アスカ部屋。

 ハル 「お兄ちゃんが……あれから口を利いてくれない……」

低テーブルに突っ伏して暗いオーラを纏うハル。
それを、椅子に座ってジュースをストローで飲みながら見下ろすアスカ。

 アスカ 「んー、そりゃシュウだって自分の嫌なことを無理矢理やらされたら怒るよねー。シュウはハルちゃんと違ってフツーな人間だし」
 ハル 「わたしって普通じゃないですか…?」

ハルがテーブルに突っ伏したまま顔だけ横に向けてアスカを見上げてきた。

 アスカ 「フツーは『大量虐殺イヤッフゥゥウウウウ!』なんて言わないと思うよ」
 ハル 「いや、言ったことないんですけど…」
 アスカ 「似たようなことは言ってるけどね。まぁやっぱり謝って赦してもらうしかないんじゃないの?」
 ハル 「もう何度も謝ってるんです…」
 アスカ 「シュウも相当おかんむりってわけか。それなら………」

ちゅー。とコップの中のジュースを飲み干したアスカは咥えていたストローを離し、コップを持った手をハルの方に差し出した。

 アスカ 「おしおき、とか?」


  *

  *

  *


 アスカ 「というわけで来たんだけど」
 シュウ 「…普通に玄関から入って来いよ…」

シュウ部屋。
机で本を読んでいた俺は、突然亜空間からやってきたアスカにゲンナリとした顔で言った。

 シュウ 「それとハルのことならまだ許さないぞ。調子に乗ったのはアイツなんだ」
 アスカ 「それにはあたしも同意なんだけどね」
 シュウ 「つーか元凶はお前だろうに…」
 アスカ 「まぁそれはいいとして」

左手をプラプラと振り、いつものヘラヘラ顔で言うアスカ。
俺はため息をついた。

 アスカ 「ハルちゃんにおしおきしてあげてよ。それで許してあげて」
 シュウ 「…お仕置きって望んでしてもらうものじゃないと思うんだが」
 アスカ 「そうでもしてシュウと仲直りしたいんだよ、ハルちゃんは」
 シュウ 「はぁ……、で? 肝心のハルはどこにいるんだ?」
 アスカ 「ここ」

アスカは右手を持ち上げて見せた。
その指先に摘ままれた糸の先には、10分の1サイズに縮められ全裸に剥かれたハルが、両手を縛られた状態で吊るされていた。

 シュウ 「……いやお前、ヒトの妹に何してくれてんのよ…」
 アスカ 「この方がおしおきされてる雰囲気出るかなって思って。ほい」

アスカが右手をさらに突き出してくると、その指先にぶら下がっている小さなハルの体がぶらんぶらんと揺れた。
両手を上にあげた状態で手首を縛られている全裸のハルの姿は、旧時代の犯罪者や奴隷を彷彿とさせ非常に背徳的だった。
10分の1サイズともなればその身長は16cmほどとなり、ほとんど人形の大きさである。
人形のような大きさに縮められ、さらには全裸に剥かれ縛り上げられているその様は、まるでハルという人間からあらゆる権利を剥ぎ取ったかのようであった。

当のハルは顔をわずかに上げ俺を見上げている。
小さな顔の小さな瞳は涙に潤み、まさしく許しを請う受刑者のようだ。
むしろ俺の方に罪悪感が芽生える。

思わず、差し出されたアスカの手から、先にハルの吊るされている糸を受け取っていた。
その糸を持った手を上げ、顔の高さにハルが来るようにする。

 シュウ 「ハル…」
 ハル 「ごめんなさいお兄ちゃん…。どんなお仕置きしてもいいから、許して…」
 シュウ 「いやだからお仕置きってのは自分からねだるものではなくてだな…」

というかこんな有様のハルを見せつけられては怒りどころではない。
とっとと糸をほどいて…。

 アスカ 「ほらほらシュウ、早くおしおきしてあげなよ」
 シュウ 「いいよもう。気持ちは十分わかった」
 アスカ 「えー折角拷問シチュ用意したのに意味ないよー」

「ブー」と口を3にしたアスカが不満を漏らす。ホントにコイツは…。

 アスカ 「それにハルちゃんだって望んでるんだよ」
 シュウ 「だーかーら、自分で望んだ罰は罰じゃなくてだな」
 アスカ 「それはシュウの気持ち。これはハルちゃんの気持ちの問題なのよ。シュウが許してもハルちゃんが素直に受け入れられないわけ。だからあえてお仕置きすることでハルちゃんを納得させてあげて」
 シュウ 「……」

