兄「とりあえずメジャーと椅子もってくるわ」

妹「はいはい」

兄「持ってきた」ドン

妹「じゃあじっとしてるから」

兄「おう」(椅子の上に立つ)

兄「あっ」

妹「何?」

兄「高さ足りねぇわ」

妹「えっ」

兄「脚立とってくる」

妹「はいはい」



兄「とってきた」ガシャガシャ

妹「高さ足りるの?」

兄「お、今度は大丈夫」

妹「早くしてね」

兄「あっ」

妹「今度は何?」

兄「このメジャー2mのやつだった」

妹「えっ、足りないじゃん」

兄「もっと長いやつとってくる」

妹「はいはい」



兄「よし、これで死角はない!」

妹「ホントに?」

兄「ああ」

兄「その前に妹よ」

妹「ん?」




兄「座ってないで立ってくれないか」





妹「いや…私が立ったら絶対届かないじゃん」

兄「えっ」

妹「見ればわかるでしょ」

妹「ていうか家の中じゃまともに立てないし」

兄「じゃあ脚立あっても測れないじゃないか」

妹「そうだね~」

兄「最初に言ってよ」

妹「いやそこは最初に気づいてよ…」



兄「ふう、困ったな」

妹「なんで」

兄「妹がどれだけ成長したのか確かめたかったのだが」

妹「私が寝てるときに測れば?」

兄「そうか!」

兄「じゃあ今すぐ横になってくれ」

妹「えー…」ジト



兄「自分から提案しといて嫌そうな顔しないでくれ」

妹「だって、正直あんまり測られたくないもん…」

妹「また大きくなってるかも…」

兄「じゃあ夜中にこっそり測るからカギ開けといて」

妹「えっ、何言ってんの?」

兄「でも測ってるときに寝返り打たれると俺の命が危ないな」

妹「弱いなぁ…」

兄「誰かさんが重いだけ…」ボソ

妹「ん~、何ぃ?よく聞こえなかったなぁ~?」ギリギリ

兄「や、やめて中身が出ちゃう…」

兄「でもどうせなら太ももで締め付けて…」

妹「バカ!スケベ!」


-----<<夜>>-----


兄「(さて、行くか)」

兄「(このカギ、かかってるように見えて実は壊れてるんだよな~)」ガチャ

妹「すー、すー」

兄「(ぐっすり寝てるみたいだな…)」

兄「(ベッドに上がるのが一苦労…)」

兄「(ほっ、とうっ!)」バッ

妹「ん…むにゃ……」

兄「(!)」

妹「すー、くぅー」

兄「(セーフ…)」

兄「(そ~っと、そ~っと…)」

兄「(足でっかいな~)」ペラ(←布団めくってる)

妹「……」

兄「(これお尻だよな…クンクン、いいにおいがする)」

兄「(さわって…はさすがにバレるな)」

兄「(しかし、丸まって寝てるな。測れないぞ…)」

兄「(う~ん…)」ゴソゴソ

妹「……」

兄「(寝顔、かわいいな)」

兄「(昔は俺よりも小さかったのにな…)」

兄「(こいつが幼稚園にあがる前に抜かされたけど)」

妹「……」

兄「(そういえば、いつから跨れるようになったんだっけ?)」

兄「(ごめん視界に入らなかったって言われて蹴飛ばされたのは…)」

兄「(っと、そんな場合じゃない。さて、どうやって測ろうか)」

妹「何してんの?」

兄「おわっ!?」ビクッ



兄「お、起きられましたか…」

妹「最初から起きてたよ!」

妹「…ていうかどうやって入ったの?」

兄「カギ壊れてるから(キリッ)」

妹「知ってるなら直してよ」

兄「はい」



妹「ねぇ、そんなに身長測りたいの?」

兄「測ってみる?って言われたから気になって」

妹「あれは冗談だってば」

兄「えっ」

妹「えっ…って。その後に測られたくないって言ったじゃんか」

兄「測れっていうフリかと思って」

妹「そんな訳あるか!」

兄「ごめんなさい」

妹「はぁ…とにかくカギはすぐに直すこと!」

兄「はい」

妹「もう…」



妹「私も再来年には中学生なんだから、少しは気遣ってよね」