最後に日の光を浴びたのはいつになるだろうか。

確か自分は朝食を済まし、
日課の薬草を摘みに道を通りすがら毎日会うアルウラネから色目を使われるもそれとなく受け流し、
薬草を摘み取った後はお気に入りの湖畔で涼まりながらのんびりするつもりだった。

けれども今日は多少運が悪かったようで妖精種に出会ってしまった。

最初はフェアリーかと友好的に且つ身構えて陽気に挨拶をしたのだがどこかおかしい。
おおよそ気の向くままに生きるフェアリーとは違った堂々とした自信、
イタズラ心を覗かせる鋭い瞳、粘り絡みつくような扇情的な飛び方…

ここで私は合点が行った、こいつが最近噂に聞くピクシーか、と。
近くの町の知り合いによると最近この平和な森にピクシーがやって来たらしく、
お婿さん探しかも知れないからお前も気を付けろよ、
もしかしたら小さくされて丸呑みにされちまうかもと注意された矢先に出会ってしまうとは。

「えへへー、お兄さんどうしちゃったんですかー」

そんな不安を察してかまるで人間に馴れてるかのように小さな体をすり寄せ指から腕へと流れるように動き…
いつの間にか手乗り文鳥の如く自分の肩を椅子にして耳に囁くように小さくなーれと語りかけてくる。人間を小さくする呪文だろうか。

その甘い声にクラクラしてだんだんと眠くなって…
「やったー今日はこいつで遊ぼう」
と見下ろし気味で言われた言葉を最後に意識が無くなってしまい今に至る。


起きた時は狭く暗く蒸してはあるがどこか安心できる空間に居た。
ああ自分はピクシーに小さくされてしまったのか、
これから慰み物になってしまうのかと
ぼんやりと二度寝の頭で考えていたが恐怖感は無かった。

まどろむ気分でこの空間を触感でまさぐり探索してみると、
なるほど人間が堕落しそうな空間になってる事が分かった。

壁は手で押し込むと仄かな温かみを伴いながら低反発で押し返して来て寝るには適している。
頭をまどろませるこの匂いは微かながら魔物娘が媚薬としてよく食べる妖果の甘い匂いがして、
柔らかい壁から聞こえる心臓の音と共に心地良くなって今にもまた寝てしまいそうで、
やはり自分はあのピクシーのどこかポケットの中に居るようだと理解できた。

試しにトントンとピクシーに意思表示するかのように壁を叩いてみると
「あとちょっとだよー待っててねー」とポケットに指を突っ込み頭を撫でてくる。
ピクシーの指がこの大きさだと自分は今、ピクシーにとって小指ほどの大きさだろうか。
子供扱いされてるようで小っ恥ずかしさが残るが、それと共に甘えたい気持ちも湧いて来て更にそのに甘えたい気持ちに恥ずかしさが噴き出し頭がトロトロしてくる。

悪いのはこの空間、この状況であって、甘えたい気持ちはどうしようもない。
どうせならこの体験を存分に味わおう。
これが最後かもしれないしと柔軟な肌のベッドに身を預け
揺り籠がたゆたうように左右へと体を揺らされながら気持ちの良いまま
ピクシーはこれから自分をどうするのだろうとドキドキしながら眠りに入った。

この時点で察しておくべきだったのだ、
相手は優しいフェアリーではなく悪戯心満載のピクシーだってことを。



ドアの音が聞こえ、指で摘まれポケットから手の平へ放り出されると途端に外気のヒヤリとした空気で浅い眠りから起きてしまったが、
寝ぼけ頭でまだあの温もりが欲しいと思ったのかピクシーの手の平から感じる温もりを求めようと大の字になり惰眠をむさぼろうとする。

「あちゃー…これ心の底から堕ちちゃってるよー…魔力強すぎたかな?それともそんな素質があったとか?」

そんな事を言いながらウリウリと人差し指で転がすように触って来たピクシーのおかげでようやく眠気が晴れて来た。

今まで小さいのもあって気にならなかったが手の平から見上げる巨大なピクシーを改めて見ると
確かに可愛いがどこかフェアリーとは違った狡猾且つ笑みが妖しく光る印象を受ける。
服もやけに単色で青が鮮やかでどこかフワフワとしたフェアリーとは大違いだ、
胸と胸の間にポケットがある特殊なつくりであるが自分はあの中に居たのだろうか。

「へへへーこの服分かる?今ピクシー界で大流行中の服で人間一人が丸々住めるんだよ?
服の中に居ながら授乳できるしパンツの中に入れるしエッチできるし、住む?」

「えらく魅力的な提案だけど今回はいいかなぁ…」

なんてことだ…こんなものが魔物の間で出回っているのか…
やっぱりサバトで組織力の有るバフォメットが
要望に応じて作っているのだろうか…甚だ疑問であるが…

「実はお兄さんで2人目なんだよ?この森で捕まえたの。
でも最初の人は暴れてうるさくてバフォメットちゃんにあげちゃった。
それで貰ったのがこの服で…気持ち良かった?」