はぁ…。俺はまた溜息をついた。
まったくつくづく面倒な妹だが仕方が無い。そうして欲しいと望むなら兄として答えてやらなければならない。

 シュウ 「……しかしお仕置きしろって言われてもどうすればいいんだ」
 アスカ 「おしりぺんぺんとか?」
 シュウ 「この大きさのハルにそんなことどうやってやるんだよ…」
 アスカ 「そりゃもちろん」

言いながらアスカはシュウの手に吊るされたハルの背後へと手を伸ばすと、そのむき出しのお尻をデコピンで弾いた。
ぺち。
アスカの指がハルの尻を打ち小さな音を立てると、吊るされたハルの体がビクンと痙攣した。

 ハル 「ひん…っ!」
 アスカ 「…こんな感じ?」

アスカが言った。
デコピンの反動でハルの体はぶらんぶらんと前後に揺れ、さらにその体は痛みをこらえるようにもじもじと動いている。
デコピンは決して強いものではなかったが、ハルの体は大きく揺れ、そしてその小さな尻は赤くなっていた。
アスカの中指の爪が打ったからだ。硬い爪に打たれてハルの尻はビンタを喰らったようにはれ上がっている。

 シュウ 「いやこれは…」
 アスカ 「ほーら、ハルちゃんも待ってるよ」
 シュウ 「…」

見下ろしたハルはアスカのデコピンの痛みに顔をしかめていた。
しかし嫌がりはしない。歯を食いしばって痛みをこらえているようだが、やめるようには言わなかった。

 シュウ 「……わかった」

俺は意を決し、ハルに後ろを向かせた。
小さな小さな裸の体はフィギュアのようであったが、フィギュアと呼ぶにはあまりにもリアルな肉感が、奇妙なエロスを掻き立てている。
腕をつるし上げられている状態からの肩甲骨の隆起。背中から腰、尻への流線。痛みに身もだえる際の肉の動きは作り物のフィギュアにはあり得ないものだった。

そんなハルの尻の前に、ハルを吊るしている方とは逆の手を持ってくる。

 アスカ 「あんまり強くやっちゃダメだよ。力入れすぎるとお尻の皮が裂けて肉が飛び散っちゃうからね」
 シュウ 「怖いこと言うな!」

アスカの言葉に脅かされながらも、俺はデコピンを構えた指をハルの尻の前に持ってくると慎重に慎重に加減し、デコピンを放った。

  ペチ

 ハル 「ひゃんっ!」

指がハルの尻に当たったかと思った瞬間、ハルが甲高く悲鳴を上げた。

 シュウ 「だ、大丈夫か!?」

俺は慌ててハルに声をかける。
ぶらぶらと揺れるハルは体をよじらせたり脚をすり合わせたりして痛みに体を悶えさせている。
力を入れたつもりは全くなかったが、それでもこの大きさのハルにはかなりの威力になってしまっているようだ。

 シュウ 「も、もういいだろ? これで終わりだ!」
 ハル 「う、ううん…ダメ…。もっとお仕置きして…」

目端から涙を流しながらも、ハルは言った。

 シュウ 「うぐ……わ、わかったよ…」

俺はもう一度、ハルの尻を打った。するとまたハルは悲鳴を上げた。
さらに打つと、また悲鳴を上げた。
もう一度。もう一度。デコピンを打つ指先にハルの尻に触れた感触がするたびにハルが悲鳴を上げ、その悲鳴が俺の胸に突き刺さる。
出来ればさっさとやめたいが、ハルがこれを望むとなると…。

俺は心苦しさに苛まれながら、ハルの尻を打ち続けた。


  *


ペチ。ペチッ。

もう何度聞いたかもわからないデコピンの小さな炸裂音がハルの尻から飛び散った。
すでにハルは悲鳴も上げなくなっていたが、それでもハルはやめようとはしなかった。
しかし流石にもう…と思って俺がやめるよう切り出そうとした時だった。
次のデコピンがハルの尻を打った時、

  ブシュウ

 シュウ 「う!?」

小さなハルの股の間から液体が噴き出した。

 アスカ 「ありゃ? もしかしてハルちゃん、潮噴いちゃった?」

アスカがハルの顔を覗き込む。
小さなハルの体はビクンビクンと痙攣しており、顔はほとんどアへ顔だった。

 シュウ 「お、おい、ハルは…」
 アスカ 「んーつまりアレだ」
 シュウ 「な、なんだ?」

ふむふむと得心が言ったような顔をするアスカに俺は食い気味に顔を寄せる。

 アスカ 「ハルちゃんはシュウにお仕置きされてイっちゃったってことだね」
 シュウ 「……は?」
 
一瞬、呆ける。

 アスカ 「つまりハルちゃんはシュウにお仕置きされるのが気持ちよくなっちゃったってこと」
 シュウ 「…」

ビクンビクンと体を痙攣させるハルをぶら下げたまま、俺は呆然とした。

 シュウ 「……………。……いや、いやいや、ん? あれ? これってハルのお仕置きのためにやってたんだよな? ハルの罰のためにやってたんだよな?」
 アスカ 「どーやら途中から痛みが快楽に変わっちゃったみたいだね。Mが目覚めちゃったみたい。シュウにお仕置きされるのが快感になっちゃったんだね」
 シュウ 「………………………」

それじゃ意味ねーじゃん!!
罰を与えるためにやってるのにそれで悦んでたらなんのためにやってるんだよ!!

