勘弁して下さい。記憶飛ぶし全身痛いし・・・」
監督「おっと、現場での事故は避けてくれよ。最近は労災やらウルサいからなぁ。」
カズマ「事故じゃなくて殺人事件ですよ?」
監督「予定より順調に工事が進んでいるから、そこの廃屋を取り壊したら今日は上がっていいぞ。」
アクア「このボロっちい家でいいですか?」
窓ガラスも割れて傾きかけた廃屋を指をさして確認すると
アクアはジャンプして、その上へ両足で着地する。
\ ズシーーン! / メキメキバリバリバリッ
監督「おー、速いもんだ。あと廃材のガラだけ街の外の処分場へ捨てておいてくれ。」
アクア「了解でーす!」
廃材を両手に集めて街の外へと向かう。
アクア「あー、お風呂も行きたいからめぐみん連れて行くわねー」
カズマ「え? って、お前どこで風呂入るんだよ?」
アクア「付いてきたら踏み潰すからねー」
めぐみんを連れて森の横を抜けて、湖の方向へと歩いていく。
アクア「あれ? 処分場の場所どこだっけ?」
めぐみん「私は知りませんよ?」
アクア「ま、いいわ。どうせ森の奥なんか人いないし、ここで投げ捨てようかしら?」
めぐみん「え? 流石にそれはマズく・・・あ・・・」
遠投のように廃材を森の奥へ投げ込んでいく。
アクア「ピッチャー、アクア投げましたーー! ストライクッ!!」
めぐみん「本当に大丈夫なんでしょうか・・・」
アクア「大丈夫よ、どうせこんな深い森に人なんかいないわよ。」
アクア「そんなことより汗とホコリでベタベタだからお風呂お風呂♪」
湖の畔へ到着する。
アクア「それじゃー、めぐみん。お願い!」
めぐみん「水中で爆裂魔法を使って温度上げますけど、細かい温度調整は無理ですよ?」
アクア「お任せで大丈夫よ。」
めぐみん「では・・・ ばっくれつ♪ ばっくれつ♪ ばっくれつ♪ ばっくれつ♪ エクスプローーージョンッ!」
水中で火球が爆発して水柱が上がり、発生した大波が森の中まで流れこんでいく。
爆裂魔法の火力で湖は温泉となり、そこで一糸纏わぬ姿となり入浴?を始める。
アクア「あー、生き返るわー・・・」
めぐみん「帰りは運んで下さいね・・・」 バタッ
1日1回の爆裂魔法をぶっ放して、その場に倒れるめぐみん。
このようなことがしばらく続いたある日、ギルドにとあるクエストが依頼されてきた。
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ここ数日、森を通る街道にオークが出没するようになった。
現在のところキャラバン隊などに被害は出ていないが、
オークの目撃報告も多く時間の問題と思われる。
オークを討伐して街道の安全を確保してもらいたい。
報奨金 500,000エリス
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カズマ「お、久しぶりのクエストだ。腕が鳴るなぁ。」
ダクネス「オ・・・オークだと? ハァハァ こ・・・これは女騎士の私の出番だな・・・ハァハァ」
カズマ「おーい、ダクネスさん。戻っておいでー」
ダクネス「く・・・仲間の前で痴態を晒すくらいなら・・・殺せ・・・ハァハァ」
めぐみん「ダメですねw でも50万エリスは成功すればおいしいですね。」
カズマ「おーい、アクアー 聴こえてるかー。そんなわけで森の街道に行くぞー」
ギルド内に入れずに外で待たされていたアクアが答える。
アクア「任せといて! オークなんかひと踏みでぺちゃんこよ!」
カズマ「それじゃ、みんな行くぞー」
森の入口に到着、さらに奥へと続く街道を一行は歩き続ける。
カズマ「オークいないなぁ・・・」
