あくる日の事。
校舎内を散歩していた校長。

 校長 「今日も絶好調だ」

そんな校長を呼び止める声。

 生徒 「校長せんせ〜、あそこの教室で男子と女子がケンカしてたよ」
 校長 「なんと! それはいかん!」

教室に来た校長。
教室に入ってみるとそこでは十数人の男子生徒がわんわんと泣き、その横に聳え立つ一人の女生徒がおろおろとしていた。
校長と男子生徒たちは1000分の1倍である。
教室内の椅子や机の脚は、まるで神々の遺跡のような荘厳さをもって乱立している。

 校長 「うむ。おろおろした巨大娘もなかなか。いやいや、いったい何があったんだ?」
 女生徒 「男子がお掃除を手伝ってくれなくて、ちょっとこらしめてやろうと思ったら泣いちゃったんです…」
 校長 「懲らしめる!? ちょっと待ちたまえ…(ゴソゴソと懐からビデオカメラを取り出す)…よし。ではいったいどんなことをしたのかやって見せてくれるかな」
 女生徒 「えっと…集まってた男子をこうやって踏んだんです」

言うと女生徒は上履きを履いた足を持ち上げ、泣きじゃくる男子達の上に踏み降ろした。
男子達の鳴き声は更に大きくなるがそれも巨大な上履きにのしかかられてややこもったような声になった。

 校長 「(カメラ:じーっ)なるほどなるほど。他には何かしたかい?」
 女生徒 「手に乗せて、腕を上に上げました」

女生徒は上履きをどけ男子達を掌に乗せるとその手を天井に向かって突き上げた。
男子達の悲鳴が響く。そこは高さ千数百mの上空なのだから。

 校長 「(カメラ:カシャ! カシャ!)なるほどなるほど。まだ他になにを?」
 女生徒 「何人かつまみあげて口のところに持っていきました」

女生徒は掌を胸元の高さまで下げると、手に乗っている男子達の中の数人を自由な方の手の指で摘み上げ、口元へ持って行き口をあーんと開いた。
指の間の男子達は物凄く暴れていた。

 校長 「(カメラ:はいカットぉ!)なるほどのう。うむ。確かに掃除をサボるのはよくないな。学校はみんなのものだ。みんなできれいにしなきゃだめなのだよ。ただ女生徒君もそういうときいきなり懲らしめようとするのではなくて、まず掃除をしてくれるよう言葉で伝えるのだ。暴力はやっぱりいけないからね」
 女生徒 「はい…ごめんなさい…」

しゅんとなる巨大女生徒。
いやいや、ほんとのところ巨娘の暴力はうはうはですが。
いい映像が撮れた。ダビングして教頭にも分けてやろう。

今日も学校は平和である。