『私達の宮殿に案内しましょう!』

『そうね!いいんじゃないかしら。』

『早速行きましょう!』

と、僕を手で握り締めながら海にもぐった。息が出来ない!と思ったが何故だか息が出来た。
甘い成分のせいなのか分からないが、地球では考えられなかった。

しばらくすると、光がいくつも見えてきた。海の深くを潜っても暗くならないし、水圧も地表と変わらない。
不思議な世界。
見えてきた光は町だった。これが彼女たちが言っていた宮殿かもしれない。
すると、彼女達は1つの家に向かって行った。そこが彼女達の家であった。
扉も僕から見たらとても大きい。それを何の抵抗も無く開けると中は地球とほとんど変わらない物がたくさんあった。
食器や本まである。

『ここが私達の家よ!皆で一緒に住んでいるのよ。』

『今日は、ご馳走を作らなきゃね!』

『あとで、マンシャル様に紹介もしなければ!』

マンシャル様?偉そうな人だな。この人魚達の女王とか?
でもこの後、それを忘れるくらいのご馳走をいただいた。
地球では食べた事のない魚。僕が食べている姿を3人は笑顔で見ている。





10分かけて食べ終わった僕は、再び手に乗せられ家を出た。
家を離れてから数分、町にはないような巨大な建物があった。
近づくとさっきの扉とは比べ物にならない大きな扉が開きその中に入っていった。

『マンシャル様~。他の星からのお客さんで~す!』

僕を手に乗せている人魚がそう叫んだ。すると、暗闇の向こうに何か巨大な物が動いた。
パッと光がその巨大な物を照らしたとき僕は驚いた。
この3人の下には3人を軽く握れるほどの大きな手があった。

『お客様を私の手に。』

人魚は大きな手に小さな僕を置いた。
その手は動き出し、暗闇に連れて行かれた。

光が照らされると、超巨大人魚が僕の目の前に存在していた。
僕の周りには魚の尻尾で囲まれている。

『あなたがお客様ね。どこの星からいらしたのかしら?』

「地球です。遥か遠いところからこの惑星に。」

『チキュウ?可愛らしいお名前です!今度行ってみたいです。』

「いや、地球はこの星よりも小さく、あなた方が行かれると、地球の人たちはその巨大さに驚いてしまいます。だから・・・。」

『分かっています!今のは冗談です!驚いちゃいましたか?』

いや、驚いてはいないが、人魚たちが地球に来たらどうなるか想像していただけだ。
しかし、この人魚さんは本当に大きい。全長は100km以上かもしれない。
僕の体をよく見られる。小さな僕もよく見えているのだ。

『どうぞ、この星でゆっくりしていってくださいませ。住む場所は先程の彼女達の家で。時々私のところに来てください。可愛がってあげますよ!』

そう言われて、何だか安心した。これなら問題なく住める。





おわり



人魚を書きたかっただけですw
短い分ですみませんでした・・・。