「船長…あんなところに島が…」
「地図には島など無いぞ。未確認の島か?」
「はぁ…ですがレーダーには何の反応も無く」
「ふむ。…よし、調査するぞ。上陸準備」

船は水平線の向こうに見える島に進路を定め進んでいった。
雲のかかるその島。なんの情報も得られないその島の正体を探るために。

ところが近づくにしたがって不可解な点がいくつも浮かび上がってくる。
あの島は、肌色をしているのか。
あの島は、なぜあんな綺麗なおわん形をしているのか。
あの島は、何故砂浜など海岸がなく水面からほぼ垂直な傾斜を保っているのか。

海流がおかしい。更に海上は不規則な風が吹いている。
船をその島の横につけた。
この島の全長は恐らく2000m弱。高度も1000かそこいらだ。
だがその表面には木や草などの植物は見られず、ましてその材質は土ではないのだ。

「上れそうか?」
「なんとか。生物はいないようですが…」
「うむ、注意して行け」

数人の船員達が島を登り始めた。
その島の材質は非常におかしなものだった。
さわるとへこむのだ。そして手を放すともとの形に戻る。
これはいったいなんなんだ?
だがザイルなどを刺そうとしてもへこむばかりで効果は無い。
男達は素手でのクライミングを余儀なくされた。

上るほどに傾斜は楽になってゆく。
男達は互いをロープで繋ぎ支えあって進んでいった。

気になる事があった。
山が、規則的に震えていたのだ。
地震か何かかと斜面に耳を当ててみたが島は絶えず ドクン 
ドクン と揺れるのみでそれ以上の変化は無かった。

歩いて上れるようになり始めた。
山頂部に近づいた男達は、そこが今までとは少し違う事に気付いた。
まず、ある一線から地面の色が変わった。肌色が薄紅色に近くなった。
材質も、張りがあった。
そして頭頂部は妙な形の岩がせり出していて、それ以外にこの島には何も無かったのだ。

引き返そうかと思ったら、男の一人が島の外を指差して叫んだ。
そこには同じ様な山がもう一つあった。
そしてこの視点の高さからそれを見たとき、男達の脳裏にあるイメージが過ぎったのだ。
更に別の男が叫んだその先には、なんと巨大な女の顔を見上げることが出来ていた。
真下から見上げるようなアングルだった。
ほとんどが海に沈んでいたが顎や口、鼻、目などは海上に出ていた。
自分達のいるこの島からはそれを見下ろすことができた。

……島?

全員が、先ほど見たイメージに明確な答えを示すことができた。
あれが女の顔であるなら、自分達が立っているここは。ここは…。

と、そのときである。

「う、うぅ〜ん……」

大気が揺れ動くような凄まじい唸り声が轟いた。
同時に海の中から凄まじく巨大な手が現れ、あの巨大な顔の巨大な目を擦った。
すると…。

ゴゴゴゴゴゴ…!

地面が傾き始めた。
あの巨大な顔が持ち上がり始めた。
わかる。
起き上がろうとしているのだ。

男達は慌てて自分達が立っている島の山頂部、乳首の表面にしがみついたが、数人はそれをできず、傾いてゆくこのおっぱいの斜面を転がり落ちていった。
船は突然持ち上がった乳房の巻き起こした渦に巻かれ底に残っていた船員ともども水中へと沈んでいった。

胸はどんどん傾いてゆき、当初よりも90度は傾いた。
島であり山であった乳房は、今度は天を向かずに横を向いた。
起き上がったときにこの巨大な乳房はぶるんと震えた。

「ふぁ〜…」

この超巨大な少女が欠伸をした。

「寝ちゃった〜…。そろそろ帰らないと」

言うと少女は水着を取り出した。
青いビキニだった。
少女はその三角形の布を乳首に合わせる。船員達がしがみついている乳首にだ。
男達は、自分達に向かって迫ってくる巨大な布に悲鳴を上げて抗議したが、やがてその悲鳴も青いビキニによってぴっちりと封殺された。
ビキニを装着した少女は立ち上がると浜を目指して歩き出した。

彼女が一歩歩くごとに揺れるその豊満な乳房の乳首に十数人の男達を捕らえているなどとつゆ知らず。


 *
 *
 *


「船長、あんなところに島が(以下略)」
「よし、調査(以下略)」

船をその浜に停泊させて船員達は降り立った。
白い丸みを帯びた島の表面には、まったく何も無かった。

「何もありませんな…」
「ほんっとにな…」

するとそのとき…。

「もう…なんなのよ〜」

巨大な声が轟き、同時に島がグラグラと揺れ始めた。
そしてこの肌色の島が続く向こう側から、巨大な顔がこちらを向いた。

「人がせっかく気持ちよく昼寝して立っているのにいきなり人のお尻に上ってきて…」

そう、ここは少女の尻の肉の上だった。
船をその淵に着け、男達全員が、この少女の尻の片方の山の上に乗っていたのだ。

その後男達は手のひらに乗せられ子一時間説教されたという。


 *
 *
 *


「船長(以下略)」
「よ(以下略)」

船をそこへと近づけていった。
ただ今回は島ではない。
何か巨大なものがただよっていたのだ。
男達は船から降りてそれを調べていた。
結構な面積がありそうだ。
やや沈みつつあるそれは、どうやら何かの生地のようだ。

