扉の向こうから見えるのは、お臍であった。
「この扉低いわね・・・さすがは男性専用だわ。。。」
と四つん這いになりながら扉を向けるとそこのは大きなプロレスラーが練習していた。
「こんにちわ、月刊プロレスラーの桜井裕美です。今日は取材にきました。
一応、佐田明さんにアポ取ってあるんですが・・・・」
練習生が桜井を見上げながら佐田の所に案内しているのだが、その桜井の大きさは、
男子プロレスラーが目を見張る位のものであった。
そして佐田のいる部屋に案内され
「まぁー座ってください。」
佐田に進められそこにあった2人掛けのソファーに座ったが桜井が座ると1人掛けのソファーにしか見えない
しかも長い脚はほぼテーブルの前ではつかえてしまうため、窮屈そうに座っていた。
「わざわざこんな窮屈な所に来なくても取材は出来るのに・・・」
佐田はお茶を出しながら裕美の姿に話をすると
「いいえやっぱり現場を見ないと取材なんて言えないです。あっお茶いただきます。」
と裕美にはお猪口のような湯呑を持ちながら佐田に返答すると
「さすが元チャンピオンは言う事が違うね」
「でも凄く大切です。」
裕美は5年前にプロレスを引退し月刊プロレスラーと言う雑誌の記者になった、
それまではその巨体を生かし数々のベルトを奪取して王座として君臨してきた。
しかしさすがに年齢には勝てなく若手の成長もあり引退をしたのだった。
「それじゃーさっそくですけど今年の一押しの選手を教えてください」
「うちの一押しか・・・そりゃー佐竹だろ」
「あっ佐竹浩一さんですね」
「あの体格は今までにいないからな」
「そうですね、試合を見てる限り力はありますね、でも力だけでは勝てないですけどね」
「おぉーさすがは桜井さん鋭いね、そこなんだよ、中途半端にデカイから練習相手を探すのも大変で
いたとしてもすぐ怪我させてしまうだよ」
「そうなんですか・・・・じゃー私が練習相手になりましょうか?体当たり取材!!ってのもいいですし・・・」
「まぁーアイツの鼻をへし折るのはいいんだが、怪我だけはさせんでくださいよ」
「そんな男子の扱いは心得てますから・・・」
「そんじゃー佐竹の所に行きますか?」

暑苦しい部屋の中で必死に練習をする、レスラー達を傍目に佐竹は冷ややかにサボっていた、
しかし練習するレスラーの中では佐竹は郡を向いて体格がよく練習相手は5人くらいで丁度良く
試合では相手を再起不能のなるまで叩きのめしてしまう事が多かった。
「あぁー退屈だなぁー」
「コラァー浩一何してんだ、ちゃんとトレーニングしろぉー」
コーチである富永陽一は数年に渡りこのジムで指導してきた、そうして次々と世界に通用する選手を排出してきた
しかしチャンピオンになるまでには至っておらず、その目標に富永は必死であった。
「うるさいなぁーここのトレーニングなんてトレーニンにならないんだよ。」
「そんなこと言うな、スクワットとか自分で自分を鍛えろ」
富永はベンチに座り込んでいる佐竹に近づき怒鳴った。
「おいじいさん聞いてりゃガタガタ言いやがって、このジムで一番強いのは俺なんだ
俺が何しようと口出しするんじゃねぇー」
と佐竹は立ち上がりながら富永の胸倉を掴みつつ片手で持ち上げてしまった。
苦しみ暴れる富永であったが床から完全に脚が浮きジタバタしようがその手はビクともしなかった
「やめてほしかったら俺に指図なんてするな」
佐竹は笑いながら富永に問い掛けたのだが何も言わない
周りにいた選手も佐竹を止めたと言う気持ちがあるのだが
その力の差は、歴然であるため何も言うことが出来ないのである。
「さぁーどうするんだ?」
と佐竹がさらに締め上げると富永は失神寸前になっていた。
「おい何してるんだ佐竹・・・富永をそんなことしても強くなれんのに・・・・」
そんな声を掛けたのは佐田で何故か佐竹は佐田の言う事だけは素直に聞き、
富永を床に降ろし、富永はその場でグッタリとしていた。
「今日は、月刊プロレスラーの桜井裕美さんが取材に来ていただいてるんだ挨拶しておけ」
佐田は佐竹に裕美を紹介するのだが膝を曲げているのに天井に腰が当たって窮屈そうな裕美の迫力に
さすがの佐竹も何も言わずに見上げ
「よろしくお願いします。」
裕美の挨拶に
「こちらこそ」
と素直に答えた。
裕美の佐竹への取材が始まり、今の状況ではこれからの進歩はないと言う佐竹の本音が聞けた。
その言葉は富永にとって屈辱であったがこれ以上何も出来ないのは事実であった。
しかしその本音に裕美が
「じゃー私の通っていたジムに行きません?」
「裕美さんそれは引き抜きと一緒です」
と富永は反発したのだが
「いいえ、体験してもらうだけです、そこのジムは女子専用なんで」
「女子専用って・・・・」
富永は言葉を失ったが佐竹は
「おぉー面白そうだな。でもそんな簡単に入れるのか?」
「はい私から話をすれば何とかなります」
裕美は佐竹にそう答えると
「それじゃーお願いしてもらっていいか?」
「じゃーまた連絡します。」
と裕美は取材を終え、佐田のジムを後にした、
「おい佐竹、怪我せんように気をつけるんだぞ」
と富永は真剣な眼差しで佐竹をみた。
富永は知っていた裕美の通ったジムと言うのを・・・・

