第7話 〜 今日は0.1倍 と 10倍 〜


朝。

登校前のひととき。

兄と妹は見詰め合っていた。

「…」
「…」

ここは7話目にして初めて公開される兄の部屋。
パソコンや本棚があり、それ以上めぼしいものもない。
そして兄は今、机の前に立っているのだが、そこではいつもとまったく逆の光景が展開されていた。

妹を見下ろす兄。
兄を見上げる妹。

なんと妹は縮んだのだ。

兄の目の前には、机の上にちょこんと立っている妹がいた。

「お前って小さくなることもあるのな」
「そうみたいだね」


筆者「うむ。第1話で大きさが変わるとは書いたが巨大化しか出来ないと書いた覚えは無いぞ」


「まぁいいけど。これじゃあ今日は学校には行けないな。大きくなるならまだしも小さくなっちゃあ」
「うん」
「じゃあ今日は家でゆっくりしてろよ。そのうちまた大きくなると思うし」
「ううん、今日は一緒にお兄ちゃんの学校にいく」
「俺の学校?」
「だってお兄ちゃんの学校って入ったことないんだもん」
「そりゃいつもの大きさじゃ入れないからな。でも退屈だぞ? 俺も遊んでやれないし」
「大丈夫。お兄ちゃんと一緒にいられればそれでいいから」
「そっか、わかった。じゃあ行くぞ」
「うん!」

妹は兄の手のひらに飛び乗った。
そして兄は妹を胸ポケットに入れたのだ。

「なんか変な感じだ」
「あはは、そうだね」

そして二人は学校へと向かったのだ。


    *****


通学

普段の妹の大きさなら数分とかからぬうちに学校に着くのだが、兄の大きさだと数十分はかかる。
別にバス代をけちる気はないが、兄は歩いていくことにした。

「うわぁ! 高いね〜」

妹はポケットから顔を出してキャッキャッとはしゃいでいる。

「いつものお前の視線よりも遙かに低いはずだが?」
「でも高いよ。足が着いてないからなのかな」
「かもな。足下にミニチュアの街があるのと展望台から街を見下ろすのは違うもんな」

妹はいつもと違う世界に大はしゃぎだった。
ふと妹はポケットの中で振り返り、服の壁を見つめた。

「この向こうにおにいちゃんの胸があるの?」
「そりゃまあな」
「そっか…」

突然兄は胸に何かがあたる感触を感じた。
妹がポケットの中から服越しに胸に身体を押し当てているのだ。

「何やってるんだ?」
「お…お兄ちゃんに…感じてもらおうと…思って…」

妹はせっせと兄の胸に愛撫(?)している。

「どうお兄ちゃん…感じてきた…?」
「いや全然」
「ガーーーーン!!」
「そんな気分でもないのに突然いじられたからって感じられるかよ。てかお前の方が息あがってないか? 疲れたんだろ」
「ううん…、どんなに…強く押しても全然…こたえないお兄ちゃんの…胸の強さに…酔っちゃった…」

妹の顔は赤く染まっていた。

「お前が感じてどうすんだよ」
「ハァ…ハァ…、お兄ちゃん…強いね…」
「今のお前と比べたらな。それよりも少し急ぐぞ。しっかりつかまってろよ」
「うん…」

兄は学校に向かって駆け出した。


    *****


無事学校に着いた兄(と妹)。
妹は兄酔いすることもなく、さきほどの火照りも治まったようだ。


そして授業が開始された。

1時間目・数学

教師の声と、生徒が鉛筆を走らせる音があたりを支配している。
兄も教科書を片手に、黒板に書かれた問題を解いていた。

そこに胸ポケットからひょっこりと顔を出す妹。

「すご〜い、お兄ちゃんこんな難しい問題解けるんだね」
「教科書見てるしな。それに数学ってのは記号やら公式やらで計算が面倒くさくて難しそうに見えるけど
 結局は今までにやってきたことの応用だから、基本からしっかりやってれば問題ないよ」
「そっか、じゃああたしにも解ける問題があるかな?」
「ん? ちょっと待ってろ」

パラパラと教科書をめくる兄。

「お、これなんかどうだ。ただの分数の計算問題だ」
「見せて見せて!」

妹は教科書を覗き込んだ。
そこにはページの半分は使おうかという「1」のみで構成された大変縦長な問題が書かれていた。
(修整前は問題を載せてたんだけどアップするときに文字の大きさが修整されてわけわからなくなってたので削除)

