「こ、これがラスボス・・・。」

「でかい・・・でかい少女じゃないか。」

年齢的には、高校生くらいの少女。驚くほど美人であり、服を着ていないので体のラインがはっきりと分かる。
僕と、リーダーは最後の最後にこの巨大少女と戦うことになった。

『あら。人間さんだわ。よくここまで来たわね。まあ、あなた方が初めてではないけども。』

そう言うと少女は、立ち上がった。
その高さは、そこら辺のビルをも超える高さ。160m。人間の100倍である。

「リ、リーダー・・・。諦めて帰りましょう。これでは勝ち目がありません。」

「何を言ってる。こいつを倒せば宝が手に入るんだ。人間だと思うな。あいてはモンスターだ。
何人もの仲間の命が無駄になるだろう!」

リーダーは、勝ち目がないことも知らずに、少女に突っ込んでいった。
足の大きさだけで25mある。
少女に突っ込んでいくリーダーを少女は見つめていた。
リーダーは、ドラゴンも致命的なダメージを与える剣を少女の足に刺した。

『いたっ!』

ドシイイイイイイイン!!!

少女は、尻餅を付いた。
巨大なだけに大きな振動が僕らを襲う。

「よしっ!」

リーダーは、追い討ちをかけようと、少女の足にもう1回、刺す。

パキッ!

何かが折れた音。それはリーダーの剣だった。
ドラゴンを10体殺しても剣はしっかりとしていたのに、今の一撃で剣が根元から折れてしまったのだ。

『うふふふ・・・。折れちゃったわね。ねぇ。そんな剣で私が倒せると思ったの?』

少女は、何も出来なくなったリーダーを顔の高さまで摘んだ。

「でも、さっき、痛そうにしていたじゃないか!」

『ああ、あれね。ただの芸よ。痛いわけないじゃない。』

少女は、唇を舌で舐め回した。何をするのか分かった。

『じゃあ、いただくわ。私を攻撃する奴は、胃の中で頑張って抵抗でもしていなさい。』

「や、やめろおおおおおおおおぉ!」

『パクッ・・・。んんっ・・・んっ・・・ゴックン!
フー。丸呑みしちゃったわ。生きながら消化されるなんて苦しいと思うわ。』

少女は、立ち上がり、僕の方に歩いてきた。
僕は剣を構えた。

少女は、僕の手前でしゃがみこんだ。
少女からは、手が届く距離だが、僕は、剣を投げても届かない距離だった。
僕は、すぐに捕まった。
開いた手のひらに乗せられた。

『降参する?攻撃する?攻撃するなら、このまま、口に運んじゃうぞ?』

またもや、唇を舐めまわした。
僕は、食べられるのが怖かった。リーダーみたいになりたくなかった。
僕は、剣を少女とは反対方向に投げ捨てた。

『降参?』

僕は頷いた。

『嬉しいわ。今まで来た人間さん達は、皆、攻撃的で降参?って聞いても攻撃してくるから
皆、食べちゃったの。今まで、降参してくれたのはあなただけよ。』

巨大な指で頭のてっぺんを撫でられた。
その気になれば、僕を潰すことが出来る指でだ。

『今日から私と一緒に暮らしましょうね。今まで、1人じゃ寂しかったの。
私はあなたの言うことを聞くし、あなたも私の言うことを聞いてね。』

そういうと、僕を優しく摘み、僕らが来たほうとは真反対に少女は歩き出した。

この後、僕は仲良く暮らしているのだ。



おわり