次の日裕美からの連絡があり佐竹は待ち合わせ場所で待っていた、
待ち合わせ場所は女性専門街の入り口でありすべてが大きかった、
目印である自販機も佐竹の背丈で背伸びしてやっとボタン押せるくらい高い位置に設定してあった。
「すいません遅くなっちゃいました。」
そこに裕美が慌ててやってきて佐竹を見つけ謝っていた。
「じゃーさっそく行きましょうか」
裕美は佐竹を案内し、ジムに向かった。
数分歩くと大きなビルの中にジムがあり
裕美が扉を開ける目の前には受付があり、裕美が受付の女性と話をしていた。
到底高すぎる受付の机に佐竹は上空で起こっている事など分かりもしなかった。
すると受付の女性が佐竹を机越しに見て確認すると、こちらに歩いてきて佐竹の前に座り込んで
「身長計りますね」とメジャーをあてて
「なるほどほんと大きいですね。分かりました。」
佐竹に言わず裕美に言うと
「それじゃージュニアルームでトレーニングしてください。」
と受付の人が言うと裕美が
「確かこっちですよね」
と指を指しながら佐竹を案内していった、
「おいジュニアルームってなんだ」
佐竹が裕美に聞くと
「ジュニアルームは将来有望な小中学生を集めてトレーニングしてる所よ」
「俺は小中学生と一緒か・・・」
「そうね普通の男だったらちびっこルームなんだけど佐竹さん大きいから」
と言いながらもジュニアルームの扉を開けるとそこには小中学生らしい女子がトレーニングをしていたのだが
その大きさは普通の同年代の女子よりは大きかった。
「あぁー裕美さんだぁー」
トレーニングしてる女子1人が叫ぶとみんながトレーニングを止め裕美の所に集まった。
「みんなお久しぶりだね、今日はね今日から1週間トレーニングを一緒にしてもらう人を連れてきたの」
と佐竹を紹介すると女子らは、
「よろしくお願いします。」
と挨拶した佐竹も挨拶するのだがこれで何歳なんだと困惑していた。
この中にいる一番小さい女子でも佐竹より少し低いだけで大きな選手になるとその女子の肩先にも及ばない
トレーニングは今までになく苦しいのだがそんなトレーニングも楽々とこなしてしまう女子ばかりなのである
そんな様子を見守ってる裕美であるが
「佐竹さんって男子の中では敵なしなんでしょ?」
「一応な・・・・」
「じゃー佐竹さんを倒せば男の人なんて目じゃないのね」
そんなことを言い出したのは、ジュニアルームで一番小さい瞳という女子だった。
「そんじゃー練習試合しようよ。」
と瞳は手を広げ佐竹に向かっていった、
佐竹もその手を掴むと瞳と向かい合った。
「力比べだぁー」
と瞳は佐竹を見上げながら力を入れていき
それに対して佐竹も力を入れていった
佐竹は身長の差もあり体重を掛けるように瞳を押さえ込んでいく
「うわぁー潰されるぅー」
瞳も叫んでいたのだが実は瞳は遊んでいただけで佐竹の力が限界まで来た所で
「佐竹さんこれで終わり?・・・じゃー今度は私の番ね・・・」
と言った瞬間佐竹の手に瞳の握力が一気に加わり
「あぁー!!」
と佐竹が叫ぶと一気に形勢が逆転し佐竹は膝を突いてしまい完全に力負けしてしまっている。
「佐竹さんもう限界なの??」
佐竹は必死に抵抗していたのだがまったく歯が立たない
「私まだ軽くしか力入れてないんだけだけど・・・・」
「くそぉー」
佐竹は体勢を整え一気に力を入れ立ち上がった。
「やっぱりそうでないと・・・じゃー私もいくよ」
と瞳がさらに力を入れると佐竹は再び膝をついてしまった。
「なんだやっぱりそんなもんなんだ」
瞳が納得すると手を離した。
佐竹は瞳の力から解放されるとそのまま四つん這いになっていた。
「なに倒れてるの、次はタックルしてきてよ。」
佐竹は完全に遊ばれてしまっている。
必死に戦ってる女子はこのルームでは一番小柄であるにも関わらずまったく歯が立たない。
そんななかでも佐竹は必死に瞳に向かって体当たりをして行くが瞳はビクともしない
「えっーそれでタックルなのぉーそんなんじゃ全然倒れないよ」
と腰にしがみついている佐竹のパンツを片手で握りしめ持ち上げてしまい。
「ちょっと体重も軽いじゃん、これで男一番の人なの信じられない。」
瞳はそんな事を言いながら手を振り佐竹を空中で振り回し遊んでいた。
「瞳ちゃん男の子をそんな風に扱ったらダメでしょ・・・」
忠告したのは、裕美であった。
「でもなぁー・・・・」
「仕方ないよ。このジュニアルームで一番力弱くて、いつも負けてたからうれしいんでしょ。」
そんな話をしたのはジュニアルームで一番大きい瑠璃子と言う女子だった。
瑠璃子は佐竹を瞳から離し瑠璃子が肩を支えながら佐竹をゆっくり起こすと
「佐竹さん大丈夫ですか・・・」
声を掛けたが佐竹は、見上げる様に瑠璃子をみて
「ありがとう大丈夫だよ。」
「ごめんなさいね、でもまだ瞳は小学校1年で体だけは大きいんだけど男子の扱い方はしっかり知らないから・・・」
「あれで1年・・・」
「そうよ、ここにいる人達はみんな平均に比べると格段に大きいのよ、私もこの中では一番大きいけど小6なのよ」
と瑠璃子が言うと佐竹は愕然とした表情で瑠璃子を見上げていた。
その様子を裕美と受付の女性がみていて
「やっぱりちびっこルームの方が良かったかしら・・・」
裕美が話すと受付の女性
「ここでいいですよ、ちびっこルームに行っても佐竹さんに勝てる女子はいないでしょ
あと幼稚園児は手加減を知らないから大怪我しますしね。」
「確かにそうかも知れませんね」
と話をしていた。

