女子高生が小人がクッキーを食べ終わるのを見てクスッと笑いました。

「私でも分かるわ。お口の周りにクッキーが付いてますよ。」

小人がハッ!と気が付き、着ていた服の袖で拭こうとしたとき、

「駄目駄目!服が汚くなっちゃうわ。」

と、女子高生は小人の行動を止めました。
小人は、どうして?と思いました。
女子高生は小人にゆっくりと手を近づけ、小人を優しく摘みました。
そして口の前に持ってくると、大きな舌で小さな小人の顔を舐めました。
3回ほど舐めると、口の周りについていたクッキーの欠片はなくなりましたが、
顔がヌメヌメとしてしまいました。

小人は気持ち悪くなって、癖でまた袖で拭こうとしましたが、
女子高生の方が早く、ティッシュでうまく顔だけを拭きました。

「ごめんね・・・。食べるつもりはなかったの。でも、好奇心で舐めてみたくて。」

(食べられるかと思いました・・・・・。怖かったです・・・。)

小人は、震えながら言いました。

「大丈夫よ。世の中、小人さんを潰したり、食べたりして小人さんで、遊ぶ人間がたくさんいるけど、
私はそんなことしない!小さくても生きている小人さんを守りたいと思ってるの。」

(僕は、あなたに保護されるのですか?)

「ええ。でも、小人さんにも住むべき場所があるはずだわ。もし、嫌だったら、
そこまで送ってあげる。」

(いや、僕には帰る場所がありません。人間に・・・。もう、仲間はいません。)

「え?・・・。ごめんなさい。嫌なことを思い出してしまって・・・・・。」

(大丈夫です。でも、1つお願いがあります。)

「なんですか?」

(ぼ、僕を守ってください。)

「いいですよ。」

女子高生は、小人の小さな頭を優しく撫でました。


つづく