「…」
「…」
「……。…ぷにゃぁ」

妹は目を回してポケットの中に倒れこんだ。

「ちょっと面倒過ぎたかな」
「あぅぅ…分数がいっぱいで…えーと1/(1/1)は1だから…」

俺は妹をポケットから取り出し、シャープペンの芯と紙を渡して、机の隅を使わせた。
妹は芯を持って(手が汚れるのでティッシュペーパーで巻かせた)紙に先ほどの問題の計算式を書き始めた。

「−(1/−1)は1…でも分母が(1/(−1/1)だから1じゃなくて…でもその分母は…………」

結局妹はその数学の時間はずっとその問題を解いていた。
途中で答えを教えたのだが何度計算してもその答えにならなかったのだ。

「あぅ〜、なんで答えが合わないの〜…」
「お前、そこにあるマイナス計算してないだろ」
「え? ………あ! 本当だ! 出来た!!」

妹が解答に成功したのは1時間目が終わったあとの休み時間だった。
次の地理の時間では教科書に載っていた日本地図の上に立って、

「わぁ! なんかあたし大きくなったみたい!」
「いや、小さくなってるんだろ」

とか言っていた。

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 第7.5話  〜 今は0.1倍 〜


 地理の授業の途中のこと


カリカリと鉛筆を走らせる兄。
そんな兄の下にか細い妹の声が届けられた。

「お、お兄ちゃん…」
「ん? どうした?」
「おしっこ…」
「なにぃ!?」

ポケットから顔を覗かせる妹は、震えながらポケットの縁をギュッと握り締め泣きそうな顔でこちらを見上げていた。

「あと10分ほどで授業終わるからそれまで待てないか?」
「ダメ……漏れちゃう……」
「ハァ…」(ため息)

兄は目立たぬようこっそり立ち上がるとトイレへと向かったのだった。


    *****

男子トイレの個室へ入り、妹を便座の上に降ろす。

「ほら、これでいいだろ」
「…」

だが妹は兄の手を離れようとはしなかった。

「やぁ…、怖い…落ちちゃう…」

妹にしてみればツルツルした石で作られた小さな池のようなものだ。
高さもあるが、何よりその池がトイレだというのが落ちることに恐怖させた。

「でもここでないと出来ないだろ?」
「でもやだぁ…」
「ハァ…」

兄は妹を抱え上げると便器のフタを降ろした。
そしてその上にトイレットペーパーを折って敷いたのだ。

「これでいいか?」
「……うん…」

妹はするするとパンティを下ろした。
今まで全く描写していなかったが妹は普段の制服(+ニーソ(今日は白))を身に纏っている。
別に妹の放尿を見てもなんとも思わないが、妹と言えど女性だ。
男に放尿する様を見られたくなんかないだろう。

「じゃあ俺は外にいるからな」
「えっ!? 待って、行かないで!」
「へあ? でもお前だって俺がいたら用を足しにくいだろ?」
「ううん…大丈夫。だからどこにも行かないで」
「ドアの向こうじゃダメなのか?」
「うん…。ここ、広すぎてなんか怖い…」

祈るように手を握って辺りを見渡す妹。
確かに、このトイレは薄暗く作りも古式なので薄ら寒い印象を受ける。
それも初めて訪れる場所とあっては、そこでひとりになるのは心細いのだろう。

「…わかったよ。ここにいるから早く済ましちゃいな」
「うん」

言いながら妹はペーパーの上にしゃがみこんだ。
兄はその行為を見ないようにとりあえずそっぽを向いていた。
その時である。

「…あ、そうだお兄ちゃん、だっこして」
「なにぃ!?」
「ほら、小さい子にやるみたいに」
「お前は小さくないだろ! なに言ってんだ」
「でも今は小さいよ」
「身体の大きさがだろうが」
「ねぇお兄ちゃん…お願い…」

キラキラと目を輝かせて兄を見上げる妹。

「……トイレでそんな描写されてもな」
「お兄ちゃん…」
「ハァァ…、わかったよ…」
「やったぁ」

兄は妹の両脇と膝の裏に指を滑らせ、更に胴体を軽く包むことで身体を固定した。
妹の身体がふわりと宙に浮く。

「……この辺でいいのか?」
「うん。じゃあするね」

下腹部に力を込める妹。
するとその小さな性器から細い水の束が出てきた。

 チロロロロロ…

蚊の飛ぶ音よりも小さな音を立てて、それは足元のペーパーに吸い込まれていった。

「はぁ、気持ちいい…」
「…」

数秒間の放尿の後、それは止まった。

「なんで俺がこんなことを…」
「…お兄ちゃん……」
「ん?」
「拭いて…」
「拭けるかあああああああああ!!」
「ダメ…?」
「当たり前だろ。そういうのは男に頼むものじゃないぞ」
「どうしても…?」
「どうしても」
「お願い…」

