王子様を探しに人間界にやってきたお姫様のお話・・・。
可愛らしい短いスカートにタンクトップス姿。大きな胸のせいでタンクトップの生地が張っていた。
ハイヒールは人間界に来るときに脱いできた。




ミル『どこかに良い王子はいるかしら・・・。』

人間界に王子を探しに来たミル。両親からいい加減に王子を探せと言われた。
自分たちの世界では男が少ないため、人間界に住む人間の男から選ぼうと思ったのだが、
ミルにとって人間はあまりにも小さすぎる・・・。

ミルは人間から見れば、17kmもある巨人だ。頭は成層圏まで届いている。
その1歩は約6km。
彼女は歩いているうちに知らずに村や小さな町を2.5kmもある足で踏みつぶしていた。

ミル『あら。私の足跡ができてる。人間たちは私たちよりも小さいといったけど、どれくらい小さいのかな・・・。』

不安そうな顔をして、歩いているうちに海岸を発見し、そこに面するように大きな街があった。

ミル『あっ!見っけ。』

ミルは街に近づいてしゃがみ込んだ。
その街の人間たちは、女の子のスカートの中のパンツが見えてしまった。

ミル『ねえ、王子様いるぅ?』

街に問い掛けたが、無反応。正確には、ミルの大きすぎる声で、街はパニックになっていた。
もちろん、そこには王子というかっこいい男がいたが、王子はミルを敵とみなし、ドラゴンを放った。
人間界では最強のドラゴン達。しかしミルにとっては飛んでいるゴミのように小さかった。
ドラゴンたちはミルのスカートに入り、パンツを攻撃した。

ミル『ん?』

パンツに僅かな刺激を感じたミル。スカートをゆっくりめくると、そこには数十匹のドラゴンが自分のパンツを攻撃していたのだ。

ミル『ああ~。攻撃してるのね。フフフ・・・。』

ミルは街目掛けて人差し指を落とした。
幅も太さも桁違いな指は、破壊力抜群だった。

ズズズズズ・・・

大地をなぞるように指を動かす。
指が通った場所は更地になっておりそこにいた人間や建物は影も形も残らなかった。

ミル『人間ってこんなに小さいんだ。』

ドラゴンたちが一生懸命攻撃してもミルは気にもしなかった。
人間たちはたった1本の指から逃げまどっていたが、ミルは街全体を指で更地にさせた。

ミル『こんなに大きいのに攻撃してくるほうがいけないの!』

ミルは人差し指を海で洗うと、その場で立ち上がった。
パンツを攻撃していたドラゴンたちは立ち上がった時の衝撃波で地面に叩きつけられた。
僅かに生き残ったドラゴンは、行き場を失った。



ミルは海を歩いた。
人間たちには普通の海だが、ミルにとっては、水たまり。
素足に冷たさを感じている。

しばらく歩くと、島が見えた。
そこにはカルデラがあり、カルデラに街が築かれていた。大きさは直径3km程度だが、人間がたくさんいるのが分かった。

ミル『こんにちわ~!』

ミルは先ほどよりも声を落として街に挨拶した。
街の人間は突然現れた超巨大お姫様にビックリした。
ミルは真上から街を見下ろしているために、街は夜と同等に暗い。

ミル『ここに王子さまはいますか?』

ミルは四つん這いの様態になり、顔をもっと街に近づけた。

その街の王子は、この街が破壊されると思い、攻撃命令を出していた。
目を攻撃すれば大きくても効くはずだと・・・。

街から無数の光が見えた。
それらはすべて両目を狙っていた。
しかしながら、ほぼ垂直撃った弾はその重さで目に届かずに落ちて行った。

ミル『う~ん・・・。また攻撃しようとしたのね・・・。』

ミルは街が自分たちの攻撃で破壊されていると知りながら立ち上がって180度振り返った。
そしてスカートを持ちパンツとお尻が丸見えになるようにした。

ミル『丁度いい感じの大きさよね。』

ミルはカルデラ目掛けて座った。

ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅんんんん・・・・

辺りは大きな揺れに襲われそこを中心に津波も発生した。
ミルのお尻と比べると明らかに小さい街。
ミルはお尻で島ごと押しつぶしたのだ。生存者なし・・・。





お尻の汚れを落とすと、再び歩き始めた。
すると大陸が見えてきた。

ミル『いい加減、いい人見つからないかな・・・。』

ミルは、大陸の奥地まで行ってみることにした。
多くの人間からは巨大なミルの姿が目撃され、ミルは知らずにもまた文明を踏みつぶしていた。

ミル『あ。』

ミルが足元を見るとそこには森の中の小さな平地に木を切り倒して築かれた村があった。

ミル『可愛い~。』

今までこのくらいの町は知らないうちに数個踏みつぶしていたが、ミルにとって初めて目にしたものだった。

ミル『こんにちわ!』

優しい声で、ミルは顔の前に村が来るように横になった。
村は手のひらの面積よりも小さく、住んでいる人間も少ない。

村人たちは、各家々から出てきて、村の中心に集まっていた。
数えるだけで40人程度。ミルにとっては米粒よりも小さいがちゃんと顔を認識できる。

村長「私たちの村はまだ築かれたばかりです。どうか村を荒らさぬようお願いします。」

村長の声は本来だったら聞こえない。しかし、ミルは人間の声が聞こえる訓練を受けていたので、聞こうと思えばよく聞こえる。

ミル『破壊なんてしようと思っていませんよ。』

村人たちはその言葉に安心した。人間の1万倍もの大きさのお姫様に対抗できる訳がなかった。
対抗できたとしてもこの村には武器という武器がなかった。

ミル『私は人間界にやってきて王子様を見つけに来たの。でも、王子様がいると思ったら攻撃されたの。
   今のあなた達は、皆いい心を持っているわね。それに、かっこいい人もいる。』

ミルは1人の男性に目を付けた。
男性は見られていることを理解し、体が凍り付いたように動かなかった。

ミル『私は姫です。私と結婚してくださいな。』

ミルはその男性を群衆の中から被害を出さずに摘み取った。
そして目の前に持ってきた。

ミル『小さいけども恋に大きさなんて関係ないわよね?』

男性「は、はい!」

男性は、体を震わせながらも返事をした。
その返事のおかげで村は助かることになる。

ミル『じゃあ、村ごと私たちの世界へご案内しますね。』

ミルは男性を村に置くと、村を掬うように地面の下に手を入れた。

ゴゴゴゴゴ・・・・

村人たちは揺れと音で驚くがミルはただ村を持ち上げているだけだった。
村を持ち上げると、底辺を平らにして手のひらに乗せる。

ミル『家に着いたら早速結婚式ね。』

ミルはしゃがみの状態から立ち上がった。
山よりも高い世界・・・。村人の中には気絶する者もいた。

男性「俺・・・彼女がいなくてよかった・・・。」

ミルは気分よく家に帰った。




おわり