「お兄ちゃんなんで泣いてるの?」
「えっ愛菜にお金取られたの?」
「そっかぁー愛菜も大きくなったからね」
「で大きいお兄ちゃんに言ってもらったの?」
「えぇー大きいお兄ちゃんもお金取られちゃったの!!」
「もぉーそれでも私のお兄ちゃんなの?だらしがないんだから」
と妹は立って泣いているお兄ちゃん2人を座り込んでも見下げて頭を撫でていた。
「さぁー愛菜のところに行くよ!!」
「えっ怖くて行けないって!!もぉー!!」
と妹はお兄ちゃん2人を担いで愛菜のところに行った。

一方愛菜は、自分の大きくなった事が楽しくて仕方なかった。
今まで見上げていた人達を今では軽く見下ろしてしまうのである。
愛菜の家の近くには、相撲部屋があり連日のように力士と遊んでいた、
まだ体が小さいときには、力士達に小突かれよく転んで力士達に笑われていた。
それが今では体が大きくなり、横綱でさえもまわしを片手で掴んで持ち上げてしまうほどであった。
大きくなった愛菜は力士数人が同時に向かって来ても押しても引いても動かない
しかも力士が愛菜を見上げると笑っているだけで
「じゃー押すよ」
と言うと愛菜はズンズンと前に出て行き必死に押さえている力士達をズルズルと後退させた。
力士達はその力になすすべなくさらに
「これで最後ね」
と愛菜が軽く手で力士を押すと力士全員が土俵の外に飛んでいってしまった。
「はい、愛菜のかちぃー!!」
と喜んでいた。

さらに圧巻だったのが、
「この棒何?」
と親方聞くと
「それは鉄砲と言って張り手など練習するんだよ」
「へぇーじゃー愛菜も・・・・」
バン!!ボキ!!
「えっ普通に叩いたら折れちゃったよ・・・いつも手加減してたからこれなら壊れないと思って・・・」
と愛菜は壊した事に笑顔で謝っているが親方ら力士は、その折れた大木を見て
今までほんと手加減してたんだと言うのがよく分かった。

そんな愛菜は男に対して、カツアゲをするようになった。
相手は愛菜に比べたら幼児以下の体であるため
全力で逃げる男を歩いて追いついてしゃがみ込んで
簡単に腕を締め上げられ
「ねぇーかわいい僕、愛菜にお金頂戴!!」
と満面の笑みでカツアゲをしてた。

妹はカツアゲをしている愛菜を見付け
「こら!!いじめちゃダメでしょ!!」
妹は、屈みこんで愛菜の腕を掴んで引き離した。
愛菜は自分より大きな妹を見て
「あっ玲子ちゃん・・・」
と愛菜から男を解放したのだが
「あれ先生・・・・愛菜の担任でしょ。しっかりしてよ!!」
この時小学校の先生たちの立場は既にないのであった。
「もぉーほんと男ってどうしようもないんだから」