(TSF要素無し皮モノです)

特にこれといった行動を起こすでもなく
ただ部屋のビーズクッション相手に怠惰にふけっていた時の事だ。

どうも起きて何かする気力も無く、
かといってベッドまで這い上がり寝る気力も無い。

ただただビーズクッションに体重を預けこのまま寝てしまおうかと
部屋の光をリモコンで消したその時だ。

…何か
……何処からか光が漏れている。

床を背に、地べたに這いつくばるように寝て
視界が低くなった所為で見付けたのだろう、
ベッドの下の壁からどうも微かな光が漏れている。

何だろう…と好奇心は身体を動かした。

幸いベッドは収納用に少し高めに作られていて
ベッド下の隙間に潜り込む事は難しくない。

這う様にその洞窟を潜り光の光源たるものを見つけようと目を細めると…

見つけてしまったのだ、穴を。

いつから…いつから…こんな穴が出来てしまったのだろうか。
昔からあったのだろうか、もし最近出来たものだとして大家さんにバレたら…
と穴をしばらく眺め続けていると…どうも音が聞こえる…
どうやらこの穴はお隣さんの家に繋がっているようだ。当たり前か。

お隣さんは確か…
下の階の片隅にちょこんとある古着屋・アンティークの店員さんでもある。

自分は決まって裏口から出てその店を見るのだが、なかなかどうして暖色系の懐旧的(ノスタルジック)な内装で、中を推し量るほどの白い光量は無くブランデー風味のオシャレな店にも見える。

そんなお隣さんは朝、決まって店の前で掃除をしていて裏口から出て行くと決まって笑顔で挨拶をしてくる。
それに挨拶を仕返すのが自分の日課になっていた。

そんなお隣さんを覗ける穴が目の前に…とは思うものの理性がそれを止めにかかる。それはイケナイ事であると。

しかし…しかし暇に蝕まれた身体は病気とも言える倦怠感を催し特効薬となる刺激を求めていた。

つまり暇な日常と…
どこか違う日常を覗いてみたくなったのだ。

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結論から言うとここ数日で自分の覗き行為はエスカレート…こそはしなかったがドハマりしていた。

覗き穴の位置が良いポイントに空いてたのもあったのだろう。

覗き穴から見通せる視界は常にローアングルで、常にお隣さんが上位生物として君臨し低い視界の自分に気付きさえせず日常生活を送っていた。

そのような特異性のある光景に心惹かれたのだろう性欲が高ぶって抜きたくなった時には穴の前で横たわり覗き、自慰行為をしていた。


そんなある日のことだ。

今日も今日とて覗きをしようかとベッド下に潜り込んだ時のことだ。

おや…?と違和感を感じる。
覗き穴に何かが埋まって…僅かにシワが見える…これは布だろうか?

どうやら布はお隣さん側から貼られていているようだ。
さぁ困った、覗けない事は元より穴がバレてしまったのではないかという心配も湧いて来た。

しかしけれどもアレは覗き穴の先に単に物が置かれていただけなのではというどこか楽観した考えがあるのも事実。

何はともあれ調べてみようか…覗き穴の布を。
幸いお隣さんからは人の気配がして来ない、調べるには絶好の機会だ。

さてまずはと布の感触を確かめる事にした。
つーっと人差し指の指先で触れると冷えたやわっこさを感じる。
確か大福系のアイスにこんな感じの生地…生地?いやこれは…皮、そうだ皮の感触がする。

へぇ…なかなか…なかなか…良い触り心地じゃないか…と。
そのまま皮の心地良さを確かめる様にグリ…グリ…と指先で掻き回すとこれは…これはよく伸び吸着して来る。

いったいこの素材は何なのだろうか?

触り心地から生き物の皮にも思える…がここまで吸着し伸びる皮は今の今まで見た事も触った事も無い。

と、伸び続ける皮を見て思った。
おや?これはどこまで入るのか?と。

触り掻き回せどもその終点、つまりは皮の張りとなる部分まで指が到達していないようにも思える。

まるで皮に呑まれるように指は吸着し、気を抜けば身体ごと呑まれそうな皮の底。
もう、人差し指の根本まで呑まれ試しにと引き抜いて今度は中指、薬指、あるいは右手全部と小さな穴に『これは入らないだろう』と思える体積でも入る入る。

おや、これは面妖な。
おそらく人間の技ではあり得ぬ。
なんなのだこれは、と。

けれども突如現れた日常の綻び、超常現象への好奇心にドキドキして来た。
いったいお隣さんは何を仕掛けたのだろうか?

