部屋に入って来たのは、夏の霊基になりビキニ姿でカルデアをうろついている、夏限定のジャンヌダルクだった。正直、通常時ならばともかくこのサイズでは、水着のジャンヌのテンションは少し恐ろしいものがあった。

「お姉ちゃん面されては困りますよ沖田さん!マスターの姉は私です!」

 案の定だった。ドンと足踏みし高らかに叫んだその言葉に否定したくなる。だが足踏みの衝撃と声の音圧にビビってしまい、俺は何も言えなくなった。何か言いたげな沖田さんを部屋から追いやり、ジャンヌはビキニ姿で強調されている大きな胸を張って宣言した。

「今日はお姉ちゃんがマスターを保護してあげますね!大丈夫です、弟として存分にお姉ちゃんに甘えてください!」

 俺の座っているベッドの上に飛び乗って、ぐぐぐっと顔を近づけて小さい俺を凝視する。俺が二人は入れそうなほど巨大な二つの綺麗な目に見つめられ、後ずさってしまう。後退した先にはジャンヌの手のひらがあり、背中が当たりピクリと震える。

「なんで逃げるんです?沖田さんには甘えたのに、姉の私には甘えたくないと?」

「いや…そんなことないよ、ジャンヌが来てくれて嬉しいと思ってるよ」

 夏に頭を侵されて、色々と解放的になっているジャンヌは嫉妬心を隠そうともしない。さも機嫌が悪いといった様子で口を尖らせジト目でこちらを見ている。だが、未成年とはいえわりと良い年齢の俺は甘えるのは基本的に恥ずかしかったし、ジャンヌを姉として扱うのも恥ずかしい思春期だった。

「ジャンヌ、じゃなくてお姉ちゃんと呼んでください。マスターは私の弟なんですから」

 そんなことを言われて、普段でも恥ずかしいというのにこんな小人になって保護されている今ではもっと恥ずかしい。毎度のことながら、やんわりと断ることにする。

「いつも言ってるけどごめんね、それはちょっと恥ずかしいよ」

 だが、今がいつもの状況ではない事を考えるべきだった。弟のように、というより弟そのもののように思っているジャンヌは、俺が小さくなったことにより庇護欲が増大していた。そして、この大きさでは、俺に言うことを聞かせることなど巨人のジャンヌにとっては簡単だった。

「そうですか……じゃあお姉ちゃんと呼びたくなるまでお姉ちゃん漬けにしてあげます!」

 ジャンヌは俺のことをひょいとつまみ上げ、そのままビキニに包まれてぎゅうぎゅうに圧迫されているジャンヌの巨乳の上まで持って行った。

「沖田さんとは違って私の胸は大きいですよ。谷間の蒸れて濃厚なお姉ちゃんのフェロモンいっぱい吸わせて、お姉ちゃんって素直に言えるようにしてあげますね」

 入れられたそこは、巨乳だからか蒸れてむわっと湯気をあげているほどの熱気がこもった肉の牢獄だった。尋常じゃないほどのジャンヌの臭いは、甘いフェロモンとなって吸うたびに虜になりそうなほど頭がとろける。そのまま胸で潰すように抱かれ、俺は否応なく勃起してしまった。
 少ししてジャンヌは胸を開いて、谷間にいる俺を見て何か期待するような表情を向けてきた。俺はそれを理解せずに、必死でここから出してくれることを望み、叫んだ。

「ジャンヌ!出して!お願い!おかしくなっちゃうよ!」

「ん〜?聞こえませーん、弟が姉を呼ぶ時はなんで呼ぶんですか?名前じゃないでしょ?」

 俺はもう恥ずかしいとか言ってる場合ではなくなった。蕩けそうな頭を必死で呼び戻し、ジャンヌのことをお姉ちゃんと呼ぶ。
 だがめちゃくちゃに声を張り上げているのに、密着するほど近いのに声が届かなかった。その無力感たるや、言い表せないほどだ。優しくて、いつも自分を支えて来てくれたジャンヌに、胸で揉みくちゃにされ、俺は卑しく欲情している。呼吸するたびに汗の混ざった女性の甘いフェロモンを脳に叩き込まれ、苦しくて屈辱的だというのに勃起が止まらない。もう何がなんだか分からなくなりながら、涙目で限界まで喉を開いて、お姉ちゃん!と叫んだ。

