休みも中だるみを抜け終わりに差し掛かったある日、
幼馴染から今日遊びに行くからその時に皮を返せとの連絡が来た。

この幼馴染、世にも奇妙ながら『脱皮』ができるらしく…

なんでも脱皮をする事で自身の身体情報を皮に残し、
その皮を着る事でその脱皮した時点の幼馴染の身体になれるのだとか。

幼馴染はそれを『皮モノ』と呼んでいる。

問題はその脱皮系幼馴染に借りた皮モノだ。
先週末にその皮モノを借りたのだが…正直言うと楽しませてもらった。

元々見知った顔の平々凡々な同い年相応の体付きだ。
はちきれるほどの巨乳を揉むわけでもなし、
好きであれどもそこに性欲が生まれるわけも無し、そう思っていた。

ただの興味本位、興味本位で皮モノを貸してと言ったのだ。

けれどもその同い年の体からか、
自分が女として産まれていたらこうなっていたのだろうか。
柔らかな体は指で押し当てるとここまで沈むのか。
皮と布団に包まれて寝るとここまで気持ち良いのか。
自慰をしてみようか。

と段々ドツボにハマって行き
三日三晩、いや休みの期間ずっと皮モノを着込んで
食欲・睡眠欲・性欲を満たし生活していたわけである。

とするとやはり皮モノも汚れるわけで…
着込んだまま身体を洗うのも良いが、皮モノの内部も洗わなばならぬわけで…

いくら皮モノが体液を吸収するかとてそこはそこ、
自慰に塗れたモノを幼馴染にそのまま返すわけにもいかず
適当な洗剤と合わせて洗濯機に放り込んだわけである。

そこが間違っていた。

午後少し前の眠たげな陽気の中、洗濯機のアラームが聞こえ…
さて干そうかと思った矢先、蓋を開けると

そこには20cmほどに縮んだ皮モノがあった。

一瞬、何なのかと視認できなくなり手に取り触る。
けれどもこの感触は…
確かに…確かにこの休みの期間共に過ごした皮モノの感触だった。

…洗濯機で洗ってはいけないモノだったのか。
まるで収縮された毛糸のセーターの様に縮んだ皮モノは
一見、以前とは変わらず然してその大きさは赤子以下。

試しに伸ばそうかと両腕をA4用紙を伸ばす時みたく掴むが…ビクともしない。
それでも少し軋(きし)む音はするが…破けてしまうのではないかとあまり深入りはできない。

さて…困った。
借り物なのに縮めてしまうとは…。
今日この皮モノを取りに来るというのに…。
あの脱皮系幼馴染はあれでも現金だ。
貸したはずの皮モノになにかあれば地味に手痛い貢ぎ物を要求されるであろう。
それが高級ケーキであれ…なんであれ…。

どうにかして伸ばせないものか…。

手当たり次第押し伸ばす様に指を這わす…と、おや?
背中の裂け目が少し伸びる。

元は皮モノを着る為の裂け目だからか、着やすいように少し伸縮性があるようだ。
とするとふと…内側から伸ばすのはどうだろうか?と思い付く。

試しに裂け目から右手人差し指を手の方に入れこむと
グイィ…ッと指の形に皮が伸びて行く。これは…当たりだろうか?
続けて右手中指、薬、小指…親指と丸々入れるとグイィ…ッと、やはり手の形に皮が伸びる。

けれどもそこは皮モノの特性からか
ギュッと指に皮が絡み付き吸着…収縮し…
幼馴染の身体に作り替えようと皮モノが呑み込み続け…一回り、二回り小さな手に…。

いやしかし…伸びている!伸びているぞ!
確かに…確実に…ある程度は…伸びているようだ!