と、そんな時だ。
掻き回していた指が何か…穴を見付けた。
穴…と言っていいのだろうか、けれどもそれはどこか他の吸着し伸びる皮の壁と違って奥行きがあり…どこか…それが終点のようにも思えた。

ここまで手を入れ込んだのだ、今さら躊躇するかと穴に指を突っ込むとこれまでに無いほどギュウッと吸着して来る。

いや…違う、手ごたえを感じる。今まで伸ばすだけだった皮が指に吸い付き、ここが終点とばかりに四方八方から吸着して来るのだ。

ヒヤリ…と、これはこのままギュウッと吸着され続けては指が潰れてしまうのではないかと背筋が冷えたがそんな事はなかった。

どうも…感触としては手を引き抜けば引き抜ける気がする、けれどもこの指を通した穴をまた探すのは面倒なので…そのまま…手先の次、腕を入れ込む事にした。

腕…は難無くすんなりと入った。
途中、人差し指を入れた穴以外にも穴があってこれまた他の指を入れたのだが…指の数に対応するように穴が開いているのだろうか?

腕…肩…と右腕全てを入れ込むと…さて、左腕も入るだろうかとここで悩む。

しかし入れ込むと入るものだ。
右手、右腕、右肩も吸着し呑まれて行く。

だとすると次は頭だが……。
おそるおそる入れ込むと痛みも無くスムーズに入る、息も出来る。むしろ吸着して貼り付く皮が心地良くもある。

そのまま首、胸、胴…と呑まれるように吸着されていると気付いた。

これは…皮に落ちてしまうのではないかと。
皮の先、終点となる穴の部分に指を入れ込んでもまだまだ空を切る感覚がする。

試しに皮越しに手で地面を触って確認しようにもまたしても空を切る感覚がするだけで地面と言える足場の感覚は無い。

本当に大丈夫なのだろうか?お隣さんがそんな物騒な物を仕込むとは思えないが…少しリスクを感じもする。

が、しかしここで気が付く。
身体を引っ込める力より、皮が上半身を吸着する力が強い事に。

腕を垂らした上半身を重力が引っ張る力もあるのだろう。
ぬるっ…ぬるっ…と身体が呑まれて行く感覚を感じる。
何か取っ手等の支えがあれば引っ込められるのだが…やはり手は空を切るばかりだ。

としたら飛び込むしかないか…と決心を決める。
さて…鬼が出るか蛇が出るか…果たしてこの皮は何なのか…?

好奇心と冒険心、ほんの少しの恐怖心を抱え『ぬるり…』と転がり落ち込むように身体を倒したのだった。

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皮にぬるりと落ちる…落ちる…が先が見えない。

一面全部が白い皮の底に落ちようとしているのにだ。落下感はあれどもその白一色の景色が続くだけで先が見えないのでどうも奇妙な感覚に襲われる。

けれども全身に皮が吸着した頃か、手足の先から空気を感じると…ポテッと地面に転がる様に落ちる。
今までの落下感による衝撃など微塵にも感じさせないほどの軽い音だった。

皮…は全身に吸着しむず痒さが多少はあるもののやはりしっとりと快適に張り付いている、いったいこれは何なのだろうか?



さて…と、と。
周りを見渡せどもやはり皮が目前にあるからか1面全部が白いだけで何も見え…ん?何か…何か…一色違う点が見える。
その点の方に顔を持って来ると先ほどの皮に空いた指の穴の如く吸着して来て…顔をすぼめられる感覚がしながらも点が大きく…大きく…色が付いて来て…パッと瞬きをすると白一色だった視界から一転、多色の世界に行き着いた…。


ここは……お隣さんの部屋だ!

と、覗きで見た光景が眼前に広がっている。
やはり皮のトンネルを通してお隣さんの部屋に来てしまったのかと、腰を起こして立ち上がろうと思ったのだが…おや?視界が上がらない。

いや…むしろ視界が…低く…大きく…広がっている感覚さえある。

それに引き換え感じるのは、いつも覗きで見ていたお隣さんのベッドまでの距離感と巨大感。

の前に、鉄格子が…?

いや…周りを見渡すと滑車にプラスチックの家に給水器…?
なんだこれは…いや、ハムスターハウスである事は分かる。

しかしこれは…自分が入っている…?
自分は…小さくなったのか…?と、
プラスチックの家と背を比べると…まだ自分の方が頭一つ分大きい…がそれでも元の身長と比べると小さい。

ふと手足を確認すると…自分の身体なのかと思った。しかし手足を動かせるのであるから自分の身体なのだろう。

けれども…けれどもこの肌は…きめ細かい綺麗な肌をしている。先ほどまで皮に包まれていた影響だろうか?その肌は先ほどまでの皮と同じくしっとりと心地良い感触をしている。

いや…これは…脱げるのだろうか?とつねると伸縮性のある皮の様に多少は伸びる…が、手足に吸着した部分から剥がれる事は無い。


小さくなった身体と、身体から離れない皮。

これは…これはまさか…皮に包まれ圧縮されてしまったのではないか?と仮説を立てた。

これは…元に戻れるのだろうか?と不安に駆られるとつーっと背中側から皮に入り込むように空気を感じる…これは…皮の切れ目があるのではないだろうか?