 アスカ 「流石ハルちゃん。大好きなシュウにお仕置きされることで自分を罰していたはずなのに、それをご褒美に昇華するなんて」
 シュウ 「……もうやめていいよな……」

呆れてものも言えん…。

が、

 ハル 「やだ……もっとお仕置きして…」

小さなハルが身を悶えさせながらねだってくる。

 シュウ 「……」
 アスカ 「おお、目覚めたばかりでもうドM全開。うんうん。欲求に忠実」
 シュウ 「…もうやだこの妹……あと幼馴染…」

帰りたくなってきたがこここそが俺の部屋なのですでに帰っていた。つまり帰れない。
放り投げよう。

 シュウ 「…アスカ、あとはお前に任せた」
 アスカ 「いいけど中途半端にやめると不完全燃焼のハルちゃんがまたシュウを怒らせるためにこないだと同じことするんでない?」
 シュウ 「……ほんとやだこの妹…」

俺は右手にハルをぶら下げたまま、左手で顔を覆って泣いた。

 アスカ 「とはいえこのままデコピンを続けると本当にハルちゃんのお尻が弾けかねないし、別の方法を考えないとね。かと言ってこの大きさじゃ変な事するとすぐ潰れちゃいそうだし」
 シュウ 「じゃあどうするよ…」
 アスカ 「簡単簡単♪」


   *

   *

   *


  ドッスウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!

どこぞの都市の上に1000倍に巨大化したハルが座り込んでいた。
体は全裸のまま。お尻もまだ赤く、表情は苦痛の快楽の中でうつろである。
縛られていた手は解かれ、火照った頬は紅く染まり、吐き出された熱い息は雲となって周囲を漂い始めた。

突然、山のように巨大な全裸の大巨人が現れたことで都市は大パニックになった。
逃げ惑う人々は右も左もわからぬほどの大混乱の中、悲鳴を上げながら逃げ惑う。

しかしそんな人々の悲鳴も座りながらにして1000m近い高みにあるハルの耳には届かない。
届いたところで、今のハルには眼中に無いことだろう。


そんなハルの近くをパタパタと飛ぶ一機のヘリ。
中にはアスカとシュウが乗っていた。

 アスカ 「ほい、小さいのがダメなら大きくすればいいのよ」
 シュウ 「いやお前なぁ…」

操縦席に座るアスカが笑いながら振り返ると、シュウのホントにげんなりした顔が見えた。

 シュウ 「大災害じゃねーか……てかこのサイズ差でどうやってハルをお仕置きするんだよ…」
 アスカ 「ホントはシュウにも巨大化してもらってハルちゃんのお尻にでもビンタしてもらおうかと思ってたんだけど、やでしょ?」
 シュウ 「嫌だけど…」
 アスカ 「巨大男女の逆SMプレイも面白そうだったんだけどなー。まぁしょーがないんでこのヘリを使いましょ」
 シュウ 「こんな小さなヘリでどうやって…」
 アスカ 「まぁ見てて。あーあー、ハルちゃん聞こえるー?」

アスカがマイクに向かってしゃべった。
するとハルの巨大な頭部がゆっくりと周囲を見渡した後、コクンと頷いた。

 アスカ 「今からシュウが虐めてくれるから、お尻出してー」

アスカが言うとハルの巨体が動き出した。
お尻を浮かせ、同時に上半身を前に倒していく。そのまま、上半身は地面に着いた。犬猫の『伏せ』のポーズだ。
そのとき、無数の建物と人々がおりてきたハルの体の下敷きになって押し潰されたが、ハル自身はそれに気づいていないかのように無関心だった。
あのハルの巨大な乳房が押し付けられている辺りは時に圧力が強いだろう。巨大な乳房が潰れてハミ乳になっているくらい体重が乗せられているのだから、その乳房のさらに下にあった街はとんでもない重圧に晒されたはずだ。

上半身を伏せたハルは浮かせた尻をそのまま高く突き上げた。
下半身は膝立ちになり、尻が体で一番高いところに来た。
ヘリに乗る俺たちの目の前に、突如巨大な双子山が上ってきたのだ。ぷりんとした尻の双球が、ヘリの飛ぶ高度数百mの位置まで急上昇してきたのだ。あっという間に、そこに山が出現していた。

