※【おなら】



   【 2倍妹と行く ~おなら偏~ 】



それはとあるデパートに買い物に来ていた日のこと。

「~♪」

鼻歌を歌いながら女性用の洋服店を物色する妹と、その後ろをひょこひょこ着いてゆく兄。
女性用コーナーは洋服はもちろんのこと、棚や設置具など何から何まで2倍の大きさである。
兄にとっては身の丈の倍ほどもある洋服の壁が迷路のように入り組んでいて、本当に迷ってしまいそうなほどだった。
目の前を歩く2倍妹の、兄の顔の高さにある赤いミニスカートとそこから伸びる、兄の身長ほどもある二本の生脚だけが兄の道しるべだった。

「あっ、これかわいい。どうかなお兄ちゃん?」

妹が手に取った洋服を体にあてがって見せてきた。フリフリの着いたブラウスのような服だ。
かわいいとは思うが、洋服のセンスに自信の無い兄はテキトーに返事をしていた。女性用洋服店の迷宮という、自分には場違いな環境が兄を落ち着かなくさせるのだ。



そんなこんな店の中を歩き回っていた二人だが、ふと、妹が歩を止め固まった。
そっとキョロキョロと辺りを見渡し、兄の顔の前にあるスカートに包まれた大きなお尻を、大きな手が押さえに来た。

お、おならが出そう…。

腹部にあふれるガスの感じに妹はわずかに頬を染めた。
兄も、そんな妹の仕草に妹の状況を理解した。

男はともかく、女はおならをする場所は選ばなければならない。
2倍の大きさの女達のおならは、音が良く通るのだ。
こういう店などの騒がしい場所では、同じ大きさの女ならば気づかないだろう。
しかし小さな男には、それでもはっきり聞き取れるのだ。
今 妹は棚と棚の間にいるが、ここで大きなおならをしてしまえば、棚の向こうの通路に男がいた場合に聞こえてしまうだろう。その更に向こうの棚の奥にいたとしても聞こえてしまうのだ。
実際 兄は、妹が遠慮なく放ってしまったおならの音は、家のどこにいても聞こえてしまう。
妹だけがおならの音が大きいのではない。女は体の大きさが大きい分おならの音も大きく、小さな男の耳にはその大きな音が聞き取れてしまうのだ。仕方の無いことだった。
しかしだからといって放屁に対する羞恥心がなくなるわけではない。恥ずかしいものは恥ずかしい。
故に女達は、家の外での放屁には敏感なのだ。常にその危険を抱えている。
そのため、公共の場には放屁所なる場所が設置されていて、その中でなら音が外に漏れる心配なくおならをすることができたりする。

もちろんこの手の店になら放屁所が設置されているのだが、初めて来た店ではどこにあるのかわからない。
探して回るほどの余裕は無いし、探していて男と出会ってしまっては非常にまずい。
妹は追い込まれていた。

ぐぐ…こうなったら…。



兄は、妹の大きな手が押さえる大きな尻が目の前でフリフリと左右に動かされ、その太い太ももがずりずりとこすり合わされるのを見ていた。
が、突然、その大きな手がお尻から離れたかと思うと左手はスカートをめくり上げ、右手は兄の後頭部を掴んでいた。
瞬間、兄の頭部は一瞬で目の前に現れた白いパンツに一瞬で押し付けられた。
妹が兄の頭を自分の尻に押し付けたのだ。スカートをめくりあげていた左手はその生地を放し、右手と一緒に、スカート越しに兄の後頭部を押さえる。
兄の頭部は妹のスカートの中に入ってしまっていた。
妹は若干、腰を落として兄の顔の位置にお尻を合わせている。
兄は、突然 顔をお尻に押し付けられたことでもがいたが、その動きを妹の大きな両手が背後からぐいとお尻に押し付けることで押さえ込む。

スカートの中でモゴモゴと動く兄の頭部を尻に押し付けながら妹は言った。

「ごめん、お兄ちゃん! 吸って!」

言うと同時に、我慢していたものを放出した。

 ぶごおおおおおおおおおおお。

腹の緊張を解き、尻の穴から、ガスが噴出されるのを感じた。
それはすべて、そこに押し付けられている兄の口と鼻の穴に押し込まれた。
兄の体がビクンと震え、それまで以上にバタバタと激しく暴れだす。
が、しかし、それでも兄の頭部を押し付ける妹の手の力は収まらない。
周囲に音が漏れていないか。誰も気づいていないか。それが心配で顔を赤くしながら目をギュッと閉じていた。
音が漏れないよう、ガスが漏れないよう、兄の頭部は妹の手によって更にグイと強く尻に押し付けられた。
妹の強靭な手の力と、魅惑的な弾力の尻の間に挟まれ、兄の頭部はメリメリと音を立てていた。

放出されるおならは微量も漏れることすら許されず、兄の体内に注ぎ込まれた。
鼻の穴も、口も、喉も、兄の抵抗など、妹の凄まじい放屁の前には全く無力であり、それらは押し込まれるおならによって簡単にこじ開けられ、体内への進入を許していた。
兄の肺は、一瞬で妹のおならに埋め尽くされた。
しかしおならはそれだけに飽き足らず、食道へと進入を果たした。
胃、腸、どんどん押し込まれるおなら。兄の体中が妹のおならで満たされていった。

これは兄の時間感覚。
強大な妹のおならを前に感覚が研ぎ澄まされ、通常よりも時間の流れが遅く感じられていた。

しかし実際には妹の放屁は僅か数秒で終わっていた。
おならは、まさに爆発のような勢いで放たれていた。
そんな爆風をすべて体内に受け止めさせられた兄の腹は、放屁の瞬間、ボンと膨れ上がった。
妹のおならによって体内から膨らませられてしまったのだ。

強力なおならもすぐに勢いを衰えさせ、最後にはスカシのようなすー…という静かな音を立て締めくくられた。
その最後の分のガスまでしっかりと、兄の体に注ぎ込まれた。

「ふぅ…あぶなかった…」

周囲を見渡し、誰も気づいていないのを確認した妹は、ほっと安堵の息を吐き出した。
そして兄を押さえつけていた手を離し、腰を上げ、兄の頭部をスカートから引き抜くとその小さな体を振り返った。

「あはは、ごめんお兄ちゃん。我慢できなくて…」

苦笑しながら振り返った妹の視線の先には、白目をむき、口からは涎を垂らし、顔は土色に変色し、腹を大きく膨らませた兄が体をビクビク痙攣させながら立っていた。
だが妹の手の支えを失ったことで、その体もグラリと倒れこむ。

「お、お兄ちゃん!」

妹は倒れこむ兄を慌てて押さえ起こした。