ペタっとへたり込み皮の切れ目を探すため背中を手触りで触って行く。
と、ここで気が付く。局部…つまりは自分の陰部にまるで何も無い事を。つるっとした局部には辿る穴も盛り上がるものも無い。

本当にこの皮は何なのだろうか?
いやそれより何故お隣さんはこんな物を持っていた…?
そして…この貼り付けた理由は…

と、ここで自分の置かれた状況を思い出す。

自分はお隣さんが設置した皮によって圧縮され小さくなり、ハムスターハウスに捕獲されてしまったのでは…?

ゾクリとした。
か、帰らなくては…。
お隣さんが帰って来る前に帰らなくては…!

覗き穴からお隣さんの生活を覗き自慰をしていたのだ、それが…その覗き穴に皮を設置したという事は…覗きがバレているという事…!

逃げる…にしてもハムスターハウスだ、出口は外側から固定されてハムスターハウスからの出口は無い。

とすると先ほど抜けて来た覗き穴が唯一の出口になるわけだが…。

高い…。

元の身長なら膝を抱え込んだ体制でちょうど見れるほどの良い覗き穴だったはずだ。
それが…今では天高くそびえるほどの高さにある。

ハムスターゲージの格子のそのちょっと上に覗き穴という唯一の脱出経路がある。ただそのちょっと上が自分の身長で届くかどうかという頃合いだ。

けれども逃げねば、と格子を掴んだ時…ガチャッと玄関の方から…お隣さんが帰って来た音が聞こえた。

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友達の家で見たハムスターを思い出す。
奴等はこんな思いをして脱走しようとしてたのかと、格子に登り鉄棒に掴まる姿に可愛いと思っていたのが嘘のようだ、今ではアレは命懸けの行為だったのだと確信できる。

冷たく…金属とメッキの感触がする格子は掴む為のものではなく閉じ込めた生物を幽閉する為のものと理解しながらもその冷たくヒヤリとする格子に掴まり登った。

が、しかし危惧するべきは皮だったのだ。
そのしっとりと柔らかい皮は、緊張で汗ばむ手の平を滑らせ落とす。

玄関からの足音は一歩…また一歩と部屋に近付き…またその音が聞こえるたびに手の平が汗ばむ。

そして皮は汗ばんだ手の平を滑らせ落とす。

これは…詰んでしまったのでは?と確信した。
ヨロッ…と零れ落ちハムスターハウスに敷かれたチップの上に倒れ込む体。
と、ギィッと開くこのお隣さんの部屋のドア。
思わず心臓がドクドクと高鳴ると思わずプラスチックのケースとも容器とも言える家の中に入った。それが無意味な事と知りつつも多少の安心感は得られたのだ。

と、お隣さんの声が聞こえてくる
「おやおや〜?皮が剥がれているぞ〜?覗き魔くんはどこにいるのかな〜?」と

バレていた。
まぁそれは想定内だ。
と、予想が的中した安堵に浸かるまでもなくふわっと身体が…いや…プラスチックの家ごと浮き出す…あぁ…年貢の納め時か。

チラッと丸型の穴から外を見渡すとお隣さんの四肢がチラリと見えて…ローアングルから覗いてた頃を思い出し性欲がムラムラと湧いて来た。あぁしかし悲しいかな今からされる事はその贖罪となるわけだ、覚悟だけは…覚悟だけはしておこうと覚悟した。

と、今度はお隣さんの瞳が見えて…発見された。あぁせめて痛いものではない事を祈る。

「おぉ〜見事に…見事なまでに小さくなってるね〜で、弁明は?どうして覗いちゃったのかな〜?」
「うっ…その…特に言い訳となるものはございません…」

プラスチックの家越しに聞こえるからだろうか言葉と共に家が震えて妙な威圧感がありどうも罪悪感と共に萎縮してしまう。

「言い訳無し…って事はしてたんだ、エッチな事」
「それはその…ちょっと」
「へぇ…どんな風に?」
今度はこれまた逆にお隣さんが覗き

「今度はこっちが覗いちゃおうかなー。」
穴から覗き込みこちらを視姦してやろうとの体制に入った…が、ん?と頭を傾げる。

「キミ…まだ皮に入り切れてないね」

皮に入り切れていない…?どういうことなのだろうか?