めぐみん「そうですね・・・頻繁に目撃されるそうですが・・・」
ダクネス「ハァハァ・・・この森の奥から私を犯そうと眼を光らせて・・・ハァ」
カズマ「駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・」
アクア「そうね、上から見ていても森ばかりで見えないわ。」
カズマ「というかお前が地響き上げて歩いてるから、オークが逃げたんじゃないのかw」
アクア「仕方ないじゃない! 誰かさんのせいで大きくなっちゃったんだから!」
カズマ「お前の体重が重すぎるんだよwwwww」
アクア「ねー、カズマ。右足で踏むのと、左足で踏むのとどっちが痛いと思う?」
カズマ「待て! どっちも普通に死ぬから!」
アクア「それじゃー、まず右からねー」
右足を振り上げると、カズマへ向かって猛烈な勢いで振り下ろす。
\ ズシーーン! /
間一髪で足の下から逃げ出すカズマ、彼の立っていた場所に青いブーツがそびえ立ち
体重を支えきれなかった地面を踏み砕いていた。
カズマ「今の全く加減してないだろお前!」
アクア「逃げないと踏んじゃうぞーwww 次は左ねーw」
\ ズシーーン! /
全力疾走して逃げるカズマの後ろギリギリを狙って交互に足を踏み下ろす。
カズマ「人間を殺そうとする女神がいるかーー!」
アクア「女神にケンカ売った天罰よ!」
\ ズシーーン! /
カズマ「天罰じゃなくて個人的な報復だろ!」
アクア「こんな可憐な美少女に踏み潰されるのならご褒美でしょwww」
\ ズシーーン! /
森の木陰に一瞬、オークのような姿を見かけて立ち止まるカズマ。
カズマ「待て! アクア、今そこの木陰にオーk・・・
アクア「あ、急に止まらないで!」
\ ズシーーン! / グチャッ
アクア「もー、急に立ち止まるから踏んじゃったじゃない。」
足を上げるとブーツの靴底に肉片として貼りついていた元カズマ。
熟しきったトマトを叩き付けたかのように地面には血糊が広がる。
そこに後方からダクネス・めぐみんの2名が追いつく。
めぐみん「あー、また踏み潰しちゃったんですか・・・」
ダクネス「何度見てもこれは酷いな。」
アクア「仕方ないじゃない、突然カズマが立ち止まるんだもん。とりあえずリザレクション!」
復活呪文を受けて無残な肉塊の姿から、徐々に人としてのカタチを取り戻していく。
カズマ「痛てて・・・、待てと言ったじゃないか!!」
アクア「ごめーんw 急に止まると思ってなくてw」
カズマ「まあいいや、流石に踏まれるのも慣れてきた。さっき木陰にオークがいたぞ。」
街道から逸れて森の中へ続く獣道を指さす。
カズマが調べるとそこにはオークの足跡と思われる蹄がいくつもあった。
カズマ「やっぱり間違いない、この奥がオークの住処になっているな。」
めぐみん「でも・・・倒木や茂みが多くて、道中で戦闘になったら不利ですね。」
ダクネス「いきなり森の中に連れ込まれて不利な戦況か・・・ハァハァ・・・」
めぐみん「私が爆裂魔法で、ぶっ飛ばしましょうか?」
カズマ「そんなことやったら森林火災になるわ! アクア、道を切り拓け!」
アクア「私ーッ!?」
カズマ「お前からしたら森も茂みみたいなもんだろ。踏み分けて入ってくれれば俺たちは後ろを付いていく。」
アクア「仕方ないわね・・・」
メリメリッ バキッ
森へ一歩踏み出すと木々は簡単に折れていき、突然のことに鳥たちが逃げ惑う。
一歩ごとに長さ7~8m・幅3m程度の道が拓かれる。足の下では木や岩の残骸も踏み砕かれ
少しデコボコするものの普通に歩けるような道になっていく。
歩みを進めていくと、湖の畔少し開けた場所が見えてきた。