突っ込んだ右手を引き抜き無事を確認すると、皮モノが少し…伸びている。
けれどもまだ伸びしろが足りぬ、伸ばさねば。

となればベッドに仰向けに横たわり、
さて…皮モノを伸ばす為に着込もうかと手に取る。

まずは…足からだろうか?
僅か20cmの皮モノの背中の裂け目に足を通せるか…?とは思ったが
案ずるより産むが易し、右…左…と足がグングン呑まれて行く。

とすると、皮の末端、足の部分がグイグイと伸び足が浮き出る様に伸び…
それを感知した皮モノが足裏をくすぐる様に吸着…収縮を…繰り返し…
皮から浮き出た足が…細く、小さく、幼馴染の身体になった足となる。

それからだんだんと身体を押し潰すように
皮が下半身を呑み込み伸ばし小さくし…へそまで来た。
…ははっ、傍から見たら上半身が無いように見えるなこれ。

しかし…これで少しは伸びただろうか。
どれ、脱いで確かめるか…と起き上がろうとすると…
そうだ、身体を支える下半身が小さくなったから…
下半身で支えきれずゴロンと転びベッドからぬるりと落ちる!

痛ッ………くは思ったが、はみ出た布団と共に
転がる様に落ちたためかそこまでダメージは無い。

幸いにも…上半身の自重(じじゅう)で下半身が潰れる事は無かったようだ。
本当に頑丈なんだなこの皮モノ…でも早く脱がないと…。

へそまで包まっていた皮が…もう胸まで登り…
小さいながらも…ぷくっとふくよかな谷間を形成しつつある…。

ジワジワと…呑まれ…収縮されて行く身体は気持ち良くもあったが…
元に戻れなくなるのではと焦燥感が湧いて来る…。

急いで…脱がないと…。
手をかけ…下げようにも…あれ?上手く下がらない…。
幼馴染の皮モノの吸着力が…剥す力を上回っているのだ…!

もはや右手を引き抜いた時のようには行かない。
逃げようにも身体は裂け目に呑まれてしまった。
必死に裂け目を広げ、これ以上呑まれないように…するがそれも時間の問題だ。
助けを呼ぶともあらば今日来ると言っていた脱皮系幼馴染か…!

ただその望みもなんとやら、首回りをグッと呑まれ収縮されると
裂け目を広げた手がツルッと滑り、両腕は瞬く間に枯れ木のように小さく成り果て…。
頭もグッと皮モノの裂け目に呑まれ…潜り込むとそこは暗黒の世界。

けれども…ギュッギュッと皮が貼り付き包み込み…。
微かな光を捉え…眺めていると…視界が開け…。

いつの間にか巨大な掛け布団の上に居る事に気が付いた。


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う…やはり…とは思ったが…
皮モノが縮めば、その中に入る身体も縮むのか。
自分より頭半分小さい幼馴染の皮に入った時も僅かながら縮みはした。
しかしこれほどまで縮むとは…思わなかった。

背中の裂け目から出れないか、と触れるが…。
ダメだ、脱げない。皮による吸着力が強過ぎる。

そうだ、身長は、皮はどこまで伸びたのだろう。
元々はそれが目的だったはずだ。
ある程度は伸びているといいが…。

周りを見渡すと…。
手をかければ登れそうなベッド、
等身大のペットボトル、頭五つ分高い扇風機…。

あまり…大きくなってはいない。
一回り、二回り大きくなったくらいで…。
30cmくらいだろうか、ぬいぐるみくらいの身長だ。

なんとか…ここから伸ばせないだろうかと
グイーッと伸びをしたり屈伸、前屈、身体を伸ばしたままゴロゴロ転がる…。
と、ペトペトと女の体になった胸が潰れてはたゆんと元に戻り小恥かしい。
そういえば…幼馴染の体だったな…。

思い返せば良い奴だった…。
この皮を借りる時も、絶対自分という男が入って
幼馴染の身体を味わうことが分かりきっているのに一切嫌な顔をせずに貸してくれた。
いやそれどころか好意的だったまである、まるで…皮モノに入ってくれと言わんばかりな…。

自分の能力を自慢したかったのか、
それとも自分の能力を理解してほし…く…て…。

…ん?