佐竹は1週間集中してトレーニングを続けていた、確かに身になっていて、今までにないくらいの重さのバーベルや
体に合った器具が沢山合ったからだ。
しかしすべての器具において一番軽量の物でないとピクリとも動かせないのも事実で
一度瑠璃子が器具に錘を置いてどこかに行ってしまった事があり、佐竹は必死でその錘を片付けようとしたがピクリともせず
「あぁーごめんなさいすぐ片付けます。」
と瑠璃子が戻ってくるとその錘を片手で持ち上げてしまった。
「佐竹さんには重過ぎかも知れないけど私には軽すぎてすっかり錘を載せていることを忘れてました。」
その差は歴然であった、
しかし佐竹はこの1週間でとても強くなった、これは男子の中では誰も歯が立たないくらいなのだが
ジュニアルームの中ではまだ瞳にあっけなく力負けしてしまう。
そして最終日に
「また来てくださいね。」
と瞳に言われ
「あぁーもっと強くなるさ」
「私もね。。」
するとその時扉の向こうから
「なんか男子がトレーニングしてるんでしょ?どんな人なのぉー」
と言う声が聞こえ部屋全体が揺れるような感覚が来た。
そして扉が開くとその扉の向こうには太股までしか見えず、
「ちょっとこの扉小さいよ。。」
そういいながらも扉を全開にして無理やり中に入ってきた。
その大きさは裕美ですら小人に見えるくらい大きく、
聞けば現在の女子プロ世界チャンピオンらしい
「あぁー佐竹さんだぁーかわいい!!」
と言うと片手で人形の様に摘み上げ抱きかかえた。
しかしそれだけでも佐竹にとっては大きな力であり抱きしめられた先にある大きな胸に軽く埋められ
窒息寸前となってしまった。
そんな事はチャンピオンには分からず裕美ですら必死にチャンピオンを叩いてやっと気付いたくらいであった。