「遅すぎます!照れ屋な弟にはお仕置きです!」

 ずっと呼んでいたのに、という弁解を言う暇も無く、先程までよりも強く、俺の体よりも遥かに巨大な、俺からは柔肉の壁としか思えないほどの胸で擦った。その全身パイズリを食らって、頭の中で火花が弾けるほどの快感を叩き込まれる。ちんこだけではなく、体全体を柔らかいジャンヌの胸で挟まれ、昨日の沖田さんとは違って巨乳のジャンヌではまるで周りが見えず、世界が完全にジャンヌの肉で埋まってしまう。空気を絞り出され、吸えるのはジャンヌの甘い体臭だけ、射精しても終わらずに、また臭いと快感を叩き込まれ、無理やり勃起させられる。その密閉された世界に何度も揉まれて、精根尽き果てるほどに射精したあとから少し経てば、上から光が降ってきた。ようやく解放して貰えるのかと思いきや、ジャンヌが上から満足げな表情で見下ろしてくる。

「お姉ちゃんの胸でいっぱい気持ちよくなれたみたいですね。いい子いい子、ご褒美をあげましょう」

 そう言って口をすぼめたジャンヌは、たらーっと唾液を垂らしてきた。胸肉に包まれ逃げ場はなく、ジャンヌの唾液のシャワーをモロに浴びてしまう。甘くてとろとろとした蜂蜜のようなジャンヌの唾液は、とめどなく降ってきて、俺の体は唾液まみれになり、少し唾液を飲んでしまう。ただの唾液のはずなのに、甘くて粘性があるその液体を飲んだ俺の体は、また熱く興奮してきた。
 それをローション代わりにまたジャンヌの全身パイズリが始まる。にちゃにちゃといやらしい音を立てながら、ジャンヌの体液に溺れ、胸でまた果てる。それを何度も繰り返し、ジャンヌの胸もまた汗をかいて余計に臭いが濃くなってくる。それが唾液の甘い香りと混ざり、その臭いを嗅いでまた勃起してしまう。その少しだけ出た突起をジャンヌは見逃さず、そこに狙いをつけて押し潰す
ように刺激する。そしてまた射精、それの繰り返しだった。もうへろへろになってジャンヌの胸に身を投げ出していると、ようやく胸から解放される。
 俺の顔は今とても酷くなっているだろう。蕩けきった表情で、口から涎を垂らして、許容範囲を超えた快楽を食らってもう目は虚ろだ。ジャンヌは胸を開き、俺のその顔を見てとても嬉しそうに微笑んだ。

「お姉ちゃんの唾液、よろこんでくれたみたいですね、じゃあもっともっとあげますね!」

 そのまま胸からずるりと引き出され、ようやく冷たく新鮮な空気を浴びる。ジャンヌの体臭に侵された脳が、少しずつ戻っていくような感覚に安堵した。
 だが、次に俺が入れられるのは、ジャンヌの口の中だった。嗅覚が新鮮な空気でリセットされたことにより、口に入れられた瞬間濃厚な口臭がダイレクトに頭に響く。

「マスターおいしい…お姉ちゃんの大好物になりそうです…」

 味わうようにねっとりと舌を這わせて舐めとってくる。俺の体の何倍も大きい舌が、柔らかく変形しながら俺の体をうずめる。臭いでクラクラになっている俺には、刺激が強すぎた。尻からちんこまで、なぞるように舐められ、ビクビクと痙攣することしか出来ない。だらだらと唾液は落ちてきて、もう下半身は浸かってしまっている。その状態で、びしゃびしゃと唾液をかき分けて舌は俺の股間を苛んだ。刺激に耐えられなくなり、必死で舌に抵抗するも、自分より大きな筋肉の塊である舌は俺のような虫けらの抵抗などものともしなかった。射精寸前までいくが、元凶とはいえジャンヌの口の中に射精すのははばかられた。だが我慢すればするほど、気持ち良くないのかと勘違いしたジャンヌの責めは苛烈になっていく。体を丸めてもはや痙攣することしか出来なくなったマスターを舌で感じとったジャンヌは、優しく口の中の俺に囁いた。

「出しても良いですよ…?我慢せずに、お姉ちゃんの口の中で気持ちよくなりましょ?」

 ついに射精してしまい、その白い精液はジャンヌの舌へと垂れていく。だが、俺が出したそれはすぐに唾液の海へと消えていき、数秒したら跡形もなくなっていた。ただそれだけのことが、自分のことを矮小な存在だとジャンヌに言われているような気がして、なんだかとっても屈辱的だった。
 ずるりと口から出された俺は、唾液の糸を引き空中に吊るされる。生暖かい空気から新鮮な空気を吸えるこの瞬間、俺は人間に戻れたような気がするのだ。とろんとした表情でジャンヌを見れば、何故だか感極まったような顔をしてこちらを見ている。

