ある所に、一つの王国があった…………





王国の名はリーム国、大きな国で、その強大さは周辺国を圧倒した。







今から五百年昔、リーム国は生まれた。当時一国の将だった、スミード一世は、腐敗しきった王国に仕えていた。王は暴君で、寵臣は私腹を肥やし、人々は嘆き、悲しんだ。





そんな中、その王国の臣、スミード・グーズヒックは密かに、王の暗殺を考えていた。




グーズヒックは勇敢にも、警備兵を打ち倒し、酒に酔いつぶれた王を殺したのである。





人々はこれを喜んだ。そして、彼に国の王となるよう頼んだのである。





グーズヒックは悩んだすえ、苦しむ人々のため、立ち上がり、スミード一世を名乗り、リーム国を建国したのである。








最初は弱小国であった、リーム国だが、スミード一世の手腕により周辺国を次々と従えていった。







しかし、彼にも寿命はあった。彼は52歳でこの世を去った。跡を継いだのが、彼の息子のスミード二世である。








スミード二世も父譲りの賢帝で、リーム国はさらなる強大な国となる。








スミード二世の妻には、不思議な能力があった。記録によれば、空は黒く染まり、気づけば敵兵が全滅したという。















それからリーム国は発展をとげ、現在のスミード十七世の時代となった












スミード十七世「誰か、誰かおらぬか?」
スミード十七世は、慌ただしい声を上げて、騒いでいた。
リーム国兵「お呼びですか?」
スミード十七世「おぉ、そなたルルミアを知らぬか?」
リーム国兵「いえ………知りません………」
スミード十七世「そうか…………仕方ない、また奴に頼むか………」
毎度の事にスミード十七世は頭を抱えていた。スミード十七世には、息子はいなかった。しかしー一人だけ娘がいた。その娘が毎日のように、何処かに居なくなるのである。
跡継ぎの大切な娘が、危険な目にあってないか、国王は心配でならなかった。
スミード十七世「ユーゼを呼んでくれ」
リーム国兵「はっ!」
リーム国兵はそう言うと、部屋を出た。






スミード一世の腹心にオーズム・テイユと言う者がいた。彼はスミード一世がゆういつ心を許せる人物で、彼の子孫は代々スミード家に腹心として仕えた。





スミード十七世の代にはオーズム・テイクスが彼を支えた。しかし、病がたたって一年前に亡くなっている。そして、彼の息子が跡を継いだ。



それがオーズム・ユーゼである。ユーゼは、スミード十七世の娘、スミード・ルルミアに幼い時から仕えていた。歳は一つしか離れてなく、ユーゼ十六歳、ルルミア十五歳である。


ユーゼ「お呼びですか?」
ユーゼが王の前にやってきた
スミード十七世「ユーゼ………要件はいつも通りだ………」
それを聞いたユーゼは、少々呆れながらも、仕方がないという表情で立ち上がった。
ユーゼ「分かりました」
ユーゼはそう言うと、早々と玉座を後にした















城の付近の川で、一人の少女が釣りをしていた。
髪はクリーム色、長めの髪で、髪の毛はその豊満な胸にあたっている。緑の目をしていて、色白の可愛らしい顔立ちをしている。身長は平均よりやや下………


少女「わぁー、釣れた〜」
少女は夢中で釣った魚をバケツに入れていた
ユーゼ「姫様!」
突然少女……いや、ルルミア姫の前にユーゼが現れた
ルルミア「うわっ!………………びっくりした〜」
ユーゼ「びっくりした〜……………じゃないでしょ!一体何をしてなさるのです!」
ルルミア「魚釣り〜」
ルルミアが無邪気な笑顔を見せる。一瞬ユーゼはその笑顔に負けそうになったが、正気に戻る。
ユーゼ「まったくもう…………お城に帰りますよ………」
ルルミア「え〜」
ユーゼ「帰りますよ!」
ルルミア「ユーゼも一緒に遊ぼうよ〜」
ユーゼ「駄目です、さぁ、帰りますよ」
ルルミア「い〜いも〜ん、強制的に連れてっちゃう」
そう言うとルルミアは何かを言い始めた
ユーゼ「ま、まずい!」
ユーゼはとっさに逃げようとしたが、時すでに遅し
ルルミア「小さくな〜れ!」

















目を開けると周りは柔らかな地面に挟まれている……………いや、ここは…………
ルルミア「あ、起きた」
ルルミアの胸の谷間……………
ユーゼはルルミアの魔法で縮められたのだ。スミード家の女性に代々伝わる魔法…………自分を巨大化させたり、相手を小さく出来たりする。他にも、色々な魔法が使え、リーム国の繁栄に繋がっている。
ユーゼ「………姫、元に戻してください」
ルルミア「やだ〜」
ユーゼ「大体、私の事を胸に入れて…………恥ずかしくないのですか?」
ルルミア「全然、私ユーゼの事大好きだもん」
ユーゼはため息をついた。仮にも若い女性が、男を小さくして、胸に挟むとは………大体好きという意味がわかって言ってるのか?
ユーゼはまたため息をついた。
結局その日はルルミアの気が済むまで遊び続けられ、夕方頃に帰ってこられた