その後・・・・5年が経った
裕美が佐竹を尋ねると佐竹はあの時の事を凄く感謝してるみたいであった。
佐竹自身あれから強くなった。
今では6年連続でチャンピオンを狙うまで成長し、それは確実だろうと言われている。
女子のほうは・・・・
あの時殺されそうになったチャンピオンは3年後に瑠璃子にチャンピオンを奪われた、
しかし瑠璃子の頂点は1年しか持たず去年からはなんとあの瞳がチャンピオンとなったのだ。
もはや瞳を止めれるものなど誰もいなくなっていた。
たかが小学5年であるがその体格は既に大人を超え、あの時のチャンピオンを股下に見下ろし、
瑠璃子でさえもお臍くらいであった。
しかし小学5年でありまだ第2成長期に入っていなかった。。。。

高校に入学した瞳・・・巨人であった。
女子この中でも校門を軽く跨ぎ大きな胸によって瑠璃子でさえ見失ってしまう事があるらしい。
ジムでもすでに既存のトレーニング用品では間に合わず
瞳専用のトレーニングルームが出来ておりその部屋の中は瞳しか扱えないトレーニングマシンがあった。
一度裕美が取材の為にその中のバーベル使ってトレーニングを行おうとしたが
一番軽い重量でやっと持ち上げる事が出来るくらいであった。

一方佐竹も引退して、後継者の育成していた。
そこには、昔の佐竹のような性格をした、今野という若手レスラーがおり、体格は佐竹と同じか少し大きいくらいで
男子の中では敵なしであった。
しかし、引退した佐竹にはまったく適わないため、今野は今以上のトレーニングを佐竹に求めると、
裕美に紹介してもらった女子のジムに今野も入れさせた、
今野はジュニアルームの中では一番小さく佐竹も驚きを隠せなかった。
一方佐竹も瞳の姿を見ようと瞳専用のトレーニングルームに入ったのだがすべてが巨大であった
進んでいくと目の前にダンベルが放置されていたのだがその大きさは佐竹と同じくらいで
動かそうとしてもまったく動かなかった。
これは、男が何人いたら動くんだ・・・と思ってると
「あぁー佐竹さんお久しぶりです。」
扉の向こうから瞳が入ってきた、しかしあの頃のかわいらしさは一層磨きがかかったのだが
その容姿はあの頃の幼い面影などまったくなく、巨人であった。
「瞳ちゃんほんと大きくなったね」
「佐竹さんより小さかったのに今ではこんなに大きくなちゃった。」
瞳は仁王立ちして佐竹に大きさをアピールしたが佐竹は見上げた先には大きな胸が
憚って顔が見れなかった。
「じゃー私の力を見てます?」
いきなりそう言うと
「あっこれ邪魔ですね。」
佐竹が持ち上げようとしていたダンベルを指先で摘んで持ち上げた。
「昔はこのダンベルを持ち上げるのも苦労したんだけどなぁーいまじゃ」
と言うとそのダンベルを胸の谷間に入れると
「ほら見えなくなちゃった・・・これでトレーニングしてて入れてるの忘れちゃうの」
得意げにはなす瞳であるがあのダンベルは佐竹と同じくらいの大きさでしかも佐竹よりも
遥かに重量があるダンベルだった。
そんなダンベルを谷間に軽く入れてしまうくらい大きくなってしまった瞳には、
佐竹ほか男子には手がつけられなくなっていた。