妹は再びキラキラと目を輝かせて兄を見上げた。

「何で今日のお前はそんな積極的なんだ?」
「だっていつものお兄ちゃんには頼みにくいもん…」
「まぁ確かに俺も自分の身体よりでっかいマ○○を拭いてやろうとは思わないが」
「うん、だから今ならいいかなって…」
「どんな理由だ。ハァ…、今日だけだからな」
「うん!」

兄は新しいティッシュを手に取るとそれを折り、妹の秘所に当てようとした。
だが…。

「違うの。そうじゃないの」
「まさか、指で押し付けろとは言わないよな?」
「ダメ?」
「お前は何のためにここに来たんだ」
「お兄ちゃんに感じさせてもらうため」
「ハズレ。用を足すためだろ」
「…ダメかな?」
「…。さっき今日だけって言っちまったからな」
「お兄ちゃんありがとう!」
「ホントに今日だけだぞ」

兄は妹を左手の上に乗せると、ティッシュペーパーを巻きつけた右手の人差し指を妹の股間に近付けていった。
そしてそっと妹のアソコに触れたのだ。

「はぅうっ!」

声を漏らす妹。

「…」

兄はかまわず続けることにした。
触れた指先をゆっくり上下させ、丁寧にアソコを拭いたのだ。

「うぅ…! あぁ…ああああ!」

男子トイレの個室に、妹の喘ぎ声が響き渡る。

「…」

そして妹のアソコを拭き終えた兄は妹をフタの上に降ろした。
妹は余韻に酔いしれ、しゃがんだまま動かなかった。

「…」

妹にパンティをはかせると胸ポケットにしまい込み、用を足したティッシュと拭いたティッシュをトイレに流し男子トイレを後にした。

その日から、男しかいない男子トイレで女の喘ぎ声がするという噂が広がった。


 第7.5話 終わり

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そして午前の授業が終わり、昼食の時間がやってきた。

「ん〜、…さて、購買にパンでも買いに行くか。お前は何食べる?」

と妹に訊いてみたが返事がない。

「?」

兄がポケットの中を覗きこんでみると、そこには兄の胸に寄り掛かりながらすやすや眠っている妹の姿があった。

「…やっぱ退屈だったか。歩いて起こすのも悪いし、置いていくか」

兄はそっとポケットから妹を取り出すと、机の横に置いたかばんの中のタオルの上に寝かせた。

「すぐに戻ってくるからな。ちょっと待っててくれよ」

答えるように「むにゃむにゃ…」と寝息を立てる妹。
それを笑顔で見届けると兄はかばんを閉めて購買へと向かった。


    *****


同時刻。

同じ教室で一人の男子生徒が昼食を摂っていた。
手入れのされていない目にかかるほどの長さのボサボサな髪。
縁が太く、レンズの厚い眼鏡。
体形は丸々と太っており、体中から汗を噴出している。
そして極めつけはシャツにプリントされた二次元のキャラクター。

そう、いわゆるオタクと呼ばれる人種である。
それも今はその数を減らしつつあるという「旧世代のオタク」だ。

     「旧世代のオタク」
    上記した様な特徴を持つオタクのことである。
    最近はめっきりその姿を減らし、その姿を見ることが出来るのはコミケとアキバとマンガ等々の中だけになりつつある。
    最近のオタクはなかなかルックスにも気を使うようで、姿だけで判断するのは難しいと思われる。
    まぁそれでも分かる人には分かるし、ギャルゲーショップに出入りしてたら誰でも一発でそれと分かる。

でその「旧世代のオタク」は昼食のホットドックを食べながらなにやら卑猥な同人誌を読んでいた。

タイトル:「妖精さんいらっしゃい」

…。

作者は桂○枝か!?


まぁ置いといて。

その内容は、小さな妖精が主人公のもとにやってきてオナニーを手伝ってくれるというものだった。
それを読みながらオタクは言った。

「あ〜あ、僕んとこにも妖精さん来ないかな〜」

…。

セリフ書いててハラ立つな。 耐えろ十六夜!

