買ったゲームに不具合があった件について


 あるところに女子高校生がいました。彼女はゲームが非常に大好きな子でした。時代も進み、今ではゲームの世界で
実際に体感している感じに遊べる世の中になりました。
 そんな中、彼女が本日買ってきたゲームはRPGもののようです。移動画面では実際にマップを歩き、村や町のアイコン
に触れるとその中に入れる仕組みのようです。戦闘も画面が割れて前方にモンスターが現れて先攻後攻に殴り合う紳士
的なゲームのようです。


 さっそくゲームを起動しよう!

ディスクをゲーム気に入れ、ヘルメットを被り横になるとゲームが始まった。
周りにはには何もなく、緑。数歩歩けば木のアイコンがたくさんあり、森をイメージしているみたい。
このゲームでは私は勇者のポジション。なんの前振りもなく何もないところからスタートするという感じは初めてかも
しれない。
あっ!近くに村みたいなアイコンがあるじゃん!なるほど、まずはその村にいけばイベントが始まって最終的には
魔王を倒すって流れのゲームなのかもしれない。
 
私はてくてくてくっと緑のカーペットに茶色の足あとをつけ目の前の村に立ち止まる。
このアイコンに触れると私はこの村の中に入れる。どんな村なのかな?名前はなんていうのかな?とドキドキしながら
村のアイコンに右足を着地させた。

・・・あれ?何もおきないや。体が全部入らないと中に入れないのかもしれない。今度は左足を住宅地に乗せる。
やっぱり、なにもおきない。接触不良なのかな?ちょっと足踏みをしてみるとやっとはいれるのかな?やってみよう。

 ふみふみふみ。

やっぱりなにもおきない。うーん・・・ちょっと、村を歩いて一定のエリアまで入ると中にはいれるのかな?

 てくてくてく。

なにもおきない。家とか畑とか宿屋っぽいのも踏んじゃったけど、なにもおきない。最後に教会みたいなのしか
残っていない。座れってことなのかな・・・?てか、これほぼ壊滅みたいにみえるんだけど大丈夫だよね?ゲーム
壊れてないよね?でも、試さないことにはわからないから座ってみよう。

 ズギャアアアン。

・・・?
私は膝下にも満たない教会の真上から座ったら凄い音が聞こえた。こころなしか十字架の部分の当たり所がよかった
みたいでちょっと感じちゃった。本当に体感できるゲームなんだと改めて実感するなぁ。

 テテテッテテッテー♪

なんかレベルあがっちゃったみたい。

 ゆうしゃ♀のレベルがあがった。
 
 しんちょうがのびた ▼
 
 おっぱいがおおきくなった ▼

 しんちょう 158 → 160 
 バスト    82 →  84

って、コラー!勝手に私の個人情報を乗せるなー! 
もぅ!わけわからないけど次に行こう・・・。


 てくてくてく。

フィールドを歩いているとこんどは廃墟みたいなのが見えてきた。多分、さっきの村からここにくるんだと思う。
あ、コレお城だ。すごーいリアルな構図でまるで本物のお城みたい。アイコンの前でしゃがんでよく観察してみる。
技術の進歩だよ。コレ、うんうん。
しゃがんでお城をみても私の方が大きいのもなんともいえないところだけど、そろそろ中に入ってみようと思う。
足を上げて、お城に振り下ろす。

 ズギャアアアン。

私の足はお城敷地内を一気に破壊したかのような音がでた。そして、マップの中にははいれず、お城の断面図が
できあがってしまった。
うーん、アイコンに触れたらメニューで「はいる」ってのないし・・・これどうなってんだろう?
せっかくなので、とりあえず四つん這いになってお城の断面図を観察。うん。凄い。
私はその後、四つん這いのまま残りのお城の敷地内を進んでみるけど、中には入れず残ったのは元廃墟のお城があった
平地になってしまったおいう感じ。