と、その時。

「あ、あった〜」

声が轟き、そちらを見てみると海の上に巨大な少女が立っていた。
海は少女の足首を濡らす程度の深さしかない。
そしてその少女は、胸に何も着けていなかった。

「どこまで流されたのかと思った」

その巨大少女がこちらに向かって歩いてくる。
海をざぶざぶかき混ぜながら。
そして、その豊満な乳房をゆっさゆっさ揺らしながら。

あっという間に目の前まで来た少女は身をかがめると、この巨大な布を海中から引っ張り上げた。
その表面に無数の男達を貼り付けたまま。
布が引っ張り上げられたとき発生した渦で船は海中へと沈んでいった。
少女が身を屈めたとき、大きな乳房はぶるんと揺れた。

身を起こした少女はそのビキニのトップを胸に装着した。
男達はトップとおっぱいの間に挟みこまれ押し付けられた。

ビキニをつけたあと、その上から胸を揉み、位置を微調整する少女。

「よかった。危うく誰かに見られちゃうところだった」

苦笑した少女は海の向こうに歩き去っていった。


 *
 *
 *


「せ(以下略)」
「(以下略)」

見つけた布を調べていると巨大な少女の声が轟いた。
声のした方を見てみると少女はトップこそ装着しているがボトムは着けていなかった。
その少女がざぶざぶと歩いてきてやがて男達は少女を真下から見上げる格好になった。
下半身に何もつけていない少女を真下から見上げるのはとても刺激的だった。

男達の張り付いているボトムを手に取った少女は片脚を上げるとそれをボトムに通した。
男達の真横を、巨大な足が通過してゆく。
更にもう片方の足も、水を滴らせながら彼らの横を通り過ぎて行った。
そして上昇し始める水着。
彼らの上空から、巨大な少女の股間が、高速で迫ってきた。

水着をはいた少女はキュッとそれを尻にあわせた。
尻に食い込んでしまったバックを引っ張ってパンとなおすと再び歩き出した。


 *
 *
 *


「そろそろ真面目にやりますか」
「そうだな」


 *
 *
 *



大海原。
浮かぶ大型船が一隻。

「…というわけなんだ。引き受けてはくれないか?」
「って言われてもねぇ」

その船の前であぐらをかいて座る少女。
座っていてもそのほとんどが海の上に出ている。あぐらの膝すら水に着いていない。
そんな少女は片手を股間の前の片足の上に降ろし、もう片方の手で頭をぽりぽりかきながら言った。

「それはあなたたち小人の問題でしょ。なんで私がやらなきゃならないわけ?」
「その海賊は多くの船を要していてただの海上保安官には捕らえられんのだ。頼む。成功したら上はなんでも望むものを用意するらしい」
「ん〜…なんでもかぁ…」

暫く考えるような仕草をしたあと、ふぅっと息を吐き出した。

「ま、いっか。引き受けてあげる。どうせ暇だしね」
「おお、ありがとう」
「東の海だったわね。じゃあいってくるよ」

言うと少女は立ち上がった。
海の上だというのに、少女の身体はほとんどが海上に見えていた。
水中に在るのは足首から下だけだ。

少女は東に向かって歩いていった。
ザブザブと波立てながら。


 *


海賊旗艦。

「今日も大量でしたね」
「おおよ。じゃ、ずらかるか」

と、海賊船団が動き出そうとしたときだった。

「あーあったあった。これね」

船団を振るわせる声。
何かと持ってみると水平線の彼方から巨大なビキニの少女が歩いてくる。
全員が呆気に取られているうちに少女はあっという間に目の前までやってきた。

「ふ〜ん、結構な数。これは確かに小人には荷が重いわね」

足元の船団を見下ろす少女。
すると海賊船からは次々と砲弾が放たれた。
と、言ってもダメージは皆無だったが。

「まーいいわ。さて、捕獲して帰るのが約束だったけど、結構多いわね。どうやってつれて帰ろうかしら」

言うと少女はしゃがみこみ、海賊船団の一隻を指でつまみ上げた。
少女の指先ほどの大きさの船はひょいと摘まれてしまった。
そして恐ろしく巨大な目の前に持ってこられるとしげしげと観察された。
つまみあげられた船の船員達は傾く船内の柱などに捕まって震えながらその覗き込んでくる瞳を見つめていた。