そのあまりの迫力に俺は気圧されていた。何もなかった目の前の空に、突如山が現れたのだから。
しかもそこはさきほどまでハルの顔があった位置に近く、ハルの呼気が雲を作っていた場所だった。そのハルが作った雲海を突き破って、山が現れたのだ。
ハルの吐息が作った雲海。しかもそれをハルの尻が突き破って山になる。
あまりにも壮大なスケールの人工的な自然現象だった。

 シュウ 「う、うぉぉ…」
 アスカ 「さ、シュウ。このスイッチを押して」
 シュウ 「は? スイッチ?」

アスカが指さした先には赤色のスイッチがあった。
言われた通りそのスイッチを押す。
するとヘリの先端からビームが発射された。

 シュウ 「はぁ!?」

そのビームはまっすぐに飛んでいき、前方にあるハルの尻の左の山に命中した。

 ハル 「ひゃん!!」

するとハルが悲鳴とともに体を大きく痙攣させた。
俺たちの眼前にあった尻山が震えたかと思うと周囲の雲海を散らすかのように激しく動いた。
山のように巨大な尻が動いたことで大気が鳴動し凄まじい突風が襲ってきたが、そこはアスカの操縦技術で回避される。

 シュウ 「な…」
 アスカ 「うんうん、そこそこの威力ね。メガ粒子砲」

そんなもん積んでんのか…。

 シュウ 「てかそんなので撃ってハルは大丈夫なのか!?」
 アスカ 「ビルくらいなら消し飛ばせる威力だけど、ハルちゃんにとっては静電気みたいなものよ。だから丁度いい刺激になるでしょ」

そんなアスカの言葉を肯定するように、再びあの巨大な尻山が上ってきて、同時に大気がビリビリ震えるほど巨大な声が轟いた。

 ハル 「お、お兄ちゃん…今の…もっと頂戴…」

おねだりするように、ハルの巨大な尻が左右にふりふりと振られる。そのせいで周囲にはまた凄まじい突風が巻き起こった。

 シュウ 「……」

ピッ。俺はまたスイッチを押した。
するとまたヘリからビームが放たれ、ハルの尻に命中する。

 ハル 「あぅん!」

ハルの喘ぎ声が空に轟き、身もだえる体は大地を揺るがした。
ピ、ピ、ピ。スイッチを押すたびにビームが発射され、次々とハルの尻に命中していく。
そのたびにハルの体は大きく痙攣し、同時に町中を震わせた。

すると再び絶頂を迎えたのか、ハルの股の間から大量の愛液が噴き出した。
ブシュウ! それは体を支えているハルの両膝の間に降り注ぎ、一瞬で湖を作った。
仮にまだそこに生き残っている住民がいたとしたら、凄まじい放水による絨毯爆撃で一瞬でズタズタになってしまったことだろう。



そのまま、体の力が抜けたのか、膝によって支えられなくなったハルの体は崩れ落ち完全にうつ伏せのような格好になった。
都市の数区画が、ハルという一人の人間の体の下敷きになった。しかもその股間の周囲は完全に水没していた。

 シュウ 「………とにかく、これで終わったわけだ…」

高高度から見下ろすハルの体。
人工の建築物の多い都市が全体的に白か灰色に近い色合いをしている中で、ハルの肌色の体だけがくっきりと浮かび上がっている。
多くの建物が崩れ落ちほとんど廃墟と化してしまった都市の中にうつ伏せで横たわる巨大妹を見下ろして俺は何とも言えぬ脱力感を覚えた。
ハル一人の、しかも罰という名のご褒美オナニーによって町一つが壊滅してしまった。
まだ無事な建物は多いが少なくともハルに触れてしまった建物は崩れ落ちて瓦礫に変わっている。最後 体が崩れ落ちた時の衝撃で、近場の建物はほぼ全壊状態である。

 アスカ 「じゃ、帰ろっか」
 シュウ 「本当にこのためだけにデカしたのかよ!」
 アスカ 「今回の話の目的はシュウとハルちゃんを仲直りさせることと、ハルちゃんにM属性を追加することだから。それ以外はおまけ。最初は巨大化させるつもりはなくて、ひたすらチビハル子ちゃんをお尻ぺんぺんするつもりだったからね」
 シュウ 「なんて無駄な…」

色々と無駄なシナリオと無駄な巨大化に頭が痛くなる…。

 アスカ 「でももうちょっとだけ大きくしてみようか」
 シュウ 「は?」

俺が聞き返す前に、アスカは手に持っていたスマホを「ポチッとな」していた。
瞬間、

  ずどどどどどどどどどどどどど!!

