キィーン・・・ドボン 

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 晴天。気候に異常なし。ボッボーと汽笛を鳴りながら船は行く。天気が良く、やることのない2人のクルーが
もう、目の前にある島を見ながらこんな会話をしてきた。
「なぁ、お前知ってるか?」
「何がだよ?」
「昨日隕石が海に落ちたらしいぜ」
「お前、それなんの夢だよ」
 っとどうでもいいような話をして盛り上がっている。最終的には聞き間違いと流されてしまう。これから起き
ることに2人は気づいてはいない。そして、話題を変える。
「俺、この航海終わったら結婚しよと思うんだ」
 そういうと、一枚の写真を見せる。
「ほぉ、なかなかの美人じゃないか」
「あぁ、ありがとう」
 ザザァアアアア!
 写真を返すと、凄まじい音をたてながら海が浮き出してきた。その際に発生した波で船が大きく揺れる。二人
は立っていられず、近くの手すりにつかまりながら海のカーテンを見る。まるで、滝のように流れる海水。次の
瞬間、海のカーテンからだんだん肌色、白色の何かが見えた。何かが海からでてきたようだ。
「ぷはぁ」
 とかわいい女の子みたいな声が聞こえた。2人のクルーは目の前で起きているのが信じがたい光景が飛び込ん
できた。船の目も前に現れたのは人間の尻だったのだ。船がまっすぐ進めば恐らく巨大な女の子の白いビキニに
直撃するのではないかという距離である。緊急事態発生である。乗組員は急いで、進路をずらして巨大な壁から
避けようとするが、時既に遅し。
「ぶ、ぶつかるぞー!!」
 と舵を取っていた人が大きな声をだす。その瞬間貨物船は巨大な壁にぶつかった。
ズグヮシャン!
 っと鈍い音をたてながら船は直撃した。
「ひぃやん!」
 と巨大な女の子もびっくりしたようだ。船が直撃してから、びっくりした彼女はお尻をまた海の中に吸い込ま
れてゆき、お尻の下敷きになるかのように船も沈んでしまった。

 
 くーくーっと海鳥がなく。金色のロングヘアーで白いビキニをはいた彼女が海に顔をだしている。彼女は、こ
の星の人間ではない。しかし、人間に非常に似ている。簡単にいうならば、宇宙人である。しかし、彼女の名前
はこの星の名前に非常ににていた。彼女は海島葉月(うみじま はづき)という。彼女の住む星では珍しい名前
らしい。しかし、そんな彼女がここに来たのは何故かはわからない。
「もぅ、なんだっていうのさー・・・転送は失敗するわ、わけのわからない所で溺れそうになるわ、変なのがお
尻にあたるわ・・・もぅ・・・」
 彼女はどうやら自らの意思できたわけではないようだ。すると、葉月はあたりを見渡すと近くに陸があるから
そこまで彼女は向かうことにした。ジャバーァ!と彼女が立ち上がるだけでも、大量の海水が滝のように落ちて
くる。彼女が立ち上がると海水は膝よりも下でだいたいすねぐらいの位置だ。
「うっそ・・・私こんな浅瀬で死んだら無念しか残らないよぅ・・・」
 と、自分のドジに赤く顔を染める。「ま、起きたしいいか」というと彼女は陸目指して歩き始めた。

