大学生の僕は、行きと帰りに電車を使い通学する。
朝は物凄いラッシュであるが、僕が帰る5時ごろは、空いていて座れる状態だ。


ある日だった・・・。
僕は、椅子の端っこに座り、壁に寄りかかっていたときに、
駅のホームに大きな存在を見つけた。
軽く190cmは超えている女子高生。155cmと、とても小さな僕からすれば巨人だ。
そんな女子高生が顔を下げてドアから入ってきて、僕の隣に座った。
チラチラと見てその巨大さが分かった。
座高、お尻から膝までの長さ、膝から地面の高さ、全てが彼女の方が長かった。

電車が止まったときに彼女の体が僕の体に当たると、重さを実感できたりもした。




そして、降りるべき駅に着くと、その女子高生もそこで降りた。
その高さは、つり革がぶら下がっている棒にも頭が届くくらいであり、僕は彼女の胸よりも下だった。
心臓がバクバクしている状態で、電車を降り、改札を出て、家に向かった。
後ろをチラッと振り向くと、女子高生は、歩いていた。

僕が角を曲がっても着いてきて、信号を点滅で走って渡ろうと思ったら女子高生も渡っていた。
足の長さは圧倒的に違うのに、女子高生は、僕と常に同じ距離をとっていた。

「おい・・・。いい加減、俺のペースに合わせないで先に行けよ!」

と、僕は立ち止まって、彼女に言った。
彼女、長身女子高生は僕の、実の妹だった。まだ高校2年生だ。

話しかけると、待っていたかのように彼女は、走ってきた。
壁が迫りくるような感じで怖かった。

『捕まえた~~~。』

妹は、自分自身の腕がシートベルトのような感じで僕を捕まえた。
長い腕は、僕がいくら暴れても解けなかった。

「すごい恥ずかしいんだ。止めてくれよ・・・。」

『え~。だって、お兄ちゃん1人じゃ心配なんだもん。昔だっていじめられていたんだから、
私が守るの!』

「う、うん・・・。」

そのままの形で妹と僕は家に向かった・・・。
過去に妹が僕を助けたことは事実だ。



おわり