8/1 The yaeger times 一面記事 『アルストツカ 新たな職業の斡旋開始』
「え?はい、私がミドナ・ディスポータルですけど?私宛に手紙…ですか?
差出人は、アルストツカ職業斡旋管理部門?あ、はいありがとうございました。
「えーなになに?
『おめでとう。
7月度勤労抽選により貴方を ≪ 違 法 入 国 者 処 分 官 ≫ に命ずる。
即座配属のため、至急グレスティン国境検問所の入国管理省特別課に赴くように。
貴方とその家族には、東グレスティンの特別第1等級の住居が割り当てられる。
アルストツカに栄光あれ。』」
「………やったーーーー!」
9/1 The yaeger times 一面記事 『新しい国境検問所開設 一層の国際交流が期待』
「初めまして。私の名前はリィア・シンサー。あなたが今日からの新人さんね」
「あ、はい。よろしくお願いします!」
「元気があっていいわね。まあ私のことは適当に先輩って呼んでもらえればいいわ。と言ってもこの検問所は新設。私もここでの経験はないんだけどね」
「そうなんですか?でも先輩眼鏡をかけて『できる女性!』って感じですね」
「そう?まあ一緒に頑張っていきましょう」
「はい!」
9/12 The yaeger times 一面記事 『違法な入国者増加の一途 刑務所はもう満杯?』
「うへえ、今日だけで違法入国者が32人。書類も山積みですよ、先輩」
「仕方ないわね。私たちの仕事は違反者の護送、それを行うために必要な書類の調達、行ったことを示す書類の作成と、犯罪者が増える毎にやるべきことも加速度的に増えるんだから」
「うぅ、職業説明じゃあ『処分っていっても単なる護送。実際は書類をちょ~っと整理するだけだよ』って聞いていたんですけど…」
「ああ、それ良く使う嘘よ。まあ犯罪者と関わる仕事だし、職名もこんなのだから求人をかけても来ないからってね」
「ううぅ、で、でも!この方たちの人生がかかってる大事なお仕事ですからね!しっかりやらなくちゃですよね!」
「そうよ!いくら多いからって雑に扱っちゃあダメよ!頑張りましょう!」
「お~!」
10/18 The yaeger times 一面記事 『国境でテロ多発 新たな対策法案可決を後押し』
「先輩、今日は違反者19人でした。」
「え?今日はいつもよりずいぶん少ないわね。普段はこの3~4倍はいるじゃない」
「またテロですよ。手りゅう弾を投げた人がいたんだとかで。おかげで業務中止ですって」
「そう。まあこっちとしては助かるわ。違反者が減れば、刑務所への連行が楽になるもの」
「でもこう多いと面倒極まりないです。毎日70人近く捕まえるなんて」
「そうね。まるで奴ら潰しても出てくる蟻のようね」
「まだ蟻の方がいいですよ。簡単に潰せますもん」
「そうね。足をこうあげて…グチャ!で済むし」
「いっそそうならないですかね。あいつら全員さっさとくたばってくれた方が嬉しいです」
「本当にね。」
11/3 The yaeger times 一面記事 『新たな法案可決 違法入国者その場で処分可能に』
「あ~あ、ついに私たちが殺してもいいって法案通っちゃいましたね先輩」
「まあいいじゃない。これでむかつく奴らをその場で殺せるんだから」
「ですね。良いストレス解消にはなりそうです!」
「そうよ、どうせなら楽しまなきゃ?それじゃあまず一人目、いってみましょう!」
「拳銃ってけっこう重いんですね、でも動かない人間位なら…!」
ダーン! ヤリマシタヨセンパイ、アタマヲイッパツデス! スゴイワ、ミドナチャン。ワタシモマケナイカラネ!
11/6 The yaeger times 一面記事 『同盟の帝国から兵器を輸入? 政府は否定』
「先輩、すごいですねこの機械。人を縮められるんですって」
「そうね、試作品のテストってことで回ってきたけどすばらしいわね」
「ねえねえ先輩、今日は92匹!馬鹿が集まったんですよ!」
「フフ、それじゃあそんなゴミ虫はゴミ虫らしい体にしてあげないといけないわね」
「じゃあ牢屋についているガス発生器のスイッチを押しますね!えい!」
「あは、すごいわー。みーんな縮んでいくわ!」
「うへー、帝国もすごい兵器を作ったもんですね~。まさに凶悪って感じです」
「さて、もういいかしら。ガスマスクをつけて中に入りましょう」
「さーてどうなってるのかなーっと。うわぁすっごーい!」
「あらぁ、これは小さいわねー。大体3cm位ってところかしら?」
「あ、先輩。踏んでますよ?」
「何言ってるのよ?虫は踏み潰されるものでしょう?こんなふうに、ね!」
「…そうですよねー!人間に踏みつぶされるのが虫の役割ですよね!えい!えい!」
「ほらほら~、逃げられるものなら逃げてみなさい。もっともあんた達から見れば私たちは巨人、見上げること位しかできないでしょうけどね」
「えへへ~、このグチャって感触癖になりそうです」
「あら、もう半分くらい死んだわね。もっとゆっくり楽しまなきゃ」
11/10 The yaeger times 一面記事 『インク工場でテロ 新たなインク製造ストップ』
「先輩、インクなくなっちゃいましたー。スタンプ押せませーん」
「タイミングが悪いわね。毎月10日に新しいインクが来るのに工場が吹っ飛んじゃあ」
「どうするんですか~。スタンプ押せないと仕事できないです。そうなると私たちのお給料もストップですよ」
「こまったわねぇ。あら、なによまた犯罪者ぁ?まったく、こっちの気も知らずに集まって!さっさと牢に入れといて!」
「スタンプが必要な虫が溜まってもインクがたまりませんよ~」
「…………………」
「まさに反比例ってやつですねぇ。比例してインク溜まってくれれば良いのに~」
「……ねえ?」
「どうしました先輩?」
「血ってさ、赤いよね?」
「そうですね、時間がたつと黒くもなりますが」
「私たちの使うスタンプのインクってさ、赤よね?」
「そうですね、こいつはダメだってスタンプは赤ですね」
「どう、かな?」
「……………新しい手袋は脱いでおいた方がいいですね。血で汚れちゃいやですもん」
11/11
「先輩、今日の新聞読みました?」
「え?ああインク不足ね。新聞社は創業者のマフィフェル氏がインクを貯蔵していたから印刷出来ているけれど 、ほかの出版関係やスタンプを使う会社は大打撃を受けているらしいわね」
「らしいですね。あとはきっと私たち位ですよ。インクを持っているのは」
「そうね、何せ向こうからインクが来るんですもの。誰かに分けてあげたいくらいだわ」
「そういえばこのインク、舐めてみたら結構おいしいですよ」
「本当?でも私はメガネを汚されるからやっぱり好きには慣れないわ」
「そうですかぁ。あ、そろそろインク『補充』してこなきゃ」
「手が汚れるのが嫌だからって直接潰すと、インクがこぼれてもったいないわよ?」
「良いじゃないですかー。どうせたーっぷり、インクのストックはあるんですから」
「まあそうだけれどね。さてこいつらもさっさと潰してスタンプ押そうかしら」
「えへへ~、それじゃあ小人さん。インクになーれ!」
「虫けら共、最後の仕事よ。インクになりなさい!」
ミキミキ、グチャ、ミチャ、グチュ、グジュ、ビチャッ