 テテテッテテッテー♪

また、意味もわからずレベルがあがったよ。

 ゆうしゃ♀のレベルがあがった。
 
 しんちょうがのびた ▼

 ゆうしゃはあたらしく“ゆうしゃびーむ”をおぼえた

 しんちょう 160 → 164

最近の勇者すげー。なに?ゆうしゃびーむって。しかもひらがな。
どうやら私はカオスなゲームを買ってしまったようです。

 
 てくてくてく。

ゲームに翻弄されながらもプレイ続行する私。ここまで敵という敵が出てこないから“ゆうしゃびーむ”というのも
よくわからず進んでいると、港町にたどりついてしまったようだ。
ふむふむ。きっとここで、船に乗って次の大陸に向かうんですな。じゃあ、初画面切り替えを願って右足を踏み入れる。
やっぱり、なにもおきない。左足も踏み入れるけど結果変わらず。

まいったなー。こまったなー。私はその場でしゃがみ込んで両手を頬にくっつけてぶーっという顔になる。
本当にわけがわからないんだもん。私勇者なんだよ?それなのに、物語は進まないし、アイコンというアイコンを破壊
してるだけだし。服装も初期装備のままで最初に選べるもんだから、露出度が高い踊り子みたいな格好だし。今しゃが
んでこの港町アイコンに合わせた人間が現れたら私、パンツまるみえだよ?
なにとなくみた右手はぽわぽわと魔力っぽい泡がでたりはじけてきえたりしてるし、さ!意味わかんないよ~。
「あ~~~もぅ!ゆうしゃびーむ!びびびびび~」

 ビビビビビ!バーン!

立ち上がって、適当に“ゆうしゃびーむ”を発射して港町の一部を焼き野原にしてしまった。てか、こんなので発射
しないでよ(´・ω・`)

「・・・ゆうしゃびーむ」

 ビビビビビ!バーン!

残りの被害の出ていない部分にも“ゆうしゃびーむ”を与え、あたり一面完全焼き野原。黒煙がもくもくと私のお腹
の部分まで舞い上がってきた。海辺の方に視界をやれば船が沢山停泊している。私はそれにめがけて“ゆうしゃびーむ”
をしようとしたら定番のあの文字がでてきた。

 しかし、MPがたりない。

どことなく凄く安心した。もう“ゆうしゃびーむ”うたなくていい済むね。
そして、船の目の前まで近づく。もう、船にもはいれないんでしょ?えい。

 グシャア。

一思いに踏み抜いてあげた。これじゃあ、怪獣だよ。

 テテテッテテッテー♪

もういいよ!それは!!
あー、もう。一応勇者たるものなにをやってるんだか・・・。普通船に乗って次のステージなんだろうけど、仕方が
ない。幸にも踊り子みたいな服だから対して大丈夫だろう。よし、海を渡ろう。

 ざばざばざば。

海を歩く勇者です。てくてくてくという可愛らしい音も今ではざばざばざばと勇ましい音で海を横断中。おっと!
ここで、巨大イカの登場だー!初めての敵だ!やったー!でも私より小さいや。
てか、なんで戦闘の画面に変わらないの?
ちょ、ちょっと。かってに太もも当たりをペチペチ叩かないでっよ!

 ボコォ! ボコォ! ボコォ! ゲシィ!

巨大イカめがけてグーパンチの勇者です。右、左、右と叩いていたら巨大イカが倒れたので思いい切り踏みつけて
あげた。追い打ちをかけるかのようにぷかーっと浮いている巨大イカを持ち上げて思いっきり海に叩きつけてあげた。
もはや、職業格闘家です。
でも、初めての戦闘したって感じ!ちょっと相手が弱すぎて物足りなかった気もするけど。・・・ッウ!

 テテテッテテッテー♪

レベルが・・・あがったよ。わーい。
でも、このレベルの上がり方はいつもとちがう・・・なんか、意識がとび・・・そう・・・。


 ・
 ・
 ・
 ・ 
 ・
 ・
 ・


気がつけば、当たりは真っ暗闇の空の島に流れ着いていた私。体の上半身を起こし、当たりを見渡すと町とか村とか
は無さそう。紫の沼、多分毒沼。その奥に大きな山があってその頂上にはあの廃墟より立派なお城。
これ最終ステージだよね?
海辺近辺を見渡すかぎり、渦潮や巨大な岩が船の侵入を許さないような感じ。空も時折雷が落ちているみたいで非常
に危険な状態。
あわわわ。急に不安になってきた。てか、寒いから早く海から上がろう。

 ザパァー。

立ち上がってびっくりした事が一つ。大きな山だと思っていたら私のほうが大きかったみたい。なんというか、股より
しただから、幅次第では大きな山を跨げちゃいそう。

 へっ、へっ・・・へっくちょん!

