リクしてくださった方、遅くなって申し訳ありません!






『なあ、頼みがあるんだが・・・。』

「何ですか?社長!!」

『実はさこの会社の中に例のTSK社のスパイが紛れ込んでいるらしいんだが、ちょっと、調べてみてくれや!』

「分かりましたが、大体の情報はありますか?」

『ない!』

と、いわれたのが1週間前。ほぼ全員の身元や名前、住所、学歴を調べたけど怪しい奴などはいないと社長に伝えた。
そして今日も決められた人を調べるため社内をうろうろする。
だが、危険がいっぱい。

ズシ~ンと、足が近くに振り落とされたりして潰されかける。
時には完全に足の下に入って、靴の裏の隙間に、はまった時もあったわ。
机の上にいて顔を観察する。私には分かる。変装をしている人だっているかもしれない。
そんな奴はすぐに見れば分かってしまう。この会社では写真を1ヶ月に1度社内で撮る。
その写真を見て観察をしている。

ズド~ン

危ないな~。巨大な手が近くに置かれたよ・・・。押し返せる大きさでもないし簡単に潰されてしまうがそれは覚悟の上。
小さい私がいけないけど社長に頼まれた秘密の仕事だから大きくなるわけにはいかない!

次は、食堂。特に集団で隅にいる奴らを観察する。
もしかしたら、こっそり誰にも聞かれないように話しているかもしれない。
ちょっとした疑いも見逃さないわ!!
と、思って近づいても全く関係ない話しかしていなかった。

『ねえ、最近さ〇〇さんかっこ良くなってない?』

『ええ~。私は、〇〇さんの方がいいと思うけど・・・。』

4人の女性社員がくだらない恋話をしていただけであった。
無駄な時間を過ごしたと思ったがこれで疑いが無くなった。
と、帰ろうとしたとき、真上に手が通りその風でそこにあった皿まで吹き飛ばされてしまった。
そのお皿の中にはポテトがあった。運悪くポテトに乗った私。
これはまずいと思ってすぐに降りようとしたが遅かった。
巨大なポテトは巨大な指で持ち上がり、口に運ばれる。
口の中に入る前に、私は唇に移る事に成功したが、そこは高度何km!?
しかも、舌で唇を舐めたときに一緒に舐めとられてしまう・・・。
さらにこの女性社員、結構喋る人なので唇がよく動いて振り落とされそうになる。

『そう言えば私後で社長室に行かないと!』

唇の女性社員が言った。
結局、舐めとられる事なく私は無事に社長室まで行けた。
運よく社長が私の存在に気が付き、『唇にゴミが付いているぞ!』と、言って女性社員の唇を触わるふりをして私を助けてくれた。

女性社員が出て行った後、

『今日の調べた社員は何の問題も無かっただろう?』

「本当にいるんですか?あと数人しかいませんけど皆この会社のベテランだし、疑う事も無いのでは?」

『何か心配なんだよ!明日まで頑張ってくれ!』





次の日。もう疑う者なんていないだろうと思って入社した。
すると、普段と言うより見かけない社員を見つけた。
男の制服を着ており周りからは疑われていない様子だが私の目は誤魔化せない。こいつ怪しいと・・・。
タイミングを計り服に飛びつき安全な耳の穴に入る事に成功した。
しかもこいつは今日で会社を辞めるらしく、社長室に行った。

『家の用事が出来てしまい辞めざるを得ません。』

と、社長に詳しく話し辞表を提出し完全に辞めた。
その後、こいつが向かった先は、家ではなく、TSK社の本部であった。
こいつが例の噂のスパイと分かった。良く分かるまでもっと調べようと思い一緒にTSK社の中へ。
TSK社の中は広く、こいつが向かった場所は社長室と書かれた場所。

『報告です!やり手のスパイ、特殊な方法で活動しているが詳細不明、社長以外の社員は誰も知らない。』

と言った。私の能力は社長を含めて極めて少ない人にしか分からないのだ。
一応ばれてはいないと分かった。
こいつがスパイと分かり報告するためこいつが社長室から出て行く直前に持っていた特殊パラシュートでおり、出口へと向かった。

ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

と、急に鳴り響いた警報。この音は侵入者探知の警報だった、
TSK社の防犯装置が作動したのだった。
社員が一斉に走り回っている。踏み潰されそうになるも一生懸命に回避する。
そして、吹き飛ばされた。社員は入っている。足が通った風で吹き飛ばされ、どこかの机に落ちた。

ズシ~ンズシ~ン・・・

何か妙な足音が聞こえてくると思って振り返った瞬間、何かに捕まった。
大きさは人間サイズではないことが分かったがもしかしたらTSK社の特殊警備員とか?
そう思ったが違った。それは同じ会社の潜入していた社員だった。

『大丈夫ですか?』

「ええ。ありがとう!」

私は彼女と同じサイズになった。

「助かったよ。ありがとな。」

「あなたの事は知っています。有名人ですから。余程難易度の高い事をやっているのですね?」

「まあね!」

「私が人間サイズになります。そしてら指紋に隠れてください。大丈夫です。この会社の制服を持っているので逃げ出せます!」

「助かった。ありがとう!」

彼女は大きくなり、私は小さくなった。指の指紋に隠れた私は、彼女とともにゴタゴタしているTSK社を無事抜け出せた。
その後、会社に戻り報告した。社長は今度あいつを見かけたら粛清してやると言った。




おわり