 葉月が陸を目掛けて歩いていると、海水がすねから踝という感じに浅くなっているのはわかる。葉月は陸だと
思われる場所に立つと固まってしまった。
「うわぁ、これどうしよぅ」
 葉月の足元には貨物船が浮いているが、葉月の足よりも小さい。また、陸は陸で踝よりも小さい建物がずらー
っと並んでいる。簡単に言うと、足の置き場がないのだ。ちょっと大股で跨げば踏まないで済む。葉月はぼーっ
考えていると、港で作業をしている人には巨人が現れてパニック状態である。何をするんだっと不安になりなが
らも危機を感じ取り、葉月とは違う方向に走り出したり、車に乗って逃げたりなどしている。
「よし、決めた!」
 葉月はそういうと、ゆっくり右足を上げる。同時に貨物船も大きく揺れた。葉月の足生む影が作業員に恐怖を
与えた。影と被ったら潰されるんじゃないかっと思い全力で逃げていた。
 グシャァアア!
 と鈍い音が港に響き渡る。葉月の右足は港の倉庫を踏み潰していた。葉月の大きい足に倉庫は一気に5練ぐら
いは地面と一体化しただろう。また、運よく潰されずに済んだ倉庫は半壊っという破壊ではなかった。続いて、
左足が、海から陸にあがる。右足よりも前に足が下ろされた。つま先には駐車場、踵は倉庫や機材などがあった。
しかし、葉月は何事もなかったかのように、踏み下ろした。港に大きな傷あとができてしまったのだ。葉月は
少しぐらい感触があるのかと思ったが、何も感じていないようだった。

 ザバァー、ザバァーから、ドシーン、ドシーンと足音を変えた葉月。しかし、次第にドシーン、ドシーンとい
う音はグシャァ!メキャァ!と鈍い音に変えていた。まぁ、葉月は一応目には入っているのだと思われるが、
何事もなく、家や車、道路を踏みつけ、大きすぎる足に破壊されていたのだろう。後ろを見れば、泥棒が入った
かのような綺麗な足跡が残されている。
「どうして、この星の人はこんなに小さな物がすきなのかしら?」
 と思いつつ葉月は歩き続けた。次第に歩くと、建物はなく、1本の道路と農地しかなくなっていた。道路をみ
ると、道路が山の中にも続いている。葉月はとりあえず、道路に沿って歩いてみた。

 一方そのころ。葉月が向かっていると思われている所は都市があり、今緊急避難という事で、人々たちは荷物
を最小限にし、警察の支持どうりにひなんを受けていた。人々は地面の揺れが揺れに大きくなっているのに恐怖
を感じていた。死にたくない、そう思いながら葉月から皆は逃げていた。そして、急に揺れが収まった。不思議
に思い山のほうをみると、巨大な女の子がいるではないか!年齢はだいたい14歳ぐらいにみえる。しかし、胸
の膨らみは14歳にしては大きすぎる。体のラインも綺麗なので、町中を歩いていれば即スカウトされそうであ
る。しかし、肝心なのはそこではない。あの山は結構大きい。山の大きさも相当あるはずだがそんな山よりも
葉月の方が大きい。山の頂上には葉月のかわいらしいおへそが見えている。葉月に見とれているが、いつ動きだ
すかわからない。スイッチが入ったかのように人々は我先にと狂いだしたかのように遠くへ逃げようとした。

「ん〜〜、何あれ・・・ゴミ?」
 山より高い葉月は目を凝らして都市を見ていたが、葉月にはカラフルな建物と灰色のビルばかりがごちゃ
ごちゃになっており、ゴミにしかみえていなかった。大きいやつで・・・葉月のすねよりやや小さい。お腹に手
を当てると、くぅ〜っと小さい音がでた。お腹もすいているようだ。
「うぅ〜、お腹もすいてきたなぁ・・・。朝ちゃんと食べてくればよかったなぁ」
 しかし、ぼーっとしていても何もはじまらない。とりあえず、葉月は山を股ぐことはできないので、山の頂上
に右足を乗せた。ぐっ、ぐっ!と右足に力を入れても崩れないと確認している。そして「っよっと!」と声を出
すと、左足を蹴って山の頂上に足を乗せようとした瞬間であった。
「・・・っえ」
 ズリ!
 っと右足が滑った。重心をかけてみて大丈夫だったが、流石に葉月の全体重は耐え切れなかったようだ。葉月
はバランスを崩し、山の頂上にヒップドロップ!その時に凄まじい音がでたのは言うまででもない。続いて、山
から滑り降りるかのように葉月は股をハの字にしながら山を滑り落ちた。
「う、うっわぁあああああ!!」
 と凄い叫び声を上げながら滑り落ちた。ベキベキベキっと木々をなぎ倒し、潰し。土を抉り取りながら、葉月
は都市に浸入した。