でオタクは続ける。

「もしも妖精さんが来たらあんなことやこんなことさせちゃうんだけどな〜」

オタクはそこが学校であるにも関わらず、妄想の世界に突入した。


    *****


その頃。
妹は夢の世界から帰還していた。

「ふぁ〜ぁ…、お兄ちゃん、お腹すいた〜…」

だが兄の声は帰ってこなかった。
良く見ればそこは兄の胸ポケットの中ではなく、ふかふかした地面と薄暗い空間に包まれた場所だった。

「? ここは…?」

身を起こす妹。
そして光の差し込んでいたところから顔を出してみると周囲には無数の巨大な机の脚が乱立していた。

「教室かな…? この鞄からはお兄ちゃんの匂いがするし…」

言いながら妹はくんかくんかと匂いを嗅いだ。
すると兄のとは別の、なにやらいいにおいが漂ってきた。

「おいしそ〜…」

妹はかばんを抜け出すとふらふらとその匂いのする方に歩いていった。


    *****


同人誌もほとんど読み終え、ホットドックも残すところあと一口分となった。

「あ〜、妖精さん欲しいな〜…」

そして、最後の一口を口に放り込もうとした。
その時だ。

「よいしょ…よいしょ…」
「ん?」

なにやら妙にかわいらしい声が聞こえる。
きょろきょろと辺りを見回してみるがそんな声を出している者はどこにもいない。

「?」

首をかしげて視線を机の上に戻した。
するとその瞬間何かが机の上に上ってきた。

「よい…しょ! 到着〜」
「うわ!」

そこには大きさ14㎝ほどの小さな女の子が立っていた。


てか妹よ。お前は、お前の感覚で高さ6メートル近い机の脚を登ってきたんかい。


その小さな女の子はきょろきょろと周りを見渡し、自分の持っているホットドックの欠片を見つけると嬉しそうに近寄ってきた。

「あった〜」

女の子は僕の目の前に来てホットドックを指差しながら言った。

「それくださ〜い」

オタクは状況を理解できぬまま、そのホットドックの欠片を女の子に渡した。
するとその女の子はおいしそうにそれを食べ始めたのだ。

「ありがと〜。もぐもぐ…」

オタクは、小さな女の子が自分の顔より大きなホットドックの欠片を食べている様を見ながら呟いた。

「そ、そんな…、ほんとに、ほんとに妖精さんが…」

オタクは震えながら手をその女の子に近付けていった。
そして…。

 ガシッ

「あぅ」

オタクは女の子を掴むと、鞄をもって一目散に家に帰っていった。
途中でオタクは兄とすれ違ったが、兄はすれ違ったオタクが持っていた妹には気が付かなかった。

そして教室へと帰ってきた兄。
買ってきたパンを机の上に置いて、かばんを開けながら中にいるはずの妹に話しかけた。

「悪いな、遅くなっちまって。購買が混んでたから…」

だがかばんを開けてみると、そこに妹の姿はなかった。

「あれ? どこいったんだ?」

兄は首をかしげた。


    *****


帰宅を果たしたオタク。
すぐさま自分の部屋に入り、鍵を閉める。

部屋の中はオタク臭満々だった。
壁には隙間もないほど二次元のポスターが貼られ、棚は無数のギャルゲーとマンガで埋め尽くされ、
机の周りはフィギュアの一個大隊が占領していた。

オタクはそのフィギュアたちを蹴散らして、空いたスペースに妹を降ろした。

「なぁに?」

妹はきょとんとした顔で首をかしげている。

「よ、妖精さん…やっと僕のところにも来てくれたんだね…」

オタクは荒い鼻息がかかるくらい妹に顔を近付けた。

「妖精さん?」

妹は再び首をかしげた。

「そうだよ。君は妖精さんだろう?」
「…。そっか、妖精さんごっこだね!」

妹は笑った。


七話目にして、筆者は気付いた。「あ、妹って天然だったんだ…」


オタクは顔を離して妹に話しかけた。

「それじゃあ妖精さん。さっそく御奉仕してくれよ」
「御奉仕?」
「そうだよ」

ガサゴソと鞄をあさり、先ほど読んでいた同人誌を見せる。

「妖精さんはこうやって御奉仕してくれるんだ。君もやってくれるんだろう?」
「ふ〜ん、そうなんだ。いいよ〜」
「そうか。じゃあさっそく…」

オタクはズボンのチャックを下ろし、ビンビンに硬くなった自分の分身を引っ張り出した。
そして妹を分身の上に乗せた。

妹から見るそれは土管のようだった。
ビクンビクンと脈打ち、ホースほどもある巨大な血管が浮き出ている。
背後には黒いジャングルが広がり…………野郎の股間の描写しても詰まらんわい。ここでカット。