眼下の都市の上に横たわっていた巨大なハルの体が、さらに10倍の大きさに巨大化した。
あっという間に1万倍の大きさである。はるか下の方にあった双子山でもあったハルの尻が、あっという間に眼前にそびえる巨大山へと変貌していた。

ハルは身長16kmの大きさで都市の上に横たわっていた。
まだ無事だった多くの建物が、ハルの巨大化の際に巻き込まれその下敷きとなってすり潰されていった。今のハルからすれば高さ100mの超高層ビルですら高さ1cm程度の感じである。指先でちょいとつまむこともできるし、そのまま捻り潰すことだって容易だ。

ただでさえ大災害を被っていた都市が、一瞬でそれまでの10倍以上の災害に見舞われた。

 アスカ 「んー、ビル群がハルちゃんのおなかの下ですり潰されている」
 シュウ 「余計な事すんな! さっさと戻るぞ!」
 ハル 「えぇー…、もっとぉ…」

ハルの巨大な声が轟いて空がビリビリと震えた。
再びハルが尻を突き上げ、こっそりと上空に避難していた俺たちの眼前にまたハルの尻という山が現れた。しかも10倍の大きさになって。
更にハルは両手で自らの尻を掴み、グイと広げて見せた。直径100m全長600mにもなる超巨大な指たちが肌色の山の向こうからぬぅっと現れたかと思うとその山肌をガシッと掴み左右に広げたのだ。
結果、尻の谷間がグバッと開かれ、双子山の谷底に秘されていたハルの肛門が俺たちの眼前におおっぴらにされる。

 シュウ 「…」

ハルから見る俺たちのヘリは全長1~2mm程度。逆に俺たちから見るハルの肛門は直径300m超。
今、俺の目の前には他所よりも色素の濃い噴火口のような超巨大肛門が存在していた。中央に向かって窄んでいる肛門は放射状にシワが広がっておりそのシワのひとつひとつが深さ10mほどもある。
興奮からか肛門は収縮を繰り返していて、眼前を埋め尽くすほど巨大な肛門がビクビクと不規則に震え動く様はおぞましさを覚える。
そんな巨大な肛門の周囲には多少の毛が生えていた。しかしそれぞれの長さは数百m。下手に動いてあの毛にぶつかるようなことになれば、こんなヘリなどあっという間に叩き落されてケツ毛にぶら下がるゴミにされてしまうだろう。

 アスカ 「おおー、ちゃんとキレイにしてるねー、シュウ」
 シュウ 「いや、あのな…」
 ハル 「ん……、そんなまじまじと見られたら…」

突如、ハルの肛門がギュッと引き締まった。俺に見られることでキてしまっているということだろうか…。
案の定というか、はるか下のハルのアソコからはおびただしい量の愛液が滝のようにあふれ出し直下の廃墟を湖に変えていた。

 アスカ 「羞恥プレイか。流石シュウ、やるわね」
 シュウ 「…もう好きにしてくれ」
 アスカ 「ほらほら、いいからはよ撃ってあげて」

アスカに促され、俺は溜息をつきながらハルの肛門めがけてビームを発射した。
ビームは狙い違わず次々とハルの巨大な肛門に命中していく。そのたびにハルはビクビクと体を痙攣させ小さく身もだえる。
光度はともかく、このビームはハルからすれば目にも見えないような細い光線だ。いくら強力でも、巨大すぎるハル相手には針でつつかれた程度のかゆみにしかならない。
だが感触があまりにも微細すぎる故に、ハルは内にゾクゾクと沸き立つような快感を得ていた。
焦らしプレイである。

 アスカ 「いい感じいい感じ。これならもう一回くらいイケそー」
 シュウ 「さっさと終わんねーかなー…」

などとやっていると突然アラートが鳴りだした。

 アスカ 「あ」
 シュウ 「え、どうした?」
 アスカ 「軍隊出てきちゃった。後方から戦闘機群」
 シュウ 「はぁ!?」

見ればヘリのモニターのひとつに、後方から接近する戦闘機たちの映像が映し出されていた。

 シュウ 「な、なにか迎撃する武器は」
 アスカ 「メガ粒子砲」
 シュウ 「それ以外で」
 アスカ 「無い」

という間に、戦闘機たちは次々とミサイルを発射してきた。
無数のミサイルが雨あられと飛び込んでくる。
それらは狙いを外したのか、もともと狙っていなかったのか、俺たちの乗るヘリを避け、その向こうのハルの肛門へと次々と命中していった。
直径300mの肛門の表面で、無数の爆発が起きる。
直後、ハルの尻が大きく震えだした。