カズマ「村のようだけど様子が変だ・・・。アクア、何か見えるか?」
アクア「あっ・・・・」
カズマ「黙っていたら分からないだろ。でもこの村、建物が破壊されまくってるなぁ・・・」
めぐみん「大きな災害の被害を受けたかのよう・・・・・・あっ・・・」
ダクネス「何かいるぞ! 武器を構えろ!!」
半壊した建物の陰からオークが現われた。
だが武装はしておらず、襲いかかってくるような雰囲気ではないようだ。
ダクネス「騎士である私が盾になろう! さぁ・・・オークよ! 襲いかかってくるがいい! ハァハァ」
斬りかかるダクネス、だが異常な命中率の低さも伴って全く攻撃が当たらない。
オークも斬撃をかわしながらも自ら攻撃する様子はない。
カズマ「攻撃を止めろダクネス! なにか様子がおかしいぞ!」
ダクネス「くっ・・・この私がオークに対して無力だと・・・」
オーク「オレ アラソイ キライ」
カズマ「あ、会話できるのか・・・?」
オーク「ニンゲン ノ コトバ スコシ オレ マケ」
ダクネス「いや、これは私の負けだ。私も騎士だ、潔く負けを認めよう。さー、この身を好きにするがいい!! ハァハァ」
オーク「ニンゲン ニ オレ ハツジョウ シナイ ニンゲン ハ ブタ ニ ハツジョウ スルノカ?」
ダクネス「ハァハァ この私を・・・メスブタ呼ばりか・・・。良かろう、仲間の前で凌辱の限りを尽くせ! ハァハァ」
オーク「エ・・・・」
カズマ「お前ちょっと黙ってろ! 話が余計にややこしくなるわ!」
カズマ「ところで・・・名前が分からないからオークさん。どうして人間を襲おうと?」
オーク「オレタチ ノ ムラ マイニチ コウゲキ ウケル ダカラ ニゲル」
カズマ「建物とかも壊されているし、確かに攻撃されているみたいだな・・・」
オーク「ソラ カラ イワ ガ フッテクル ミズウミ ガ バクハツ シテ ミズ デ ナガサレル」
カズマ「ん? というか、これってレンガとかじゃないのか?」
オークの集落を見て周ると、レンガ・ガラス・木材・砂利などなど廃材ばかり。
カズマ「アクア、さっきから黙ってるけど、このゴミ投げ込んだのお前だろ?」
アクア「仕方ないじゃない、処分場が分からなくて面倒だったし。」
カズマ「あと湖で爆発って、めぐみんだよな?」
めぐみん「はい、すいません。アクアが湖をお風呂代わりに使いたいと言うので水中で爆裂魔法を・・・」
カズマ「このオーク騒動、全部お前らのせいじゃねーか!」
カズマ「オークさん、俺の仲間が迷惑をかけたようで申し訳ない。」
オーク「オレタチ アタラシイ ムラ ツクル ダカラ ココ ステル ニンゲン ニ ミツカラナイ キヲツケル」
オークは、再び森の奥深くへ消えていった。
アクア「オークの集落を見つけて、追い払ったことにすれば報奨金貰えるわね!」
カズマ「今回のはクエスト取り消しだぞ。」
アクア「えー、50万エリスも貰えるのよ!」
カズマ「原因が全てお前のせいじゃねーか、駄女神! こんなんで報奨金貰えるか!」
アクア「・・・・・・はい」
その後、ギルドへの顛末書提出・森へ投げ込んだ廃材の撤去が命じられた。
まぁ・・・罰金とか科せられなかっただけマシだったが。
巨大化して一層無駄飯食らいする駄女神アクア、頭のオカシイ魔法少女めぐみん、
盾ぐらいにしか使えない女騎士ダクネス、まだまだ俺の苦労は終わりそうにない・・・。
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話が上手くまとめらなかったような気もしますが・・・orz
今回も駄女神アクア様に踏み潰されて被害に遭うのはカズマ君だけですねw