妹はオタクのイチモツに馬乗りになった。

「これからどうすればいいの?」
「ぼ、僕のオチ○○ンに抱きついて、ゆっくりと身体を上下させて」
「こう?」

妹の小さな手が優しくオタクのイチモツを抱きしめる。

「うううぅっ!」

ビクンと身体を震わせるオタク。
ああ、あの同人誌に描いてあることは本当だった。
妖精さんの小さな手が触るだけでこんなに気持ちいいなんて…。
ふと妖精さんが話しかけてきた。

「大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ…。そのまま続けて…」

妹は行為を再会した。
ゆっくりと身体を動かす。
するとそこの皮も一緒に動いた。

「あ…ああ…」

オタクは呼吸を荒くした。

妖精が、本物の妖精が、僕のオ○○○ンに御奉仕してくれている。さっきからちっちゃな胸が○○○○○に当たっている。
気持ちいい…。出る…。いきそうだ…。
イチモツはビクンビクンと自身を振るわせた。

「あぅ」

妹はその揺れに振り落とされないよう、イチモツに抱きついた。

「あああ…!!」

な、なんて絶妙な締め付けだ!
ダメだ…!
もう耐えられない!!

オタクは射○の準備をした。
そして妹を乗せたそれの先端から、白濁色の粘液を発射しようとした。その時だ!





 ピンポーン



「ちわーす。宅配便でーす」


届け物が届いた。


「…」

もう一歩というところでタイミングを外されたそれはしおしおと萎れていった。

「…なんでこんなときに来るんだよ! ほんと空気読まねえな! 宅配便ってのは!」

オタクは憤慨しながら、妹を机の上に戻した。

「ちょっと待っててね妖精さん。すぐに戻ってくるから」

オタクはズボンを穿きなおすとバタバタと部屋を出て行った。
部屋には、妹だけが残された。


    *****


「——はい、それじゃあここにハンコお願いします」
「…」

仏頂面でハンコを押すオタク。

それを確認すると宅配人は笑顔で去っていった。

「ありがとうございました〜」

 ブロロロロロ…

走り去る車。

「…」

オタクは自分の手に持っている着いたばかりの届け物を見た。
中にはこの間自分が通販で注文した同人誌、「妖精さんいらっしゃい」の続編が入っていることだろう。

「…」

オタクはそれを地面に叩き付けた。

「クソ! 今更こんなもんいらねえんだよ! 本物の妖精さんが来たんだから! 無駄な金使わせやがって…」

オタクは届いたばかりのそれを何度も何度も踏みつけた。

「ふぅ…、さて、早く部屋に戻らなくちゃ。妖精さんが待ってるからな」

そして笑顔で玄関に向かって歩き出したときだった。


 ドカーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


突然、オタクの家は吹き飛んだ。
吹き飛ばされ、庭を転がるオタク。
いったい何が起きた?
しこたま打ち付けた身体を支えながら、オタクは砂煙に包まれる我が家のあった方を見た。

するとそこには巨大な女の子が座っていた。

「な…ッ!?」

自分の家を瓦礫に変えてそこに座る女の子。
体躯は周囲の家ほどの大きさがある。
巨大な女の子が喋った。

「あ、大きくなった」

この声はあの妖精と同じ…。
まさかこの巨人はさっきの妖精なのか!?

すると巨人は自分を見下ろしてきた。

「あ、いたぁ」

伸びてきた巨大な手によって掴みあげられてしまったオタク。
後ずさってはみたものの、まったく意味は無かった。

「はやく続きやろうよ〜」

続き? 冗談じゃない!
僕はこんな大女じゃなくてちっちゃな妖精さんが好きなんだ。

オタクは身をよじって抵抗したが手の檻はびくともしなかった。

だがすぐにその檻も解かれ、今度は巨大な手のひらの上に寝かされた。

「はい。ズボン脱いで」

巨人は笑いながら言った。
い、嫌だ! 僕の貞操は妖精さんのものなんだ!
オタクはズボンをぐっとせりあげた。

「脱いでくれないと続きができないよ」

その声と同時にもう片方の巨大な手が伸びてきてズボンのすそを掴んだ。
渡すものか!
オタクは必死に抵抗した。

「もう。動かないで」

 ガシッ

オタクを寝かせていた方の手の指が彼の身体を押さえつけた。
手を離されたズボンは巨大な指に引っ張られずるずると脱げてゆく。
スポッ。ズボンは脱げた。
巨人は脱げたズボンを放り投げると今度は上着に手を伸ばしてきた。
必死に抵抗を試みるが巨大な指に押さえつけられて動くことができない。
しかし、この状態では上着を脱がすことは不可能ではないか?
そんな疑問がオタクの脳裏をよぎった。
しかし、それは杞憂だった。
指は上着の端を掴むとビリビリと引き裂いていった。