 アスカ 「あ。やば。逃げるよ」
 シュウ 「え…」

  シュパッ

ヘリは戦闘機たちの眼前で忽然と消え去った。
ただ、目の前でヘリが消え去るという異常事態も、それ以上の超異常事態を目の前にしている戦闘機たちにとっては些事であった。
山のように巨大な人間への攻撃。
戦闘機たちは果敢に向かっていった。
直後、

  ブゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

今度は戦闘機たちは消え去った。
毛先でくすぐられるようなこそばゆい刺激を肛門に無数に受け、つい括約筋を緩めてしまったハルはうっかりとおならを放ってしまった。
放たれたガスの大砲は正面にいた戦闘機たちに直撃、数十機いた彼らを一匹残さず塵にしていた。
直撃の直前、彼らは正面に迫る巨大な菊門がグモォッと開いたのを見た。

盛大に放たれたおならは戦闘機を全滅させた程度では収まらず数秒間放出され続けた。
お尻が突き上げられていたために直下の町に直撃し吹き飛ばしはしなかったが、空に向かって勢いよく放たれたおならは空も大地もビリビリと揺さぶった。
1万倍サイズのハルの放屁の衝撃は周辺の町のすべてのガラスを粉々に吹き飛ばし、振動だけで直下の町を瓦礫に変え、無数の人々の鼓膜をぶち破った。
お尻周辺の空気は黄色く濁り、もやがかかったように視界が悪くなっている。

町を直接消し飛ばしたわけでもなく、微細すぎる町並みの変化は見て取れなかったが、少なくとも云百万という人々の前でおならをしてしまったハル。


そんな様子をさらに上空から見下ろすヘリ。

 アスカ 「いやぁテレポが間に合ってよかったー。うっかりあたしたちまで消し飛ばされちゃうところだったよね。放置プレイならぬ放屁プレイ」
 シュウ 「んなこと言ってる場合かよ…」

超高高度にあるヘリは、未だ地響きのように重々しいゴゴゴゴという音が轟いているのを聞いた。
ハルの一発のおならが世界を揺るがしているかのようだ。

 アスカ 「さー駆け足でいくよー。次は「うっかり人々の前で盛大に一発かましてしまったハルちゃんが羞恥のあまりさらに巨大化する」シチュ」

シュウがツッコもうとしたとき、眼下のハルの巨体がムクムクと大きくなり始めた。
ゆっくりと巨大化していく全裸のハル。その最中、また多くの建物などが巨大化するハルの体に巻き込まれていく。
快感や放屁の羞恥のあまり力が抜けたのか力なく地面にうつ伏せになるハルの体は、本人の意志とは関係なく新たに多くの町を下敷きにすり潰していった。

やがてハルの体は10万倍サイズにまで至った。
身長160km。山や森の緑色、街の白色灰色が混在する地面の上に、明らかに異色の肌色の存在があった。
足のサイズだけでも24km。足裏の面積は小さな町数個分はあるだろう。実際、今地面に突っ伏すハルの体はすでにいくつもの町を下敷きにしている。
100mが1mmに見えるサイズである。東京タワーが3mm強。スカイツリーが6mm強。富士山が4cm強である。

そして10倍もの大きさになった後も、ハルの巨大化はとまらなかった。

 シュウ 「な、なんでだ?」
 アスカ 「きっと巨大化の途中でたくさんの町を巻き込んで潰したのが快感だったんだね。それが更なる巨大化につながる。無限ループって怖くね?」

もちろん物理的刺激の快感もある。
うつ伏せになって地面に押し付けられている胸や股間に巨大化の過程で町が山などが次々と巻き込まれていた。それは乳首やクリトリスをこすっているに等しい。
1万倍の時点で高さ100mビルは1cm程度の大きさになる。巨大化が始まるとそれらは次々とハルの股間や乳房に巻き込まれすり潰されていく。当然1万倍サイズのハルの体の頑強さや質量でただの建築物などがかなうはずもなく、それらはハルの股間や体に触れた瞬間にガラガラと崩れ落ち巨大化する体の下に巻き込まれてすり潰される。
巨大化する体はいわば波。ロードローラーのように回転するものならば押し潰す力も縦に働いただろうがハルの体はただただ横に動きぶつかったものを砕くだけ。流線形に丸みを帯びた体は砕いたものを地面と体との間に引きずり込みその凄まじい質量と圧力と運動力の間で粉々以上にまですり潰す。微粒子レベル。

巨大化していくハルの肉体は、周辺の人々から見たら肌色の津波のようなものだった。
巻き込まれればあっという間に潰れてしまうだろう。建築物などですらそうなのだから人間のひ弱な生身などシミすら残らない。
人々は悲鳴を上げながら、そうやって巨大化し襲ってくるハルという大津波から逃げていた。