瞳のトレーニングは、佐竹にとっては天変地異が起こっているくらいに感じた。
通常使っているダンベルは佐竹背よりも分厚い鉄の塊で
その鉄の板が何枚も入れたダンベルを瞳は片手で握り締め持ち上げてしまい
遥か上空で上下している。
さすがに瞳も苦しい顔が見えるのだがあんなダンベルを動かせるのは、
瞳しかいないのも事実である。
「よいしょ、やっとこの重さにも慣れてきたわ。」
と瞳がダンベルを床に置いたのだが床に置いただけなのに佐竹には地響きを感じ
ダンベルは少し地面に陥没していた。

「佐竹さぁーん!!今野さんが!!」
と裕美が血相を変えて扉を開け
「今野さん、女子と勝負しちゃって・・・・」
その言葉に慌てて佐竹は今野のいるジュニアルームに向かおうと急いだのだが
「佐竹さんそっちじゃなくこっち」
裕美が指差したのはジュニアルームでなくちびっこルームであった。
「ちびっこルームって・・・」
佐竹は驚きを隠せなかった、ちびっこルームは小学校に入学前女子を対象としている。
女子が大きくなってるからって入学前の女子にも負かされるくらい差がついてしまったのかと
驚きを隠せなかった。
その現場に行くと今野はぐったりとしていてその前には女子が1人立っていた。
「ひかりちゃん!!男の子をイジメちゃだめでしょ!!」
トレーナーの人がひかりちゃんを叱ってると
「だってこの人、思いっきりやっていい言ったもん!!」
「ひかりちゃん、男の子はね女の子よりも弱いのよ、でも男の子は意地を張っちゃうから
ひかりちゃんがやさしくお母さんみたいに見守ってやらないとダメだよ。分かった。」
「うぅー」
「ひかりちゃんそうしないと男の子に怖い怖いって言われちゃうぞ!!」
「えぇー嫌だーひかりやさしくなるぅー」
「じゃーちゃんとやさしく接しましょうね」
「うん!!ゴメンなさい、おじちゃん大丈夫?」
ひかりちゃんは、今野の頭をなでなでして労わっていた。

「誰が今野さんをちびっこルームに入れたの?」
怒っているのはマネジャーで
「手加減も出来ないちびっこの所に入れたらどうなるか分かるでしょ!!
だから佐竹さんの時もジュニアルームに入れたのよ」
佐竹はそのマネージャーが佐竹の1週間トレーニングした時に受付をしていた女性である事が分かった。
「そうなのよ佐竹さんの時もジュニアルームの子も一生懸命手加減してたんだから」
後ろから話をしたのは裕美であった。
「・・・あぁー男っていったいなんなんだ・・・」
佐竹は唖然としていた。
「大丈夫よ、女がやさしく労わりますから・・・・」
裕美が答えるが
「瞳が手加減しても男なんて簡単に潰されるよ・・」
「あの子は特別よ、私でも潰されちゃうわよ・・・」
裕美と佐竹が話してると
「そんな事言わないでくださいよぉー」
瞳が座り込んで建物2階ちびっこルームの窓の外から窓際にいた裕美と佐竹に反論した。
「じゃーこれを潰さずに摘めるの?」
裕美が差し出したのは裕美と同じくらいの大きな筒でちびっこルームで
その筒に乗ってコロコロ転がる物であった。
「もちろん!!」
と瞳が得意げに裕美からその筒を摘み上げようとした。
しかしその筒は瞳の指先であっけなく潰れてしまい
「えぇーこの前まで掴めたのにぃー」
瞳が苦やしんでると
「ほら、瞳は日々強くなってるだからやさしく摘めるのも練習しないとね。」
「はぁーい分かりましたぁー、私もうちょっと練習してきますね」
瞳は立ち上がりトレーニングルームに向かっていった。
「みんな強くなっていくの・・・男子も強くならないとね」
と裕美に後押しをされた佐竹であった。

佐竹は少し体調が回復した今野を支えながらジムを後にして行こうと外に出た。
外に出てジムの前に来ると、大きな鉄の塊が落ちていた。
佐竹はその塊が瞳が胸の谷間に挟んだダンベルである事に数秒考えて瞳の強大さ
再認識させられた。