休日。学生にとって自由な日。僕はいつも通り友達と遊ぶ約束をしていた。
場所は、渋谷。それをミユキちゃんに言うと、『着いていく!』と、大きな声で言った。
僕はもちろん電車だが、ミユキちゃんは、歩いていくらしい。



・・・・・・・・・・・

正午。待ち合わせ時間。遊ぶときには時間をきちんと守る友達だ。今日は、僕も合わせて5人いる。

「電車が意外と混んでいたよ。」

「休日だから仕方ない。」

ズンッ・・・・ズンッ・・・・。

どうやら来たようだ。ここは、ハチ公口広場。広場があって周りにビルがある。ビルに囲まれた広場だ。とても広い。
そして、僕だけミユキちゃんの足音がする方向を見る。んん?

『恥ずかしいわ・・・。恥ずかしい・・・。上を見ないで・・・。絶対!』

スカートを押さえながら辛そうに歩いてきた。制服姿だからパンツの事を気にしているのか・・・。

「おい!コウタ!行こうぜ。いい安くて美味しいレストランを案内するぜ。」

「おう!了解。」

しばらくは忘れよう。美由紀ちゃんを・・・。と、思ったが。

『ぎゃああああ!着替えたい!コウタはどこかしら・・・。コウタが見たら承知しないわよ。恥ずかしい・・・。』

誰にも見えていないのに恥ずかしがるミユキちゃん。上を見た通行人を踏みつけているが、存在自体無い足は踏みつけられない。
しかし、僕は見えてしまっている。体の色、服、言葉、感触・・・。全てを見たり触れたりできるので、なるべく上を見ないようにしよう・・・。
ミユキちゃんと、僕らは、100m以上離れている。僕らはあと少しで、レストランに着くようだ。




・・・・・・・・

「どうだ?美味しいだろう。」

リーダー的存在の友達が皆に話しかける。普段このレストランは行列が出来るが、前もって予約して早く入れた。

「おいしいな。これが、500円だとは思わない。」

「だろ!」

確かに美味しい。肉と野菜のバランスも良いし、量も適量。毎日食べたいぐらいだ。

「そう言えば、コウタさ、最近暗い感じがするけど、恋人でも出来たのか?」

「え?出来てないよ。暗くもないし。」

「そうかそうか。それは良かった。てっきり、恋人に振られたのかと思ったぜ。ははは・・・。」

恋人に似た巨人ならいるけど、彼らには話してはいけないし、信じる人もいないだろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「食った食った!この後は、定番のカラオケだ。予約してあるからすぐに歌えるよ!」

昼食の後のカラオケ。人の歌を聞いているときは眠くなってくるのが僕だ。

ピカッ!

暗いところにいたので、外に出ると、とても眩しい。ふと、上を見た。後悔した・・・。


つづく


変な終わり方です。気にしないでください。