特に地面の上に突っ伏すハルの脚の間に囚われていた人々は悲痛だった。
左右を長さ8kmほどもある超巨大な脚がまるで山脈の横たわって遮っている彼らの逃げ道は、その山脈の彼方、つま先の方しかなかった。背後には標高数千mにもなる巨大な尻の山があり、その脚山脈の結合点には恐ろしく巨大な股間があった。
そしてそのふもとには天然のクレバスかとも思えるくらいに巨大な女性器が縦にパックリと裂けていて、それが地面にずっしりと押し付けられたまま、巨大化によって高速で迫ってきているのだ。
巨大化の過程で突き進んでくる陰唇はビルなどに触れるとそれを一瞬で粉砕して自身の割れ目の中に呑み込んでいく。すでにぐっしょりと濡れている陰唇は陽光に照らされヌラヌラと光っていて、まるで天然の鍾乳洞か超巨大な怪物の口を思わせた。

人々は泣き叫びながら逃げた。すり潰されて、怪物サイズのマンコに呑み込まれるのは誰だって嫌だった。
しかしハルの巨大化の速度は人々の走る速度よりずっと速い。次々とぶつかって砕かれ呑み込まれていく建物たちのさなかに、その何百倍の人が巻き込まれていることか。
しかもこれは巨大化であってただの移動ではない。迫るマンコはどんどん巨大化し、巻き込む範囲を拡大していく。一区画を一瞬で粉砕しする。
かつての100mのビルもハルから見れば今は数mm。地面から土台ごとめくり上げられ原形を保ったまま浮かび上がったビルがそのままマンコに呑み込まれていく。
あまりにも巨大すぎて、最早潰されることもなく生きたまま呑み込まれる人々が続出していた。めくりあげられた地面に乗っていた人々、建物の中にいた人々、すでに数万人がマンコの中に消えていた。
その様はすでにビルなどを粉砕しているというよりも街そのものを呑み込んでいるよう。街を食って巨大化する貪欲な怪獣のようだ。
最初、はるか遠方にいた人々はその姿が霞むほどに遠くから成り行きを見守っていた。しかし今は、ビル群などの背景、山脈などの背景に、それらを今にも呑み込まんと影を落とすほどに巨大となって彼らの目の前へとやってきていた。

股間による破壊など氷山の一角。巨大化するハルの体は全身であらゆるものを引きずり込みすり潰しながら被害を拡大していた。
10万倍に到達した時点で、横たわっているハルの体より高いものは地球上には存在しなかった。エベレストですら、ハルの巨尻山の陰に隠れてしまう。
そしてなおも続く巨大化は、クリトリスや乳首にこすり潰される町や山の感触で侵攻を続け、100万倍に至ったところで、ようやく勢いも納まった。

今や身長1600kmとなったハルは日本列島の上にかぶさるようにうつ伏せになっていた。
頭は北海道の太平洋沖に、つま先は九州に届き、東北はハルの小惑星サイズとなったとんでもない爆乳に押し潰され、北陸、東海、関東の境付近は股間が押し付けられている。

日本の上にうつ伏せになるハルを宇宙空間のヘリから見下ろすシュウとアスカ。

 シュウ 「…」
 アスカ 「やっと止まったね。このくらいの大きさになっちゃうと地面が柔らかくなりすぎちゃってこすりつけても気持ちよくないんだね、きっと」
 シュウ 「どうすんだよ…」
 アスカ 「どーもあたしのアプリの効果とハルちゃんの快感が混ざって巨大化がコントロールできなくなってるみたいね。一回思いっきりイかせてすっきりさせてからじゃないと戻せないみたい」
 シュウ 「マジか…どうすればいい?」
 アスカ 「なぁに簡単簡単。巨大化はコントロできないけど感度はできるからハルちゃんの感度を上げてもっとオナニーさせればいいわけよ。えい」

ピッ。
アスカがスマホをタッチした。
すると地球上のハルの体がビクンと震え、体をよじらせ始めた。どうやら胸や股間を地面にこすりつけているらしい。今度は自分から体を動かして乳首とクリトリスをいじるつもりのようだ。

 シュウ 「……ってそれじゃ日本が壊れる…!」
 アスカ 「もう手遅れだしいーんじゃない。ならハルちゃんのおもちゃにさせた方が効率的だし」

などというやり取りの間もハルは体を積極的に日本にこすりつけていた。
上半身を左右に動かすことで日本に押し付けられている胸もずりずりとこすりつけられる。押し付けられている乳房はその片方でも県ひとつがすっぽりと納まるほどの範囲を押し潰しており、そんな乳房がぐりぐりと前後左右にこすりつけらると、東北地方はあっという間にこすり潰され削られて、消滅してしまった。
今ハルが体をどければ、それまで東北地方があった場所に大量の海水が流れ込み、海に没してしまうだろう。