「!?」

どんどん切り裂かれていくシャツ。
そして次の指は、あの二次元の妖精がプリントされているところを摘んだのだ。

「や、やめろ! やめてくれ!! このシャツはコミケに1週間も前から並んでやっと手に入れたシャツなんだ! 僕の宝物なんだ!!」

だが無慈悲な指はシャツを引っ張った。
彼の愛したシャツはビリビリと引き裂かれていく。
妖精のプリントは見事に真ん中から二つに裂けていた。
宙を舞う彼のシャツの切れ端。
その光景を見せ付けられて、彼は自分の心も引き裂かれた様な思いだった。

「あとは1枚だね」

巨人が見下ろしてくる。
あと1枚。
それはパンツに他ならない。
そんなことさせるか!
ここは僕と妖精さんだけのものなんだ!!
ここを突破されたら今まで僕を快楽に導いてくれた無数の妖精さんを裏切ることになる!
なんとしてもこの最終防衛ラインだけは守らなくては!!
彼は決死の覚悟で臨んだ。
だが勝敗はあっさりと決した。
彼の下着は巨大な指によってあっという間に連れ去られてしまったのだ。
そのパンツを息で吹き飛ばして、巨人はにこっと笑って自分を見下ろした。

「これでやっと続きが出来るね」

手のひらが顔に近付いていく。
僕は巨大な手に固定されてしまって身動きをとることも出来ない。
手が顔に近付くと、巨大な口から真っ赤な舌が出てきた。
ゆっくりとこっちに近付いてくる。
そして、ゆっくりと僕の身体を舐め上げたのだ。

 ペロン

そのひと舐めで僕の股間から顔までがベッショリと濡れた。
気持ち悪い。
ぶよぶよした舌に触られて、吐きそうだ。
だが股間のイチモツはその未知の愛撫に強烈な反応を示した。
そして再びその舌が僕の身体を舐め上げた。
顔まで舐められたところで、僕のイチモツは男のミルクを発射した。

 ドピュッ ドピュッ

「あ、出た〜」

妹はその小さな性器から、まるでシャンプーの容器から出てくるシャンプーみたいに出てくる白濁色の粘液を見つめていた。

「うぅ…」

オタクは屈辱と恥辱に耐えていた。
しかし自分の分身は主のことなどまったくかまわず射精を続け、数秒後にそれも治まった。
分身も、役目を終えた様に縮んでいった。
だが巨人は物足りな気だった。

「え? もう終わりなの?」

巨大な首をかしげる。

「ねぇ、もっと見せてよ〜」

無茶を言うな…。
日頃から酷使してるからそんなすぐには起たないよ…。
オタクは恨めしそうに妹を見上げた。

「ん〜、じゃあもう一回舐めればまた出るのかな?」

なんだって!?
まだやるのか!?

再びベロンと出てくる巨大な舌。

「やめろ! やめてくれ…!」

また股間から顔までを舐めつけられた。
自分の股間から舐め上げているので、そこで着いた自分の精液が自分の顔に塗りつけられた。

「うぅ…」

最高に屈辱だった。
だが今度はイチモツも反応しなかった。

「あれ? なんで?」

不思議そうにオタクの股間を見つめる妹。

「もっといっぱい舐めればいいの?」

三度妹は舌を出した。
だが今度は舐めあげることはせず、舌先で股間を重点的に攻めた。
ペロペロと1㎝ちょっとあるイチモツとその下にある睾丸の入った袋の周りを舐めた。

「ああああ!!」

オタクは悲鳴を上げた。
強烈な快楽だった。
見る見るうちにイチモツは再び元気を取り戻した。

「あ、大きくなった! 早く出ないかな〜」

言いながら妹は、オタクのイチモツを指で軽く弾いた。

 ピン

「ああああああああ!!」

するとそれを契機にしたように、再びイチモツは射精を開始した。

 ドピュッ ドピュッ

 ズキン!