 ズザザザザ!
と、滑っりながら、葉月はお尻から都市に浸入した。真ん中が白い壁と肌色の壁が雑居ビルやホテル、家や
マンションが彼女の尻に潰されていく。そこで、葉月は両足を地面につけて、体を止めようとした。葉月は地面
に踵落としを両足でするように地面に落とした。ズゴォン!という凄まじい音と振動を立て、建物を破壊してし
まった。足で3センチぐらい削ったかのような跡をつくると葉月の体はやっと止まった。自分でもびっくりした
顔をしている。葉月はだいたい3分の1ぐらいは浸入してしまったようだ。それから、葉月はブレーキに使った
両足を開き、両手を地面につけてふぅっとため息を吐いた。
「あ〜〜、もぅ・・・早く帰りたいなぁ・・・」
 葉月は自分が滑り降りた山をみると、山に綺麗な凹という形を残しながら、自分はドジだな〜っと続く思った。
前を見ると小さい建物がぎっしりひき詰まっている。両足からは煙っぽいのもでている。煙を見て葉月は何かを
思い出したかのように谷間からビニールで包まれている飴玉を取り出した。
「そういえば、非常用に友達が1個くれたんだたなぁー」
 と思い出しながら飴玉をみた。くぅ〜っとお腹が鳴る。とりあえず食べてみることにした。水色だからソーダ
味でもするかなと思いながら飴玉をなめた。噛んでしまうとすぐになくなってしまうので、ゆっくり舐めて食べ
ることにした。
 飴を舐めながら、葉月は青い空を見ながらこの星のことについて考えてみた。
(自分の落下地点のあの水は海。理由は顔を少し舐めたときしょっぱかったから。それから歩くと港っぽいのが
あったなー。そんで、ごちゃごちゃしているからここは都市だろうねぇ)っと頭の中で考えている。もし、自分
がこっちの世界の住人だったらどんな感じだろ。ほんわか、ほんわか妄想すると自分の行動が面白いなぁ、なん
て思っている間に飴玉は口の中から消えていた。
「あ〜、食べちゃったぁ・・・」
 べろで飴玉を探すが、飴はなくなっていた。舐め終わってから葉月は両手両足とお尻がむずむずしてきた。長
時間座って汗をかいてかゆくなったのかと思ったが、それではないようだった。微妙にほんのわずかに葉月は大
きくなっていたのだ。大きくなっている間葉月は仮眠をとることにした。

 葉月が巨大化に気づいたのは、お尻に何かが触れてからだった。触れている感じがだんだん浸食している感じ
がしたので、後ろをみると自分のおへその高さよりも小さいハズの山が座っている葉月と同じぐらいの大きさで
あった。自分のお尻をを見てみると凹の部分よりもお尻が大きくなっていた。次に都市を見ると両足は都市から
完全にはみ出ていた。
「うっそ、小っちゃくなってる」
 足を伸ばしている状態だが、一番大きい建物でさえ、葉月の太ももの厚さよりも小さい。気がつけば立ってい
る時と比べるとやや低いかなっという状態。座っている状態でこの目線というのを考えると飴を舐めている間に
2倍近く大きくなったことがわかる。ハの字になっている両足を真ん中によせて、左と右の足の裏を合わせてみ
ると足だけで都市を囲むことができた。
「うわぁ、囲んじゃったよ。こんなに大きくなるものなのかな」
 自分の巨大化に改めてびっくりする。その間にも体は大きくなっているような感じがする。お尻が山に食い込
んできているし、目線も高くなっている。葉月は友達からもらった飴に原因がある気がした。
「私は気づかなかったけど、ここの人達は私はどんな感じにみえたんだろう」
 ただ青空を見上げながら飴玉を舐め初めて、動きが止まったのに体が膨張しはじめるところを想像してみる。
下など見てはいない。滑り落ちた程度で座ったままなのに次々と都市に侵食していったんだろうなぁ。左右の足
が大きな建物を倒し、そのまま踵に潰される。足よりは破壊はしていないだろうが、股で何件か潰したんだろう
な。ビキニをはいているとはいえ・・・。むずむずしたのは体で都市を破壊したからだったのか。と葉月は今頃
になって解決した。