押し付けられる股間は何もかもゴリゴリと砕いて粉砕している。大きく勃起したクリトリスは地中に数十kmも深く突き刺さり、硬い岩盤を砕く刺激を快感へと変えていた。
股間がこすりつけられることでその周囲の陰毛も地面へと襲い掛かった。直径およそ1km、全長数十kmの陰毛たちが地面や町などに突き刺さり滅茶苦茶にしていく。

胸と股間だけではない。押し付けられた腹は関東地方を真っ平らにこすり潰し、太ももなどは北陸・東海地方を押し潰し、つま先は九州を島ごと蹴り飛ばして、左手は北海道を掻きむしっていた。
快感のあまり激しく身もだえるハルによって、日本が壊滅していく。唯一ハルの体が直接届いていない沖縄も、1600kmの巨体のハルが本州で暴れれば、当然大打撃を受ける。

 アスカ 「ん~いいよがりっぷり。ほらほらハルちゃん、シュウも見てるよー」
 シュウ 「バっ……!」
 ハル 「お、お兄ちゃんが……」

シュウが見ている。
その言葉に股間と胸がキュンと来たハルはゴロンと寝返りをして仰向けになると右手を股間に、左手を左の乳首へと持って行った。

 ハル 「も、もっと見て…」

とろんとした表情で宇宙を見上げて言うハル。
やがて両手で自身を愛撫し始めた。

ハルの乳房は胸板からの高さだけでも標高150kmほどにもなる。その頂にそびえる乳首だけでも10kmにもなろう。乳頭だけでエベレストより高い。エベレストは乳頭の作る影に隠れてしまうだろう。
そんな世界最高の山よりも大きな乳頭を、さらに大きな指がぐりぐりとこね回している。直径15kmほどにもなる指によって、山よりも巨大な乳頭がぐにぐにと形を変える。
乳首を愛撫しながら乳房も揉む。地球最大の山の10倍以上大きな乳房を片手で揉みまわす。

股間へと伸ばされた手はクリトリスを愛撫したのち陰唇の中に挿入された。
すでに濡れていた陰唇は直径15km全長60kmもの巨大な指たちを数本もペロリと呑み込んだ。
ずっぷりと音を立てて指が沈んでいく。そして手は前後運動を始め、指たちはマンコを愛撫し始めた。

 ハル 「あん……っ」

頬を赤く上気させ、口から喘ぎ声を漏らすハル。地球の反対側にさえ届くほど巨大な喘ぎ声はかつての日本をすさまじい大揺れに見舞った。
体をよじらせ今度は背中と尻で日本をすり潰し、右ひざは立てられ、右足はズンと日本海を踏みしめている。
左足はかかとで海底を蹴とばし、水深100kmを超える海底渓谷を作り出した。

絶対に見ることはできないほど小さな兄。
しかしその視線を確かに感じ、ハルは体を弓なりにこわばらせた。

 ハル 「お、お兄ちゃああああああああああああああああん!!!」

ブシュウウウウ!!
高く浮かび上がった股間から迸ったすさまじい量の愛液はかつての中国・四国地方に降り注ぎそれらを完全に押し流した。
弓なりにこわばった体から力が抜け、浮いていた体が日本の上へと落下する。

  ずうううううううううううううううううううううううううううううん!!!

それが日本のとどめとなった。
絶頂を迎えたハルは深呼吸のように深く呼吸しながらも、うっすらと目を開け満足そうな笑みを浮かべた。
しかしその目はすぐに閉じられ、呼吸は寝息へと変わった。
疲れて眠ってしまったのだろう。

かつて日本だったものの上に寝転がってすーすーと寝息をたてる妹を見下ろしてシュウはため息をついた。

 シュウ 「終わった……。色々な意味で…」
 アスカ 「いやーおつかれさん。結局後半はおしおき全然関係なかったね」
 シュウ 「もうどうでもいいよ…」

はぁ…。最早ため息をつくだけの機械と化した俺はハルを見下ろし続けた。
寝転がる全裸の巨大ハル。その体の至る所で小さな小さな爆発が起きている。どうやら国々がハルに向かってミサイル攻撃を始めたらしい。
いくつものキノコ雲がハルの体の上で巻き上がる、が、それらはハルにとってはかゆみにも値しないらしく、ハル自身はすやすやと健やかな寝息を立てるままである。

 アスカ 「んー。日本を元に戻す前にハルちゃんを元の大きさに戻さないといけないんだけど、そのためにはミサイルが止むのを待たないとダメだね。それまでちょっとお茶してよっか」

アスカが言うとヘリの床からテーブルとティーポットが現れた。
そしてしばし、ミサイル攻撃を受け続ける日本サイズの全裸ハルを眼下に、俺たちはティータイムに突入したのだった。






んーなんだコレ。