射精の度に激痛が走る。
準備も休ませてもいないのに無理やり出させたので身体が悲鳴を上げたのだ。

「あああ!! 痛い!! 痛いいい!!」

彼は暴れた。しかしそれさえも巨大な手に遮られ、暴れることによる痛みの軽減は出来なかった。
そしてこの巨人はさらにとんでもないことを言った。

「もう1回見たいな〜」

ばかな!
僕を殺すつもりか!?
もう股間が激痛で感覚すらなくなってるのにそれでもまだ出させるのか!?

「きっと今みたいにやればまた出るよね?」

確かにあれは耐え難いほどの快楽だった。
あの快楽が得られれば何度だって出すことが出来るだろう。
だがそれは全快だったらの話だ。
この超短期間にろくな休憩もせず二回足したのだ。
もう股間が機能していない。

 ベロン

またあの赤い化け物が現れた。
そして先ほどと同じように、今はもう機能しなくなったそれを舐めまわした。

 ペロペロペロ…

再びあの快楽がやってきた。
そしてあれだけ出したのに再び自分のイチモツは起き上がった。
まるでその老体を奮い立たせて戦場に立つ老兵のように。
やめろ! これ以上戦う必要はない! 敵は強すぎる!!
だが老兵はその膝を折ろうとはしなかった。
敵の使う妖術で無理やり立たされているのだ。
そして老兵は敵の命じるままに、その剣を振り下ろした。


 ビュウゥッ!


「わっ! 今度は赤いのが出てきた!」


血尿である。


「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」

今までに感じたことのないほどの激痛を股間に感じた。
その激痛とともにジョロジョロとイチモツから血が吐き出されている。

「あはは! 面白〜い」

巨人は無邪気に笑っている。
彼は涙を流して泣き叫んでいた。
やがてその血の水鉄砲も止まった。
だが痛みは全然消えなかった。

「へ〜、男の人は精液の色を自由に変えられるんだ〜。知らなかった〜」

そんな男はいない。
もしも赤い液体を出したのなら、それは内臓に異常を来たしているからだ。今のオタクのように。

「うっ…うっ…」

彼は激痛と苦痛に咽び泣いた。
両目からは大粒の涙が、股間からは赤い涙がこぼれた。

「ねぇねぇ、もう1回出して。こんどは青色がいいな〜」

死ぬ…。
僕はこの巨人に殺される…。
やっと妖精さんが来たと思ってたのに…とんだ化け物を連れてきちまった…。

「でももう舌も疲れたから、今度は指でね」

突如迫ってきた巨大な人差し指と親指にイチモツをつかまれた。
その瞬間さらに激痛が走った。

「ぎゃああああああああああ!」

「あは、そんなに気持ちいいの?」

そして妹は指を動かし始めた。

 シコシコ…

 ズキン!! ズキィン!!

「あああああ!! あああ!! ああ…!」

体中を激痛が駆け巡る。
このまま死ぬのではないかと思うほどだ。

 シコシコシコシコ…

 ズキンズキンズキンズキン!!!

「…!! …! …!! …ッ!!!」

もう、声すらもでなかった。
両目は虚ろになり、口と鼻からは液を垂れ流していた。

 シコッシコッシコッシコッ

だんだんとイチモツの引っ張られる距離が伸びてきた。
先ほどから30㎝も前に引っ張り出されている。

 シコッ! シコッ! シコッ! シコッ!

距離はどんどん長くなる。
先ほどから身体の体細胞が悲鳴を上げている。
これ以上耐えられないと。
止めてくれ…! それ以上伸ばされたら………!

そして…。


シコッ!!