しゃがみこんだ少女。
だがそれすらも見上げる海賊船団員は、そこから見る凄まじい光景に目を奪われていた。
折りたたまれた脚はふくらはぎやふとももがむっちりとふくれ、その間、青いビキニのボトムに包まれた股間はぷっくりと膨れていた。
ビキニのその小さすぎるトップからはみ出している巨大な乳房は膝に押し付けられて盛大にはみ乳となっていた。
手に持った船をくるくると回しながら全方向から観察する少女。
船内は嵐よりも酷い荒れようだった。酔うものが続出していた。

「ん〜…」

膝を台にして頬杖を着き、船尾を摘んでふりふりと振り回している船を見つめながら考える少女。

「……ま、小人だし、いっか」

言うと少女はビキニの左の乳房を抑えているトップの布をひっぱるとそこに摘んでいた船を入れて布を戻した。

「…」

海賊達は唖然とした。
海賊船の一隻が、少女のビキニのトップの中に仕舞われてしまったのだ。
布が、船の形に若干膨れているのがわかる。

少女はビキニの上から胸を押さえつけた。

「ちょっとごりごりするけど、大丈夫ね。でもへたすると潰しちゃいそう」

ズズン!
少女は海中に膝を着いた。
そして次なる船をつまみあげると、今度は右のトップの中にしまった。

「小さいから、あと2つずつくらいは入りそうね」

あっという間に、少女のビキニの左右のトップの布中には計6隻の海賊船が捕らわれた。
乳頭を囲むように配置されていた。
次につまみあげられた船は、ボトムの中に仕舞われた。
ぐいと引っ張られた布の中にポトっと落とされたのだ。
その入口を開けたまま、少女は空いている片手で次々と船を摘み上げ次々とその中に落としてゆく。
もう入らないだろうというところで、その入口はパチンと閉じられた。
ボトムには無数の船の形で浮かび上がっていた。

「うわぁ、さすがにごわごわするわね。まぁいいわ。さてあとは…」

見下ろしてみるともう残りは少なかった。
この小さな船でこれだけの数ならあとは両手にすくえば持っていけそうだ。
だが問題はこの船だけが少し大きいこと。
お頭たちの乗る船団の旗艦だった。

「この際仕方ないっか」

少女は旗艦を持ち上げた。
そしてそれを、口元へと持ってゆく。

「あ〜ん」

お頭たちは、ぱっくりと開けられた巨大な口を見た。
この船を、楽に収められる広さがある。
あの巨大な舌の上には東京ドームでさえ乗せることが出来るのだ。

そんなこんな言っているうちに旗艦は口の中に放り込まれた。
ぱくっ。口が閉じられる。

少女は残っていた船たちをすくい上げると笑顔でその場を後にした。


 *


約束の場所。
待っていた大型船の前に少女がやってくる。

「もごもご(おまたせ)」
「おおご苦労さん。うまくいったかい?」

少女はコクンと肯いた。
そしてももごもごと口を動かした後、

 ペッ!

それを吐き出した。
吐き出されそのまま着地した船は唾液でべとべとだった。

「次にこれ」

少女は手のひらをひっくり返した。
そこから何隻もの船が海面に落ちて水柱を立てた。

「あとー…」

ビキニのトップをぐいとひっぱると、それぞれの乳首に船が三隻ずつくっついていた。
少女が胸をぶるんと震わせると船たちは放り出され海へと墜落した。

「あとは」

少女はボトムの片脚の穴から手を突っ込むと布をぐいと横に引っ張った。
するとその中から無数の船がぽろぽろと落ちてきた。

「よいっしょ。これで全部かな」
「うむ。ありがとう。……おや、3隻ほど足りないようだが」
「え? ……あ」

少女はボトムを降ろすと割れ目をぱっくりと開いた。
するとそこには肉の間に船尾を見つけることが出来た。

「あちゃー中に入っちゃってたか」

少女は指を伸ばすと割れ目の中に突っ込んでほじくり回し、やがて3隻の船をかき出した。

「ごめんごめん。さすがにちょっと窮屈だったかな」

少女の足元に浮かぶ無数の海賊船はどれもこれもみな覇気がなかった。

「ひぃ…ふぅ…みぃ……確かに全部あるな。ありがとう。約束のバッグが最寄の町に届いているはずだ」
「ほんと!?」

水柱を立てながら駆け出した少女。


街。
その面積の大半を覆うほどの巨大なバッグが置かれていた。
1万倍の巨大娘用なのだから当然だが。
水平線の彼方から走ってきた少女はそのバッグを手に取ると高々と掲げた。

「やったー! ほしかったんだ!」
「気に入ってもらえたかな」
「うん! もうサイコー! また困ったことがあったら言って。なんでもやっちゃうから」
「ははは、それはありがたい」

夕方。
無数の船が鎖で連結されて運ばれていく。
その向こう、夕日に向かって海を歩いてゆく少女がいた。
胸にはあのバッグを大事そうに抱えながら。