うぅ~。どのくらい浸かってたかわからないけど、体が冷えてトイレに行きたい。でも、ゲームの世界にトイレなんて
聞いたこと無いからどうしよう・・・。
仕方がないから毒沼の目の前でしゃがみ込み、パンツを下ろし毒沼目がけて用を済ます。
べ、別にいいでしょ。どうせ毒沼、汚物の塊。汚物を汚物に排出して何が悪いんですか!

「ふぅ」

用を済ませた私はすっきりした。かつて毒々しい色をしていた毒沼は金色の黄金水がほとんどになってしまったみたい。
そして、その先に見える大きな山とお城が待ち構えていますが、ここで残念なお知らせがあります。
用を済ませて山の横に回りこんだらどうやらボリュームよりも高さを尊重したみたいで、思ってたより細かったです。
つまり、私跨げちゃいます。座ると多分、おしりの方が大きいからはみ出しちゃうかも。

魔王のお城の目の前で両手を腰にあて見下す私。どう料理してあげようか、とか考えているわけじゃなくて本当にどう
しようかと迷っているんですからね?
関係ないけど、おっぱいがめちゃくちゃ大きくなってる。現実世界へお持ち帰りしたいぐらいある。
両手で持ち上げて、手を離すとたゆんたゆんとおっぱいが揺れる。テイクオフしたい。

魔王はどんな風に私を見ているのかな?それともあまりの大きさに逃げ出しちゃったかな?
あと、魔王をどうやって倒そうか。多分、私が大きすぎるからお城事葬っちゃうんだろうけど・・・。
手で叩き潰してもいいし。
足で踏み潰してもいいし。
胸で挟み潰してもいいし。
尻で覆い潰してもいいし。

なんなのこの選択しの多さは!
もう、メンドクサイから座ろう。椅子みたいな物に座ってないし、打ち上げられてたし。座ってちょっと休もう。
そうしよう。
服装はやっぱり、踊り子みたいな服。ヒラヒラを両手でもち、魔王の城目がけて降下する。


ズドォォォオオン


何の抵抗もなく、魔王のお城は私のお尻の下敷きになりました。
重力の都合もあるようで山の山頂がどんどん低くなっちゃいました。
お尻が全面に収まるるぐらいまで圧縮しちゃいました。 
この山を切り崩して毒沼を埋立てあげようかと思ったら当たりは真っ暗になり、この世界から私はログアウトした
みたいです。


BAD END 
という表示と共に私はこのゲームをクリアしたようです。


後日、このゲームにちょっと調べてみると、何故か試作段階のディスクが混ざっているみたいでそれをゲーム会社
は回収に色々頑張っているみたいだけど、そんなおいしい話を聞いちゃったら返してあげたくないかも。
で、また同じゲームを買いに行ったらゲーム屋の人びっくりした顔してたよ。あ、常連だから顔が割れてるんだ♪

試しにやり直したら、先日までやっていた私のゲームは凄いものだということがわかった。 
簡単に潰してしまった廃墟のお城のボスが何気にめんどうな呪文とかかけてくるから大変だったよ。最初の鬼門だね。
で、海に現れた巨大イカってあれ、船員の援護射撃もあって、結構熱い展開だったんだけどネ!
殴り倒しちゃったんだね。私。

ラスボスは定番の第一形態、第二形態、第三形態まであったときは流石にしんどかったなー。
うん。城ごと潰しちゃったんだよね。

でも“ゆうしゃびーむ”の謎だけは解けなかったけど、この試作ディスクは普通にストレス発散に使えそうな気がする
から私は大切にするし、誰にも教えないよ。さーて、今日は雪国のステージで巨大な雪だるまで村を潰してみよっと♪

こんな感じで私の買ったゲームの物語は終わりです。
どうもありがとうございましたー(>ワ<)
 


 一方、ある世界の話を少々。突如、何の前振りもなく巨大な女の子が出現したようだ。
 その巨大な女の子が何をしたかはわからないが、今日もその巨大な女の子が現れたことは事実のようだ。