ブチ



「あ、取れちゃった」


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!! あああああああああああ!!!」

彼はのたうった。
自分のチ○○が! チ○○が!! 千切り取られてしまったのだ!!!
イチモツがあった場所からは大量の血があふれ出ている。

「ごめんね。わざとじゃないんだよ」

妹は優しく語り掛ける。
そして彼を地面に解放し、そしてその前に千切り取った一物を置いた。

「これは返すね」

置かれたそれはぺちゃんこに潰れていた。指の間で潰されてしまったのだ。
オタクは股間を押さえてその場にうずくまった。

ふと妹の視界に壊れかけた時計が入ってきた。

「あ、そろそろお兄ちゃんの学校が終わる時間だ! そろそろ行かないと。じゃあね、また遊んでね」

妹は立ち上がるといつもの様に地響きを建てながら兄のいる学校へと向かっていった。



その後、そこに残されたのは、家も壊され、股間のイチモツも千切り取られた、哀れなひとりのオタクだった。


    *****


あの後、授業を仮病で休んで、学校中を探し回った兄。
しかし結局妹は見つからず、学校を出て、とぼとぼと家路に着こうとしていた。

「いったいどこに行ったんだ…。あの大きさならそんな遠くには行けないはずなのに…。まさか誰かに踏み潰されたんじゃ…」

と、そんな暗い予想をし始めたときだった。
遠くから聞きなれた音と振動が近付いてくる。

「おにいちゃ〜ん」

振り返れば10倍サイズの妹の姿がそこにあった。
妹は兄の前に膝を着いた。

「おまたせ、お兄ちゃん」
「何処行ってたんだよ。随分と探したんだぞ」
「えへへ、なんか面白い人に連れていかれてね、妖精さんごっこしてたの」
「妖精さんごっこ?」
「うん。あのね…——」

そして妹は自分が0.1倍だったときにした事と、10倍になった後にしたことを兄に話した。
その時妹は、兄の目が段々と据わっていった事に気が付かなかった。

「—それで最後はオ○○○ンが取れちゃったんだ〜」
「…」
「? どうしたのお兄ちゃん?」
「……ちょっと顔を近付けろ」
「? なぁに?」

兄に顔を近付ける妹。

 ペチン

突然頬を叩かれた。

「えぅ!!」

妹はまったく予想していなかった出来事に驚き顔を遠ざけて、兄を見た。
兄は無表情で自分を見上げている。

「お、お兄ちゃん……?」
「この前俺がなんて言ったか覚えてるか?」
「え……」
「そういうことは大切な人と以外にするなって教えたよな?」
「あ……」
「なのにお前は、見ず知らずの男のチ○○を触ったり、舐めたりしたのか?」
「あ…ああ…」
「…」

妹の顔がだんだん泣き顔に変わってゆく。

「ご、ごめんなさい! ごめんなさい! すぐに吐き出すから!」

言うと妹は口に指を突っ込んで、胃の中のものを無理矢理吐き出した。

 ビチャァア!!

吐き出されたものが横にあった民家の上にぶちまけられた。
大半が胃液であったが、それは民家の屋根を貫いて部屋の中に侵入した。
家の住人は突然空から降ってきた胃液をもろに被ってしまった。
それは強力な酸を被ったのと同じだ。
肌がジュクジュクと音を立て始める。
彼は大急ぎで風呂場に駆け込み、酸を洗い流したことでギリギリ一命を取り留めた。

泣きながら、出すものがなくなってもひたすらに吐こうとする妹。

「エェ…ッ! ェア……ッ!」

兄は静かな声でそれを止めた

「…もういいよ」
「ゥウェ………ハァ……ハァ……で、でも……」
「お前が分かったんならそれでいい…。口元と涙を拭け」
「……うん…」

妹は巨大なハンカチで口元と目元を拭った。

「もう二度と、そんなことはするなよ。するなら自分の大切な人とだけだ」
「……うん…。…お兄ちゃんは…?」
「俺は兄妹だから別にかまわんが、早く他にいい人を見つけろ。兄妹じゃ結婚も出来ないだろ」
「……結婚なんか……しなくていいもん……」
「やれやれ…。とりあえず、家に帰って身体を洗おう。いつまでも知らん男に触ったまんまじゃいやだろ?」
「うん……気持ち悪い……」
「じゃあとっとと洗い流そう。俺も手伝ってやるから、念入りにやろうな」
「ッ…!? …うん!!」

妹は兄を抱え上げるとまっしぐらに家に向かっていった。
兄と一緒にお風呂に入れる喜びで、この時にはもう、オタクの顔すら覚えていなかった。


その夜妹は、兄と楽しいバスタイムを過ごしたのだった。


    *****


後日談


次の日、学校に登校した兄。

「ふぅ、昨日は疲れた」

あの後兄は二時間近く妹の身体を洗っていたのだ。
途中でもういいと言ったのだが、妹はもっと洗って欲しいとねだってきたのだ。

「まぁ、これで懲りてくれればいいけどな」

そして自分の席に着く。

ふと5メートルほど先の机に目が留まる。
いつもならそこにあるはずの姿が今日はない。

「あれ? あいつ身体だけは丈夫なのに」

その彼が今、病院で性機能の喪失を宣告されていたことなど、兄には分かるはずもなかった。

「まぁたまには風邪くらい引くか」


そして兄は1時間目の準備を始めた。