先人に合掌、サバトに売られたからには徹底的な調教をされるとか
聞いた事があるが小人のままそれをされるのかと思うとああ想像するだけでも毒だ。

「でね、お兄さんにはエロい事して貰うんだけどいいかな?いいよね?」

同意は聞いてないかのように優しくではあるが決して動いて逃げないように堅く握り持ち上がる自分の体、
そして地面にコトンと降ろされたと思うとそこは四方八方が透明な壁に囲まれた瓶の中。
蓋口がはるか上にあるので自力では脱出できなさそうで、
ピクシーの悪戯に徐々に追い詰められていく感覚がハッキリと理解できた。

「待っててねー」という声としゅるしゅると服が擦れる音が聞こえる…
この音はパンツを脱いでいる音だろう…とするとああやっぱりこの体格差でやるのかと
予想はしていたがいざ本当にピクシーに丸呑みにされるとなるとやや体が強張ってしまう。
多少堕落したような感覚があるがやはりそこは捕食者と被食者のような関係で、
魔性からの快楽という期待感と一緒に魔性に呑まれる恐怖感があるのである。

けれどピクシーは一本の水筒だけを持って席に座り、
はてこれから何が起こるんだろうと疑問に思った顔をしていると
ピクシーがニヤニヤと瓶の縁に水筒を宛てがいつつーっと青い液体を流し込んできた。

「これねー、スライムの子から貸して貰ったスライムの欠片。
意志は無いんだけど精の匂いを嗅ぐとどこまでも追い回しちゃうんだよ」

と、確かにそう言った。
なるほど確かにジワリジワリとこちらに向かってくるような気もするしネチャネチャと
性欲を掻き立てるように動く様子から確かにスライム娘の一部であることが理解できる。
そしてまさかとは思ったがやはりそうだ。
このピクシー、自分をスライムに襲わせてそれを楽しもうとしている。

「昔から小さいものいじめるのが好きでさー、
自分でやるのもいいけど
こうやって小さい者同士がエロいことするのを見るのも好きなんだよね」と
興奮気味に顔を火照させながら屈託の無い笑顔で言い切る。

それはどこか子供のように純粋でありながらも残酷な行いで…
今にも自分がその餌食にかかるだろう事が予感できる顔だった。

「いいねー、そのいかにもやせ我慢してますみたいな顔。私興奮してきちゃった…」
と言うやいなやピクシーの下からグチュッグチュッと
深く鈍く聞こえてくる…やっぱり小人をオカズにするピクシーなのか…

「へ、変態だなあんた…」
「大丈夫、あなたもそうしてあげる」

水筒から徐々に侵入してきたスライムは瓶の中の底に溜まり、
足元ではスライムがひしめき合い合成しながら
足を這って昇り今にもズボンのベルトに手をかけようってところを何度も何度も払い除ける。

しかしこれでは時間の問題だろう。
半ば諦め半ば抵抗しようと抗いながらピクシーを見ると
ニヤッと笑いながら自慰をしていた指を艶めかしく目の前に差出し、
ニチャニチャしながら煽ってくる。

普通でも魔物の愛液は人間にとって目に毒なのに、
小人の自分から見るとまるでその愛液が自分を絡め取ろうとしているかに見え、
ますます欲望に耐えられなくなってくる。

自慰をしながら
「これ終わったら私の中に居れてあげるからね」と、
ピクシーが優しく言いながらも
人間の倫理観からは逸脱した行為を想像するだけで頭が熱く、
ショートしそうに、体の動きも鈍くなって来る。

そんな様子を見て限界と悟ったか
ピクシーは瓶を持ち上げゆらゆら~っと瓶を揺さぶっただけで
自分はくたっと体を崩してしまい、反射的に起き上がろうとするが
粘着性のあるスライムは背中に張り付いて仰向けから起き上がれない。


やがてズボンをネチョネチョと取り払った後のスライムの動きは素早かった。
まるでそこに何かがあるかのように股間に喰らい付き粘性をバネのように扱いながら
波打つようにぐちょぐちょと吸引していきそこから射精にかかるまでの時間はそうかからなかった。

けれどもそれ以上にスライムに貪られている時に見たピクシーの淫らな顔と
この拾ってきた小人をこれからどうして行こうか、
とまるで実験動物の反応を見るかのような目に興奮してしまった自分が恥ずかしい。

それから、まだ精を求めて蠢くスライムから解放されたのは
瓶の半分までスライムが溜まって、
胸まで浸かり完全に四肢を取られ疲労困憊になった後だった。


スライムから解放された後も
ぬちゃぬちゃと出来上がってるピクシーの下の口に呑まれて行く…がこれはサービスなのだろう、
搾ろうとする動きではなく嚥下するかのように身体は奥へ奥へと母体に呑まれて行く。

心地良い肉の振動を全身で感じ、次は何をしてくれるのだろうと
浮かんだ疑問をたゆたわせながら今日何度目か分からない睡眠に落ちるのだった。