バチリ!とプラスチックの家の側面からハメ込みを外す音が聞こえパカッと屋根が開き…お隣さんと御対面。

「あーやっぱり、まだ入り切れてないよ。まだちょっと大きいし」

小動物の扱いに慣れているのだろうかお隣さんは掴むでもなく、すくうようにこちらを持ち上げて来た。
ここで…暴れては友好的な関係にならないだろうと静観しているとくるりとうつ伏せに寝かされて鷲掴み。がっちりホールドされるとまじまじ背中を見られて、身体の前方から感じるお隣さんの手の平の温もりと合わせて少し恥ずかしい。

「本当はね、君はこの手の平サイズになるはずだったんだけど…ちょっと大きいなー。うーん入り切れてないし改良が必要かなー…」

………これ以上小さくなるはずだったのか。手の平に収まるくらい…だとすると今の半分くらいの身長というわけだろうか。
小さくなればなるほどその非力さは増して行く、皮に入り切れてないという事は幸運だったのでは、とそう思った時だ。

「じゃっ調整してあげよっか」

…おそらく調整とはイントネーション的に皮に入れ込み小さくするという事だろう。
思わずガッと腕を立て身体を起こそうとすれども鷲掴みにされた手前起きれるわけもなく力無く介錯に身を委ねる。

するとクチュクチュとお隣さんの口内から水の音が聞こえて来る。何をするつもりだろう?と思った矢先だ。

「んべぇ」
と、ヨダレを垂らして来た。

ネトリ…と背中から生暖かいヨダレが垂れて来る感触が伝わって来る…?

いやこれは…背中の皮の切れ目にヨダレを流し込んでいるのではないか!?

ネトリ…と背中の皮の切れ目から流し込まれたヨダレはそれこそ皮に包まれ忘れていた自分の肌にぬるぬると這いずるように全身くまなく刷り込んで来る…!

とすると今度はなんだろうか。
お隣さんは人差し・中指二本を使って背中の皮の切れ目を抑え押し…ズルッ…ズルッ…と前後に押し引き身体を揺らして来る…!

たまらず歓喜にも似た悲鳴をあげたのは自分の身体だ。ぬるぬるとヨダレで染まった身体は潤滑油にも似たソレに前後揺らされまるで全身ローションで塗りたくり床オナをしている状態にもなり皮で包まれた陰部がズルリ…ズルリ…と皮相手に擦り付けられる…!

「その皮はね、体液を吸い取るから出しちゃってもいいよ」
お隣さんは冗談交じりにこちらを弄ぶように言ってくる…!

出しちゃってもいいとは言われても…!と頭で思う中、妙な気配を感じ取る。そう、皮の吸着具合…いや…圧縮具合だ。

前に身体が押されるたびギュウウッと手足、身体全体が圧縮されては引き際にガクンッと視界が下がる。

今度は身体が後ろに引かれるとギュウウッと締め付けまた押し際にガクンッと視界が下がる。

とすると…背中を抑える指の感覚が…少し…また少し…大きくなって行く…。

前後に押し引きされるたび皮が身体を圧縮し小さくしているのだ。

「ほらほら小さくな〜れ」
気付いた時にはもう遅い、前にギュウウッと締め付けられては後ろでギュウウッと締め付けられ小さくなる。

背中に当たる指が2本から1本に、その1本までもが身体の背中の大きさと同じになろうかという大きさになった時、皮からの締め付けは無くなる。

手の平に残されたものは、少量の唾液と汗ばんだ手の平。それと皮に締め付けられ圧縮された小人の姿だった。

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「お隣さん…これ…脱げるんですか?」
「んー?脱ぎたい?元の身体に戻りたいのかな?覗きのお仕置きはまだまだこれからだけど?」

「いや…それもありますけど…」
「おやや〜?もしかしてその皮、気に入った系かな?」

「まぁ…ちょっと」
「ふふ〜ん、そうだよね。その通りだよね。なんせ私が作ったやつだからね〜欲しいならあげちゃうよ、それ」

「え!」
「ただ〜キミには手伝って貰う事があるからそれ終わったらね〜」

ドン!と箱が置かれた衝撃で思わず身体が宙に上がった。

中身は…どうやら人形の服にミニチュアの家具、ドールハウス…それと得体も知れぬ人間半分モンスター半分の皮の山。

「それじゃあ…最初はどうしよっか?人魚の皮…は絶対するとして…アラクネ…はちょっとレベル高いか、いややっぱり初心者だからオーソドックスに女体化で…」

どうも変なこだわりのある人に捕まってしまったようだ。
穴もお隣さんがワザと開けてしまったのではないかと聞くと案の定そうだったようだ。

ゆるりと、
横たわり今まで覗いていた穴から見た景色から一歩進んだ景色を眺めると『これまた悪く無いな』という気にもなってくる。

皮に包まれた穴から好奇心交じりにそう覗いていた。