 ただ座っていても拉致があかないので、葉月は立ち上がった。ぐんぐん高くなる目線。下をみると小さくなっ
た都市が見える。足で3、4回踏んづければ全部踏み潰せそうなぐらい大きくなっていた。後ろの山は若干土砂
崩れが起きていて小さくはなっているが、葉月の膝下に山がある。何処に向かおうか葉月は考える。友達からも
らった飴で体はどんどん巨大化していく。太もも辺りを小さい何かがブンブン飛んでいるが危害を加えるわけで
もないので、葉月は前進することにした。右足を一歩前にだすと、ドゴォォオォオオオンという音が鳴り響いた
同時に足場もグググググっと沈んでいるような感じがした。葉月の足元ではクレータが無数に発生していたこと
は気づいていないようだ。葉月は何事も無いように歩く。一歩一歩が兵器に勝る破壊力を持っているのは葉月は
しらない。丁度足元では、戦車などで進行を止めようと自衛隊ががんばっている。しかし、それももはや無意味。
戦闘機で足元を攻撃していても大きな肌色の壁は焦げ色1つ見せなかった。そして、一気に戦闘機が下敷きにな
っていった。葉月は当てもなくただ前を歩いていった。


 夕方。
 葉月は歩くのに疲れて座っていた。あれからどのくらいあるいただろう。両足を海につけて、バシャバシャとし
ていた。現在葉月は陸だと思っていたところを歩いていったが、時間が立つたびに陸の幅が狭くなり、日が沈ん
できたので腰を下ろしたばかりである。そして、現状が葉月が島を跨いで座っているような状態だ。
 太陽が隠れて徐々に薄暗くなり、歩き疲れて眠たくなってきていた。大型バイクに乗るような感じに倒れようと
した瞬間。
「うわぁ・・・綺麗・・・」
 葉月が倒れる先にはポツポツと小さな光がに光りだした。まるで、大陸全体が宝石箱みたいな感じがした。後ろ
は何もない。葉月がまるで天国と地獄の分かれ目に立っているような感じだ。
 しかし、眠気に葉月は負けてしまい。そのまま宝石箱の中に体が飛び込んでしまった。倒れる上半身。谷間の間
には大きな3つの山があるが簡単に胸の中に納まってしまった。左右の豊乳が境界線となっていた3つの山の左右
にわかれ光輝く宝石にあたり、一瞬にして輝きをうしなった。さらに、ぐりぐりぐりっと押し潰すかのように豊乳
は地面にめり込んでいった。それから、光が若干弱いところに葉月の頭が納まり、あたりはまっくらになった。

 翌朝。
 葉月はまた大きくなっているのかと思ったが、体は大きくなってはいなかった。むしろ体を起こしてこれからの
ことを考えていた。葉月は気に留めていないだろうが、葉月の豊乳が生み出したくぼみはまるえ巨大な隕石でも落
ちたかのように綺麗な丸い形があった。
「じっとしていても何もはじまらないよね」
 葉月はそう言うとまた歩き出した。巨大化が止まったと思っていた葉月であったが、太陽が昇ってくる間にまた
巨大化が起きた。しかも昨日より巨大化のスペースが早かった。



 そして、その日の夜はこなかった。
 宇宙の世界では、巨大な生命体が1つの星を足に挟んで粉砕した。っと報道されていた。