上を見るとそこには、ミユキちゃんの大きなパンツが見えてしまった。狭い通りで、立っていてスカートを押さえているも、僕は真下にいたので見えてしまった。
まぶしい太陽の光は、正面のガラスのビルの反射だった。

(しまった・・・。見てない見てない・・・。)

僕はすぐに下を向いた。ミユキちゃんは、このことに気が付いているのか・・・。また上を恐る恐る見た。

クスクス・・・。

僕を見ていた。笑いながらも怒っている顔は怖かった。

「コウタ!顔が真っ青だぞ!どうした!」

僕は、友達のほうに向いた。友達は、心配していた。僕は、「大丈夫!」と、言って歩き出した。
カラオケまで、少し歩く。ミユキちゃんは、僕らを追ってくるのが分かる。大きな足音をたてているからだ。
僕は、見ていない見ていない・・・・・。頭の中で復唱する・・・。





「着いたぞ!」

「安いところだな。ドリンク飲み放題だし、お菓子なども安い。」

「だろだろ。しかも、予約した部屋は、最上階。160mあるところだよ。景色を楽しむために、大きな窓がある。カーテン全開にして歌おうぜ。」

ノリノリの友達・・・。最上階。ミユキちゃんは、160m無いはず・・・。無いよ。歌っている間も見られるのは嫌だし・・・。

「よし行こう。」

エレベーターに乗る。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・。エレベーターの振動が僕の心拍の音みたいだ・・・。凄い怖くなってきた。
パンツを見てしまっただけなのに。

チンッ

着いたようだ。僕らは、指定された部屋に行く。

「おおおおお!すげー!絶景だ。」

「おお!」

窓から見る景色。それは、すばらしいものだった。窓は、渋谷の駅のほうとは反対方向を向いていた。なので、住宅地が多い。
よく晴れているので遠くには、山も見える。高いビルが無いため、遮るものも無い・・・よね・・・。

僕が景色を見ていると、突然、目の前が肌色になる。さっき程からいなかったミユキちゃんだろうか。手を伸ばしているのだろうか・・・。
肌色がなくなるとそこにはとてつもない大きな目玉が!

『どうコウタ?大きくなっちゃたよ。1000mを軽く超えているよ。友達と遊ぶの楽しい?帰ったら私とも遊ぼうね!クククククッ!』

どう言うことだ・・・。ミユキちゃんが、さらに巨大化した・・・。全長は分からないが、顔だけで、このビルくらいの大きさなのだろうか・・・。

「ねえ・・・。カーテン閉めてもいいかな?その高いところが・・・。」

「え!高所恐怖症だったけ?なら閉めな。」

シャアアアアアアアア

僕はカーテンを閉める。ミユキちゃんの顔はもう見えないが、視線を感じる・・・。

「コウタ!次だぞ。用意しろ。」

「あっ!うん。」

そうして、カラオケが終了した。
外は日が落ちて夜の街に。ミユキちゃんは・・・いない。
飽きたのだろうか・・・。

「夕飯食って帰ろうよ。そこらのレストランでいいな?」

『賛成!』

僕以外声が揃った。僕の頭は、ミユキちゃんのパンツを見てしまった時から頭がいっぱい・・・。
皆僕の異変に気が付いているようだ・・・。

「コウタ!気分でも悪いのか?昼ぐらいから、暗いし・・・。帰ったほうが・・・」

「いや、大丈夫。夜の街を楽しもう。」

僕は無理やり、頭から無くそうと頑張る。

「元気が戻ったな。じゃあ行こう。」

着いた場所。一般的に知られているレストラン。僕は数えるくらいしか入ったことが無い。
何を食べよう・・・。





・・・・・・・・・・・・・・・


夜9時。僕らは、朝、集合場所のところにいた。

「今日も楽しかったぜ。また着たいな。」

「来週も違うところに行くか!今度は秋葉原とか・・・。遠くに行ってみるのもいいかな。」

それぞれ、今日の感想と、次回行きたい場所を言い合って、解散となった。



・・・・・・・・・・・・・・

家の近くの駅・・・。疲れた。電車の中で立ち寝をした。家までもう少し、左に曲がる・・・。
あれ?家に明かりが消し忘れかな。

ガチャッ

「お帰りコウタ!」

え?ミユキちゃんが小さくなっている。

グワッ

小さくなっていると言っても、3m以上の体だ。僕を両手で引き寄せて、抱きしめた。

「私ね!体の大きさを自由に変えられるの。その気になれば、地球よりも大きく。でも、この家に帰って、
今、初めて分かったの。私は幽霊じゃないってことを。」

僕は、抵抗しながらも質問した。

「どういうこと?」

「さっき、コウタよりも先に帰ってきたとき、暗かったから、明かりを付けようとして、スイッチを探したの。幽霊だから触れないはずなのに、無意識に触ったら、触れたの。
疑問に思って、テレビの電源を触っても付いたの。私!実現化したのよ。愛しい人の家に入ったら。」

「僕の部屋に入ったら・・・。って、愛しいって事は・・・。」

「ずっと、あなたを見守るわ。」

幽霊があるきっかけで実現化。このことは、本物の幽霊がいる事よりも怖かった。
でも、学校とかはどうするんだろう。死んだと世間は思い込んだのだから、外に出るとまずい事に。

「学校は行かないわ。外にも出ない。この家と、秘密の場所で遊んだりしよう!コウタ。」

「え?はい・・・。」

何か良く分からないけども、暖かい気持ちだ。本物の家族と暮らしているみたいで。

「そうと決まったら、さっそく、渋谷での、私のパンツの件なのだけど、そんなに見たいんだったら見せてあげるわよ!」



おわり






終わり方が3通りありましたが、この終わり方が1番だと思いこれにしました。
最後に言っていた秘密の場所は、秘密です。
読んで頂きありがとうございました。