「そっ…そんなかわいい顔してお姉ちゃんをたぶらかそうたってそうはいきませんよ!そんな悪い子は反省室行きです!」

 そんなことを言いながら、ジャンヌは俺のことを腋へと押し込んでびたんと閉じてしまった。弁解の余地なく、といっても弁解することもないほどに無茶苦茶な理屈で閉じ込められたそこは、今までで一番濃い臭いだった。むわっとした熱気に、汗の臭い、そしてジャンヌの体臭がこれでもかと凝縮された場所に、密閉されて閉じ込められる。腕を叩いても何の反応もなく、隙間から這い出ようとすればぎゅっと絞められ動けなくさせられる。ひたすらジャンヌのフェロモンを嗅ぐしかない状況で、時間の感覚が無くなるほど長く閉じ込められた。出してもらえた時には、どんな顔をしていたのだろうか、おそらく廃人のような顔だっただろう。先程までと違い、ただの臭いだけで屈服させられてしまった。

「マスターが気持ちよくなってくれるのはいいですが……腋とか胸や口の中では、そのかわいい顔が見れないのは困りますね」

 そう言うと、ジャンヌは何か思いついたような顔をして、おもむろにサンダルを脱ぎ始めた。すらっとした足をサンダルから抜き、その足先を俺の方へと向けてきた。

「足でなら、マスターのかわいいイキ顔が見れますよね…」

 もうこれ以上は無理だった。これ以上イったら死んでしまう。俺は本気でそう思った。床に下ろされていたため一目散に逃げ出した。ベッドの下にまでたどり着けば、ジャンヌは追ってこれないはずだ。ジャンヌが落ち着くまではそこに避難していれば良いと思った。だが、昨日の時点で小人は巨人から逃げられないことを学ぶべきだった。

「なんでお姉ちゃんとのスキンシップを拒むんですか?弟なのに…許されないですよ」

 少し走ったところですぐにジャンヌの足で踏み潰される。うつ伏せに押し付けられ、うめき声をあげる俺を、器用に足で転がして仰向けにする。
 無防備に股間を晒した俺を、ジャンヌはぐりぐりと責め立てた。足指コキとも言えるようなそれは、巨大すぎて快感の度合いが全く違う。潰れるかと思うほどの圧力に、急に圧力が消え柔らかく撫でてくる指の動きが交互に行われ、その緩急に翻弄される。圧力から解放されるたびに、我慢していた精を吐き出してしまう。もうイきすぎてちんこが痛くてたまらない。俺は足指に縋りつき、ジャンヌに許しを乞うた。

「お姉ちゃん!もうやめて!もう何回もイッてるから、もうきついよう!」

 ずっと年下の弟扱いをされ、お姉ちゃんと呼ばせながら何度もイかされて、半ば幼児退行を起こしてしまっていた。もうこれ以上は出ない、そう思うたびにまた射精させられる。快感と苦痛が同居して、また頭が混乱してくる。

「かわいい弟の頼みは聞いてあげたいところです……でも無理ですよ、だって…」

 ジャンヌの目は明らかに正常ではなかった。あの発情した目はまるで聖女ではなく性女だ。夏が彼女をおかしくしてしまった。

「ちっちゃなマスターが私に、そんな顔で縋りついて…もうかわいくてかわいくて止まりません!」

 そう言いながらまた俺の股間を指で押しつぶす。沖田さんの時のようなやたらめったらもみくちゃにするようなものではなく、明確に俺を射精させるためだけの、股間だけを狙った巨大足指コキは終わらない。

「それに…沖田さんとも同じことをしたんでしょう?私だけダメって言われたら…悲しくてマスターのこともっと酷く虐めちゃいそうです…」

 ずっと笑顔だったジャンヌが無表情になり、暗い瞳でこちらを見つめながらそんなことを言えば、俺の体は震え上がる。怯えて声も出せなくなった俺に、ジャンヌは表情を戻し明るい口調で返した。

「なーんて、冗談ですよマスター!そんなに怯えた顔しないでください!かわいすぎて興奮します!」

 よほど怖がっていたのだろう。さっきのジャンヌの冗談が、本気と思えるほどにジャンヌに調教されてしまっていた。このままだと、俺は元に戻ったとしてもジャンヌの顔を見ただけで大きくしてしまうかもしれないと思うほどだった。

結局、夜まで続いたジャンヌによる射精地獄は終わりを迎え、俺は指一本も動かせないほど疲弊していた。

「名残惜しいですが……もうそろそろおねむの時間ですね…ずっと小さいままだったら、もっとお姉ちゃん漬けにしてあげられるのに…」

 そんな怖いことを言いながら、ジャンヌはベッドへと俺を連れて行った。また何かされるのかと思ったが、疲れ切った俺を癒すように寝付かせてくる。その慈愛の表情に、安心しながらジャンヌの横で一緒に眠った。寝返りが怖かったのは内緒だ。

 朝に目が覚め、ジャンヌは隣で俺のことを撫でながら、寂しそうな顔をしている。もうすぐ次のサーヴァントが来るからだろう。

「今度はもっとお姉ちゃんの虜にしてあげますからね!」

 そう言いながら、部屋の前に来ていた今日のサーヴァントと交代する。次に来たのは……