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“Teacher”
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原因不明の巨大化女性が巷で問題になり始めた。
生まれたときはどこにでもいる普通の赤ん坊だったのにその成長速度が段違いなのだ。
14歳にもなれば少なくとも200cmはあった。さらにモデルのようなスタイルで見た目も大人びていた。

「今から授業を始めるぞー」
何食わぬ顔で教室に入り始めようとするが内心俺はドキドキしている。

「起立」
日直の女子が言った。

クラスにいる20名ほどの巨大女子が立ち上がろうとする。
巨大化女性サイズに作られた大きな椅子がガタガタ引きずられた。彼女らの大きさに圧倒される。

教卓の目の前にいる女子生徒はこのクラスで一番低いといっても既に180㎝はあった。俺より高い。
大きなおっぱいが紺色のブレザー越しにでも分かるほど丸みを帯びていた。思わず目を向けてしまい恥ずかしかった。

「礼」
どの生徒も大きなおっぱいが重力にしたがって大きな半円を二つ作っていた。教員としての心構えは十分にわきまえてはいるつもりでも、思わず見てしまう。

女性全員が巨大化するわけではなく割合的には1000人に一人ぐらいであった。
身体的成長のほかに、学習能力も高くて巨大化女性の中には13歳で海外の有名大学に入学する者も珍しくなかった。
なぜ海外に行くのかと言うとこの国では法整備が遅れていたので、巨大化女性が飛び級で進学する法律がなかったからだ。
ただし首都圏では先進的な問題に敏感な議員らにより「巨大化女性保護条例」が制定された。そして入学者数が減少傾向にあった女子学園と協力することで、この枠組みに巨大化女性のための専門学校設置が規定されたのだった。

…で、俺はその学校の1年生に社会を教えている。
本来この年齢であれば都道府県と県庁所在地を覚える授業をするが、彼女らはとっくの前に終えていた。

「課題を出したと思いますが、〇〇〇地域における諸問題の分析ついて発表してもらいたいと思います。皆さんグループになって意見交換して発表の準備をしてください」
もともと高校社会を教えるように頼まれていたが、授業を飲み込むスピードの速さや課題の進捗も想像以上だったため、大学のレポートのような内容に発展してしまったのであった。

それぞれ机を合わせて彼女らは議論し始めた。俺は教室を巡回しながら生徒の様子を見守っていた。
教室を一周するところで話し合いはより活発になり、前のめりになっておっぱいがのしかかるほど話し合う者もいた。あの教卓の前の席の女子生徒だった。
ブレザー越しとはいえ、机に押しつぶされていてもその形をはっきりと分かるもので一瞬凝視してしまっていた。ブレザーの胸元から谷間も見えていた。自分があの谷間に顔でも入れたらどんな風になるんだろうか…

「せんせ~い~聞きたいことがあるんですけど~」その女生徒が俺に対して質問してきた。
凝視してしまったことへの自己嫌悪に思わず脂汗がどっと流れてくる感覚に襲われ、すぐに落ち着いて、彼女の質問に答えた。

いくら相手が大人っぽい見た目をしているからと言ってもまだまだ学生であることには変わらなかった。俺は自分自身に言い聞かせた。
授業も後半に差し掛かりグループの発表を聞きながら、ここまで調査力があって論理的で勉強もできるのに、この国で大学に進むには数年も待たないといけないのかと内心憤る気持ちを感じた。

……しかしながらこの年、こうした巨大化女性らの成長は医学的にも研究が進んだ。
その結果、市民法という法律に新たな一文が加わったのだ。

「巨大化女性に於いては誕生後の経過日数の二倍を年齢とする」

分かりやすく言うと巨大化女性の年齢は普通の人の2倍として扱われ、9歳の時点で大学進学できる資格を有することとなった。
これによって俺が受け持っていたほとんどの生徒が大学進学に舵をとりはじめた。そんな中の出来事だった。

「なんだ~こんなところに呼び出して、お前だけクラスで進路決めてないそうじゃないか」
教室に呼び出された俺は扉を開けたまま教室に入っていった。教員間の取り決めで女子生徒と1対1となる場面では密室とならないことがルール化されていた。俺自身も生徒と恋愛や性的関係を持つことは教員として失格だということは承知していた。

あの授業の時、教卓の目の前に座っていた女子生徒が立っていた。
成長期に差し掛かり身長は200㎝に到達しているように見えた。ブレザー越しでもわかる大きなおっぱいが目の前にあるのは理解しつつ、彼女の顔を見つめながら視点が下がらないように十分に注意した。

「先生、あの…わたし…と…」彼女は顔を赤らめながら言った。
そして彼女の両手が俺の頭を、そして身体を包み込んだ。目の前のおっぱいがやさしく当たる。
「けっ…結婚してください…」

彼女の言葉が空間に漂い、俺の心臓は徐々に早く鼓動し始めた。
「結婚……?」俺はあまりの突然のことに動揺してしまいながら、返事が言えずにそのままおっぱいの谷間に顔を沈み込ませることしかできなかった。

「先生が一番、私のこと知ってるかなって思うし、先生にも…もっと私のこと知ってほしい…っていうか…」
ブレザー越しの大きな谷間の中で彼女の心音を感じながら彼女の背中に手を伸ばした。

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この法律が施行された年、これまで未成年だった巨大化女性の多くが成人として扱われることとなり、この学校の独身男性教員のほとんどが彼女らと結婚することとなった。