玄関口廊下の扉の一筋の隙間、
その隙間から人影…を伴う好奇心に満ちた片目がちらりと見えた。

そちらの方に目線を向けると…
ややっしまったーとばかりにすーっと隙間が閉じて行く。

…。
けれどもこちらから何も行動を起こさないでいると…
仕切り直しとばかりにガラッと扉が開き「おや?」と
まるで珍妙な物を初めて見たかのような素っ頓狂な声が聞こえて来る。

脱皮系幼馴染だ。

「ははっ…面白そうな事してたから…覗いちゃった」
「えーと…どこから?」
「足を…突っ込んだ時からかな?」

うっ…初めから見られていたのか。
それならそうと助けてくれてもよかったのに…!

「いやー…それにしても小さくなった皮モノを着るとか度胸あるね…
えーと…元に…戻りたいよね?そうだよね?待ってて、今、用意するから」

えっ元に戻れるの?と聞く間も無く、待て!のハンドサインから
トタトタと今来た扉を戻り…おそらくはバスルームの扉を開ける幼馴染。
どうやら幼馴染はこの縮んだ皮を元に戻す方法を知っているようだ。
皮モノが縮んでしまった経験でもあるのだろうか。

そんな幼馴染が持って来たのはドライヤーだった。
熱風を…髪に押し当て…乾かすドライヤー…嫌な予感がする、逃げなくては。

片足を翻すがいや、逃がさないと胴ほどの大きさのある手が巻き付き
ふわっ…と体が持ち上がるとそこはもうベッドに腰掛けた幼馴染の太ももの上。

『動かないでねー』と頭から降りかかる声を皮きりにそれは始まった。
ドライヤーをカチッとスイッチを『弱』に押し込むとゴウゴウと噴き出す熱風の塊。
…大丈夫だろうか?幼馴染がやるのだから気を使ってくれるとは思うが…。
こんな小さな体にこれだけの量の熱風が降りかかって煮えたりしないだろうか?

がしかし、いざドライヤーをかけられると…ひどくぬるい温風が当たり気持ちが良い。
どうやら…幼馴染が指をまばらに動かし、熱を上手く逃しているようだ。

「どう?気持ち良い?」と尋ねられれば「気持ち良い」と答えるしかできなかった。


幼馴染の太ももの上、ごうごうと当てられるドライヤーも
熱くはなく、ぬるく身体を這い回り温め続け。
そして時たまサラサラと髪を手櫛で掻き分け温められては整わす。
まるで人形気分。幼馴染もういういと鼻歌を歌い楽しそうだ。

まだ…身体が大きくなる予兆は見せないが…。
どうも…身体だけでなく心も温かくなってきて…。

けれどもやはりこんな事を…
母親が子供にドライヤーをかける様に幼馴染にされるのは…。
男気に欠けるというか…。小恥かしく…。
さらには自分は今、女体で裸でもある。

せめては…と胸を押さえ…股を隠すが、ふっふーんと声が。ああ…早速バレてしまった。
悪戯心を感じ…丸くなり抵抗を試みるが…。
「私の体だから見てもいいでしょー」と両腕を摘まみ上げられれば
もはや抵抗はできず宙ぶらりん。

さて、皮モノに入った男の末路でも見てやろうかとイタズラな目をした幼馴染は…。
瞬時に変わり、驚愕の目の色を見せた。

「あれ…胸…私のよりデカくない?」
ふと…気付く。気付けば…胸がいつも皮モノを着た時より幾何か数段デカい。
何故だろうか。縮んだ皮モノに入るとこうなるのだろうか…?

「へ、へぇー…これが…巨乳…ね。
ねぇ…参考にしたいからもうちょっと見せてよ…。私のも見せてあげるからさ」

太ももから机に置かれたかと思うと、幼馴染の背中からパチンと鳴り響き
シャツをめくり…ブラを取り外すとぺたんと机に乗せられる幼馴染のなまちち。
皮モノで見慣れながらも…その本物の幼馴染の乳は神々しく…デカイ。
神は人類を己の姿に似せて作ったと言うが…今の幼馴染がその神であろうか。

「ね!ね!触らせてあげるからさ…!
触らせてよ…!君のこと…!おっぱい比べしようよ…!」

少々少女趣味に…自己愛性に目覚めそうな脱皮系幼馴染を前に…。
これから自分はどうしたらよいかしばし思案に耽るのだった。